とある不死者の喰らい合い
Added 2021-04-30 15:00:00 +0000 UTC―――神崎杏奈は、不死身だ。 この世に産まれ、三十を過ぎた頃に、その体の成長は止まった。 しかし杏奈は悲観しなかった。それが自分という存在であるのだと思った。 怪我をしてもすぐに治り、三十で止まった肉体は決して老いる事はなく、何十年経ってもそれは変わらなかった。 だから彼女は旅に出る事にした。 そうすれば、自分を心配してくれる者たちも、いつかは消えるだろうと思った。 もはや不死であった彼女は、幼い事からその人生観は達観していた。 それから、百五十年の月日が経った。 未だ、自分と同じ不死者は現れず、自由気ままに、世界中を歩き回る杏奈。 だが、そんな彼女にも、どうしようもない事がついに起こってしまった。 「流石に参ったわね・・・これは・・・」 見渡す限りの海。背後には、あまりにも小さな孤島。 杏奈は、飛行機で移動したときに、エンジントラブルによって乗っていた飛行機が墜落してしまったのだ。 しかも相当な勢いで落下していたのか飛行機は空中分解、そのまま外へ投げ出され、何かに頭をぶつけた際に気を失ってしまったのだ。 そして、気が付いた時には、この小さな無人島に一人取り残されていたのだ。 (荷物はない、服はボロボロ・・・溺死でもしなないっていうのは分かってたけど、流石にこれは想定外だわ・・・いいえ、百五十年生きて海で遭難しなかったっていうだけで儲けものね・・・) だが、一つ腑に落ちない事がある。 「どうして服の半分がないの・・・?」 来ていたのはそれなりに値の張るスーツだ。しかし、その右半分が綺麗になくなっており、杏奈のグラマラスな肉体の半分が日の目を見ていた。 誰もいないとはいえ、これは流石に恥ずかしい。 しかし、どうしてこうなったのかは容易に想像がつく。 (まあ、飛行機の翼なんかに真っ二つにされたっていうのが妥当ね・・・) それにしてもこんなに綺麗にすっぱり行くとは思わなかったが。 (前に上下で真っ二つにされた事はあったけど、あの時は上半身だけが再生したのよね・・・やっぱり脳みその関係かしら?まあ、別にいいけど) 気にしても仕方がない。今はここから脱出する方法を探さなければ。 「飲まず食わずでも生きられるし、しばらくはここに留まるしかないか・・・」 なんて思い、杏奈は島を一周するつもりで歩き出す。 島は確かに小さく、木は生い茂って入るが食べられそうな実をつけていない。 しかも原生生物もいなさそうだ。 杏奈でなければ、おそらくこの時点で脱出以外の方法は思いつかないだろう。 何はともあれ、杏奈は海を見ながら歩いていた。 それ故に、向かい側から来るもう一人の存在に気付かず、その曝け出された右半身の乳房が、相手の左乳房にぶつかってしまった。 「「きゃあ!?」」 思わず飛び退いてしまう杏奈。 自分のと同じくらい柔らかいものに驚いてしまったのだ。 「「な、なに・・・!?」」 そして思わず、突然現れたもう一人の存在に気付いた、絶句した。 そこにいたのは、『神崎杏奈』だったからだ。 全く同じ顔の、もう一人の杏奈が、目を丸くしてこちらを見ていたのだ。 (うそ、なんで・・・) そして、気付く。 相手の杏奈の服装は、左半身がきれいさっぱりに消えたスーツであると。 つまり、目の前にいる相手は―――― ((私の半身・・・!?)) まさか、左右に真っ二つにされただけで、同じ人間が二人になってしまうとは思わなかった。 そこまで自分はすごい不死身なのか。 そんなわけで、お互いに黙り込んでしまう杏奈と杏奈。 「・・・・」 「・・・・」 お互いが自分の半身だと分かっても、相手とどのように接していいのか分からない。 社交辞令ならばいい。だけど相手はまさしく自分だ。 どのようにすればいいのか何も分からない。 しかし、このままではずっとこのままだ。 「・・・あなた、私、なのよね・・・?」 「・・・あなた、こそ・・・」 右の杏奈が、左の杏奈に問いかけ、左の杏奈が右の杏奈の質問に答える。 その途端、二人の間で言い知れぬ感情が渦巻いた。 気持ち悪い。 自分と同じ存在であるからか、それとも同じ不死身であるからかは分からない。 ただ、猛烈に、相手のことが気持ち悪いのだ。 それは、相手も同じようで――― 「なにみてんのよ」 「そっちこそ」 何か、正当な理由が欲しくて、嫌みな言葉を発する。 「何か文句あるわけ?」 「文句があるのはそっちでしょ?」 「なによ、偉そうに・・・っ!」 「コピーの分際で口答えしないで」 「はあ!?コピーなのはそっちでしょ偽物!」 「なんですって!?」 ここには二人しかいない。 ゆえに、止める者はおろか、傍観する者たちもいない。 ゆえに、二人がぶつかることは必然だった。 「その服返しなさいよ!お気に入りなのよ!」 「そっちこそかえしなさい!半分だけあっても仕方がないわ!私がもらってあげる!」 お互いの半分だけになった服を掴み合い、引っ張り合う。 半分になったスーツはいとも容易くはだけ、すぐさま二人の豊かな乳房が露わになる。 しかしそれでも二人は相手を振り回そうとして暴れ、振り回しては振り回されるような光景になる。 「あっ!?」 しかし、足元は砂浜、左の杏奈がバランスを崩してしまう。 それを見た右の杏奈は左の杏奈をしたにするように倒れ込む。 「くっ!どきなさいよ!」 「あらあらコピーは随分と口うるさいのねぇ?」 上になった杏奈は勝ち誇ったように上から杏奈を押し潰す。 乳房が潰れ、腹が密着し、お互いの体が密着する。 「ほらほらぁ、潰れてるわよ?」 「調子にっ・・・!」 嘲笑うかのような右の杏奈に、左の杏奈は怒りを隠そうともせず手を伸ばした。 そして、その長い黒髪を掴み、一気に引っ張る。 「いっづっ!?」 突然の事に反応できず、ごろん、となすがままに、上から下ろされ、すぐさま左の杏奈が右の杏奈の上に覆いかぶさる。 「さっきはよくもやってくれたわね劣化コピー!」 「何よっ、コピーは貴方の方でしょ!?」 ぐにゅう、と体重にまかせて右の杏奈の胸を押し潰す。 曝け出された乳房同士が重なり合い、ぐにゅう、と形を変える。 軽く汗ばんだ肌が密着し、奇妙な感覚を二人は味わう。 ((気持ち悪い・・・っ!)) その感覚を拒絶するように、杏奈たちは顔を歪め、唐突に体を起こした左の杏奈は拳を振り上げた。 「私と同じ顔を、してるんじゃないわよ!」 「ぎゃあ!?」 なんの容赦もなく、その顔面を殴りつける左の杏奈。 喰らった方の右の杏奈は鼻先に強烈な痛みを感じ、思わず鼻を抑え悶絶する。 「なによ、なによなによ!初めて会った不死者が同じ自分だなんてわけわかんない!どうしてくれるのよ!どうして貴方なのよ!」 「ぎゃっ、ぐっ、あ、ぎひゃっ!?」 顔の形を変えるつもりで何度も拳を叩き続ける。 だが、下になっていた右の杏奈が唐突に手を伸ばし、左の杏奈の口の中にその指を突っ込んだ。 「げおっ!?」 突然のことに気が動転し、思わず口を押える。 その時バランスを崩してしまい、馬乗りの状態から引きずり降ろされる。 「よくもやったわねぇぇえぇえ!!!」 「ぎゃあ!?」 起き上がると同時に飛んできた拳に左の杏奈は悶絶し、右の杏奈が左の杏奈の上に覆いかぶされば、仕返しともいえる拳が返ってくる。 その顔は、もうほとんど治っており、飛び出た血はそのままに、杏奈は杏奈を殴り続ける。 「それはこっちのセリフよ!なんで自分と同じ姿を拝まなくちゃいけないわけ!?どうして自分が二人もいなきゃいけないのよ!もう、ほんとう、わけがわかんない!」 何度も何度も顔面を殴る。 だが、それで気が晴れるわけじゃない。 しかしやがて、右の杏奈は殴る手を止めた。 「?」 それが訳が分からなくて、左の杏奈は防御の為に掲げていた手をどかし、上にいる右の杏奈を見た。 どこか、ため込んでいるかのような表情だ。 唐突に右の杏奈が上からどき、左の杏奈を見下す。 「立ちなさいよ」 それに、左の杏奈は言われるまでもないと立ち上がってみせる。 服は、もういらない。 半分になったスーツを脱ぎ捨てて、脱ぎ捨てると同時に相手に飛び掛かった。 もはや、どっちがどっちだか分からないまま二人は絡み合った。 何度も何度も、相手の体を殴り、ひっかり、蹴り飛ばし、その度に付けた傷も、痣も、何もかもが流した血を残して消えていく。 何度も頭をぶつけ合い、その度に額から血がながれ、たちまちに治ってはまたぶつけ合い、まるで今までの鬱憤を吐き出すかのように、二人はお互いの体を傷つけあった。 「「はあ・・・はあ・・・はあ・・・」」 何度もひっかいて傷を作って血を流しても、海に飛び込んでしまえば全て洗い流される。 そうして、海水塗れの二人は、膝をついて睨み合っていた。 「しつっこいのよ・・・!」 「どっちが・・・よ・・・!」 睨み合い、二人はお互いの罵倒にすぐさま飛び掛かろうとする。だが、疲れからかすぐに足をもつれさせ、お互いに支え合うかのように抱き合ってしまう。 その時、お互いの乳房がむにゅりと歪み、言い知れる感覚が二人を襲う。 「「ふわぁあ・・・!?」」 突然襲ってきた痺れる感覚に、二人は淫らな声を漏らす。 それは、ここまで激しく動いていたために体が火照り、ある種の興奮状態に陥ったがゆえに起きたことだった。 乳首が起っているのだ。 その乳首同士が擦れ合い、刺激が二人の脳髄を叩いたのだ。 ちなみに彼女は処女ではない。 まだ十代の頃に付き合っていた相手はいたのだが、自分が不死身であると知るとすぐに価値観の違いに気付き、それから残りの百数年、一度の経験もないまま時が過ぎているのだ。 だから、あまりにも遠い日の記憶の事で忘れていた快感を、まるで初めて感じるかのように感じてしまったのだ。 「な、なによ、感じてるの・・・?」 「そっちだって変な声出して・・・」 「うるさいわね・・・じゃあこっちはどうなの!?」 「ひぃんっ!?」 左の杏奈の股間、即ち陰唇に、右の杏奈の手が鷲掴む。 その刺激に、左の杏奈は嬌声を発してしまう。 「あ」 そして気付く。 左の杏奈の陰唇から、海水ではない液体が流れ出ている事に。 「あらぁ?もしかして私で欲情しちゃったわけ?」 嘲るように鼻で笑う右の杏奈。 だが、左の杏奈も黙っている訳がなかった。 「調子に乗るな!」 「あひんっ!?」 左の杏奈も仕返しとばかりに右の杏奈の陰唇を掴む。 「あれ?貴方のココも結構濡れてるじゃない?」 「自分を棚にあげないでよっ・・・!」 「何よ・・・!」 お互いの陰唇に、指を添えた。 「「イキ狂わせてあげる」」 そして唐突にその指を一気に入れ込んだ。 じゅぷり、と音を立てて、二人の体が仰け反る。 久しぶりの、異物の感覚。 それに一瞬悶絶した二人だが、しかし負けじとじゅぷじゅぷとピストン運動を開始する。 何度も何度も出し入れをして、必死に相手を追い立てる。 しかし、こちらが追い立てれば追い立てるほどこちらも追い詰められていく。 元々、散々殴り合ったせいで体力が限界に近いのだ。 そこにきて、このイかせ合い。どうかしていると思う。 だけど、やめられてない。 得体の知れない感情によって突き動かされている二人は、激しく、獰猛に、相手をイかせようと躍起になる。 だんだん、快楽に脳が痺れていき、目は蕩け、舌が口からはみ出る。 胸の弾力によってお互いを支え、膝たちのまま二人は海水に浸りながら相手を責め立てる。 何度も何度も、指を動かした。 だが、やがて――― 「あっ、やっ・・・・!」 「もっ、だめ・・・・!」 「「ああぁぁぁあぁぁあぁあぁああ!!」」 短い悲鳴と共に、二人は盛大に仰け反り、その陰唇から大量の愛液を噴きだした。 噴き出した愛液は海面に落ち、びちゃびちゃと音を立てて消えていく。 そして、盛大にイかされた二人はそれまでの疲労と絶頂が止めとなって、意識を飛ばす。 やっと、二人は体を休めるに至った。 しかし、この時二人はしらなかった。 自分が真っ二つになった事で起こった自身の変化に――― どれくらいか経った頃、二人は、波の音と共に目を覚ます。 幸い、波には攫われず、ずっと波に打たれていただけだった二人は、どうにか体を起こし、お互いを睨む。 相討ち。 その結果を、彼女たち自身が認めていた。 ぎりっと歯を食いしばって、二人はすぐに再開しようと立ち上がろうとする。 だが、その時、唐突に海に浸かっていた相手の下半身が目に入った。 「「きゃぁぁ!?」」 お互いに情けない声を出し、もう一度尻もちをついてしまう。 そして、相手の反応を見て、思わず自分の体の方を見た。 海面から、ひょっこりと飛び出している、何かの棒の先。 それに、杏奈は恐る恐る手を伸ばし、触ってみる。 「「んひっ」」 確かな刺激を感じた。 「「う、うそ・・・・」」 立ち上がって、確認する。 二人の股間に、それは立派な陰茎が生えていたのだ。 「「いやぁぁぁぁぁあああああ!!!」」 絶叫し、二人は混乱した。 どうして、何故、女の自分にこんなものが。 疑問は疑問を呼び、堂々巡り、答えが見つからぬまま、ただその場で固まって時間だけが過ぎていく。 そして、たっぷりと時間をかけて、答えを見つけた。 ((まさか、落下しているときに・・・!?)) 何も飛行機に乗っていたのは自分だけじゃないし、ましてやあの機体分解の被害者が自分だけの筈がない。 つまり、真っ二つになった彼女の体に、どこぞの誰ともいえる男の遺伝子が割り込み、それが彼女の体が誤認して、そして同じ自分と対峙する最中で芽生えた『杏奈の意思』に呼応して、生み出されたものかもしれない。 「うそ、うそよ・・・」 「そんな、いや・・・」 自分の体に、こんな汚らわしいものが生えた事に、二人は動揺を隠しきれなかった。 しかし、それでも生えてしまった。 しかもかなりでかい。いわゆるウマ並みという奴かもしれない。 しかし、だが、しかしである。 これは一体なんの罰なのだろうか。 ((もう、どれもこれも、全て・・・)) 「「貴方のせいだ!!」」 もはややけくそになっていた。 島からの脱出のことも忘れ、とにかく二人は相手のせいにして気を晴れさせたかった。 相手に飛び掛かり、海水を蹴散らしながら、二人は掴み合って暴れる。 波から逃れて砂浜に出てみれば投げ飛ばされ、そのまま砂の上を転がる。 しかしその最中で、勃起したお互いの陰茎が何度もあたり、もはや取っ組み合ってるのすら馬鹿らしくなってくる。 当たる度に、痛みと快楽が二人の脳を襲う。 何度も何度も、バシバシと叩き合い、やがて―――― 「「あ、あぁぁぁああ!!!」」 絶頂して射精した。 どぷんっ、と二人の陰茎の先から真っ白な液体が飛び散り、そのまま仰け反ってはお互いの全身に振りかけられる。 それで、こと切れたかのように、二人はその場にへたり込んだ。 「う・・・うう・・・」 「ん・・・うう・・・」 散々だ。 飛行機が落ちて、体を真っ二つにされ、誰もいない小さな孤島に投げ出されたかと思ったら自分と同じ存在と意味のない喧嘩をして、挙句の果てにあまりにも巨大な陰茎を作り出してしまった。 だから、それが無性に虚しく思えてきて、無駄に思えてきて、もう何もかもがどうでもよくなってしまった。 ふと、そっと、相手の顔を見た。 目の前にいるのは、自分と全く同じ顔の人間。 自分と全く同じ体の人間。 自分と同じ、死ねない体の人間。 ((もう、どうでもいいや・・・)) 百五十年も生きたのだ。 ここで残り、いつ終わるとも知れない人生を生きていくのもいいかもしれない。 少なくともここには、自分と同じ存在がいるのだから―――― だから二人は、舌を伸ばして絡ませた。 「「んっ、んちゅ・・・っ」」 しっとりと絡まるような、甘い穏やかなキス。 しかし、舌の裏や刺激が来るところを入念に同じ舌で撫でまわし、徐々に下半身の準備を進めていく。 しかし舌と舌を絡ませているうちに分泌された唾液が舌と舌との間から零れ落ち、その舌の潰れ合う巨大な乳房の谷間に落ちる。それを感じ取ると、二人は、相手の乳房を掴み持ち上げ、相手の乳房で自分の乳房をこねくり回すように揉み上げる。 その刺激に一瞬目を細めるも、しかしすぐさま誤魔化すように深く唇を重ね合わせる。 しかし、既に潤滑剤となった唾液によって、用意に乳肌を統べる四つの果実は、その形を自在に変え、やんわりとした刺激を与えていく。 やがて、下半身のケダモノが、徐々に雄々しくなってきて、その切っ先がお互いに触れあった時、二人は唇を話した。 そして、示し合わせるでもなく、右の杏奈が左の杏奈を押し倒し、左の杏奈は特に抵抗するでもなく、その両足を広げ、陰茎のの根本にある陰唇を見せびらかして見せる。その出入口は既に準備が出来ているかのようであり、とても濡れていた。 「・・・入れるわよ」 「・・・ええ」 そして、右の杏奈が、自身の陰茎の先を、左の杏奈の陰唇にあてがう。 そして、ぞぶりっ、と右の陰茎が左の陰唇に突き刺された。 そして、いとも容易く絶頂してしまった。 「「ああっ!?」」 絶頂して、右の陰茎から、精液が左の膣内に吐き出される。 「なに、してんのよ・・・早漏っ・・・!」 「う、うるさいっ・・・!」 腰砕けに、なりながらも、右の杏奈は左の杏奈の肩を抑えながら、必死に腰を振る。 初めて知る感覚に戸惑いながら、必死に腰を振り、どうにか押し寄せる快楽に歯を食いしばりながら、何度も何度もその巨大な陰茎を抜き差しする。 そして、その巨大さと熱さに、左の杏奈も、それらによる強烈な快楽に必死に耐えていた。 ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ、と、何度も叩きつけられる度に迫る快楽。 やがて腕で体を支える事ができなくなってきて、左の杏奈に覆いかぶさるように崩れ落ち、右の杏奈はそれでも腰を振り続ける。 しかしやがて、我慢の限界が近づいていき、 「あ、もっ・・・だめっ!」 「あ、っひ、くぅぅっ・・・!!」 陰茎の奥から押し寄せてきた何か。それを、全て相手の膣にぶちまける。 絶頂、そして、射精。 どぷんっ、と精液が膣内に吐き出され、瞬く間に満たしていった。 それと同時に、びゅるるる、と左の杏奈の陰茎からも勢いよく白い精液が飛び出し、二人の体を汚す。 「あ、あつっい・・・!!」 「は、あぁぁあ・・・!!」 熱い液体が左の杏奈の膣を焼き、そして右の杏奈は吐き出す快感に身を震わせていた。 やがて、その快楽の波が収まると、 「今度は、私よ・・・」 「ええ・・・」 今度は、右の杏奈が左の杏奈に、その安産型のお尻を向け、その尻肉を左の杏奈が鷲掴み、そこから覗く陰唇に自身の陰茎をあてがう。 そして、何の合図もなしに、その自分と同様に濡れに濡れ切った陰唇に、その陰茎を突きさした。 「「あぁぁぁああ・・・・!!」」 入れた瞬間、右の杏奈の時と同じように射精してしまう左の杏奈。 「貴方も、早漏じゃないっ・・・」 「うるさい・・・!」 文句を言う杏奈に、突き入れた杏奈は怒りと羞恥を込めて腰を振る。 ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ、と、快楽の波に必死に耐えながら、何度も何度も相手の膣にその陰茎を抜き差しする左の杏奈。 (くぅっ、なんでっ、こんなっ・・・!) (なんで、こんなに、気持ちが・・・!) 腰を振る以外の余裕がなくて、自然と下になっている杏奈も腰を振り始め、その勢いは加速していく。 「あ、ああぁぁぁあ!!!」 「は、ふぅんんんぅ!!!」 また絶頂して射精する。左の杏奈の陰茎から吐き出された精液は右の杏奈の膣内を満たし、右の杏奈の陰茎から吐き出された精液は砂浜に零れ落ちる。 今度は、向かい合う形になって、二人は荒い呼吸のまま、その豊満な乳房を重ね合わせ、手探りで自分の陰茎と相手の陰唇を探り当てる。 「「はあ・・・はあ・・・はあ・・・!」」 相手の吐息が直に口に当たる。 胸が潰れて、少し苦しい。だけど、それでも二人は止まらない。 「「えっ・・・いぃっ!!」」 捻るような陰茎の差し方。陰茎同士が擦れ合いながらも、相手の膣内に侵入していく。 「「ひぃぃぃぃいんっ!?」」 奇妙な感覚だった。 入れては入れられて、快楽に脳髄が焼かれ、二人の思考は一気にスパークする。 「しらないぃぃぃ!!こんにゃの、しらにゃいのぉぉぉお!!?」 「こんにゃっ、こんなのっ、こんな、入れてるのに入れてる間隔なんてぇ!!」 「「わたししらないぃぃぃぃぃぃいいっ!?」」 呆気なく絶頂して、お互いの膣に精液をぶちまけた。 そして、あっけなく腰を振る。 ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ と、何度も腰を打ち付ける。 そしてその度に、どぷっ、どぷっ、という音が聞こえてくる。 しばらくすれば、陰唇と陰茎の隙間から白い駅が漏れ出て、それがぼたぼたと砂の上に落ちていく。 入れる度に射精し、抜くたびに射精する。 そんな連続絶頂を二人はいとも容易く行っているのだ。 それもそのはず、陰茎を入れる感覚と入れられる感覚を同時に味わっているのだ。 その快楽は常識を超え、そんな常識を超えた快楽を何度も味わえばそうなるのも当然だ。 否、もはやずっと絶頂し続けているのだ。 「イクっ、またイクゥ!!私と私で孕まセックスでイくぅぅう!!!」 「デ、デキちゃうっ、長生きしてて、私と子供つくっちゃうぅ!?」 「「あ、あっ、でも、またっ、イクっ、イクゥゥゥっ!!」」 どぷっどぷっどぷっ!! 目の前の自分以外、誰もいない無人島で、二人の杏奈は快楽によって麻痺した脳で、その快楽を誤魔化す為に必死に言葉を吐き出す。 しかし、それでも絶頂の波はとまらない。 絶頂する度に体を仰け反らせ、そして耐える。 そんなことを延々を繰り返し、二人の意識はもうほとんどないも同然だった。 それでも体は快楽を欲し、絶頂をやめない。 いくら不死身であるとはいえ、精神までが不死なわけではない。 気を失う時は気を失うのだ。 しかし、ここまで来て二人は重大な事を忘れていた。 確かに二人は不死身だ。 どれだけ体を欠損しても再生するし、どれだけ焼かれても再生するし、どれだけ心臓を潰されようとたちまちに治る。 だが、それでも、生物としての生理現象は避けられないのだ。 ぐぎゅるるるる・・・・ 突如聞こえた、あまりにも大きな音。 その音は、激しく快楽を求める体についてこれずに、朦朧としだした二人の意識に届いた。 ((あ、そういえば・・・何も食べてなかったわね・・・)) 散々動き回って、エネルギーの消費は激しい。 不死身だから、食べなくても別段何も問題はない。だが、人として生まれ人として育てられてきた彼女にとって、『食事』は決して欠かせないファクターの一つ。 それは性欲に勝る欲求の一つだ。 何をするにしても、エネルギーが必要なのだ。 体とは切り離された意識の中で、杏奈は食べ物になりそうなものを探す。 そして、一番最初に目についたのが―――『肉』だった。 (あ、丁度いいものがある・・・) 目にするが早いか、杏奈は、その目の前の『肉』に噛みついた。 そして、自分も何かに噛みつかれるような凄まじい痛みを感じた。 「「いだぁっ・・・!!」」 驚いて口を話す。 見れば、そこには歯に赤い何かが付着した自分とそっくりな相手の顔だった。 「「あっ・・・」」 そして、正気に返る。 自分が今、噛みついたのは―――自分の『肉』だ。 今は別々でも、元はと言えば自分の体だ。 それを、食べようだなんて―――― ――――そんな倫理はもはや、今の彼女には持ち合わせていなかった。 「はぐっ、ぐじゅるっ、んぐぅっ!!」 「むしゅっ、ぐちゅっ、はぐぅっ!!」 なりふり構わず、杏奈は杏奈の鎖骨当たりの肉を貪り始めた。 食われた所から血が流れ落ち、さらに喰い進めば骨が見えてくる。 その骨を歯ではさみ、がりりっ、という音と共に、その骨に沁みた旨味を捻りだそうと躍起になる。 美味い。 初めに出た感想がそれだった。 むしゃむしゃと、自分の体だった肉を貪っていく。 やがて、口いっぱいに肉を頬張ると、顔を上げ、一気にごくんっと胃の中に落とし込んだ。 そして、その味わい深さに、酔いしれた。 ああ、なんて美味しいお肉なんだろう、と。 (もっと・・・) (もっと・・・) ((もっと、もっともっと、・・・もっとっ!!)) 理性など、とうの昔に蒸発していた。 今はただ、目の前にある肉を喰らいたい。 それだけの為に、二人は相手の赤い肉を貪った。 鎖骨から肩に向かい、腕を貪り、やがては相手の豊満な乳房へと眼を映す。 その乳房を血塗れの手で持ち上げ口に運び、その乳首に噛みついては引き千切る。 それは、相手も同じようで、喰いちぎられた乳首から普通であれば悶絶するような痛みが迸っていただろう。 しかし、今の彼女たちは痛みを感じない。 飢餓であるが故か、それとも別の何かか。 そんな状況において、二人は今ある痛みを全て快楽へと転用していた。 情事の最中での捕食行為。 そんな非常事態でこんな行為をするなど正気の沙汰ではない。 だからこそ、二人は全ての痛みを快楽へと変換していた。 それ故に、陰唇から愛液が常に噴き出している。 ブシュゥゥウ!!ブシャァァァ!! 絶頂し続けているのだ。 何はともあれ、二人は夢中になって相手の体を貪った。 皮を食い破り、筋肉を食い千切り、骨を噛み砕こうとして、出来ず、しかしまだ食べたりなくて首に噛みつこうとしたけど邪魔される。 そんな中で、下半身はまるで命の危機を感じ取っているかのようにさらにその陰茎を大きくしていた。 いわゆる保存本能という奴か、陰茎はさらに精液を吐き出そうとして、頭の命令を待たず勝手に精液を吐き、陰茎が収まっている膣の奥の子宮のさらに奥、卵巣もまた、命の危機を感じ取って卵子を生成しようとする。 その行為がさらなる快楽を呼び、二人は、相手を貪りながら絶頂する。 血が飛び散り、砂の上に落ちる。そしてその上に膣から零れ落ちた精液がさらに白濁させていく。 しかし二人は不死身。 食われてもすぐに再生する。 別段取り込まなくても、無尽蔵ともいえるエネルギーによって肉体は再生する。 しかし、その肉は元々自分の体だ。だからその肉を自分のものと認識して取り込み、再生に当てる。 突き刺された陰茎もそのままに、二人は、お互いの空腹を満たす為に、お互いの体を食い尽くし合った。 そして、月日は流れ――― 「はぐっ、んぐっ」 「んむっ、はぐっ」 未だ、誰も訪れない、真っ赤な孤島。 その孤島には、二人の女が住んでいる。 「んぐぅっ・・・・大きくなったわね」 「ごくんっ・・・・貴方もよ」 お互いの肉を貪りながら、その島で暮らす二人の女は、真っ赤な血で全身を染め上げ、常に相手の臓腑を喰らい合う。 「もうすぐ、生まれるのかしら」 「たぶん、そんな気がするわ」 しかし、ただ一つ、子宮にだけは手を出さず、肌を喰らっては剥き出しの子宮を愛でる。 誰も知らない、小さな孤島に、二人の不死者はいた。