ブラックマーケットと遊興施設が集まって作られたワイルドストーン最大規模の遊興都市シャンパンタウン。
スライム娘の踊り子であり拳姫、リズベットはシャンパンタウンカジノの看板娘として今日もお客様がディナーを楽しむ間、リングに上がりイベントマッチを行っていた。
「ぐはッ...!!」
「ノホホッ!この試合でリズベットちゃんの4連勝!さすが前回の拳姫祭典の本選進出者、恐ろしい実力だ!」
KOされたゲストの拳姫が運ばれると、司会を務めたカジノの店長ゴブリンがリングに上がってきて雰囲気を盛り上げていた。
「今日の最後のマッチ! 最初に申し上げたとおり、今回のリズベットちゃんの5連勝に最も大きな金額をかけてくれたお客様には、リズベットちゃん直々のご奉仕が! シャンパンタウンのアイドル、未来の女王様を抱きしめる二度と来ないチャンス! さあ、次の挑戦者は誰~か!」
しかし、かなりの時間が経ったにも、次の挑戦者は登場せず、そのまま妙な静寂が流れている時、バニー姿のフィナが状況を伝える。
「そ、それが…実は試合が予定されていた拳姫たちがみんな逃げてしまい、その…。」
「はぁ?下の管理を一体どうやってんのよ!このポンコツ…!予備とかあるはずでしょう?」
「そ、その…すみません!」
リズベットが声を荒げると、観客の間でざわめきが聞こえる。
「リズベットちゃん、勝ちやすい子たちだけ用意するって本当だったか?」
「こういうのは大体脚本だもんな...。」
「ま、リズベットちゃん推しの僕はもう知ったけど。」
本来、このショーのゲストたちはカジノに弱点を握られた弱小の拳姫たちが経歴を偽装してリズベットのサンドバッグの役割をするいわゆる八百長であって、元元の原因はそれを必要以上に叩き逃げさせたリズベットだったが、うまくいかないことにブチ切れしたリズベットは罪のないフィナに怒りをぶちまける。
「妖精族だからって引き取ってあげたというのに...!全然使い物にならないし、とうとう私のショーまで台無しにしたわね!誰もいないなら...あんたよ!あんたが私の相手をするのよ!」
「えっ...?わ、私は...そんな...。」
「何...?出来ないの?」
「や、やめようよ、リズベットちゃん。まだショーの途中でしょう? 見る目もあるしさ…。」
リズベットの無理な主張にゴブリンの店長が困っている時、冒険家フードをかぶった少女がリングの上に上がって立つ。
「ここにメタルスライムが居ると聞いたけど、私が知っているのとはちょっと違うわね。」
「は?何よ、あんた。」
「拳姫を探しているのなら、私が相手にしてあげる。あんなちっちゃい子をいじめるよりもっとましでしょう?」
「まし...?私はね、拳姫祭典にも参加したことがあるここのトップランクよ。どこのどいつかも知らないやつとそんな簡単に…!」
「ふーん、やっぱりここの人たちが言う通り、事前に用意された相手じゃないとダメなのかな?本選進出というのも嘘だったりして。」
カエデの挑発にリズベットの顔が冷たく固まる。
「...何だと?」
「リズベットちゃん、相手にしてやれよ。」
店長が小さくささやきながらリズベットに目でサインを送る。
ショーを主管していただけに店長はワイルドストーンの拳姫たちの情報を殆ど知っており、その顔を見るに相手は無名、もしやそれに準ずる弱小の拳姫。
不明確な相手と戦ってもし経歴に傷がつくのではないかと探り合いをしていたリーズベットだったが、それを知った以上もうはばかることはなかった。
「いいわ。相手にしてやるわ。」
余裕を取り戻したリズベットが見下したような顔で試合を承諾する。
下手をすれば跛行しそうだったショーが再開されると、会場が再び血を渇望する熱気を取り戻す。
【 お待たせしました!今日最後の試合! レッドコーナーはシャンパンタウンが誇るトップアイドル、リズベット!そしてブルーコーナーは経歴不明、所属不明、しかしだからこそどんな底力を隠しているかわからない宝くじ、桃園 カエデ!】
2人の拳姫がリングの中央で向かい合う。
( 知っていたのとちょっと違うけど、メタルスライムも結局スライムじゃん?これで経験値をガッポガッポ稼げて、レベルバク上がり間違いなしね!)
とか考えていたカエデだったが、実はメタルスライムというのはリズベットが新人時代の拳姫再戦の時に使ったリングネームであっただけで、普通のスライムとスライム娘の区別がつかないカエデにはただ簡単に経験値を稼げる勝ちやすいモンスターくらいの印象しかなかった。
そんな中、リズベットが先に声をかけてくる。
「ね、あんたのその鎧、ちょっとずれていない?」
「鎧?どいうこと?」
「大勢の人の前で胸を揺らすのがいいなら、私は構わないけど。まだゴングの前だし、整えたら?」
もしかして罠?と思ったのもつかの間、ゴングが鳴る前なら、と気を緩めたその瞬間
【 リズベットちゃんの先制ボディアッパー! 鋭い入り込みだ!】
「おえッ...!!おえぇッ...!!」
「ゴングがまだだって?お前なんか気にするやつ、ここにいると思う?」
「ぐへッ...!!」
ボディから続くフックがカエデの顔を潰す。
「無名のサンシタなんかが何様のつもりか知らんけど。よくも虚仮にしてくれたわね。ただのサンドバッグで終わるとは思わないことね!」
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ズーン! 「ぐええぇッ...!!」 開幕ボディブローの後、カエデは一度の有効打もくわせないまま殴られるばかり。 開幕サンドバックになった楓にリズベットのパンチ、観客たちの皮肉、両方向からリンチが飛んでくる。 ゴッ!!ズゴッ!!バシッ!! 「おうッ!!おえッ!!ぐえッ!!」 パァン!! 「ぐッ...!!」 「何...

カエデに敗北した翌日、侍女たちと共に始まりの森を訪れたクロリカ。 「ギャー!ウギャー!」 「ふん~これがゴブリン?知能もなさそうだしちっちゃくてめっちゃ弱そうに見えるけど?」 「はい!その中でもゴブリンのメスはほとんど知能が低くて、最下層の肉便器みたいな生を送るそうです!」 「へえ~ 何それ、ザコ中のザ...
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2023-09-02 08:32:59 +0000 UTC栄たいじ
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