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御子柴かきょう
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060.大暮維人展 トークショー忘備録

こんにちは。御子柴かきょうです!

先日、12月4日(土)に宮崎県「みやざきアートセンター」で開催された大暮維人先生のトークショーに参加してきました。

今回はそちらの内容のレポートを、自分の忘備録としても書き留めておこうと思います。


福井県から宮崎県まで、伊丹空港から飛行機で行ってまいりました!

大暮維人先生は、わたしが中学生の時に「エア・ギア」を、友達の家で初めて見たのがきっかけで、以来ずっとファンです。

一番憧れている漫画家は?絵師は?と聞かれてると、大暮維人先生をあげます。

大暮先生は最近までSNSも全くされていませんでしたし、単行本以外の作品集等も全く出されていなくて、本当に露出が少なかったんですよね。

大暮先生のお人柄を窺い知れるのが、単行本の後書きくらいだったという感じです。

それが2021年に、画集と展示会が開催されると聞いて、ファンとしてはいてもたってもいられないという感じで。

もちろん、受注生産の画集は既に買いました!

展示会は、8月に東京で開催されて、以降全国巡回予定とはなっているのですが、コロナの影響か大阪会場や名古屋会場など、わたしが住んでいる福井県から気軽に行けそうな場所での開催がなく、

唯一決まっているのが、宮崎会場でした。

そして公開される「トークショー」の情報!

「これは行くしかない、トークショーの申し込みができたら絶対に行く!」

そう決めて、申し込み当日に長文のメッセージと共に申し込みを送ったんですよね。

そしたら、抽選になりますとかそういう話もなく「当日はお気をつけてお越しください」とメールに記載してあって。

あれ?これもう参加できるッテコト!?って驚いたわたしは、「12月4日に宮崎に行くから許してね」という旨の話を夕食の席で、母に話したんですよね。

そしたら「え!?宮崎!?お母さんも行く!!」と言い始めて(笑)

そしてその1時間後には2人分の飛行機のチケットを取得完了する、という具合で宮崎行きが決定しました(笑)


そんなこんなで、宮崎に母と2人で行ってきました。

母は全く漫画やイラストに興味がないので、もちろん大暮先生のことも知らなくて、わたしが中学生から大好きだっていうことも知らない。

そうなんですが、わたしがトークショーと展示会を見ている間の約5時間、何も文句を言わずに宮崎市内をぶらぶらして待っていてくれました。感謝…!

トークショーと展示観覧以外は、二人で宮崎を観光しましたよ〜

これはお参りに行った、鵜戸神宮。


トークショー開場まで

トークショーは13時半から開催だったのですが、わたしは12時半ごろに会場に入って、13時の開場を待つ感じでした。

もう前日は全然眠れないし、当日の食事の味もわからないし、中学生以来憧れている大暮先生のお話を聞けるということに、心底緊張していました。

口から心臓が出そうなほど、そして息が詰まるなか、会場に入って一番最初に目にしたものが、大暮先生からの開催にあたっての挨拶の文章でした。

もうこれを見て、わたしは最初の一文で泣いてしまいました。

今見返しても、泣いてしまいます。


わたしも、一週間前の絵を見るのが苦痛で、なんなら昨日描いた絵すら見るのが悲しくなってしまうことばかりで。

最近は特に、結果ばかりを焦っていて、満足できているのか、満足に値するものが描けているのか、そういうことも分からなくなってきてしまっていて、描いてアップしては悲しむことが多かったから。

大暮先生ほどの方も同じ気持ちを味わわれていること、そして今もそんな苦痛と戦いながらも、描くことをやめない、描き続けることに真摯に向き合われているということ。

その事実を先生の言葉で知ることができたこと。

この言葉を会場で目の当たりにすることができたこと。全てにもう、感激しすぎて。

周りに人がいらしたのに、入った瞬間にボロッて涙が出てしまって。めちゃくちゃ恥ずかしかったんですけど、堪えられなくて。

ハンカチで涙と汗を拭いぬぐい、でした。

トークショーの会場は、展示を抜けた先にあって。トークショー参加者は再入場ができると聞いていたので、とにかく良い席でお話をお伺いしたい気持ちで、展示会場を抜けていったんですけど、もう目に入る作品全てに感激してしまって、わ〜!!って感じで。

トークショーの会場の前に並んだ時も、もういろいろ思い出が込み上げてきてしまって。ブワッて半泣きになる。

待機している時に、わたしの前に男性がお二人並ばれていたのですけど、半泣きのわたしを見てなのかなんなのか、先頭を譲ってくださったんですよね。本当に外から見たらやばかったのかもしれません(笑)

それで一番前に並んで、結局、最前列の中心という良い席でトークショーを観覧することができました。


トークショーの会場には60名ほど。(定員50名だったんです)

先生は、当日会場にいらっしゃっているけど、コロナのこともあってと思いますが、別のお部屋でお話しされる内容を、Zoomでリアルタイム放映するという感じで行われました。

でも憧れ続けた先生が同じ建物内にいるということだけで感激ですし、リアルタイムでお話をお伺いできるとか、なんならお声とお姿を拝見するのも初めてですから、もうこれ以上ない機会で。


でも全然かしこまった感じじゃなくて、クリスマス風に飾られた会議室で、大暮維人先生と、先生の恩師である、高校生の時の美術部顧問であった中川雄一先生がおすわりになられていて。

アートセンターの館長さんの司会でスタートしました。

館長さん「アリーナにお越しの6万人の観客の皆さん〜!!ノシノシ」

会場「笑ノシノシ」

こんな感じで(笑)


トークショーの内容をかいつまんで

内容全てをしっかり記憶できているわけでもないですし、書いていたら途方もないと思うので、書けるところだけ書き留めますね。

トークショーの内容は、何か大筋のトピック通りに進んでいくわけではなくて、参加者の質問内容をベースに進んでいきました。

わたしも質問を送っていたので、え!?そういう感じ…!?もしかしてわたしの質問にも答えてくださるかもしれない…とドッキドキでした。


会場には、大暮先生の後輩や同級生、中川先生の教え子の皆様も来られていたようで、そういった方からのご質問やメッセージもあり、和やかな感じでトークショーが進みました。

先生の高校時代のお話、そして画材屋さんで会社員をされていた時のお話、そしてデビューされて、本格的に連載がはじまった後のお話、たくさん、たくさん。

なんと、司会をされている館長さんは、大暮先生が画材屋さんで勤務されていた時の先輩に当たるみたいで、なんかすごい裏話をお伺いできました。


先生の経歴として、高校卒業後に画材屋さんでサラリーマンをして、その時に膨らんだ借金を返済するために漫画賞の賞金目当てに投稿して、そしてデビューしたというのは知っていたのですが、

そのサラリーマン時代に、先輩と二人でパチンコに明け暮れた挙句、先輩の家に転がり込んでご飯を食べさせてもらって、そのまま先輩の家から出社するみたいなこともあったらしく(笑)

「今考えるとすごい生活してたよね(笑)」と終始和やかにお話をされる、その先輩にあたる館長さん、この方もすごい人徳のある方だな!と本気で思いました(笑)

もう本当にね、御三方ともすごく和やかで人の良さが滲み出てて温かくって、聞いていてもすごく心が温まりました。


そんなお話の中で、わたしの質問が読み上げられました。

「私は家庭で、なかなか自由に絵に取り組むことができないという環境でしたが、大暮先生は、絵を描かれることなどに対して、ご家族の反応はどのような感じでしたか。応援するといった反応だったのでしょうか。」


わたしはこの質問だけではなく、メッセージとして以下のようなことを書いていました。

・現在、今年の7月から漫画家として独立を決めたこと

・中学生の時に、エア・ギアに出会ってファンになったこと

・わたしの家庭はわたしが絵を描くことに、絵を描く仕事を目指すことに否定的で、美術部に入部することも禁止で、絵を描いていると勉強しろと怒られるような環境だったこと

・それでも、絵への想いが断ち切れなくて、2020年から本気で絵の仕事をするにはどうしたらいいか、を考え始めたこと

・そして、その際に大好きだった「天上天下」と「エア・ギア」を再び読み返して、やっぱり大暮先生のような漫画家になりたいと強く思ったこと

・その結果として、今があるということ

・今後、更に実績を作って躍進するために、努力したいと思っていること


などなどを、先生への感謝と応援と共に長文にしたためて送っていました。

大暮先生からの回答はこんな感じでした。


「僕は高校に入る前、それこそ小学校入学前、本当に子どもの頃から絵を描くのが好きだったみたいで、家に黒板があったんですよね、その黒板に何か描いては消して、描いては消してっていうことをやっていた子どもだったみたいで。

それを見てか、母親はなんか僕はもう絵の道に進むものだみたいな、お前は絵を描きなさいっていう感じでした。

だから、僕はそういう意味では恵まれていたのかな。」


「でも覚えているのは、当時ファンロードっていう投稿雑誌があって、そこに投稿をしてみたかったんですよ。結局投稿はせずに終わったんですけど。

それに投稿をするために、こたつでね、絵を描いてたんです。今描いているようなのと同じような系統の、女の子の絵をね、描いてたんです。

一生懸命描いてたんですけど、それを横でね、みかんを食べながら見ていた姉が一言僕に言ったんですよね。

『なんでそんな絵描くと?』って。

別にね、それだけなんですよ、別に下手とか否定されたわけじゃないんですけど、なんだか僕はその言葉を聞いて、やる気を無くしちゃって。

結局、その絵は投稿しなかったんですよ。それから暫くは、女の子の絵も描いてなかったかもしれない。」


絵に対して、人に何か言われるのってすごく影響がありますよね。

今だってそうです。編集に「こういう系統の絵は…」とか「この絵は…」とか言われちゃうと、もう暫くはそういう感じの絵は描かなくなるし。

僕もね、今だってそうですよ」


ああ、そうなんだ。

先生もそうなんだ。

昔だって、今だって、そうなんだ。

「なんでそんな絵描くと?」っていう先生のお姉さんの言葉は、わたしも昔からずっと両親に言われることが多かった言葉で。

それでも描くことはやめられなかった。

「ああ、傷つくしやる気をなくすし、その後の行動にも影響が出る言葉だったんだな」「人に絵に対して何か言われるのって、絵を描く者として、やっぱり影響があることなんだな」っていうことがすごくよく分かって

もう、ものすごく、その言葉で勇気づけられたんですよね。

一番最後に、漫画家を目指す人に対してメッセージをお願いします、という質問があって、そこで先生が言ってたのは「描き続けろっていう、ただそれだけしか言えないです」という言葉も含めて

否定されても描き続けてきたわたしは、それだけで何かもう十分、すごいのかもしれないな、とか思って。


とにかく大暮先生がわたしのメッセージを読んでくださった上でお話ししてくださった内容だこれ〜〜〜〜〜〜〜ってすごく思って(自意識過剰かもしれませんが)

この質問への回答は、とても励みになってわたしの自信にも繋がるものでした。

本当にありがとうございました。


そのほかにも、絵画とデザインの違いの話とか、発想の原点はどこか、とか、どういう風にデザインを思いつくのか、というお話とか

漫画家、絵を描く者としての心構えとか考え方とか

本当に色々なことを、先生の言葉で学ばせていただきました。

これらは、もう昨日から、自分の行動を変えて実践していきたいなと思っています。


さいごに

前述しましたが、このところすごく結果に焦っていました。

時間の流れが早くて、情報が多くて。

自分がこだわり続けて描いていたら、置いて行かれてしまいそうな気がして。

効率良く、早く、描き終えて、発表しなくては。

そんなことばかりを考えていて、時短、効率化、それっぽく見せるコツ、みたいなものをずっと考えてしまっていた気がします。

もちろん、時間のない現代ではそれは大切なことで、それも勉強して身につけて行かなきゃいけないものなのだけれども、それ一辺倒ではただ焦るばかりで。

大暮先生への作品のこだわり。

線一本への意識。

ホワイト1点への意識。

そういうものを、トークショーでお話を聞いて、原画を間近で拝見することで改めて認識させられました。

会場は撮影OKだったので原画がすごい近くでバシバシ撮影できちゃうという状況…

本当にすごい展示会でした。


絵を描く者として、本当に励まされたし、勇気をいただきましたし

気持ちを新たに絵に取り組む、そんな原点ともなる時間をいただきました。


この経験を、これからの創作に活かしていきます。

やるぞやるぞ!!!!!!!


それでは最後までお読みくださり、ありがとうございました。

また!


御子柴かきょう

2021.12.06

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