こんにちは、神吉です。
今回は新刊の表紙に使用した特殊印刷「白押さえ」という技術についてお話します。
いつもと毛色が違う感じですが普段こうやって作ってるんだなーと参考にしていただけるとありがたいです。
インクやトナーは透明~半透明なので、色のついた紙や鏡面加工の紙に印刷すると下の色が透けて見えます。
そのため、白い不透明のインクを印刷する前の紙に一度印刷して白い部分を作っておき、その上に印刷することでインクの色をそのまま出すことができる印刷方法です。
白インクだけを印刷するところを作ったり、逆に紙の地を生かした印刷にしたりいろいろと遊べます。
こんな感じで銀紙やオーロラの紙に印刷できます。
いろいろできるだけにややこしい面もあるので計画が結構重要です。
ラフの段階でこの辺を透かそうとかここは白にしようとかの計画をします
●夜空と物語に出てくるオーロラ布の質感を出したかったので星空全体は紙の地が透けるようにして、星は色を乗せずに光るようにしたい
●布は半透明になるように白を薄く乗せる
●目とか金属部分がきらきらするようにしたい
●タイトルは白1色で目立たせたい
この点を決めてイラストの作業に移ります。
作業中のイラストはこのような感じに大まかに分けています。
●キャラクター、背景、タイトルを分けています。
これらは微調整でずらしたりするので分けておきます。背景はさらにフレーム部分と夜空を別レイヤーにしています。
●布部分を透かすことができるように布部分だけで描く
さらにきれいに乗るようにハードライトで重ねています。
●タイトルデザインをしつつ絵をかく
イラストが描き終わったら、白押さえ部分を作ります。この時は白で塗っても大丈夫です。(このときレイヤーサムネまたはレイヤーフォルダのフォルダアイコンをCtrl+クリックでレイヤーの描画部分を選択していくと楽に作業できます)
背景は紙の色に似た色を配置しておきます。
ある程度できたらイラスト部分をレイヤーフォルダーに入れて「乗算」にし、白押さえ部分の上に乗せます。
その時に間違えて透かしている部分がないか、塗りすぎている部分はないか確認します。
この時作った白押さえ部分のレイヤーはこんな感じ
●タイトル
●キャラクター(キャラの目と髪先、金属部分の抜きも別で作っています)
●布部分の編集用白押さえ(少し薄くしています)
●背景
以上のレイヤーを統合し、黒(CMYKの場合K)で塗りつぶして下に白レイヤーを引いて、統合します。
最終的に下部分のタイトルデザインを最後に追加しました。白押さえがある部分は抜き、紙の地が見えている部分には白押さえをして文字を入れています。
最終的にはCMYKと白押さえの2枚のレイヤーにします。
※印刷所によっては別ファイルにまとめる必要がありますので原稿の作り方に従ってください。
完成品
①ポストカード(オンデマンド(トナー)・RGB印刷)
ノスタルジー/メランコリー というギラギラ感強めの偏光紙に印刷+クリアPPです。青く見える部分が多いので星が青く見えているのがわかると思います(傾けるとピンクにも見えます)
②本(オフセット(インク)・CMYK印刷)
おとぎのくに/こいするせかいという偏光紙に印刷+クリアPPです。左側の光が当たっている部分が反射感がわかりやすいと思います。
●トナー・インク問わず地の色がよく透けて見えて、ほどよいメタル感に偏光が加わって新感覚になってよかった。
●白印刷はトナーのほうがインクよりも地の色を隠しやすい。
●布の裾で人物にかかっている部分を透かすつもりだったけどできてなかった(これは完全に忘れたミス)
●おとぎのくには鈍いメタル感なのでクリアPPがちょうどよかった。
●ノスタルジーは逆にギラギラなのでマットが好みだけどおとぎのくにと同じくらいの質感になるから比較としてよかった。
●裏表紙は白押さえの枠に紙の地を広くとるデザインにして質感を思い切り感じられるデザインにしたので紙のよさを堪能できた。
総評:とにかくかわいい
こんなかんじでした!
いつもデータと印刷と見比べながら面白い印刷について考えていますので、また印刷のことについてお話しできる機会があれば書きたいです。
お読みいただきありがとうございました。
まむーと
2025-09-05 14:30:42 +0000 UTC