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試練と機転 1話 

 数々の困難を乗り越え、〝勇者〟と呼ばれる若者と仲間たちがいた。 「〝あれ〟か?」 「あぁ、間違いない」  勇者と呼ばれる男〝ヒロ〟と戦士の男〝ノリタ〟 「あの石像が〝試練の女神〟ってやつなの?」 「なんか緊張しますね」  武闘家の女〝メイ〟僧侶の女〝ソーラ〟  四人が神殿の奥へと辿り着き、大広間の分厚い扉を開けると、  女神の名にふさわしい美しさを持つ女性の像が立っていた。  魔界の門番とも呼ばれる〝試練の女神〟  その像の与える試練を乗り越えた者だけが、  魔王の待つ魔界へ行くことが出来るのだ。 『久しぶりの客ですね』  像の目が開き、声を発した。  だが四人は驚かない。  これまでの常識外れなモンスターに比べれば、  石像が喋ったくらいでは驚くに値せず、  冷静に女神の言葉へと耳を傾けていた。 『…ふむ』  女神像は動いた途端に生気を取り戻し、  麗しい顔で若者たちを見降ろしてくる。 『なるほど、魔界へ挑む実力だけはありそうですね』      ひと目で四人の力を見抜いたのか、  合格とも取れそうな言葉を発したが、ヒロは険しい目を向けていた。 「実力〝だけ〟って言い方が気にくわないが、  魔界へ行く許可をくれるってことでいいのか?」  そう言うと、女神像は首を横へと振り、  こんな事を言い返してきたのだ。 『それでは私が楽しめないでしょ』 「!」  ヒロとノリタの足元に魔法陣が浮き上がった。 「何ッ!」 「これはッ?」 『言ったでしょう、久しぶりの客だと。  いえ、遊び相手でしょうか』  明らかに敵の台詞(セリフ)。  危険を感じた四人が同時に武器を構えると、   今度は少し慌てながらこう言ってきた。 『待って待って、これは試練ですよ。  貴方たちも聞いているでしょ? 私は〝試練の女神〟  魔界へ行きたければ私の試練に合格しなければ駄目です』  自分の立場をいいように利用している風にも聞こえるが、  ここで女神像を破壊したら困るのは勇者たちの方だ。 「どうする? ヒロ」 「とりあえずアイツからモンスターみたいな禍々しい気は感じないし、  やるしかないな。 試練の内容にもよるが」 「そうね、あんまり理不尽な試練だったらヒビ入れるけど」 「彫刻家を呼んで裸婦像に彫り直すのもいいですね」  女性陣の言葉に女神像もやや顔をひきつらせたが、      その〝試練の内容〟とやらを男二人が聞くことは出来なかった。 「よし、受けて立つぞ」  と、言った瞬間、足元の魔法陣が発光し、  ヒロとノリタが立ったまま意識を飛ばされてしまったのだ。 「え! ヒロッ?」 「ノリタさんも… 意識を失っている?」 「ちょっとアンタ、何してんのよ!」  短気なメイが拳を握った。  宣言通り女神像にヒビを入れる気らしい。 『だから待ちなさいって、そして安心しなさい。  二人の精神はそれぞれ〝試練の間〟に送っただけです』 「試練の間?」 『はい。 そこで〝30分耐えきったのなら合格です〟』 「!」  合格の条件は理解したが、残された女性二人からは  〝試練の間〟も〝何に耐えるのか〟も分からず、  ただ見ている事しか出来ない試練に不満を浮かべていた。  その時。 「う…」 「あぁ…」  男二人から声が漏れたのだ。 「ヒロさん… ノリタさん…」  その苦しそうな声にソーラは祈るように手を合わせる。 「ハァ… ハァ…」 「く… ぅ…」  二人が苦しんでいるのに自分は見ている事しか出来ない。  今の状況に耐え切れなくなったメイが  女神像に向かって声を荒げた。 「アンタ、この二人をどんな空間へ送ったのッ?  これじゃ合格してもしなくても納得できないわ。  その〝試練の間〟ってのを見せなさい。もしくは教えなさいッ」  すると、待ってましたとばかりの女神スマイルでこう答えた。 『はい、どうぞ♪』    ……ブゥゥン 「え!」 「あ!」  突如、大広間の壁に映し出された〝試練の間〟の映像。  それはメイとソーラの想像を絶するものだった。  ※ 「へー ヒロくんって言うんだ~♡   こういうお店って初めて?」  スリ…♡ 「あ、はい…」 「フフ…照れちゃってカワイイ♡」   むに…♡ 「あぅ」 「ねー ヒロくんって勇者って呼ばれてるんだよねぇ?」 「え、えぇ一応…」 「じゃーさ、もしかして〝コレ〟が勇者の剣ってヤツ♪」 「え?」 「コレよコレ♪ さっきから膨らんでるコ・レ♡」    つん♡ 「うあぁ♡」 「アハハ♪ かたーい♪  やっぱ勃起してた♡ バレないとでも思ったのかな~♡」   つん♡   つん♡ 「あ、あぁぁ……♡」  ※ 「どうしたノリタッ もうへばったのかッ」 「はぁ… はぁ… い、いきなり腕立て300回はキツイ…ですよ」 「何を言っているッ 次は腹筋300回だ!」 「えぇ!」 「お前は世界一の戦士になるんだろ?  ほら立て、私が補助してやるから」 「あ、はい」 「――ん? どうした、急に動きが鈍くなったぞ」 「あ、いや… だって腹筋する度に教官の胸が見えて…その」 「あぁ、私の乳房は人より少し大きいからな」   だぷんっ♡  「少しってレベルじゃ…」 「ま、お前も男だ。  オッパイに気を取られるのは仕方ない。  いくら見ても構わんから、さっさと続けろ」   ずにゅむんっ♡ 「で、ですが」 「ん?」 「その…」 「………おっ! なるほどなるほど♪  〝こういう訳〟だったのか♡」  ――グニっ♡ 「はうぅ!! き、教官、ドコを握って!」 「〝こっちの筋肉〟も肥大化していたとは…  気付かなくてスマンかったな♪」   グニ♡   グニュムっ♡ 「あぁぁぁあッッ♡」  ※ 「な、ななななッッ?」 「~~~ッッッ!!?」  メイとソーラが絶句し、顔が瞬く間に真っ赤に染まっていく。  そんな〝女性達の赤面〟すらも女神像の好物だったようで、  ご満悦の面持ちで試練の説明をし始めた。 『んふふ♪ ではこの試練の詳しい内容を教えましょう。  っと、その前にひとつ。  貴女たち女の子には縁が無いかもしれませんが、  男に幻惑魔法をかけて精を搾り取ってくるモンスターが居ますよね?』 「!」  二人は真っ赤な顔のまま該当するモンスターを思い浮かべた。  〝サキュバス〟である。  男性だけに効くという幻惑魔法の使い手であり、  サキュバス達の創り出す淫猥な空間内で精を漏らした男は   そのまま魂まで吸い取られてしまうという。  過去にヒロとノリタもその幻惑魔法にかかった事があったが、  メイとソーラの機転により、どうにか精を漏らす事はなかった。 『この試練はアレをもっと〝優しくした感じ〟ですよ』  そう言われても、いまいちルールが呑み込めず、  疑問符を浮かべていたメイとソーラに対し、  女神像が『彼をごらんなさい』とノリタの股間を指差した。 「はぁ… はぁ… あぁ…教官…そ、そんなッ」  鍛え抜かれた立派な体格から突き出る〝膨らみ〟  その中身が〝どうなっているのか〟容易に想像できたため、  羞恥したメイとソーラがつい目を逸らしてしまいそうになる。  直後。  …………どぷっ 「「え!」」 「あ… あぁぁぁ……♡♡」      どぷっ  どぴゅ…  股間の膨らみから〝白い何か〟が滲み出し、  メイとソーラが〝試練の間〟の映像に目を移すと、  彼女達の口からはとても言えない光景が映し出されていた。 「や、やだ…」 「あんなことを…」  言ってしまえば、ノリタの生殖器を女教官が咥(くわ)えていたのだ。  筋肉質な美女の熱い口内でペニスを舐(ねぶ)られ。  恍惚の証をビュルビュルと注いでいたのだ。 「な、なんてモノ見せんのよッ この邪神像ッ!」    邪神像と言われて流石の女神像も口を尖らせるが、  すぐに表情を正して説明を再開する。 『気付きませんか?  彼は30分経たずに精を漏らしたというのに、  まだ〝試練の間〟から精神が戻って来てないことに』 「あ!」 「そういえば」  女神像が最初に言ったルールは〝30分間耐え切ること〟     〝耐え切る〟というのは、どう見ても射精であり、  5分と持たずに射精したノリタは不合格の筈だが、  彼はまだ〝試練の間〟で女教官とイチャついていたのだ。 『これがサキュバスの幻惑魔法なら一発でアウトですが、  私は優しいので〝二発まで〟許してあげましょう♪』 「……〝優しい感じ〟ってそういうこと?」 「えっと、つまり…   し、射精を三回した時点で不合格という事ですか?」 『はい♡   しかも、どちらか一方でも残っていたら全員合格です。  いかがですか? とても良い条件でしょう♪』 「……」 「……」  女性二人がしばし黙考する。  男の性衝動など分かりっこない彼女達だが、  性の知識が全くない訳ではない。  多かれ少なかれ、男には〝下心〟というものがあるが、  一度射精をすればスケベ心が鎮まると聞いたことがある。  30分で射精三回という失格の条件。  確かに理不尽ではない。むしろ良い条件だ。  メイとソーラは乏しい性知識の中でそう結論を出した。 「メイさん」 「うん、分かった。 その条件を飲むわ」  男たちの知らぬところで、残された女たちは  男たちの下半身に対するルールに同意した。  と、同時に。 「お、お姉さん… そこは… あぁ♡」  ヒロの情けない声が聞こえ。    どぷ…… どぴゅっ!  〝勇者の剣〟から白旗が上がった。 「え! 嘘でしょ」 「ヒ、ヒロさんまで… そんな」 『ふふ♪ これで二人ともワンアウト♡  あ、ちなみに射精するごとに〝試練の間〟はガラリと変わるので、  これからもっと面白くなっていきますよ♪』  


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