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局部医務室 4話 【破壊描写有り】

「えーと…女性1件…男性が2件…  詳細は…睾丸を目標とした打撃と…  睾丸の破壊を目的とした陰嚢の圧迫による…」 「先生、お茶、ここに置いておきますね」 「ありがとナズちゃん」 「今日の報告書ですか?」 「えぇ、早めに書いておこうと思って――」  記録を残すのも医師としての義務である。  特にこの施設では〝何でも有り〟の試合が行われている訳で、  そういった実践形式の時、人はどの部位を攻撃するのかなどの  データ収集も兼ねているとか。  私のような下っ端にはあまり関係のない事だが、  毎日のように試合を見ているとだいたいの傾向が分かってくる。  男性同士や女性同士の試合では顔への攻撃、  男女対決では、男は女の胸部(おっぱい)以外の上半身を狙い、  逆に女性は男の股間(金的)を中心とした急所攻撃で攻める。   「――けど、今日も男の方は見事に〝睾丸負傷〟ばかりね、  もう10日くらい陰茎(ペニス)の負傷者を見ていない気がするわ」 「アハハ…確かに睾丸に比べると陰茎の怪我って少ないですよね、  こんなに股間への攻撃が多発する場所なのに」  私が働き始めてからでも数えるほどしかない。  シズハ先生が言った通り、前の負傷者が出たのは10日前。  あれは組み技を得意とする男女が対決した時の事だ。  とうぜん力と体格で勝る男性選手の方が優勢となり、    体重差を利用して女性選手を押し倒したのだが…  直後にソレは起こった。    女性選手の伸ばした手が衣服の上からペニスを捕らえ、  そのまま力任せに捻(ひね)り、千切れんばかりに引っ張ったのだ。   男性選手はまさかの反撃に叫び、あっけなくギブアップしてしまう。  試合後のインタビューでその女性選手が、   『最初はタマを潰してやろうと手を伸ばしたんだけど、  やたらとデカいチンポがあったから、つい掴みやすい方を掴んじゃった♪』  と、楽しげに話していたのを覚えている。 「ペニスってけっこう頑丈だからねぇ…  弱点って言うより脆弱な玉袋を守るクッションって言った方がいいかも」 「クッション?」  流石にそこまでの防御力はないのでは… とも思ったが、  相手の男が巨根の持ち主で、その太く長いモノがでろんと垂れていると、  〝軽く弾くような金的〟の効果は激減すると聞いた事もある。  位置的にどうしても金的の邪魔になる部分だから  ペニスの大小は〝金的への耐性〟に直結するわけか… 「陰嚢と違って内臓も入っていないし、  普段は柔らかいから衝撃にも強いのよ、  蹴られた直後は痛くても〝すぐに引くタイプ〟の痛みらしいわよ」     「へぇ……ち、ちなみに、  先生が診た陰茎の負傷者にはどんな人が居ましたか?」  シズハ先生がペンを置き、椅子をぐるりとこちらに向けてくる。 「ん~… 一番びっくりしたのは… 〝噛み千切られた〟ヤツかなぁ…」 「噛み千切…ッ! え? マジですか!」   〝何でも有り〟に噛み付きは含まれている。  が、この格闘施設でもほとんど見られない攻撃方法だ。  なぜなら噛み付くということは顔を自ら相手の体へ押し付けるわけで、  〝何でも有り〟だからこその目や耳を狙った反撃を喰らいやすいからだ。 「ど、どんな状況でそんなことに」 「あれはナズちゃんがここに来る半年前くらいかしら…  すっごい強い男の選手が居てね、その日の相手は新人の女性選手、  普通に考えれば勝負にならないわよね」 「え、えぇ」 「試合が始まっても、大方の予想通り、  女性選手が一方的にボコボコにされる展開になったの、  〝そういうの〟が好きな男性客達は盛り上がってたわ」 「うわぁ…」 「――で、とうとうトドメってなった時、  その女性選手がクリンチしてさ」 「クリンチ? って、まさか…」 「えぇ、すでにヘロヘロ状態で倒れるように抱き付いていったから  男の方も油断してたんでしょうね…  そして、その女性選手が最後の力を振り絞り、  相手の股間へ顔をうずめて―― カプっ♡っとね」 「……ぜったいそんな可愛らしい音じゃなかったと思いますよ」 「フフ♪ ガチュッとかブチッって感じだったかも♪  服の上から噛み付くのは難易度高いけど、  その男性選手はピッチリしたパンツだったから  アレの位置がまる分かりで噛み付きやすかったんでしょうね♪」 「………」  なんという死闘。  ペニスを食い千切られるなど世の男性陣は想像したくもないだろうが、  ペニスを食い千切るなんて女性として想像もしたくない。 「あの後は大変だったわよ~、  ペニスって充血(勃起)して倍近く膨らむくらいだから血管の数が多いのよ、  それが千切れたとなれば出血量も凄くて、しかも中々止まらないしさー、  救急搬送された後はどうにか〝くっついた〟らしいけど、  結局、その選手は直後に引退しちゃったの、  よほどトラウマになったんでしょうね」    半年早く働き始めなくて本当によかった。  などと安堵している私に、先生はこんな質問を投げかけてきた。 「ところでナズちゃん、  ペニスって〝ふにゃチンの時〟と〝ボッキンキンの時〟  どっちが壊れやすいと思う?」 「!」  セクハラじみた質問だが、  ここは先生の意に添うように答えるしかない。 「えと…ボ、ボッキンキンの時ですよね?」 「えぇ♪ 充血して硬くなった海綿体って負荷が掛かり過ぎると  ポキッって折れちゃうのよね」 「陰茎骨折… 正確には陰茎折症って言うんでしたっけ?  私がここに来てからも一度だけありましたよね」   あれは先月の出来事。  空手家の女性選手の蹴りで陰茎が折れるという珍事があった。  それほど鋭い蹴りというのもあったけど、  一番の原因は男の方が〝勃起していた〟からだと思う。  まず、空手家特有の強力な打撃を嫌った男性選手が組み付き、  そのまま倒れ込んでしばらくもみくちゃの時間が続いたのだ    私の想像だが、その時に〝別の意味で興奮〟してしまったのだろう。  女性選手がどうにか抜け出し、男が起き上がったと同時に  金的蹴りを放つのだが… それで折れてしまったようだ。  男性選手も腰を引いて躱そうとしたんだけど、  肥大化したペニスが仇(あだ)となって直撃しちゃったみたい。  女性選手の方もまさか勃起しているとは思ってなかったようで、  当たったことに驚いたり、呆れたり、嗤ったりしていたわね。  かく言う私も、シズハ先生もあの時はつい笑ってしまった。  先生はどちらかと言えば大笑いしていたけど。 「あったあった♪ 今思い出しただけでも…フフフ♪  千切れてはなかったけど海綿体がポッキリ断裂してて   すっごい痛そうだったわね」 「ですね、…けど、その、ちょっと恥ずかしいことなんですけど、  実は私、中学校で性教育を受けるまで  ずっと〝オチンチンには骨が入っている〟って勘違いしてたんですよ」 「え!」  中学に入る前から、エッチなことを考えている男の子は  〝オチンチンを硬くしている〟という知識はあったし、  友達とじゃれている最中に偶然おっきくなっていたソレに触れたこともあった。  だから、その〝あまりの硬さ〟に骨が入っていると勘違いしていたのだ。  我ながら子供だったと思う… 「アハハ♪ 気にする事ないわよそんなの、  っていうか〝そう考えている〟子も多いらしいわよ、  女の子だけじゃなく、男の子でも」 「へ? 男の子でも!」  オチンチンを年中触っている男の子でもそう思ってるってこと? 「男の子も小学生高学年くらいでオチンチンの仕組みを習うんだけど、  それまではナズちゃんみたいに勘違いしてる子が多いみたいなのよ、  そりゃ海綿体なんて子供が知ってるわけないし、  エッチな漫画とか見てたら〝オチンチンに骨が入ってきた〟  って思うのも無理ないかもね、  まぁ、今はスマホとかあるからそうでもないかもしれないけど」 「ハハ…性教育って大切ですね」  と、私が乾いた笑いを見せると先生も笑い返し、  再び椅子の向きを戻して報告書の制作に取り掛かった。    ※ 「ん゛~~ッッ」  シズハ先生が立ち上がり大きく背伸びしている。  どうやら作業がひと段落したようだ。 「お疲れ様です」 「えぇ、でもまだ最後の試合が残っているから  どうなるか分からないわよ」 「あ!」  そうだった。  もうすぐA、B、C、Dの4コートで最終試合が始まるんだった。  相撲などでもそうだが、  人気のある試合は最後に持ってくるのが商売の定石というもの。  そして、人気があるというのはもちろん客からの人気であり、  強さよりも〝客を沸かせるのが上手い選手〟がこの最終試合に集められる。    つまり、男性客を色々な意味で沸かせ、  熱狂的な支持を受けているエロい女性格闘家なんかも登場するのだ。 「報告書の累計データではこの最終試合が一番〝局部の負傷〟が  多いからね~、特にほら、Cコートの〝ライラ選手〟  彼女の試合は〝ここへの搬送率〟が特に高いから注意しとかないと」 「そうですね」    忘れていた…… 今日はライラ選手が出る日だった。  〝何でも有り〟と銘打っているこの格闘施設だが、  数少ない禁止ルールも存在する。  その内のひとつが〝性交〟  男の生殖器を女性器やお尻へ挿入させる行為がそれに該当するのだが、  そのルールは、逆に〝それ以外の性的愛撫〟は有りと解釈できる。  視覚へ訴える色仕掛け――  触覚から否応なく浸食してくる乳房の押し付け――  いかなる時も男を動揺させる効果を持つペニスへの愛撫――  女の武器で男の原始的欲求をもてあそぶことを暗黙に認めており、  男性客などはむしろ〝それ〟を望む者の方が多いだろう。  更に〝そんな戦い方〟を得意とする女性選手筆頭が彼女なのだ。  ライラ選手は、どうすれば男が戦いに集中できなくなるか、  どうすれば男性客が悦ぶかを熟知している。  彼女と戦う男性選手の戦闘意欲はそがれ、  彼女を観戦する男性客の性的欲求は昂る。  エンターテイナーも兼ねたライラ選手の戦いは  この施設の目玉とも言える人気を誇っていた。  ※     もっとも注目を浴びているCコートにて拳を交えるのは、  もっともオナネタに使われているであろう女性選手〝ライラ〟と、  もっとも勢いに乗っている期待の新人選手〝カイ〟である。 『さぁ、このCコートで始まったのはメインイベントといってもよい一戦、  デビューから連戦連勝の無敗で勝ち上がってきた男〝カイ選手〟と、  男性選手に対する勝率が八割を超える男殺しの〝ライラ選手〟!  両者共に記録と意地のかかった負けられない戦いですッ!』  実況の女性が熱のこもった声で場を掻き立てるが、   今日ばかりはライラも相手が悪い、と思う者も少なくなかった。  なぜなら、ここでは新人扱いのカイだが、  〝表〟では元世界王者という立派な肩書の持ち主であり、  その種目がボクシングなのだ。  他の選手と同様に一方的に殴られる可能性も無くはない、  と、予想する客もいる中、開始から20秒ほど経過するのだが… 「おい、カイの奴、なんか…遅くなってないか?」 「そうね、いつもなら華麗なステップを踏むのに、  今日はベタ足っていうか…」 「パンチの一発も出さず距離ばっか取ってるし」 「ライラを警戒してるんじゃないのか?」  客たちがザワつく。  これまで開始と同時に果敢に攻めていたカイだが、  今日は手も足も明らかに動きが鈍っているのだ。  だが、ライラと戦った男たちが〝同じような状態〟に  なったのを客たちは何度も見たことがある。 「なぁ、もしかしてライラのエロさに勃起したんじゃないのか?」 「まさか…、早すぎたろ」 「あぁ、ライラのエロ攻撃を喰らったんなら分かるけど、  まだ触られてもいないんだぜ」 「あの揺れる巨乳に見惚れて勃起する可能性もあるけど、  試合開始から30秒も経ってないし、ありえねぇだろ」  ライラの試合で勃起する男性選手は珍しくない。  見ている男性客たちですら勃つ者がいるのだから、  一番近くでその魅力に当てられている選手が勃つのも無理はない。  ただし、試合はまだ始まったばかり。  1分も経ってなければ肉体の接触もない。  だから、まだ誰もカイが勃起しているなどと本気で思っていなかった。  たったひとり、対戦相手のライラを除いて… 「んふ♡ どうしたの新人くん♡  お腹でも痛いのかな~♪」 「ぐ… このくそ女…」  ライラの視線が突き刺さるボクサーパンツの中では…    カイの男性器が〝半勃ち状態〟になっていた。   


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