局部医務室 2話 【破壊描写有り】
Added 2021-12-27 13:17:46 +0000 UTC負傷者をお連れしました」 そう言って係りの者が連れて来たのはなんと女性選手。 確かにここは〝股間の負傷を担当する医務室〟だが、 それは言ってしまえば睾丸を打たれた男性選手を治療する部屋であり、 睾丸のない女性が来ること自体が異例。 少なくとも私が働き始めてからは初である。 「はい、ではこちらへどうぞ」 でも、シズハ先生を見ていると稀にあることのようだ。 最初は少し驚いた先生だったが、すぐに表情を整え、 フラつく女性選手を案内して行く。 「う…ぅ、イタタ…」 「だ、だいじょうぶ?」 連れられてきた女性はかなり若く、少女ともいえる容姿だったため、 その痛がる姿を見て、つい私も普段の口調で声をかけてしまった。 「は、はい…なんとか… まだちょっとヒリヒリしますけど…」 「そうですか」 当然ながら女性でも股間は大事な部分であるので、 何ともないような彼女の返事にホッとした。 〝深く撃ち込まれれば〟話は別だが、 〝軽く当たる〟ぶんには女性の方が回復は早いのだ。 内臓を薄皮一枚でブラ下げていると言ってもいい男性の場合、 軽く当たっただけで、それこそ臓腑がねじれる鈍痛が起こり、 彼女のように「はい、なんとか」などとはとても言えないだろう。 「では、一応〝患部〟を見せて頂きますね」 「は、はい…」 その後はシズハ先生が腫れを抑える軟膏(なんこう)を 〝患部〟へと塗っていったのだが… 箇所が箇所だけに「んっ♡ あ…♡」という艶めかしい声が医務室に響き、 なんか見ている私の方まで恥ずかしくなってしまった。 先生ってソッチ系の趣味もあるのか……? そして、患者を見送った数分後―― 「あー やっぱりね」 シズハ先生がパソコン画面を見ながらそんな言葉を発した。 「どうかしました?」 「えぇ、さっきの選手の試合映像を送信して貰ったんだけどさ、 ほらっ 相手の選手も女性なのよ」 「あ! ホントだ」 「予想はしてたけどね、 女性の股間を狙う男はほとんどいないし」 「あぁ、確かに」 先生の言う通り、〝何でも有り〟のこの格闘施設でさえ 男性選手は女性選手の股間を狙うのを避けている。 ただし、それは騎士道精神とか綺麗なものではなく、 むしろ自分のため。 体格で劣る女性が男性特有の脆い臓器を狙うのはごく当然なこと。 しかし、逆に力で勝る男性が女性の股間を狙ったらどうか… 男らしくない―― 卑怯だ―― 正々堂々勝負しろ―― 客からは非難轟々(ひなんごうごう) その選手の評価は一気に地へと落ちるだろう。 人気は選手の収入に直結する。 だから男性選手は自分のためにも、 女性選手の股間への攻撃は出来るだけ避けるのだ。 「でも…予想していたのなら 何でその映像を送信して貰ったんですか?」 「ん~…それはねぇ…えーと、〝このシーン〟かな」 「え? これって、さっきの選手が―― ぅわ!」 先生が見せてきたパソコン画面には 先ほどの女性選手が股間攻撃を受けるシーンが。 「痛たそ~」 あの子は結構平気にしていたが、そこそこの強さで股間を蹴られており、 男であれば玉が潰れていてもおかしくない攻撃だ。 もしかして強がっていたのかも… 「し、しかしこのシーンが何か?」 「あら? 気付かない」 「へ?」 「男みたいに〝潰れるモノ〟は無いけど、 私たち女性もあるでしょ、〝破れるモノ〟が」 「…ッ!」 この人、まかさそのためにわざわざ… 「これだけ強く打たれると、その衝撃で〝処女膜〟が破れちゃうものなの、 まぁ、必ずしもそうとは限らないけど、 部活中にボールが当たっただけで破れたっていう事例もあるのよ」 「あ、それなら私も聞いたことあります、 テニスボールが当たって破れたり、あとは水泳の飛び込みとか、 体操の平均台でのミスで処女膜を失ったっていう話も」 「そうそう、つまりさっきの子は非処女の可能性が高く、 あんな清純そうな顔した黒髪美少女が彼氏持ちで 〝ヤルことヤってる〟って考えるとなんか興奮しない?」 「……」 イキイキしてるなぁこの人。 「もちろん、こんな格闘施設に来るくらいだから、 過酷な訓練中に打たれて破れたのかもしれないし、 今回は〝たまたま〟破れなかっただけかもしれないけどね♪」 「はぁ…」 〝たまたま〟の部分を強調したのはシャレのつもりだろうか? 女の子にはタマタマは付いてないけどね♪ みたいな。 ツッコミませんよ、と私が心に決めていると、 先生はパソコン画面を選手から客席へと移していた。 「ちなみに〝こういうの〟が好きな客も一定数いるみたいよ」 「こういうの?」 「言っちゃうと、 〝股間を押さえて悶える女性を見て興奮を覚える性癖〟ってこと」 「えぇ!」 「私がそうであるように、玉を打たれて苦しむ男を見て興奮する女性も居るし、 逆があってもおかしくはないでしょ? かなりレア性癖みたいだけど」 「そ、そう言われてみると…」 あぁ、この人はちゃんと自覚してたんだな。 それに、その性癖も理解不能というほどでもない。 美しい女性が股間に両手を当てて身をよじる姿は、 女の私から見てもなんかエロいと感じてしまう。 男がソレをみてペニスを膨らませても不思議ではないだろう。 ホント、ここに居ると人の裏の部分が見えてくるなぁ。 それからはしばらく暇な時間が流れ―― 私と先生はとりとめもない会話を交わしながら 試合が流れるモニターを見ていた。 私たちが常に注目しているのは〝男性選手〟対〝女性選手〟の試合。 当たり前だが、この組み合わせがもっとも金的率が高いのだ。 さっきの〝女性選手〟対〝女性選手〟はレアケースとして、 〝男性選手〟同士の試合でも金的が決まり手となる事はほとんどない。 コンビネーションのひとつとして股間を打つことは多いが、 相手の睾丸を潰して勝とうと考えている男性選手はいないと思う。 誰も見ていない夜の決闘ならばあり得るかもしれないが、 金を貰い、客もいる以上〝最低限の勝ち方〟というのがあるのだ。 男性選手に求められるのは豪快なKO(ノックアウト) それは表の格闘技と変わらない。 逆に女性選手に求められるのは適度な色気と華麗な技術、そして… 『おっと! 鋭い蹴りが股間を捕らえたー! これにはたまらずダウーンッ!』 容赦のない急所攻撃による性別の差を越えた勝利である。 「あ!」 モニターから響く実況の声に私が反応すると、 横に居たシズハ先生が手で制止してきた。 「慌てなくてもいいわよナズちゃん、 ほら、あの選手まだやれるみたい」 先生の言葉通り、金的を受けた選手はどうにか立ち上がり、 戦う構えを取っている。 体はくの字に折れ、足元はフラついているがまだ続けるようだ。 対戦相手は細身の女性。 この状態でも一発が当たれば逆転は可能。 だけど… この時私は…おそらく先生も〝ひとつの予感〟をしていた。 「ナズちゃんゴメン、 やっぱりちょっと早めに準備しておきましょうか」 「は、はい」 私と先生は時間があればこの医務室から試合を眺めている。 だから知っているのだ。 こういう時こそ男にとって〝最悪の事態〟が起きやすい事に。 ※ 『Aコートの〝ヤスダ選手〟対〝カナ選手〟が面白くなってきましたッ! 持ち前の筋肉で猛攻を続けていたヤスダ選手に、 ひと回り体格の劣るカナ選手は防戦一方! だがしかし… 間隙を突いて放たれた金的蹴りが見事命中ッ! 自慢の筋肉も〝そこ〟だけは守れない! たった一撃、ただの一発でカナ選手がダウンを奪いましたッ!』 「ふッぐッッ…!」 「はぁ… はぁ… ったく、馬鹿みたいに攻め続けて… 〝肝心の弱点〟がガラ空きだっての、バーカ」 「く…くそッ このアマ…!」 『おぉっと! ヤスダ選手が起き上がり始めています! かなり強く蹴られて感じがしましたが、すごい根性ッ!』 「まだ立つの?」 「ハァ… ハァ… 当たり前だ… そこいらの奴とは鍛え方が違うんだよ」 「ハッ 鍛え方って… 鍛える筋肉の無いタマタマ蹴られたってのにナニ強がってんの、 悪いこと言わないからもうギブアップしときなってオジさん、 じゃないと―― もう〝勃てなく〟なっちゃうかもよ♪」 「このガキッ 上等だ!」 『これはスゴイ! ヤスダ選手の方から仕掛けたッ! まだ金的のダメージは残っている筈なのですが…このタフさは流石です!』 「しつこいな、もー」 「ハァ… ハァ…! 玉を打たれたくらいで負けるかよッ!」 「キャッ!」 『ヤスダ選手の攻撃がヒットッ! 信じられないッ! し、しかし、やはり腰に力が入らなかったのかダメージは浅く、 カナ選手を怒らせるだけの結果となったかもしれません』 「えぇ、その通りよ… こんなへなちょこパンチしか打てないのに抵抗して… あぁもう、腹が立ってきたから〝一番きついヤツ〟で倒してあげる」 「なんだと!」 「いくわよ――ッ」 『カナ選手、目にも止まらぬスピードで動き出したッ! まだ動きが本調子ではないヤスダ選手は付いていけず、 一気に懐(ふところ)に潜り込まれてしまいましたッ!』 「ぐっ」 「遅いってのッ 私を怒らせたこと―― 後悔しなッ!」 『おっと? カナ選手が何やら腕を股間へ… まさかこれはッ』 ぐむっ! 「ふふ…つーかまーえた♪」 「な!? ま、待て…参っ――」 「待たないよ、バーカ」 ………ぶちゅっ 「ッッッッッ!!」 『つ…潰し… カナ選手、容赦なく睾丸を握り潰したぁッ!』 「だから言ったでしょ、 〝勃てなく〟なっても知らないよって♡」 「あ……が……ッ」 『ここでも滅多に見られない凶悪すぎる技が炸裂してしまいました、 男にとってはまさに一撃必殺、地獄へ導くデビルクロ―ッ!』 「んふ♡」 『ヤスダ選手、泡を吹きながらまたしてもダウン、 ですが今度はもう立てないでしょう、 いくらタフでも〝この技〟だけは例外でしたか… あまりに悲惨な決まり手に目を逸らす男性客もちらほら見えます、 しかし…確実に男の急所を不能にする〝握り潰し〟でくるとは… よほど怒っていたのでしょうか?』 「ふんっ 女の命である顔を殴ったんだから、 〝男の命〟を潰されても文句はないでしょ♪ でも…オジさんって〝いいもの〟持ってるのね♡ 太い竿が邪魔でひとつしか潰せなかったわ、アハハ♪」 『と、とりあえず医療班の人いそいでッ ヤスダ選手を医務室に――ッ』 ※ 「予想した通りですね」 「えぇ、あのカナ選手は金的が得意だし気も短いから、 なーんかヤルと思ったわ」 試合で睾丸が潰れた選手が運ばれてくる先は勿論この部屋。 流石にこの場で陰嚢を切開して睾丸を摘出するような設備はなく、 私たちは応急処置をする事しか出来ないのだが、 それでも細心の注意を払い、繊細な処置をしなければ自体は悪化する。 「さ、気を引き締めてやるわよナズちゃん!」 「はい! シズハ先生」