局部医務室 1話
Added 2021-12-16 13:36:36 +0000 UTC「あ! あの〝Bコート〟の選手、運ばれてきそうです」 「あらホント、ナズちゃん、氷水の用意をお願い」 「はい」 私の名前は〝ナズ〟 この医務室で〝女医のシズハ先生〟の助手をしている。 「ん? 〝Cコート〟も終わりましたけど… 打たれたのはお腹みたいですね」 「じゃ、私たちの担当じゃないわね」 小さな医務室には似つかわしくない大きなモニターが設置されており、 画面の中では〝ルール無用〟の苛烈な試合が同時進行している。 ここは非公式の格闘施設。 もちろんテレビ放送などは無く、その凄惨な試合内容は とてもお茶の間に流せるようなものではない。 観客も比較的少数であるが、ひとり残らず 〝娯楽に飢えた金持ち〟といった感じで、 そんな人たち向けにネット配信もしているとか。 こんな環境下で行われる試合がまともな決着で終わるわけもなく、 骨折ですら軽傷の部類に入ってしまうのだ。 そうなると、医療スタッフへの負担も当然ながら増えるわけで、 〝負傷部位〟ごとに担当を分ける事でどうにか成り立っていた。 ちなみに私とシズハ先生の担当部位はというと―― 「負傷者をお連れしました」 「はぁ… はぁ… くッ あの女… 俺の…タマを…!」 ――股間である。 何でも有りの試合において金的ほど効果的な技は無い。 それでも、最大の急所だからか男性選手たちも警戒しており、 他の医務室に比べれば運び込まれてくる選手は少ないほうだった。 ちなみに、金的は女性選手の決まり手として特に多く、 逆に男性選手の決まり手にはほとんど見られなかった。 その〝重要性〟を知っているだけに、無意識に避けているのだろうか? 「う… はぁ… はぁ…」 顔面蒼白となり、内股でプルプルと震えている。 私たち女でも股間を強打されれば悶えてしまうが、 脆い臓器が外側に垂れている〝男の痛み〟はまた別モノ。 血に飢えた客たちですら睾丸が破壊されるシーンとなると、 女性以外の全員が目をそむけてしまうらしい。 ここの担当が私と先生の女性2人というのも、そういう意味なのだろう。 「呼吸は落ち着いてきましたか?」 「あ… あぁ…」 「では、そちらのベットへどうぞ」 痛みが落ち着いたということは、潰れたわけではないのだろうが、 一応、ちゃんと〝2つとも〟無事を確認しないといけない。 「先生、お願いします」 「えぇ… では、まず〝患部を露出〟しますので―― 失礼」 そう言ってシズハ先生が患部を露出、つまり男性器をまる見えにさせる。 「ッ…」 私たちは見慣れてるけど、選手からしたらかなり恥ずかしいんだろうなぁ… 若い女性2人にオチンチンを診られているわけだし。 「ナズちゃん」 「はい」 シズハ先生が用意した氷水に両手を浸し、 患部に触る手の体温を下げていく。 普通の怪我ならば〝患部〟を急激に冷やすという処置もあるが、 繊細な臓器である陰嚢はそんな乱暴には扱えない。 なので、ムリヤリ体温を下げた手で優しく包み込み、 緩やかに冷やすと共に〝触診〟していくのだ。 「少しヒヤっとするかもしれませんが我慢して下さい」 ……さわっ♡ 「はぅっ!」 フフ♪ やっぱり声出ちゃうよねぇ。 まぁ、氷のような手で金玉を掴まれたら仕方ないか。 今までの男性選手も同じ反応してたし。 「ふむ…」 もみ…♡ こりっ♡ 「つッ…うぅ」 患者の声がうわずり、より恍惚としたものになっていく。 患部を冷やされて痛みが和らいだのか、 または先生のような美人に性器を触られて気持ちいいのか、 陰嚢のない私には分かりづらいが、あの顔だと…両方なんだろうなぁ。 「――確認しました、睾丸はふたつとも無事のようです」 その言葉に患者も安堵の表情を浮かべるが、 すぐに自分の〝生理現象〟に気付き、慌てて股間を手で隠してしまった。 気持ち良さのあまり〝半勃起〟していたのだ。 そんな様子を見ていた先生も軽く笑う。 「隠さなくてもけっこうですよ♡ 男の人にはよくあることですから♪」 「は、はい…」 事実、先生の触診中に勃起を耐えた男の人はほとんどいない。 いや、睾丸が潰れていた者を除けば100%かも。 「念のためにもう一度私の手で冷やしますので、そのままで… あ、勃起は自然なコトなので変に我慢しないでくださいね♪ ――ですが、もし〝出そうな時〟はすぐにお声かけ下さい、 流石に〝不衛生な粘液〟を撒き散らすわけにはいきませんので」 「わかりました…」 先生は自然な事だと言っているが…私は知っている。 触診しながらさり気なくペニスに手や腕を当てて勃起を促している事を。 この格闘施設は言ってしまえば裏社会。 様々な理由から〝表〟で活動できなくなった医師も多く従事している。 本人から聞いた話だと、シズハ先生は若い男患者を診るたびに このような〝触診〟によるイタズラを続けたせいで辞めさせられたとか。 『納得いかないわよね~ みんなだって悦んでいたし、 入院中の溜まったモノをスッキリさせるのも立派な仕事だってのに』 と、グチを言われたこともあったが、 まぁ…言いたい事は分かります。 かく言う私も人には言えない過去があるからここで働いているわけで… 「――はい、もう服を着ていいですよ」 ベットを降りた男性選手のペニスは、ほぼ真上を向くほど勃っており、 服を着たあとも特大のテントがぴーんっと突っ張っていた。 もう見慣れた光景だが、私も最初の頃は笑いを堪えるのが大変だった。 でも、〝この後〟に男が耐えねばならない事に比べればマシだ。 「お疲れさまでした、ではコレを」 私は退室する選手に一枚の紙を手渡した。 「これは?」 「はい、傷が回復するまでの間に注意すべき点が書かれておりますので、 必ず後で目を通しておいてください」 「はぁ…」 「特に…本日から3日間は射精を控えるようお願いします」 「え!」 こんなに驚くって事は… 医務室を出てからすぐにトイレで抜こうとしていたのかも。 「睾丸の形は保ったままですが、その内部組織まで無事とは言えません、 もしかしたら触診では分からない箇所が傷ついている可能性も… なので、せめて3日は〝睾丸に負担の掛かる行為〟を我慢してください」 「3日、ですか…」 「無理をすれば二度と〝使い物にならない〟なんで事にも…」 「ッ! わ、わかりました」 まるで餌を取り上げられた子犬のようにトボトボと歩いて行く男性選手。 しかし、もうひとつ言っておかねばならないコトもあるのだ。 「それと、3日間の安静の後、 〝動作が確認〟できた時はご一報くださいね」 「はい?」 ちょっと分かりづらかったかな? 、と思っていると、 後ろからシズハ先生が分かりやすく言い直してくれた。 「次に〝射精した時〟は記載されている番号へとご連絡ください、 睾丸が正常に働いた証ですので」 「あ、はい…」 触診によってフル勃起したペニスへの3日間の〝おあずけ〟 さらには〝射精の報告〟という羞恥プレイと、 ついさっき金的敗北した男には踏んだり蹴ったりだが、 これもすべては選手の安全のため。 今どき〝ルール無し〟で戦うような格闘家は希少なのだから、 その〝活力の源(みなもと)〟は大事にしなきゃ♡ ※ 「お疲れ様、ナズちゃん」 選手が退室した後で先生が缶コーヒーを投げてくる。 「っと、ありがとうございます、 まぁ、私はほとんど何もしてませんけど」 「じゃ、次はナズちゃんが〝触診〟してみる?」 「んー…そうですねぇ」 すると、医務室に備え付けてある電話が鳴った。 「あ! 私が出ます」 ここに掛かってくるということは、おそらく… 「はい、〇〇格闘施設、局部医務室です」 『もしもし、あの…3日前にお世話になった――』 やっぱり、この前、睾丸を打たれて運び込まれてきた〝レジ選手〟だ。 「あ! レジ選手ですね、お待ちしておりました」 この選手もさっきの人と同様に金的を喰らいはしたが潰れてはおらず、 3日間の安静の後に〝動作確認〟の報告を御願いしていたのだ。 「それで、どうでしたか?」 『はい…さきほど、その…〝正常に動作〟しました』 つまりは射精したということか。 まだ昼間だし、彼女とのエッチというよりはオナニーかな? 勿論、そんな質問〝私は〟出来ないけど、つい想像してしまう。 「わぁ♡ おめでとうございます♪」 『え、えぇ…』 射精して「おめでとう」など初めて言われたのだろう。 電話ごしでも恥ずかしがっているのが伝わってくる。 「それでは先生と代わりますので、少々お待ちを」 シズハ先生へと受話器を渡すと、 その美しい顔が妖しく微笑した。 本来なら射精が確認できた時点で治療は終わりなのだが… 〝ここから先〟は先生の趣味と言っていいだろう。 「お電話代わりました、主治医のシズハです」 『あ、どうも』 「レジ選手の睾丸、及び生殖機能に問題は見られなかったので、 これにて治療は終了となりますが… 最後にいくつか質問をしてもよろしいですか?」 『はい、どうぞ』 「ありがとうございます♡ では…本日、射精できたと言いましたが、 それは自慰、つまりオナニーで出したのですか?」 『え!』 「それとも異性との性行為で?」 『……オナニーですけど…』 「回数は?」 『一回…です』 「そうですか、ふふ…♪」 シズハ先生の表情が段々と妖艶なモノへと変貌してゆく。 こうなった先生が次にする質問は決まっている。 「〝出し足りない〟とか感じたことは?」 『出し…足りない?』 「少なくとも3日以上溜めていたのですから、 レジ選手のような若い男性なら〝出し足りない〟のではと…」 『え… えぇ、そう言われてみると…少し』 「もしよかったら〝オナニーサポート〟というサービスもありますが♡」 『オ、オナニーサポート!?』 「はい♡ こうやって電話ごしに性的興奮を促す言葉を聞かせ、 男性を効率よく射精へと導くサービスとなります♪」 シズハ先生は見た目通りのS(サド)気質。 男を責めることに悦びを覚えるようで、 試合で女性選手が金的を決めた時などは、 悶え苦しむ男性選手を実に楽しそうな目で見ている。 「いかがしますか?」 『えっ! と… お、お願いします」』 「かしこまりました♡ では―― オチンチンを出しなさい」 先生の口調が豹変すると、電話の向こうからも 「はいっ♡」と元気のよい返事が聞こえてくる。 肉体を追い込む格闘家やアスリートには、 少なからずМ(マゾ)の気質があると聞いたことがあったが、 このレジ選手はどうやらドМのようだ。 「アナタのオチンチンは今、どの方向を向いているの?」 『方向? えっと、上の方を向いてます』 「あらやだ♪ もうビンビンじゃない♡ 少しどころじゃなく、まだ全然出し足りないようね♡」 『はい…』 「それじゃ、その卑しい肉棒を握りなさい、 私が声を掛けるから、それに合わせてシゴくのよ♡ はい、シコ♡ シコ♡ シコ――♡」 オナニーサポートというより淫語責めに近いような…? けど、こうなったらもう私は見ているしかない。 シズハ先生のストレス解消でもあるし、 選手の方も物理的にスッキリするので問題はない筈だ。たぶん 『う… あぅ…♡』 「あらあら、そんな情けない声出しちゃって… もうイキそうなの?」 『はい…』 「そう♡ ならとっととイキなさい♪ 壁に向かって思いっきり射精(だ)すのよ♡」 『え! 壁に?』 「部屋の壁に思いっきり精液をぶちまけるの、いい? ティッシュなんかで受け止めちゃダメよ、 こういうのは〝いけいないコト〟をする時の方が 断然きもちよく出るんだから♡」 『ッ… 分かりました… 壁に向かって…もう…イキそうです…』 「うん♡ いい子いい子♡ いつでもビュルビュルしていいわよぉ♡ ほーら びゅっ びゅっ びゅうぅ~♡」 『くっ はぁぁ…ぁぁっ♡』 びゅるるうるるるるっと電話ごしに射精音は…流石に聞こえはしなかったが、 その声だけで〝イった事〟は伝わってきた。 先生の指示通り、本当に壁へ向かって ぶちまけたのかまでは確認しようがないが、 もしそうなら… 掃除が大変だろうなぁ、とは思った。 「んふふふ…♡」 情けない嬌声から情けないイキ顔を想像しているのか、 先生も身震いするほど悦に入っている。 今更だけど、とんでもない職場に来ちゃったなぁ… こんな光景ですらこの医務室では日常茶飯事。 ――だが、 この時、私と先生は同時に試合を移すモニターから目を外しており、 〝次に運ばれてくる選手〟が意外過ぎて驚かされることになった。