柔よく剛を制す「中編」【破壊描写有り】
Added 2021-09-01 12:56:43 +0000 UTC男のもっとも壊されたくない急所を潰して豹変する南を見て、 岩田を含む男子たちには凄まじい悪寒が走っていた。 「ひぃ…! あの女、大林先輩の…タ、タマを潰しやがった!」 「やべぇだろ… いくらなんでも… ソコだけは狙っちゃダメだろ」 「ふ、ふざけんなッ! 反則だ、反則負けにしろッ!」 男たちのブーイングに対し、女たちはというと、 「あーあー 痛そう♪ フフ… 南さんったら容赦ないんだから♪」 「何か男たちが言っているけどアタシ女だから分かんなーい♪ アハハ♪」 「そうそう、男にしかついてない弱点をルールで守るなんて男らしくないぞ~♪」 自分とは〝無縁な事〟であるためか、実にお気楽な言葉を並べていた。 そんな女たちのクスクスとした声の中、リーダーの女が南の横へと並び、 大林と岩田に向かってこう言い放つ。 「先ほどお前が〝出し惜しみしない〟と言ったように、 こちらも最初から〝最も男の天敵となる者〟を出させて貰ったのだ♪ この―― 金締流(きんじりゅう)の南をなッ!」 「きん、じ…?」 聞いたこともない流派に困惑する岩田をよそに、 リーダーの女は南の肩に手を置いて言葉をつづけた。 「こちらもさっき言ったはずだぞ、 私たちは武術流派の後継者だと、武術には表社会には馴染めず、 しかし裏で脈々と受け継がれ続けている流派というものが存在する、 その様々な流派の後継者たちが〝ひとつの目的〟のもと集まったのが私たちだ」 「ひとつの目的? ふざけるな! それと大林の金玉を潰すことに何の関係があるんだ!」 岩田が目を向けると、ぐったりと倒れる大林の股間には大きなシミが出来ていた。 南が言うには〝ひとつ〟しか潰していないようだが、 それでも男にとっては十分すぎるほど一大事であり、 股間の湿りは失禁ではなく、潰れた玉に貯蔵されていた子種なのかもしれない。 仲間の無残な姿からにっくき女どもへと視線を転じ、 岩田がぎろりと睨み付けた。 「フフ、怖いな… だが、もっと怖いのは練り上げ、積み重ねてきた技術が無駄に終わる事だ」 「何だと!?」 「お前ら柔道家はいいよなぁ… 表舞台で思いっきり努力の成果を発揮できるのだから、 ――だが、私たちは違う、どんなに厳しい訓練をしても、 それを発揮できる場が無いのだ、恐らくは死ぬまで……」 女のリーダーは下唇を軽く噛み、再び大きく口を開いた。 「しかし、無ければ作ればよい、 だから私たちは手始めに柔道家を襲っているのだ、 自分たちの積み重ねてきた人生を証明するために、 その男の睾丸も尊い犠牲のひとつに過ぎん……が、 一応、南に代わって謝ってやろう、わるいな♪」 まるで足でも踏んづけた時のように軽く謝罪する女。 岩田は激怒した、男のタマはそんな安いものではないと―― 「てめぇッ!」 すると、今度は南が口を開いた。 「私の金締流は… 代々若い女性が受け継いできた流派、 筋力でも速度でも技術でもなく、色香を軸として殿方を絡め取り、 陰嚢内部に秘蔵されし最弱の臓器〝睾丸〟を破壊することに特化した武術です」 それを聞いた岩田は頭に上っていた血が一気に引いてしまった。 「睾丸と言うのは少し訓練すれば女子供でも破壊する事が出来ます、 しかし効果は絶大、どんな屈強な殿方でも睾丸を潰してしまえば 運動能力は激減し、大抵はそれだけで戦闘不能となるでしょう… あぁ、なんと効率的… 私は自分の流派を誇りに思います…… が、 〝こんな技〟は表舞台では使えぬことも承知しております」 愁(うれ)いを帯びた目で下を見る南だが、その口元は微かに笑っていた。 「もしかしたら… 我が金締流も時代に合わせて変わる時なのかもしれません、 潰すのではなく、打つ、捻る、押し込む、蹴り上げるなど… しかし… あぁ、〝あの感触〟だけはやめられません♡ 相手の殿方が逞しければ逞しいほど… あんな弱々しい玉袋をぶら下げていることが可愛らしくて♡ つい…潰してしまうのです♡ イケないことと分かっていても… フフフフ…♡」 またしても暴走し始めた南のおぞましい気に当てられ、 岩田と他の男たちは青ざめたまま絶句する。 今の調子づいた南を止められるのは隣のリーダーくらいのものだろう。 「おい南、それくらいにしてやれ、 男たちが怯えているではないか♪」 「あら! 失礼、フフフ♪」 「さて、少し話が長くなった… 次の試合を始めようか」 『男女対抗柔道勝負 二戦目』 女チーム「辻(つじ)」 対 男チーム「寺井」 「よっろしくぅ♪」 「お、おぉ」 「ん~? なんか元気ないけど…もしかして玉が潰される心配でもしてんの? ちゃんと説明聞いてた? 〝金的〟は反則になったんだよ」 初戦が終わった後、男たちの猛抗議により睾丸を狙う武術の使用は 即反則となるルールが追加されていた。 しかし、最大の懸念が取り除かれたはずの男たちだが、 その要求を女側がすんなり受け入れた事、そればかりか 「一試合目は南の反則負けでよい」と言ってきたことが不可解であった。 まるで最初からこうなることを予想していたような… 「まったく、〝金的禁止〟なんてよくあるルールだけど、 そんなの男が〝自分たちだけの急所〟を守るために作った 不公平極まりないルールだよね~ 生まれた時からぶら下がっているんなら自分で守りなさいっての、ねぇ?」 やれやれとため息をつく辻に、ようやく寺井もやる気を出した。 「うるせぇ! 柔道ならどのみち反則だろーが! 汚い手を使いやがって… いくぞッ!」 寺井が踏み込み―― 「汚いのはアンタたち男に垂れ下がってるチンタマでしょ♪」 辻が正面から迎え撃つ。 互いの右手が相手の左前襟を掴み、 両者、右組みの姿勢となった。 大林ほどの巨体ではない寺井だが、それでも女性の辻より一回り大きい。 体重差は20キロ以上、 普通に考えればまともな勝負にはならない。 だが、男たちは知っている、この女たちはまともでない事を。 (組み合った感じはただの女だ、構えは様になっているが重さが全然足りない、 一気に行くか… なるべく密着は避けたいが… この技なら) 警戒しつつ勝利への道筋を組み立てていく寺井。 そんな彼が選んだ投げ技は〝出足払い〟 相手の右足が前に出た瞬間、 自分の左足裏で相手の出足を外側後方から払う技。 これだけの体重差があれば相手を崩して足を出させる事は容易い、 なにより、この技ならば、この危険な女に密着せずに済む。 寺井がベストと判断した技だったが―― 「やっぱりね♪」 と、まるで知っていたかのように躱された。 「ッ!?」 (この女、軽いとは思っていたが… 足運びが異常に速い) 寺井は驚愕していた。 どんなに力技で崩しても、彼女の柔軟な下半身は常にしっかり地を掴み、 足で払おうとすると、まるで蝶のようにすり抜けてしまうのだ。 足運びひとつで男の技を防いでいる女に、ついその素性を聞いてしまった。 「お前、何者だ!?」 辻が蠱惑的に微笑む。 「ざっくり言うと…… 忍者かな♪」 「忍者!?」 この女の流派をさかのぼっていくとある忍の集団に辿り着く。 かの仙台藩に仕え、全員が黒い脚絆(きゃはん)を付けていたあの忍集団に… 「ふふふ…♪」 ちなみに彼女らの黒い柔道着は辻が考案したものである。 「でもさー ちょっと不注意すぎるよキミ~」 辻の〝口撃〟が始まった。 「何ッ!」 「確かに金的への攻撃は反則になったけど、 それで私たちが金的を狙わなくなる保証はないじゃん」 「??」 流れるような口調で辻の言葉は続いていく。 「ちゃんと聞いてた? 私たちは自分の磨き上げてきた技術を試すためにキミ達を襲ってんだよ? 自分で言うのもなんだけど、そんな非常識な集団が 反則くらいで自分の欲求を抑えると思う?」 「――!」 (そ、そうだ! さっきの南って女も…反則喰らってんのに笑ってやがった、 金玉潰した手を何度も見つめて… 反則なんて知らぬ顔で… コイツらは自分が満足できれば勝ち負けなんてどうでもいいんだ) 寺井がその考えに思い至った瞬間、 まるで陰嚢を隠すかのように腰を大きく引いた。 「…くす♪」 同時に辻がにやりと笑う。 忍には他人を自在に操る〝対人術〟というものがある。 人のもつ五情【喜、怒、哀、楽、恐】 人の抱える五欲【食、性(色欲)、金銭、名声、風流(趣味)】 それら「五情五欲の理(ことわり)」を利用して相手を思い通りに動かす忍技。 特に男の恐怖を喚起(かんき)させるのに、睾丸はもっとも適していた。 「くッ」 (どうする、コイツの身軽さは異常だ… しっかり掴んでいるはずなのに投げれる気がしない、 逆に寝技に持ち込めば負ける気はしないが、 さっきの女みたいに金玉を潰してくる可能性も… くそッ それなら負けた方がマシだ) 寺井の動きが目に見えて鈍くなっていく。 辻の動きが身軽すぎると感じていた寺井だが、 それは自身の動きが恐怖で鈍ったことによる錯覚なのだ。 肉体を鍛えこんでいても精神まで鍛えこむ練習はしていない。 口先ひとつで相手の拍子(リズム)を崩すのも立派な忍術。 寺井のほころびを見るや、辻は更なる〝追い打ち〟を仕掛けた。 「さっきの大林くんだっけ? 彼、かわいそーだったね~、 大事なだ~いじなタマタマ潰れちゃって♪」 「お、お前らが潰したんだろッ!」 「まぁまぁ…♪ でも〝いっこ〟だけで済んで良かったと思わない?」 「は?」 互いに軽く攻防するフリのまま、会話は続いていく。 「だって〝いっこ〟でも残ってれば射精できるじゃん♪ キミら男ってソレが一番の楽しみなんでしょ?」 「な゛ッ!?」 男子大学生にとってソレは否定できない事実。 美味しいものを食べたり、柔道で思いっきり汗を流したり、試合で快勝したり、 気持ちのいい瞬間は数あれど、どれが一番かと問われたら… やはり〝射精の瞬間〟が真っ先に上がるのだ。 「もし〝ふたつ〟とも潰れてたらソレが出来なくなっちゃうんだよ… 一生ね♪」 「!!」 知らない快楽より、知ってしまった快楽を取り上げられる方が辛い。 寺井は自分の睾丸が破壊されて〝不能〟となった人生を瞬時に想像し、 表情に絶望を滲ませてしまった。 「んふ♪ 知ってるよ、〝その玉〟って潰れたらもう治せないんでしょ♪ 不便だよね~ こんな打たれやすい所にぶら下がってんのに再生能力がないなんて… しかも、ちょ~っと小突かれただけで激痛が走るとか… 欠陥品って感じ♪」 辻が嗜虐的な目を股間へ向けると、 寺井は大事な子種袋を守るように更に腰を引いてしまった。 そのさまはかなり滑稽なもので、観戦している女たちも―― 「うっわ、なにあれ~ メッチャへっぴり腰じゃん♪」 「金的は禁止になったのに… 何を怖がってんのかしら?」 「アレじゃないの♪ 辻さんの魅力にやられて勃っちゃったとか♪」 「ぷっ♪ アハハ、チョロすぎ~♪ もしかして童貞くんなのかな~」 と、声が飛んでくるが、今の寺井の耳には届かなかった。 彼は今、自分の〝男〟を失うかもしれない窮地に立たされているからだ。 「あーあー 腰ひいちゃって… 言っとくけど私…… 一瞬でキミの〝そこ〟を潰せる技もってるから♪」 「!?」 「忍には人体の急所を破壊する秘技がいくつかあるからね~ とうぜん釣鐘(金的)を破壊する技も多いんだよ♪」 それを聞いた寺井の顔色がどんどん白くなっていく。 試合中だというのに、もはや彼の戦意はかけらも残っていないのだろう。 「どんなに注意しても…どんなに守りを固めてても… 影のように詰め寄り、風のように巻き付き、卵のように軽々と打ち砕く忍技、 もちろん…〝ふたつとも〟ね♡」 「ひっ!」 にやりと牙を覗かせて笑う辻に悲鳴を漏らす寺井。 一瞬で潰される――? 数秒後、自分は〝男〟ではなくなっているかもしれない――! 昨日のオナニーが人生最後の射精だったのか――!? 軽くパニックを起こした寺井が組んでいた腕を放して逃げようとした瞬間、 「――うわッ!?」 辻によって足を払われ、そのまま両者がもつれるように転がった。 「ぐっ!」 (し、しまったぁ! 寝技の体勢になっちまった… つ、潰される) 恐怖で顔をこわばらせる寺井。 しかし、直後に漂ってきたのは鼻腔をくすぐる甘い匂い。 「大丈夫ぅ?」 「!」 仰向けに倒れる寺井のすぐ目の前には、辻の綺麗な顔があったのだ。 「うっ」 「このまま優しく抑えてあげるからキミはジッとしてて……♡」 パニックで気が付かなかったが、 倒れ込んだ2人は〝肩固め〟の体勢になっていた。 仰向けに倒れる相手の右腕下から首まで手を回し、 そのまま抱えるように抑え込む技である。 相手の首を抱えるのだから当然両者の顔は近くなり、 寺井はさっきとは別の意味でドキドキしていた。 「あんなこと言ったけど、私…… 本当は寺井くんみたいな人の睾丸を潰したくはないんだよ♡」 「え?」 その声色は今までと比べ、より一段と優し気なものであった。 そして、辻は顔をより近づけ、耳元でこうささやいたのだ。 「実はね…私、キミみたいな人がタイプなの♡」 「!!?」 「こんな形で出会わなければ… 彼女にして欲しかったんだけど…」 「マ、マジで」 「うん♡ 本当だよ♡ だから、そんな相手の大事なアレを潰すわけないじゃん♪ ほら、潰しちゃったらこっちだって困るし… エッチの時とか♡ それにぃ… もし、〝子供が欲しくなった時〟とかも…♡」 「こ、こど…ッ!」 男子大学生の性とは哀しいもの。 さっきまでの恐怖はどこへやら、 こんな可愛らしい女性に密着されたまま告白当然のことを言われ、 寺井は初デートや初エッチなどの恋人イベントを瞬時に妄想してしまった。 その結果―― 彼の若い肉芽はムクムクと瞬く間に隆起し… 「ねぇ見て、アイツの股間… 膨らんでない?」 「ぅわ、ホントだ… やっぱ勃起してたんだ」 「やっぱアイツも〝ひとつ〟くらい潰した方がいいんじゃないの?」 形成された無様なテントが女たちの視線を集めていた。 「お、おい寺井!」 部長の岩田が声をかけるが反応はない。 「何をしているッ 早く返せッ もう時間が…」 寺井は既に辻の術中、 頭の中では目の前の美少女との童貞卒業式が妄想されており、 男の野太い声が入る隙間などないのだ。 そしてとうとう―― 『一本っ! それまで!』 〝肩固め〟の体勢のまま30秒が過ぎ、辻の勝利が決定した。 これで一勝一敗。 戦況は互角に見えるが、男側の一勝はお情けで貰った反則勝ちであり、 しかも寺井が比較的まともな技で女に敗れてしまったため、 次も負けてしまうのではないか… と、男たちには不安な空気が漂っていた。 一方、試合場では、 「はぁ… はぁ…」 テントを張ったまま仰向けに倒れている寺井の姿が。 たいして動いていないのに息を乱しているのは、 密着していた辻への興奮と脳内妄想によるものだろう、 もしかしたらテントの〝中〟では先走りが漏れているかもしれない。 「うっわ、まだテントもっこりさせてるよアイツ」 「でもさ… あぁしてると白い道着が〝白旗〟にも見えてくるよね♪」 「アッハハ♪ 確かに、勃起チンポに引っ張られた道着が白旗みたい♪」 「フフ… もしかしたらテントの中じゃ〝別の白旗〟も上がってるかも♡」 「やだー♪ きもーい♡」 そんな外野の声がようやく届いたのか、 「わわっ」 寺井は慌てて上体を起こしてから両手で股間を隠す。 「フフ…♪ そんなに慌てなくてもいーのに♡ もうみんなに見られちゃったんだから、 むしろ堂々と勃起テントを見せつけてたほうが男らしーよ♡」 辻が屈み込んで見てくると、寺井は目を合わせる事も出来ず赤面してしまう。 「うぅ…」 「あ、そうそう、 さっき言った〝男の睾丸をいつでも潰せる技〟とかは嘘だから♪」 「えッ?」 「そんな忍術あるわけないじゃん♪ もしかして信じちゃった? フフ、そーだよねー 男なら信じちゃうのよねー♪ 絶対に失いたくないだーいじな〝おいなりさん〟だもんねー♡」 「こ、この…ッ」 自分のタイプと言っていたクセにこの言いぐさ。 全てはまやかし。 寺井は自分の男心が弄(もてあそ)ばれていた事を痛感し、 目の前で嗤う悪女を睨む事すらできなかった。 そんな寺井の両肩に手を添えて、辻がこう耳打ちしてくる。 「女の嘘は残酷なの♪ 頭と心と股間に染み込んだでしょ♡」 「う、ううぅ…」 寺井の心はズタボロとなり、 〝次の言葉〟が無かったら本当に泣いていたかもしれない。 「でもね、キミの〝ここのサイズ〟だけはちょっぴりタイプかも♡ フフ… 〝いいもの〟持ってるんじゃない♡」 そう言ってピンっ♡ と、男のテントが指で弾かれた。 「ぁうっ!?」 「アハ♡ じゃーね♪ もっと男を磨いた後でなら… 〝相手〟してあげてもいーよ♡」 かるく男根を撫でながら辻が去って行った。 「は、はいぃ…♡」 片や、寺井はまるで〝金縛りの術〟にでもあったかのように止まったまま。 動けないわけではないが、動けば暴発射精しかねないほど昂っていたのだ。 震える腰で射精の波をこらえ、道着の中ではドプドプと青臭い我慢汁を滲ませたまま、 寺井は辻の妖しき幻術に完全敗北を喫した。