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入れ替わりの作り方 その1(設定づくり)


ベタな入れ替わりイラストですね。

Pixivとかでよく描かれる一枚絵タイプの入れ替わりだとこういう感じのものが多いです。


入れ替わった二人を横に並べて、それぞれリアクションをとっている図。

見ている人にわかりやすいように吹き出しの中に本来の人格を入れたものを添えてあります。


入れ替わりって一枚絵に表現することは難しいんですよ。

入れ替わってる最中(階段転がったり雷に同時に打たれたり)を描いただけじゃ入れ替わったこと自体のアクションとれませんからね。入れ替わりそうだな~と匂わせる絵にはなるかもしれませんが、肝心の入れ替わりに対するリアクションがないのではあまりおいしくないと僕は思います。


憑依だとまぁ、魂が身体に入り込みながらニヤニヤさせたりすれば一枚絵として表現可能ですね。皮モノはまぁ着こんでる姿でも書いていれば皮モノっぽくなるのではないですかね。

女体化とか他者変身っていうのは女体化最中のシークエンスの真ん中あたり描いてれば、なんか変化してるなぁ位には思われると思いますね。(こういう場合も変化前と変化後の二つあった方がいいですけど)


入れ替わりもまぁ、変化前と変化後二枚あった方が全然いいんですよね。

で、さっきのイラストの話に戻りますが、あぁいう感じのイラストでどちらかというと映えるのは二次創作の方かと思います。


あるアニメのキャラAとBが入れ替わってるイラストですっていう風に先ほどのあの構図で描かれたイラストがあったとしたら、見ている人は「あぁ~~」ってなりますよね。

AとBが入れ替わったらどんな感じになるだろうというのを描き手が妄想して出来上がったのがそれになるわけなんですよ。で、見る方も見るほうで、そのキャラを知っていたら頭の中で色々と思い浮かぶわけですよ。Aはこういう経歴を経て、こういう性格で、こういう容姿で今に至る人物。Bも同じくそう。

このAとBのキャラを知っている分、この二人が入れ替わることによって発生しうる様々なことが予測できます。二次創作っていうのはそういうものです。同じ世界観をたくさんの人と共有できるものなのです。(ある程度解釈違いは起きることはあれど元となるものは同じ)


ですが、オリジナルはどうでしょうか。

先ほどのイラストはオリジナルの入れ替わりです。この二人の人物がどういう人間かさっぱりわかりませんよね?画像から見てとれる情報だけ集約すると。

・男女が入れ替わっている。

・女の方は困っている

・男の方は嬉しそうに身体を触っている。

・二人はおそらく学生


ってくらいだと思います。

男っていうだけでまぁイメージが先行してこれからエロいこととかするんだろうなぁという妄想が広がりますね。現在あるキャラの情報が上記の4つくらいだとしたら少なすぎますね。ですが少ないからこそのメリットはあります。例えば見た側がそれぞれ都合よく解釈ができる、続きを好きなように妄想できる。などなど。

……でも自分が好きな風に都合よく解釈できる人は、自分で作品描くのに向いてると思うんですよ。自分の世界を持っていて、どういうものが好きかわかっている人。そういう方はぜひ作品作りにチャレンジしてもらいたい。


それはさておき、こういう情報が少ないということは、悪く言えば作品の形が抽象的になってしまうということです。

ただ入れ替わった二人を並べてベタなリアクションを取るだけが、本当に作りたいものですか?確かに入れ替わりとしてわかりやすい絵だと思いますし、ここから見る側に任せて妄想を広げてもらうことはできますが、ここにさらに情報を足せば、自分好みのもっといいものになるとは思いませんか?

作り手はやっぱり自分の好きなものを作ってこそだと思うのです。僕は男女の入れ替わりならだいたいどんなものでも好きですが、やはり情報量が濃い方が感情移入やら作品から感じるものが大きかったりとメリットは多いのです。


ここまでの話を軽くまとめると、

同じ一枚絵の構図でも、二次創作は原作があるからキャラの設定などの前提をスキップできるが、オリジナルではキャラの設定を固めるものがなく、味が薄いものになってしまうということです。


それで、情報量を足すにはどうすればいいか。簡単です。

もう一枚絵を描きましょう。

いや、絵でなくてもいいです。キャラの設定を補足する何かを付け足しましょう。




こういうものを描いてみました。


情報をまとめると。

・女の子はかわいい

・女の子の名前は由香。

・主人公の男目線のストーリー(四角枠で主人公の解説がある)

・主人公と小学生のころ同じクラスになったことがある。

・ノリを貸してあげた

・女の子は主人公にフランクに話しかけた。

・主人公は質素な返事で返した。

・女の子と主人公はこれだけしか話したことがない

・主人公は女の子と話せてうれしかった。

・女の子は雑誌のモデル

・主人公には女の子のお気に入り写真がある。

・女の子は今はグラビア写真を撮ったりしている。

・女の子はスタイルがいい。

・主人公は女の子のことが好き

・左が過去の回想、右が現在(塗りつぶしの色が違う。なんとなく直感で漫画的手法でわかると思います)

・右に大きく描かれた彼女の身体。


とか、色々挙げられると思います。

このイラストは時系列的に、最初のイラストの前にあたります。

入れ替わる前の女の子がどんな人間だったか、一ページの中に詰め込んでみました。

この1ページがあるおかげで情報が増えて逆に、妄想が広がりませんか?正しく言うならば、妄想しやすくなりませんか?


このページがあるのとないのとでは全然違うと僕は思います。女の子がどういう人間なのか、併せて主人公が女の子に対してどういう感情を抱いているのかが判明することで、先ほどの一枚絵の続きを妄想しやすくなります。

もう一度載せておきますね。


このイラストに先ほど得た情報を加えると、好きな女の子と入れ替われて主人公は「女になってる、ある、ない!」「男としてエロいことをしたい」という理由以外に、「好きな女の子になってしまって嬉しい」とか、「自分が好きな子の身体を自由にできる」だとかいう、キャラの『個性』を持ったイラストに生まれ変わりました。


男女の入れ替わりにおいて、男がエロいことしたいと思うのは定番です。情報がなくても大体するだろうな~と先入観があります。でも『個性』が加わることで、妄想の視野が広がりませんか?ただ『男と女』だったものから、『モデルでかわいい女の子とその子が好きな男主人公』というものになりました。


何度もツイッターや合同誌の最後のページで入れ替わりには相手の身体などに対する感情が大事という怪文章を書いてきたのですが、そういうことです。

男が女に対してエロい感情を持つという情報に加えて、「好き」だとか「かわいい」だとか相手に対して思っている感情の情報があることでさらに作品の質は上がると思うのです。


ざっと、先ほどの情報ページに意識して含めたもの。

・女の子の普段の姿がわかる絵

・本来の女の子の人格を持った女の子の絵

・女の子が今までどのような過去を持っているかという情報

・女の子のエロい身体つきを強調した絵

・女の子の価値を表した情報


このあたりを意識しました。本来はページを分けて書いていくべきかもしれませんが、今回はざっくりと一ページにぶち込みました。


女の子の過去の情報ですが、『あの時ロリで〇〇してた女の子に、今なってるんだ』っていう風に女の子の過去を背負う役割があります。立場交換的うまみですね。逆に自分の過去を相手に押し付けられるのも入れ替わりや立場交換的うまみ。

つまりは!女の子と入れ替われば自分が『元ロリ』になれるわけですよ!!!


それで、入れ替わり作品としてやっとこさいい感じの所にもっていけるわけですね。

それでまぁ、こうですよ。



という感じで入れ替わりにまで持っていけます。


余談ですが、入れ替わりのシーンはページを区切った方がいいと思います。

漫画的に、見せ場のシーンや区切りのシーンはページを変えた方がいいのです。

都合上どうしてもページを区切れないっていう時は、黒い太めの区切りコマを入れると、暗転して何かが起きたなって伝わりやすいと思います。


入れ替わり直後に、女の身体ということを意識してもらうため、胸やスカートなどの女性的特徴物を映し、唇をエロく書けば色っぽく女性らしさを描けるのではないでしょうか。


そして女になったことを強調する絵+女の子の身体を自分が動かしている状況シーンの二つは入れ替わり後にはすごく大事だと思います。後者の方はやっぱり相手への感情が大きければ大きいほどグッときますね。『めちゃくちゃ好きな女の子の身体を操っている』や、『死んでも入れ替わりたくない相手の身体を動かさざるを得ない』みたいな感情があれば感情のプラスマイナス構わず絶対値が大きければ大きいほどおいしい。よくある痴漢と被害女性の入れ替わりなんかはこの感情値がお互いプラスとマイナスで絶対値高めですしおいしいですよね。今回主人公は男なので、主人公が女の子に対する『好き』という感情が入れ替わりのうまみとして表れています。僕も好きな女の子の声でしゃべりてぇ~!


ここまで感情の話ばかりしてきましたね。せっかくなので入れ替わりのうまみについて、感情に次いで二番目くらいに大事な「姿(からだ)」について。

……それこそ人によるかもしれませんが、僕は「姿」は二番目だと思いますし、姿と感情には重なる部分もあるので。


自分の姿へのコンプレックスだとか、相手の姿への羨望だとかは感情部門に入ります。だってそれって人格がなければ誰も気にしないじゃないですが。人格があってこそのストーリーであって入れ替わりなんですよ。男と女という性別だってそう。感情がなかったらエロくも何も思わない。ここで言う姿ってのは感情を持った読み手からどう思われるかっていう面においての姿です。


わかりやすく例えると、

「鉛筆」と「消しゴム」があります。

鉛筆と消しゴムにはモノなので感情はありません。(MONO消しとかけたわけじゃない)

ですが、この二つが入れ替わったとします。


鉛筆だった消しゴムは消しゴムとして今後使われ、すり減っていくでしょう。

消しゴムだった鉛筆は、鉛筆として削られていくことになります。


入れ替わりというものは二つの存在の因果が逆転します。鉛筆も消しゴムも感情を持ちませんし、自分から動くことなんてありません。

ですが、見る側からしてみれば一見、意味の分からない入れ替わりに見えても、「鉛筆は消しゴムの宿命を背負わされすり減らされて今後消しゴムとして存在し続けるんだな」……みたいな哀愁を感じてしまいます。


僕がおかしいだけでしょうか?


なんというか、情が入ってしまうんです。鉛筆としてこの世に存在し続けるはずだった存在が消しゴムの因果とすり替えられ、消しゴムとして存在し続けることになってしまうということに。


ここでいう姿に含まれるのはただ見た目だけでなくできること、できないことなどの人やモノが持つ特性や技能など。現実的な姿+役割としての姿。

話を人に戻すと、男が女の子と入れ替われば、「パンチラで人を萌えさせる能力」や「女性として子供を産む能力」「女声を出す能力」など女性特有の様々な技能を得られる半面、男としての力や生活を失ってはしまいます。さっきは消しゴムと鉛筆というモノに例えることで僕が言いたいことをわかりやすく表しましたが、人間の男女ともなればかなりの要素が入れ替わることで発生します。「AさんにできることをAさんになったBくんができるようになった」「Aさんの舌に合わないカレーを、カレーが大好きなBくんがAさんの舌で感じるとおいしくなかった」「Aさんが一生懸命育ててきた胸をAさんになったBくんが揉む」とか、姿に依存した要素が入れ替われば、なんだか良い感じに思えます。

3つ目の例なんかは、Aさんが今まで積み上げてきたものをBくんが利用するみたいな感じで、Aさんの過去をプラス方向に使っていますね。ほほえましい。


逆にですが、身体が入れ替わることで、精神に付随して付いてくるものが出来るようになることもあります。

その中で代表的においしいものは「AさんになったBくんが鏡に映った姿に欲情する」とかでしょうか。もともとの自分の身体に興奮なんか普通はしませんから、AさんがAさんの身体に興奮することはまぁないでしょう。ですが、BくんがAさんと入れ替わり、鏡に映った今の姿を見たAさんになったBくんが興奮するっていうのは、男の性欲を持ったBくんの考え方や心がAさんのボディに移植され、Aさんの顔で赤面したりエロいことしたりするっていうのはすごく、いいですね。


凄く当たり前のことを語っていましたが、入れ替わりはやっぱり「心・技・体」が大事ですよ。

心……感情、深層意識等。

技……技能(心と体にそれぞれ付随するもの)

体……現実的で物理的に視覚可能な身体。


この3つを意識するとだいぶいいモノが描けるんじゃないかと思います。

漫画やイラストに限らず小説においても大事です。


この心技体をより一層濃く書いていくことで、読み手が入れ替わりに対して何らかの感情を持ってくれることを願って僕は作品を描いてますので。(もちろん自分自身にも)




おまけ。

入れ替わった女の子の身体を使って、かわいい顔する男っていいですよね。

ぜひ女の子ライフを楽しんでもらいたいと思って書いたおまけでした。


長文でしたが、読んでいただきありがとうございました!

最後に今回の画像を下に並べておきますね。(普通に漫画としてどうぞ)









……並べてみて思ったんですけど、あのベタな入れ替わり一枚絵のページ。

あれ。どちらかというと表紙向けですね。あんな不自然にカメラに顔が見える状態で立っているコマが漫画にあったらおかしい。







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