最初に言いたい。
ビジュアル最高。
あの60~70年代のあのデザインセンス、レトロフューチャー感、衣装も背景も、「世界観に恋する」タイプの映画ファンにはたまらない。
パラレルワールドの“あり得たかもしれない未来”を、今の技術で映像化したような質感。
ぶっちゃけ、ストーリーどうこう以前に画面を見てるだけで幸せな2時間だった。
ヒーロー映画としての筋立ては、はっきり言って凡庸だ。
とはいえ、冒頭TV番組仕立てで紹介されるキャラクターとそのプロフィール、序盤から中盤にかけてのミッションまでのテンポはよく、必要な手順は踏んでいる。
けれども、それ以上に“もう一段”突き抜ける熱やドラマは、ちょっと物足りない。
ただ、これまでの実写版ファンタスティック・フォー作品(2005年版や2015年版)と比べれば、ちゃんと“まともに”良かったのは間違いない。
やっと、“原作の魅力”と“映画としての完成度”のバランスがとれた印象だ。
原作コミックスでは宇宙規模の存在感を放つギャラクタス。そしてシルバーサーファー。
映画でもその神秘性とスケール感はある程度描かれていたが、前提知識がないとちょっと混乱するかもしれない。
「星を喰らう神?」って設定自体、字面で聞くと中二病的にも響くし、そこに“哲学”や“犠牲”を重ねるのが原作の味だけど、映画の中では説明が不足していて、やや浮いてしまった印象だ。
コミックス愛が強い観客には“ご褒美”でも、一般層には置いてけぼり感があるかもしれない。
金髪美女好きな僕から見て、
ヴァネッサ・カービーは画面映え抜群。
スー・ストームというキャラクターに気品と強さを与えるには、彼女の持つオーラは十分だった。
が、しかし
もうちょっと、柔らかさがあっても良かったのではないか、と思う。
あれはきっと「強い女」「主導権を持つヒロイン」としての描き方なんだと思うし、
今のハリウッドの風潮からすれば当然のチューニングなんだけど、
“可愛げ”や“愛嬌”がほしかった。あれでも試写会後の反応で多少トーンダウンされたんじゃないか、と思うくらい“押し出し”は控えめだったが。
(その点では、2005年版のジェシカ・アルバは良かった。)
あと、これも毎回思うんだけど、ガンロックことザ・シングのビジュアル、ちょっとゴツすぎない?
「岩っぽい」じゃなくて「岩そのもの」。
でも本人は繊細で、詩的で、哀愁すら漂う男ってギャップが売りなんだから、
もうちょっとデザインに“親しみやすさ”があってもいいと思う。
せめてハルクくらいに。
でも、ETもあのデザインでよしとするのがアメリカ人のセンスだから、仕方ないのか。
とにかく『ファンタスティック・フォー』としては、シリーズ史上最も“ちゃんと作られた”一本だと思う。
特にレトロな世界観とその映像化は最高。
ただ、“ドラマ”や“感情の起伏”、“ヒーロー映画としての痛快さ”の部分では、
あともう一息のところでブレーキを踏まれてしまったような感覚も残った。
F4がマーベル的に大切な一作だということは知っているのだが、ゴム人間に透明人間、岩石男にファイヤーボーイとちょっとカリカチュアされすぎなキャラクターがいかにも子供向けっぽくて、大人向けや一般大衆向けにするのが難しい、ということがわかった。
waldo
2025-07-25 07:27:44 +0000 UTC