NokiMo
にしまきとおる Tohru Nishimaki
にしまきとおる Tohru Nishimaki

fanbox


『ママにしか頼めないこと』





昼下がり。

キッチンに差し込むやわらかな陽光の中、綾瀬家のダイニングテーブルには、カップに注がれたコーヒーと、近所の洋菓子店で買ったミルフィーユが置かれていた。


「はい、どうぞ。熱いから気をつけてね」


「……ありがと、ママ」


瞳はふと息子の顔をのぞき込む。瞬の視線は遠く、スイーツに手を伸ばすこともなく、ただ何かを思いつめるように黙っていた。


「どうしたの、瞬ちゃん。そんな顔して」


「……ママに、手伝ってほしいことがあるんだ」


その言葉に、瞳は姿勢を正す。息子の言葉の裏にある“なにか”を感じ取ったからだ。


「わたしにできることなら、なんでも言って」


瞬は少しだけ間を置いたあと、目を伏せて続けた。


「……最近、どうしても頭の中がモヤモヤして、勉強に集中できないんだ」


「モヤモヤ?」


「うん。たぶん、受験のプレッシャーとか、ひとりで抱えてる気持ちとか……。でもママの前だと、ホッとする。甘えたくなる。だから、ママにそばにいてほしくて……。そばで、ボクのことを見ててほしいんだ」


瞳はゆっくりと頷いた。


「それなら、喜んで。わたし、瞬ちゃんがちゃんと前に進めるように、いつだって支えてるわ」


「ママ……」


瞬の目に浮かんだのは、どこか救われたような安心の色だった。


「ママがそばにいてくれるだけで、心が落ち着くよ。だから、今日はもう少しだけ……甘えていい?」


「ええ。大歓迎よ」



その午後、二人は特別な言葉を交わすことはなかった。

けれど、その静かな時間の中に、互いを大切に想う気持ちはしっかりと息づいていた。



そして迎えた週末。

ねぇ、ママ。今日って、予定ある?」


昼過ぎのリビング。ソファに寝転んだままの瞬が、テレビもスマホも見ずに、天井を見つめたまま言う。


「ないけど……また“なんかしてほしい”って顔ね、瞬ちゃん」


キッチンからエプロン姿の瞳が顔を出す。ふわりとした巻き髪に、清楚なニットブラウス。まるでCMに出てきそうな“理想の奥さん”ルックだ。


「うん。今日は……ママに甘えたい気分なんだ」


「……また?」


「“また”じゃないよ。ボクはママがいないと生きていけないんだから、仕方ないでしょ?」


「大げさねぇ……でも、その言い方はちょっと嬉しいかも」


瞳が軽く笑いながらソファに腰を下ろすと、瞬はすかさずその膝に頭を乗せた。まるで用意されていたかのような動作だった。


「ママの膝、やっぱり最強……」


「もう、赤ちゃんじゃないんだから……18歳の男子がそれ言う?」


「ママの前では赤ちゃんでいたいんだよ。だってママ、いつもボクのこと甘やかしてくれるし」


「……困った子」


そう言いつつも、瞳の手は自然と瞬の髪を撫で始めていた。


「ママって、なんでそんなにいい匂いがするの? 香水?」


「柔軟剤と、ボディクリームかしら。そんなに気になる?」


「気になるよ。ママの匂い、ボクの集中力奪うくらい甘くて……ちょっとドキドキする」


「ちょ、ちょっと瞬ちゃん! ドキドキとか言わないの!」


「だって本当のことだもん」



膝枕に甘え、頭を撫でられながら、瞬は静かに言う。


「ねぇママ。ボクさ、本当はわかってるんだよ。これは甘えすぎだって。でもやめられないんだ。ママが優しすぎるから」


「……それは、こっちのセリフかも。ほんと、甘やかしすぎよね、わたし……」


「でも、イヤじゃないでしょ?」


「……うん、嫌じゃない。むしろ、ちょっと嬉しいのが悔しいくらい」



今日もまた、「やりすぎ」と思いつつも止められない、二人の甘い時間が流れていく。


瞳の心にふと浮かぶのは、「この子は、どこまで甘えてくるんだろう」という困惑と、

「もしもこのまま、誰かに取られてしまったら——」という、誰にも言えない一抹の不安だった。



続く)


………


支援してくださったあなたのおかげでバーガーキングをいただきました。

ありがとうございます。

ごちそうさまでした😋



もはやハンバーガーと関係なくなった短編。DearMyMotherのエピソード0を考えてみた。


最初は手コキにはじまって、腿コキ、パイズリ、素股、などとエスカレートしていき、最終的には、先っちょだけ入れさせて、というところからズッポリハマってしまう、というような段階的な見せ方が出来ればよかったな、と思っている。




『ママにしか頼めないこと』 『ママにしか頼めないこと』 『ママにしか頼めないこと』

Comments

あれをやった後瞬はバーガーキングへ行くんでしょうか。

waldo

いっそのこと今までの短編を含めて挿絵を追加した状態でHPに追加してもいいと思いますよ

藤堂


Related Creators