129.魔女王からの手紙
Added 2023-07-05 08:00:00 +0000 UTC前の話はこちら↓ https://mariene-novel.fanbox.cc/posts/5593309 --- ボーッとしているマリエーヌに衝撃を受けていると、誰かが部屋に入って来た。 「失礼します! 結果が出ました! 床に付着した血液の魔力を感知すると、魔女王様の血であることが分かりました! それ以外の人物の血液はありません!」 魔女隊の隊員か! 結果が出るのが早いな! そして血液は魔女王のものだけだったか……。 ストマイドは腕を切断していない。 そして、この部屋にいたかもしれない第3の人物の特定ができなかった。 あ……ため息が聞こえてきたぞ。 みんなも少し落胆したようだ。 法務隊の結果を聞いて、隊長のナイリッシュが頷いた後で口を開く。 「そうかー、残念。……魔力犬は?」 「はい! すでに放っています!」 魔力犬……? なんだそれは? 「……警察犬のようなものだ。魔法生命体だがな」 俺の表情を察し、ミルフィーヌが説明してくれた。 また魔法生命体だ! そして……警察犬のような魔法生命体だと!? 「魔力犬は、ストマイドを探してくれるんですか?」 「そうだ。魔力犬はその人自身や持ち物、または血液が放つ魔力から追跡することができる。魔女王様がつくり出した1匹。私たち魔女の血液は採取されて保管されている。その血液が放つ魔力があれば、犯罪者が逃亡しても捕まえられる」 「え……」 そういう仕組みがあったのか。 犯罪者でなくとも、魔女は里から逃げられないというわけか。 明かされる魔女界の闇……! 「そう。そういうことだねー。もし何らかの方法でストマイドが魔封じの腕輪を外しているのなら、すぐに見つかるよ。魔封じの腕輪をしている限り持ち物にも魔力が付かないから見つけられないけど、出血した時点で感知できるようになる。何らかの事情で出血するのを待つしかないね」 ナイリッシュ隊長が捕捉してくれた。 腕輪を外したら見つかるのか。 外そうとして出血しても見つかるな。 けど、すぐにイドウスルーを使われたら逃げられてしまうんじゃないか? 時空魔法の使い手だから、イドウスルーは使えるはず。 魔力犬は犬でしょ? 捜索範囲に限界があるんじゃ……? ミルフィーヌに聞いてみよう。 「あの、腕輪を無理やり外した直後にイドウスルーを使われたら、撒かれちゃいませんか?」 「魔力犬は高速で空を飛び、山も海も越える」 いやいや! もう犬じゃないじゃん……! どんな見た目なのか興味が出てきたぞ! 「魔力犬の生命はもつのか? アインベルト様が亡くなられては……」 ウォルグリア学長が心配している。 「死後も魔女王様の魔力が残っている限り大丈夫です。ミランダ様の存在が証明していますよねー?」 学長が首を縦に振る。 「あと、魔力犬は私の魔力で言うことを聞くので大丈夫ですよー。権限はもらっていました。私自身も魔女王様にならって魔力犬をつくり出しましたし。とは言っても、私の視界から外れるとコントロールが効かなくなるので、まだ使い物になりませんけどね。魔女王様の膨大な魔力には脱帽しますよー」 なるほど。 他の人が管理を引き継ぐこともできるのか……。 ナイリッシュ隊長も魔法生命体をつくり出せるのね。 謙遜しているけど、他の隊長よりも魔力が高いんだろうな。 ……ん? メディアン隊長が喋り始めるみたいだぞ? 「はいはい! 話を戻すよお! 血液の証拠から、ここでストマイドは魔封じの腕輪を外していない。その状態で氷魔法は放てないから、共犯者がいるでしょ! いたとして、出血してないから無傷! 無傷のまま、ここでアインベルト様を殺したヤツが1人以上いるってことだよねぇ? 驚異的な人物が、この建物内に……いや、実力を考えると、おそらくこの部屋にいるよお!!」 メディアン隊長のテンションが再び上がっている。 そうだな……誰かが力を隠しているってことだな。 魔女隊の隊長達の誰かか……ウォルグリア学長かジャスミーナ先生。 疑いたくはないけど、ミルフィーヌ。 当然、俺は違う。 マリエーヌは……もう目を開けたまま寝ているんじゃないかってぐらい微動だにしないな。 彼女は昨夜、俺と一緒にいたから違う。 「そうですねー。やるべきことは、まずストマイドの捜索。これは魔女隊の隊員と魔力犬に任せる。……で、不可解な氷魔法を放った人物の特定。これをやらないとダメだね。昨夜はみんな個室にいたから、アリバイがない。一緒に部屋で寝た人達もいるかもしれませんが、そうなると親密な関係ですからアリバイにはならないですよねー」 ナイリッシュがまとめている。 うん……その通りだな。 俺とマリエーヌが一緒に寝ていました! と言っても、アリバイとして信用してもらえないか。 マリエーヌも容疑者候補のままだ。 俺は弱過ぎるので除外されているだろうけど……。 「やはりまずは、この氷魔法を解明することが大事ですかねー? 未知の魔法を解明するとなると、法務隊よりも研究者達にお願いしたほうが確実です。メディアン隊長とウォルグリア学長の息がかかっていない他里に解明を依頼しますかね……」 ああ、そうか。 研究者達が明らかにするのね。 誰も知らない魔法を解明する……確かに血液が誰のものか判別するのとは話が違うな。 で、容疑者候補とは全く考えていない研究者に依頼するわけか。 ナイリッシュ隊長……考えているな。 「……で、あと1人。重要な人物がいるよー」 ナイリッシュ隊長が意味ありげな発言をしている。 次の言葉を喋り出す前に、再び別の魔女隊員が部屋に入ってきた。 「ディストーマ隊員を連れて来ました!」 ディ、ディストーマ!? 魔女隊に入隊したから隊員って呼ばれている! 「昨日の会議に出席していたからね。ここに連れて来てもらったんだー。戦闘力的に犯人とは思えないけど、キミはトランスタイムを使えるんだよね……?」 「まさか……トランスタイムを使って過去に!? おお! それで全て明らかになる!!」 メディアン隊長が興奮している。 そうか、その手があったか……! 突然呼ばれたディストーマが困惑しているぞ。 「待って……えっ!? 魔女王様が……死んでしまった……。いや……ぼ、僕が過去に……!? 犯人に遭遇したら……僕も殺されてしまう……」 ディストーマがビビっている。 分かるよ! 一緒に過去のアダマーリカに行って危機一髪だったもんな! 俺が音を立てたせいだけど……。 一歩間違えたら、現代に戻れなくなってしまう。 最悪、彼の言うとおり殺されてしまうだろう。 ……あ、ジャスミーナ先生が一歩前に出たぞ。 「待って、ディストーマも昨日の夜、自由だったでしょ? 彼が犯人だとしたら、過去から帰って来て、適当な嘘をつく可能性があるんじゃないの?」 「確かに論理的に考えればそうですねー。でも、ディストーマは戦闘力不足だと思いますけど」 「トランスタイムなんていう特殊な魔法を使える実力者でしょ? 魔女王様も魔女隊に推薦したわ。あと、忘れたのかしら? 元々は同じ人物だったのよ? ストマイド先生を助けようとしても不思議ではない」 ジャスミーナ先生……ストマイドのことは守るけど、ディストーマのことは疑うんだな……。 「うーん……一理ありますかね。嘘をつかれて捜査に混乱が生じたら困るしー」 ナイリッシュ隊長が考えている。 俺的には、ディストーマはもうそんなことはしないと思うぞ。 けど、彼の精神的な側面を俺が述べても、この人達に信じてもらえるのかどうか……。 「その……僕だけが過去に行っても……犯人に殺されてしまいます」 ディストーマが主張している。 「おい! 誰か一緒に行けば良いんじゃないか? ディストーマを守るとともに、コイツが嘘をつかないように見張るんだ! 俺が行ってもいいぜ!」 オルダンテ隊長が新たな案を出した。 その案に反応したのはメディアン隊長だ。 「行きたいのは私もだよ! 過去に行く体験はレア過ぎる! しかし……一緒について行く人が犯人だったら、ディストーマを脅して嘘をつかせるんじゃないかな!?」 その意見を聞き、ナイリッシュ隊長がため息をつく。 「じゃあ、完全に関係ない人物を探しますかー? 別の里の実力者……とか」 「もしディストーマが犯人だったら、その実力者を過去に置き去りにすることもできるでしょうね。で、1人で帰って来ざるを得なかった理由をでっち上げてしまえば、真実は分からない」 ディストーマが犯人である可能性を捨てないジャスミーナ先生。 「お、おい! トランスタイムを使っても意味がないじゃねぇか……!」 オルダンテ隊長が嘆く。 そう、そうだよな……。 沈黙が漂う中、口を開いたのはウォルグリア学長である。 「自白魔法はどうだろうか? 法務隊では使える者がいると聞くが……」 あ、自白魔法については俺も聞いているぞ。 怖い魔法の印象だ。 法務隊の隊長であるナイリッシュが返答する。 「自白魔法の使い手としては私が一番ですけど無理ですねー。巷では自白魔法で何でも解決できるように伝わっていますけど、使い手と自白させられる側にある程度は実力差がないとダメです。これは言い振らさないでくださいよー? 自白魔法の存在は犯罪の抑止力になっていますので」 ……なるほど。 強制的に自白させられる恐ろしい魔法として、わざと誰か偉い人が流布させたのかもな。 これは魔女王の仕業なのかも……。 続けてナイリッシュ隊長が口を開く。 「……マリエーヌとかミルフィーヌぐらいなら、自白させられるけどね?」 え、それは……どうなんだろう? 自白魔法の詳細は分からないけどさ……。 この人……怪しいというか、マインドコントロールをしそうな雰囲気を醸し出しているんだよな。 「……ちょっと待ってください! ナイリッシュ隊長が犯人だった場合、自白魔法を試みても意味がないのでは? その魔法は発言を操作できるんですか?」 俺は魔法に詳しそうなジャスミーナ先生とウォルグリア学長、そしてメディアン隊長を見る。 答えてくれたのはメディアン隊長だ。 「キミ、さっきからちゃんと考えているね! まず自白魔法はね、かけられた相手が勝手にペラペラ喋るわけではなく、かけた相手が質問をして答えさせる形式になるね。でも、嘘はつかせられないから! もしナイリッシュ隊長が犯人でもマリエーヌとミルフィーヌが犯人にされるようなことはないよ!! でも、分かんないよねえ!! 自白魔法と見せて、相手を操作する魔法を使っちゃうかもねぇ!! 魔法生命体を造ったり操れたりするぐらい、ナイリッシュは魔力量が秀でているんだから!! そういう魔法を使えても不思議じゃない! ああ、羨ましい!!」 な、なるど……。 テンションが上がり過ぎて変だけど、メディアン隊長は詳しくて助かる。 「犯人じゃないから、私はそんなことをしないけどねー。まぁ、私が犯人じゃないっていう証明はできないからなぁ。まったく……よく気がつくね、奴隷の人間くん」 初っ端で疑われたので、お返ししてやる……という思考になっているかもしれない。 もしナイリッシュが犯人だったら……って考えやすくなっている。 ちょっとしつこかったかな……。 よし、控えよう。 「なんか行き詰まっちまったな。おい……これからのサンビュルーリカ、どうなるんだよ? ミランダ様?」 オルダンテ隊長が質問した。 魔女王は死んだ。 本当にどうなるんだ……? 次期魔女王は誰がなるんだろう? 投票? それとも娘のレブリナート隊長? 「アインベルト様の遺言状の内容に従いマス。部分魔女法では前魔女王、すなわちアインベルト様がもっとも信頼する者もしくは魔法生命体……アインベルト様の場合はワタシに預けた遺言状によりますネ。遺言状には必ず次期魔女王の決定について書くことになっていマス」 遺言状に従うパターンか! おっと……!? レブリナート隊長がミランダさんに近づいたぞ? 「あの……じゃあミランダ様が手紙を持っているんですね!」 「ハイ……深夜、アインベルト様は私の部屋にいらっしゃって遺言状を預けにきましたのデ」 「その遺言状はどこに……!?」 「私の部屋の金庫に閉まってありマス」 「取ってきてください!」 「承知しましタ」 部屋から出て行くミランダさんに、オルダンテ隊長が近づく。 「ちょ、ちょっと待て! 昨夜に預けた……だと? タイミングが良過ぎないか!? ……って、ミランダ様は深夜の時間帯に魔女王様に会っていたのかよ!? 一体、魔女王様はいつ死んだんだよ!?」 「はい、アインベルト様は深夜に私の部屋にいらっしゃって、お会いしましタ。すでに日がまわり、夜中の3時ぐらいでしタ」 そう言い残し、ミランダさんが部屋から出て行った。 ナイリッシュ隊長が少し大きめの声を出して注目を集める。 「おっと……! 嘘を突かないミランダ様から重要な証言が出ましたねー。その深夜3時から朝までの間に殺された……ってことが確定しました。ストマイドが犯人の1人で、王宮から逃げ出すことに成功しているとしたら、犯行は見張りの少ない深夜のうちでしょうね。深夜の3時~4時、もしくは5時ぐらいまでに殺されたのかな? もちろん、ミランダ様に遺言状を渡した後にすぐ亡くなった……というのは不可解ですねー。犯人に脅されていた……とか? 魔女王様に限って、そんなこと……あり得ないか」 うん。すごい不可解だよ、その遺言状。 他には魔女王が魔法で操られていた……とか? 絶大な魔力をもっているから考えにくいか……。 あと、この世界では遺体から死亡推定時刻は割り出せない感じみたいだな? 俺が刑事とかだったら死体を観察して割り出せたのに……。 あ、メディアン隊長が腕を組みながら説明を始めたぞ。 「深夜は出入り口の見張りしかいないし、王宮内を歩く人も少ないから、ストマイドはテレポスを使えれば何とか脱出できるかな……!? やっぱりストマイドの魔封じの腕輪は外れていないとおかしいね! 魔力犬で見つかるはず!! 魔力犬で見つからなかったら、どこか前提が間違っているね……。いや、もちろん皆の言うとおり、遺言状の件は不自然だよ!? まるで自分の死を知っていたみたいじゃないか!!」 メディアン隊長が喋り終わると、今度はナイリッシュ隊長が再び注目を集めるように喋り出した。 「その通りですが、混乱するので遺言状を渡すタイミングが不可解であることは一旦置いておき、ここまでをまとめてみましょう。……昨日の会議は夜9時ごろ終わり、食時は夜10時過ぎ。魔女王様はストマイドと拷問室へ。夜11時過ぎにはみんな個室へ。深夜3時に魔女王様がミランダ様の部屋へ。深夜3時~4時ごろに殺されて朝の8時半にミランダさんに発見された……って感じですね。深夜3時~5時ごろの時間帯は見張りが少ないので誰でも自由に個室を抜け出せる。やはり全員が犯人候補ですね。すでに雨が降り始めていたかもしれない。足音も聞こえにくくなるし、気配も感じにくくなる。とは言え、出入り口に見張りはいる」 そのまとめだと、やはりミルフィーヌもディストーマも容疑者に含まれてしまうな。 ミルフィーヌの部屋で解散したのは深夜0時過ぎだったはず。 ただ、マリエーヌは100%犯人ではない。 俺とエッチしていたからね!! まぁ……厳密に言えば俺は深夜1時過ぎには寝たから100%ではないか。 でも、さすがに深夜の時間帯とは言え、俺と裸でくっついていたマリエーヌが離れて着替えて部屋から出て、また裸になってベッドに入ってくっついてきたら気づくと思うぞ。 「明らかに不可解な遺言状の件は、ミランダ様が戻って来たら詳細を聞いてみましょう」 ナイリッシュ隊長が喋っているうちに、ミランダさんが部屋に戻って来た。 手には遺言状らしき封筒を持っている。 あの遺言状、怪しいよな。 偽物の遺言状としか思えない。 あ! 深夜に遺言状を渡した魔女王は偽物だったんじゃないか!? ストマイドはずっと変身魔法で顔を変えて先生をしていたわけでしょ? 「遺言状を持ってきましタ」 「ミランダ様!! その遺言状……渡してきたのは本当に魔女王様だったのかよ!?」 早速、オルダンデ隊長が質問した。 「私の部屋に来たのは魔女王様でしタ。ひどく疲れているようでしたケド」 ひどく疲れているようだった!? ストマイドと何をしていたんだ……!? ん? またレブリナート隊長がミランダさんに近寄ったぞ!? 「遺言状の中身は? どういう内容なんですか!? 次の魔女王は……誰なのですか!?」 うお!! レブリナート隊長が明らかに焦っている……!? 「こちらになりマス」 すぐに遺言状を覗き込んだレブリナート隊長が大声を上げる。 「えぇっ!? そ、そんな!! ウ、ウソでしょう……!? ウソよ!!」 遺言状を落として、その場に崩れ落ちるレブリナート隊長。 この様子だと、彼女ではなかったんだな!? それとも逆に魔女王になっちゃってショックって感じか? 床に落ちた遺言状に皆が集まり、回し読みされていく遺言状。 な、何で誰か口頭で言ってくれないんだよ!? あ! みんながみんな、読んだ途端に言葉を失っているからか! そんなにショックを受けるような人物が次期魔女王なの!? うわ……すごい真剣な表情で考え込んでいる人もいるぞ! とくにレブリナート以外の隊長達!! 隊長達と先生達が目を通した後で、ディストーマの手に渡った。 そして……ミルフィーヌの手に渡ったぞ! 彼女は目を丸くして驚いている!! そしてミルフィーヌが小走りで俺の隣にいるマリエーヌのところまで遺言状を持ってきてくれた! 「マリエーヌ! これを見ろ!」 ミルフィーヌがマリエーヌに手渡す。 マリエーヌは起きているように見えて寝ている可能性がある! 俺が起こさないと……! 「マ、マリエーヌ様……! 魔女王様の遺言状が渡されましたよ!」 「へっ? な、なに? 犯人は分かったの!? え、魔女王様の遺言状ですって……?」 「そうです! あと、犯人は分かっていませんよ!」 いや、マリエーヌ……やっぱり目を開けながら眠っていたよね!? まぁ、話が長過ぎたからね……。 昨日の会議、そして今日の推理と、2日に渡ってジッと聞いているなんて、マリエーヌには酷だよね。 本来は堂々と居眠りしたいところを、魔女王殺人の驚きと、立場が上の人達が集合しているという敬意から、立ったまま目を開けて寝るという選択を取ったのだろう。 偉い偉い。偉いよ、マリエーヌ。 「そうなの。早く犯人を特定したいところよね。で、これが魔女王様の遺言状ね。……え? ちょ、ちょっと! なによ、これ……」 マリエーヌが遺言状を見て驚いている。 開いた口が塞がっていないぞ。 よし、俺もようやく見れるぜ! どれどれ……? 俺は覗き込んでマリエーヌが持つ手紙を声に出して読み上げた。 「えっと、なになに……『私、アインベルトが死亡した後は、マリエーヌを魔女王に任命する』」 ……へっ? は、はぁっ!? おいおいおい……!! おおおおおおおいっ!? マリエーヌが……新しい魔女王に選ばれた!? これは予想していなかった……!! ど、どうなっちゃうの!!?