117.魔女王アインベルトの雄遊戯
Added 2023-04-12 08:00:00 +0000 UTC北の大陸に広がる魔女の世界。 そこにはいくつもの里が存在する。 最大規模の里はサンビュルーリカ。 そこを統治する魔女王の名はアインベルト。 彼女は魔女界一の強さと影響力をもつ魔女王である。 夜も更け、就寝の準備を迎える時間帯。 アインベルトは、サンビュルーリカに建てられた王宮の一室にいた。 【拷問室】と呼ばれている部屋だ。 その名前に反して拷問器具は存在しない。 壁はレンガで床は木材……物は何も置かれていない広々とした一室である。 「……ああ、楽しいわ。雄をいたぶるのはなんて楽しいのでしょう。私が心の底から笑えるのは、この瞬間だわ」 横一列に並ぶ5人の犯罪者。 5人とも男で、全裸にされている。 その中には先日マリエーヌ達に倒され、魔女隊に捕まったストマイドの姿もあった。 魔女王は全裸の男を四つん這いにさせて、その背中の上に座っている。 彼女は装飾を施した豪華な白いロングドレスを着こなし、そのバストサイズはマリエーヌを超すHカップ。 大きな胸とは対照的な細いくびれがあり、大きなヒップは引き締まっている。 男の目を引くメリハリのあるボディラインだ。 長い銀色のストレートの髪に健康的な肌の色、やや釣り上がった大きな目の中で輝く瞳も銀色である。 身長は172センチあり、その長い手足は健康的な太さだ。 椅子にした男の上で長い脚を組んでいるその姿は、魔女界トップレベルの美しさである。 身に付けている銀のネックレスとピアス、そしてブレスレットが一段と彼女を輝かせている。 「罪を犯した雄は、全員死刑でも構わないわね。雄という弱者の存在こそが魔女に安らぎを与え、魔女界に安定をもたらすのよ」 その発言を聞いて、並ばされている男の1人が魔女王に向かって叫ぶ。 「こ、このおっ! 狂っている! お前のせいで魔女界は腐っているんだ! この……クソババァッ!!」 目をギラつかせて汚い言葉を浴びせる男。 「あなたは、もういらないわ。いちいち口答えして……言葉のチョイスにも知性を感じないわね。空腹のモンスターみたいに原始的で見苦しいわ。……グラビディウォール」 魔女王が指を鳴らして魔法を唱えた。 生じたのは見えない圧力の壁。 魔女王は重力を増幅しつつ、その方向を自在に変える魔法を得意とする。 横一列に並ぶ男達の中で、反抗した男だけが強大な力によって後方に吹っ飛ばされた。 「ぎゃああっ!?」 壁に押しつけられて、押し潰されていく男の体。 すぐに彼の全身から血飛沫が勢いよく飛ぶ。 そのまま前のめりに倒れて、全く動けなくなってしまった犯罪者。 「あら、綺麗な血がたくさん出たわね。トマトを思いっきり壁に投げつけたみたい。ちょっと汚いわね……。最後ぐらい綺麗にしてあげたかったけど。汚い言葉を使う雄には丁度いいかしら」 残された4人の犯罪者達が後方を見て驚愕する。 「……まぁ、本当は魔女王祭で死刑にしたかったのだけど、いま死んでしまったのであれば仕方がないわね」 一連の様子を見ていたストマイドには冷や汗が浮かんでいた。 (この女……躊躇なく殺した! す、すごい魔力だった……!! 殺された男は決して弱くなかった! 魔女王の圧倒的な実力は顕在か……) 魔女王の実力は魔女界で群を抜いている。 魔女学校の教員を務めていたストマイドであっても、迂闊には手出しできない。 しかも彼は今、ケンジに付けさせられた魔封じの腕輪を装備させられてしまっている。 「さて、ストマイド……」 魔女王の次のターゲットはストマイドだ。 彼女は青ざめている彼に向かって一歩近づく。 「あなたはどうしたいの? まだ死刑は確定していないわ。あなたの場合、私の気分で殺して良いほど簡単な問題ではないのよ。魔女学校の教員として貢献したし、時空魔法の使い手は貴重だし……」 質問を受けて、ストマイドがうろたえる。 「わ、私はただ……マリエーヌへの恨みを晴らしたいだけだ……!」 自分の考えを述べながらも、魔封じの腕輪を外せないか、逃げ出す術はないかと考えている。 「ふふっ。ふふふっ……!! 雄のあなたが魔女に恨みを晴らすなんて、笑わせてくれるわね。裸にされて全身を鳥の羽でくすぐられても、こんなに笑えないわ」 なんだその例えは……と思いながらも、彼女の裸を想像してしまうストマイド。 「くっ……! 私はマリエーヌに人生を狂わされた……!!」 「はいはい。あなたはそればっかりね。グラビディウォール……」 ストマイドの言うことには耳を貸さず、またしても指を鳴らして魔法を唱える魔女王。 再び圧力の壁が発生した。 「ぐうぅっ!?」 先ほどの犯罪者と同様に、ストマイドは後方に吹っ飛ばされて壁に押し付けられた。 「……いま、私は手加減しているわ。自分のクリトリスを触るぐらい手加減しているの。あなたは自慢の時空魔法を使えないと何もできないのね。まぁ、時空魔法を使えようが、教員になろうが、雄は所詮、雄よね。下等なの。ふふふっ」 手加減して放たれた攻撃魔法。 抵抗できないストマイドの姿を見て魔女王が嘲笑う。 「う、うぅっ……」 ストマイドに出血は見られないが身動きは取れない。 そんな彼に異変が生じ、それに魔女王が気づく。 「あら? こんな状況なのに少しペニスが反応しているわ」 「なっ!? そ、そんなことはない……です!!」 「……さっき、私が羽を使って裸でくすぐられているところを想像したのかしら? それとも私がクリトリスをイジるところを想像したの? 生きるか死ぬかの瀬戸際で興奮しているなんて、笑えてくるわ」 椅子にした男から降りて、魔女王は堂々としたポーズで立っている。 そして白いロングドレスの裾を自分でめくり上げた。 「う、ううっ……!?」 「あなた、そんなにうろたえて……完全に股間が反応しているわ。みっともない」 鼻で笑う魔女王。 その魅力的な姿にストマイドは見惚れてしまっている。 (う、美しい下半身だ! 肌もみずみずしくツヤがある……!! こ、これが……アインベルト魔女王か!) 魔女の寿命は人間とたいして変わらない。 しかし、人間と比較すると肉体が若い時期が長い。 しかも魔力が高い魔女ほど肉体が若い時期が長いのだ。 すでに魔女王は子を産み年月が経過しているが、彼女の美しさは若いころとさほど変わらない。 その肉体は見る者の目を奪う美しさがある。 (今まで見てきたどの魔女よりも美しい! マリエーヌも見た目に関しては性欲をかき立てる魔女だったが……魔女王は格が違う!! 圧倒的な自信と立場をもつ大人の魅力が相まって見惚れてしまう! 俺は恐怖も感じているはずなのに!!) そんなことを思うストマイドを見て、魔女王はため息をつく。 「もう、本当に雄ってバカなのね。呆れてしまって何も言えないわ」 魔女王が歩き出した。 男達の列を通り過ぎて壁の方に向かう。 立ったまま魔法で壁に押し付けられているストマイドの目の前に立った。 魔女王は右足を上げて、彼のそそり立つ肉棒に足の裏を押し付ける。 「うっ! ううぅっ……!!」 右足で踏みつけたまま小刻みに動かし、ペニスを刺激する魔女王。 (う、美しい……! 大きな胸の形がドレスに浮かんでいる! 胸のハリが素晴らしい!! ただカラダが美しいだけではないんだ! その強気な銀色に輝く瞳で見られると……) 魔女王は右足に力を入れて、ペニスを押し潰す。 「ああああぁっー!!? い、痛いぃっ……!!」 魔法による圧力と相まって、ペニスに激痛が走る。 「そんなイヤラシイ目で私を見るなんて、許されないことよ」 (性器を刺激しておいて! そ、そんなムチャクチャな……!!) 魔女王は再び踏みつけた右足を小刻みに動かす。 「ぬうううぅっ!? あはああぁっー!?」 ストマイドは魔女王のカラダを見ながら、ペニスへの強い刺激に悶えている。 「痛いのか気持ち良いのか分からないわね? 痛いほうが勝っているのかしら? それでも私のことを見てしまうなんて……。本当にもう、呆れて言葉が出ないわ」 踏みつけるのを止めて、ストマイドの睾丸を軽く蹴る魔女王。 「うぐわはぁっ!? くっ! お、俺は……マリエーヌに復讐を……!」 「本当にそればっかりね。まったく……。そもそも、あなたが恨んでいるのは別の次元のマリエーヌでしょ? パラレルワールドに転移できる魔法を使える魔女なんていないから、復讐は不可能よ」 「くっ……元の次元にいたマリエーヌは……強過ぎた!!」 「だからって……すごい執着ね。そう言えば取り調べでも、別次元のマリエーヌは強過ぎたって言っていたらしいわね? 報告書に書かれていたわ。マリエーヌ……そう……たしか魔女学校を首席で卒業した子ね。それなら相当な潜在能力を秘めているはずだわ。別の次元にいた彼女は、どのぐらい強かったのかしら?」 「ど、どのぐらい……?」 「早く応えなさい。時間がもったいないわ。ほら、早く」 今度はストマイドの睾丸を強く蹴り上げる。 「うっ!? うぐぐぐぐっ!! わ、私よりも……遥かに強くて……」 激痛に顔を歪め、涙目になりながら言葉を絞り出した。 「話の流れから、それは分かるわよ。愚か過ぎて笑ってしまうわ。分かりやすく質問しないとダメみたいね。……私と比べたら、どのぐらい強いのかしら?」 ストマイドは慎重に言葉を選ぶ。 「うぅっ……!! 魔女王様に……匹敵するほど……です!」 それを聞いて、魔女王がうなずく。 「そう。こちらの次元のマリエーヌはまだ未熟者でしょうけど、彼女はそんなポテンシャルを秘めているということね?」 「は、はい……そ、そうです……」 魔女王はずっと放っていた魔法を停止させる。 自身にかかっていた圧力が消えて、床に倒れるストマイド。 「あなたの復讐心は消えていないのね。そうね……あなたは死刑にしようかしら? そう言えば、ディストーマも牢屋にいたわね。あの子がいれば時空魔法を使える子はいるし。うん、そうよね。あなたは魔女王祭で死刑にしてもいいわね」 「なっ……!?」 「凶暴で言うことを聞かない大きな犬より、脆弱で従順で小さな犬の方が好きなのよ、私は」 魔女王はストマイドに背を向けて歩き始め、元の場所に戻った。 そして再び四つん這いになっている男に座る。 「ミランダを呼ぼうかしら」 【ミランダ】は、人の形をした【魔法生命体】である。 魔女王の膨大な魔力によって生み出された。 長い年月をかけて吹き込まれた魔力が尽きるその日まで、その生命は維持される。 人のように振る舞うが、自我は弱い魔法生命体。 魔女王の命令を遂行する秘書として日々活動している。 城内で業務をしていたミランダは、魔女王の魔力に反応して拷問室にやって来た。 「御用でしょうカ、アインベルト様」 ミランダの外見は美しい。 細くて美白の肌で、髪型は黒のロング。 身長は150センチほどで他の魔女達と比較すると小さい。 メイド服を着せているのは、魔女王の身のまわりの世話も業務の1つだからだ。 「ストマイドを牢屋に。床に転がっている血塗れの死体の掃除もよろしく」 魔女王に呼ばれれば駆けつけ、彼女の言葉によって命令を聞く。 「はい。かしこまりましタ」 「私は残りの3人の雄で遊ぶわ。あ、私の椅子になっている雄もいるから4人ね。そうね……射精させるのも飽きてきたわ。戦わせて遊ぼうかしら? 魔法でジワジワ苦しめてもいいわね。雄で遊ぶのは本当に楽しいわ。子供の頃から、雄のオモチャをずっと与えられてきたわ。傷つけても、イカせても、みんなリアクションが微妙に違うから、ぜんぜん飽きないの。このお人形遊びは大人になってもやめられないわ」 「ク……クソ……ババァ……」 魔女王の魔法で押し潰された血塗れの男は、まだ息をしていた。 最後の力を振り絞って魔女王をニラみつけて罵倒する。 「あら、まだ生きていたの? もう、あなたに用はないわ。不愉快」 攻撃的な視線を向ける彼に向かって魔法を放つ魔女王。 「プギャあっ!?」 上から下方向に押し潰されてトドメを刺された。 彼の体から、血液が放射状に飛び散る。 「あら、そんなふうに撒き散らすのね。今度は綺麗よ」 血液が花火のように飛び散る様子を見て喜ぶ魔女王。 完全に潰された男は、もはや人の形をしていない。 ミランダに連れて行かれているストマイドが、動かなくなった肉の塊に目をやる。 (一瞬で……体が潰されてしまった……。魔女王お得意の【重力魔法】か。お、恐ろしい魔法だ! いや……恐ろしいのは、ここまでの殺傷能力を可能にしている圧倒的な魔力か……) 魔女王も床の死体に目をやる。 その後でストマイドを見ながら口を開く。 「あなたの殺し方も、こんな感じにしようかしら? この男とは違った花火を見せてくれそう。魔女王祭の見せ物として盛り上がりそうだわ」 (くっ……! 悪魔め! 美しさに相反して恐ろしい魔女だ……! この魔女界で……もっとも恐ろしい!!) ストマイドが恐怖する。 「……もっと面白い方法があるかもしれないわね。そうだわ! 残りの雄で試しましょう」 魔女王が遊びを再開しようとすると、部屋の入り口から声が聞こえてきた。 「お母様……」 ストマイドを連れて出て行くミランダと入れ替わりで入ってきたのは、魔女王の娘である【レブリナート】。 防御魔法であるバリアントの卓越した使い手である。 魔女隊は4つの組織で構成されており、そのうちの1つである【防衛隊】の隊長である。 彼女は黒いマントを羽織っており、そのマントには胸と背中に銀色の刺繍が入っている。 これは魔女王の髪の毛と瞳を示す銀色であり、権威を放っているのだ。 ちなみに隊長には黒のローブが、それ以外の隊員には白のローブが支給される。 なお、レブリナートもまた銀色の髪の毛と瞳をもつ。 魔女王同様、整った顔立ちにバランスの取れた肉体の持ち主である。 異なる点は、ショートヘアであること、一回りカラダが小さいということ、そして大きな瞳がどこか弱気であるということだ。 「なんですか、レブリナート。私は忙しいのです。この遊びのために他のことは早く切り上げたい。この時間は大切なのです」 「そ、その……」 「なんですか? 言いたいことをハッキリと言いなさい」 「いや、あの……魔女王祭の日なんですけど、里の防衛方法について会議で議論したくて……」 「防衛の……方法? 防衛については、防衛隊のトップであるあなたに任せます」 「え……会議で……」 「しっかりして欲しいものだわ。バリアントしか能がないあなたをここまで育て上げた私の苦労は無駄だったのかしら?」 「も、申し訳ありません……」 「会議は手短かに。ダラダラせずに要点だけを話し合うのです。まったく……魔法生命体のほうが優秀なんて、どうかしてるわ」 「え……そ、そんな……」 レブリナートの表情が固まる。 「ミランダは普段の業務に加えて、魔女王祭の準備も着々と進めているのですよ? さっさと行きなさい、レブリナート。私の時間を奪わないで」 「は、はい……」 俯いて部屋から立ち去るレブリナート。 今夜、拷問室では魔女王の遊びが続いていく……。 --- (作者より↓) 少なくとも7月最終週までは、毎週水曜日17時に更新できる目処が立ちました!! ぜひ今後もよろしくお願いします……!