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4.拘束された状態での容赦ない人間椅子(前編)【パーティを離脱した勇者は、美女魔王に「射精するとゲームオーバーになる呪い」をかけられた 〜番外編〜】

<登場人物> テッド 種族: 人間 職業: 戦士(♂) 年齢: 31歳 身長: 187cm 見た目・印象: 大柄で屈強な戦士。勇者パーティの最年長。剣術に長けており、ボルハルトの仲間として抜擢された。 服装: 鎧 武器: 草薙の剣 得意な魔法: 魔法は使えない スカーレン……魔王ジュエリに従う幹部、魔法四天王の1人。 種族: 魔族 地位: 魔法四天王 年齢: 不明(見た目年齢20代中盤) 身長: 162cm 声: 少し高めの心地良い声 体的特徴・見た目: 健康的な体つき、赤みがかったショートへア、Fカップ、目力が強い緋色の大きな瞳、主人公いわく綺麗なお姉さん顔、真紅の毛に包まれた尻尾 服装: 真紅の着物(花柄) 武器: 禍々しいオーラを放っている刀 得意な魔法: 瞬間移動 ---  戦士テッドは、転移魔法によって薄暗い廊下に飛ばされていた。 (なんだ……? 俺1人だけかよ? まぁ、いい。まずはボルハルトを探すか……)  実力者であるテッドは、1人になっても余裕の表情である。 状況を把握し、すぐに勇者を探すことに決めた。 (窓から外が見える……。高いな……上のほうの階に飛ばされたか)  窓の外を眺めて考えていると、急に後ろから声がした。 「あなた……戦士ですね?」  咄嗟に振り返るテッド。 「はぁっ!? いつの間にそこにいたんだ……!? お、お前は……!?」  突如として目の前に現れたのは着物姿の女性である。 赤みがかったショートへアで、力強い緋色の瞳を輝かせている。 「勇者ボルハルトの仲間の戦士……あなたを殺します」 「会っていきなり殺害宣言か……。お前……人間みたいな見た目をしているが、魔王軍の一員だな?」 「はい、私はスカーレン。魔法四天王の1人です」 「幹部クラスの魔族か! 俺は戦士のテッドだ! その殺し合い、受けて立とうじゃないか……!」 「わかりました……正々堂々と勝負しましょう」 「へぇ、物騒な奴かと思いきや……随分とちゃんとしているじゃないか」  テッドはニラみを利かせながら言葉を返し、自分の剣を持って構える。 「……ずいぶんと立派な剣ですね」  スカーレンは、彼が持つ剣に興味を示した。 切れ味の鋭そうな年代物の剣である。 「ああ。これは【草薙の剣】だ」 「へぇ……! 草薙の剣! 有名な剣ですよね」 「俺の実力とこの剣があれば、魔王軍の幹部とは言え簡単に殺せるぜ」 「それは楽しみです。……ちなみに私は、この刀を使います」  スカーレンが自分の刀を鞘から抜いた。 (刀……か! 東地方発祥の武器とは珍しい。それにしても、なんて禍々しいオーラを放つ刀なんだ……。これは気が抜けねぇな) 「さあ、いきますよ。正々堂々と……真剣勝負をしましょう」  スカーレンは右手に刀を持ち、腰を落として攻撃するタイミングを見計らっている。 (珍しい武器を持つ敵とはやりづらいな……)  テッドが警戒して動けない中、スカーレンが先制攻撃を仕掛ける。 阿呆は使用せずに真正面から斬りかかった。 テッドは彼女の斬撃を草薙の剣で冷静に受ける。 (よし……斬撃を防いだ! 魔族とは言え、所詮は小さな体で非力な女。パワー勝負では俺は負けない!)  斬撃を受けた衝撃から敵の戦闘力を判断した。 「うおおおおっ……!!」  彼は大声を上げながら剣を振り回し、スカーレンに攻撃を仕掛ける。 スカーレンは刀で必死に受けているが、テッドは大柄で屈強な男であり、力勝負において有利である。 テッドの身長187センチに対して彼女は162センチ。 体格差は明白であり、スカーレンは力で押し負けて後退していく。 「うっ!? くぅっ! 力強い剣撃ですね!! パワー勝負に持ち込むつもりですか……!!」 「……俺の力強い攻撃を受け続けていると、体力が尽きていくだけだぜ……! お前のスタミナ……いつまでもつかな!?」  テッドが笑みを浮かべながら大声で言い放つ。 彼はスカーレンがよろめいた隙をついて、前蹴りを放った。 「うっ! ……きゃああっ!?」  蹴りは腹部にヒットし、スカーレンが後ろに吹っ飛ぶ。 「ふっ。攻撃方法が剣だけだと思っていたのか? 俺は打撃も超一流なのさ。この勝負は、圧倒的に俺が有利だなぁ」  余裕が出てきたテッドは、ニヤニヤしながら倒れているスカーレンに近づいていく。 「確かに……あなたは私よりも力が強いかもしれません。……それでは、私は瞬間移動の魔法を使いますので、よろしくお願いします」  倒されたスカーレンが起き上がりながら丁寧に攻撃方法を予告した。 「は!? 瞬間移動!? そんな魔法が存在するのか!?」 「はい、私は使えますよ」  真っ直ぐな瞳で答えるスカーレン。 「……い、いや、そもそもなんで手の内を言うんだ!?」 「正々堂々と勝負すると言ったはずです」 「……バ、バカなのか!?」  スカーレンの発言にテッドが驚いている。 「バ、バカ!? よくも! よくも、そんなヒドいことを言いましたね……!!」  スカーレンが不快な表情を示した後で、その場から姿を消す。 (消えた!? ほ、本当に瞬間移動の魔法を使えるのか……! そういえばコイツはさっき、突然俺の背後に現れたな! ……か、感じろ! 感じるんだ! 敵の気配を! 俺は超一流の戦士なんだ!) 「……後ろか!!」  テッドは気配を感じ、後ろを振り向く。 スカーレンの刀を、テッドの剣が弾く。 「やりますね! でも、まだまだです!」  すぐにスカーレンが姿を消す。 (また消えた!? 瞬間移動……何回も連発できるのか? こいつは厄介だな!)  再び神経を研ぎ澄ませ、気配を感じるテッド。 「……また後ろか!!」  スカーレンの攻撃を再び剣で弾く。 (また消えた! 消えて……背後に現れて攻撃のワンパターンだな! すぐに消えてしまうので、これでは蹴りも入れられない! くっ! こんなに極端なヒット&アウェイを繰り返されたら、いつか隙を許してしまう!)  予想外の攻撃方法に、テッドが戸惑う。 その戸惑いをスカーレンは見逃さない。 「隙だらけです……!」  スカーレンがテッドの横に姿を現し、彼の鎧の隙間を狙って斬撃を繰り出す。 「ぐううっ!!」  右腕の露出している部分を切りつけた。 テッドはダメージを与えられて、たまらず後ろに下がる。 慌てて傷を確認する。 (しまった……! 今度は真横に現れた! 本当にとんでもない魔法を使いやがる! 剣を持つ利き腕がやられるなんて……! 回復魔法が使えるマーチンはいない。【癒しの聖水】は残っているが……使っている間に瞬間移動で距離を詰められて殺されてしまう! なんてこった……も、もうこの腕では……) 「これで、あなたの剣の威力は落ちましたね?」  スカーレンがゆっくりと近づく。 「……」  テッドは状況を打開する策を必死で考えている。 「一思いに殺してあげます。動かないでくださいね?」 「ま、待て……! 待つんだ!」 「……? なんですか?」 「正々堂々と言いながら、瞬間移動の魔法を使うなんて卑怯じゃないか!」 「卑怯? 瞬間移動は私の魔法です。何が卑怯なんですか? そんなことを言うなら、あなたも魔法の練習をすればいいのに……」 「くっ……! それは……そうだが……」 (会話は時間稼ぎにもならないか……。この女……単純な戦法ではあるが、強い……!! 瞬間移動による戦法を練習してきたのだろう。俺の死角に正確に移動し、斬撃の位置も正確だった……。的確に俺の右腕を狙うとは……。しかし、ここで負けるわけにはいかない! 魔王討伐まであと少しだからな! 俺は国に帰って、富と名声を得るんだ! ……こうなったら、コイツのやたら真っ直ぐな性格を利用して勝つしかない!) 「……ゆ、許してくれ!」 「え、許……す? いや……でも、あなたは魔王様を殺しに来たんですよね?」 「そうだが……もう諦める! 俺を殺すのは勘弁してくれ! この通りだ!」  テッドは土下座をした。 「……敗北は認めるけど、死にたくはないということですか?」 「そうだ! 見逃してくれ!」 「土下座……ですか。そこまでされたら、仕方がないですね。今後、魔王軍には危害を加えないと誓ってください。殺さないとは言っても、捕虜にします。大人しく捕まってください」 「わ、わかった……誓う! 大人しく捕虜になる!」 「了解しました。では、とりあえず剣を向こうのほうに投げ捨ててください。そんなものを持っていては、私や城内の仲間を攻撃する可能性があるので」 「ああ……わかったよ」  テッドはチャンスだと思った。 (よし……チョロいな、この女。剣を投げ捨てると見せかけて、コイツに投げて攻撃してやる! 無傷の左腕は利き腕ではないが、そのぐらいのことはできるはずだ! 狙いは面積の大きい胴体が確実だ!)  テッドが剣を後方に投げ捨てるフリをする。 「大人しく捕虜になろう……」 「ええ、そうしてください。捕虜にしても、私はヒドいことをしたりしませんから」 「……なんて言うと思ったか!」  テッドがスカーレンのほうを向き、草薙の剣が投げつけた。 剣は回転しながら、彼女の胴体に向かって高速で回転している。 (よし! これは……当たる!! 利き腕ではなくとも、俺のコントロールは優秀だ!)  テッドがスカーレンの致命傷を確信する。 (なっ!? え、演技だった!? こ、この戦士! 左腕でそんなことを! 瞬間移動します……! 間に合うと思いますが……!!)  瞬間移動を発動させようと、必死になるスカーレン。 その前に、回転している草薙の剣が何かにぶつかる音がした。 突如出現した壁に弾かれて、床に落ちたのだ。 「か、壁……ですか?」 「なんだ!? 鎖の壁だと!? 何が起きた!?」 「あ! この壁、鎖ででいていますね! まさか……」  スカーレンの予想通り、この場にかけつけて彼女を救ったのはサリーヌだ。 「スカーレン……危なかったな」  サリーヌは僧侶マーチンを戦闘不能にしたのち、他の四天王を探していた。 「え、なんですか? 『危なかったな』……って言いました? 私は大丈夫でしたよ? ちゃんと瞬間移動で消えるところでしたから」  スカーレンがサリーヌの言葉に反応を示した。 「む……本当か? 怪しいな……」 「本当ですよ! ……って、サリーヌはもう勝ったんですか?」 「ああ、僧侶単体は脆弱だからな。余裕だった。スカーレン……お前は魔王様のところに行ってくれ。魔王様の相手が我々の知らない能力を隠し持っているかもしれんからな。僧侶も情報以上の力を持っていた」 「え? 私が……ですか? この男とは私が決着をつけなくては! 演技で私を騙していたんですよ? 魔王様のところに行くのは、サリーヌでもいいじゃないですか!」 「いや、こんな黒い心をもつ人間とお前では相性が悪そうだ。私が殺ったほうが早い」 「そんな……大丈夫ですよ……!」 「スカーレン……魔王様のところに行ってくれ。もっとも勝率の高い組み合わせで戦う……と、魔王様はそう言っていたじゃないか。この戦士の性格を知った今、コイツは私が相手をしたほうが勝率が高い」 「……」 「魔王様を手助けしてくれ。魔王様もお喜びになると思うぞ」 「それも……そうですね。わかりました」  渋々納得し、その場を離れるスカーレン。 「やれやれ……素直に従ってくれればいいものを……。スカーレン……何かと面倒だな」  サリーヌはスカーレンがいなくなってから、そうボヤいた。 いろいろと思うところがあるようだ。 「さてと……」  そして、サリーヌはテッドに冷たい視線を向ける。 次の獲物を確認し、少しだけ笑みを浮かべた。


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