16.去勢だけは勘弁してください【宿屋に泊まったらパーティの女賢者に魔法責めされて、超絶イキ地獄を味わいHPが0になった】
Added 2022-02-18 08:00:00 +0000 UTCルーが俺の股間にかけた防御魔法は、見事に機能した。 そのため、レインは睾丸の破壊を諦めて、水晶玉で大賢者と連絡を取り始めた。 大賢者と話し合い、『ルーのバリアを解除するため、そしてルーを始めとした過激派を誘い出すために、俺を里に連れて行く』という話になったようだ。 大賢者とその親衛隊の力を合わせれば、バリアを解除できるかもしれない……と。 それが本当なら、マズい。 俺の睾丸が破壊されてしまう……。 しばらくして、里から新たに3人の賢者が来た。 3人とも黒いローブを着ており、年齢はおそらく20代の男賢者である。 「彼らは貴族のエリート賢者達よ。今からあなたを賢者の里に連れて行くわ。抵抗してもムダだからね?」 「……くっ!!」 俺はレインと賢者3名に強引に連れられて、草原を進んだ。 もう正午だ。 太陽に照らされながら、草原を黙々と進んでいる。 1対4では勝ち目はないと判断し、大人しく従っている。 ルーは戻って来なかったな……。 近くまで来ていたかもしれないが、これだけ保守派がいたら、さすがに助けられなくて引き返してしまったのだろう。 「この辺りから貧民街よ」 レインが俺に向かって紹介し始めた。 草原を進んだ先には、ところどころ家が建っていた。 さらに進んでいくと、建物が増え、密集して、街として認識できるようになってきた。 徐々に人も増えていく。 ……ついに賢者の里に到着したのだ。 初めて来た……。 それにしても、ここが貧民街か。 ……荒んでいるな。 建物が古く、壊れそうなものもある。 ボロボロの服の人が多い。 だ、大丈夫だろうか……。 後から合流した賢者3人が次々に口を開く。 「彼らは、純粋な賢者の血をもつ者達ではない。里の外の者と混じり合った者たちだ」 「汚れている……」 「ここを通らなくては中心街に行けないので、仕方なく通っている」 うわ……かなり差別的な感じだな。 「前も言ったと思うけど、中心街は貧民街に囲まれているの。中心街には貴族が住んでいるのよ」 またレインが説明してくれた。 貴族というと…… 「……純粋な賢者の血をもつ者達のことだな」 先ほどの差別的な発言からして、合流した賢者の3人は貴族だな。 「そういうことよ。まぁ、貧民街から中心街に移ってくる人もいるけどね。能力審査を突破すれば特別に移れるわ」 ……能力審査? 戦闘力や頭脳……ってところかな? 「ちなみに、ルーは審査を突破した1人よ」 「……なるほど」 ルーが貧民街から中心街に移って、レインは努力をするようになったわけだな。 話がつながった。 「さぁ、行くわよ。中心街にいらっしゃる大賢者様のところに。この扉の先に中心街があるわ」 大きな扉にレインが手を当てる。 中心街は壁に囲まれているようだ。 ……円形なのかな? 円形の壁の周りに貧民街が配置している……というのが、全体像のようだ。 これは……戦争になったら、攻め込むのに骨が折れるだろう。 俺はレイン達に連れられて、中心街に足を踏み入れた。 こ、ここが中心街か……。 貧民街から一転、豪華な街並みである。 大きくて立派な住宅が並んでいる。 道は舗装さていて、町は清潔さで溢れている。 歩いている人達の服も、貴族と呼ばれるのにふさわしい豪華なものだ。 カタストロフ王国の一等地って感じだ。 「奥に見える大きな建物の中に大賢者様がいるわ」 レインが先頭に立ち、建物を指差した。 そのまま彼女達に連れられて、大賢者のところに向かった。 --- 大賢者がいるという大きな建物に到着した。 神殿……か? 石造りで装飾が多く、とても神聖な雰囲気を醸し出しているぞ。 中に入ると、赤い絨毯が敷いてある大広間が目の前に広がった。 ……天井が高いな。 壁にはステンドグラスが設置されている。 やはり神聖な雰囲気だ。 「おお……レインじゃな。ご苦労であった」 奥の祭壇に3人……いる。 いま喋った真ん中にいる人が、大賢者だな。 もう80歳は超えているであろう老人だ。 アゴ髭が長く、白いローブを身に纏っている。 両隣の2人は、ルーが言っていた親衛隊だろうか? この人達も白いローブを着ている。 40〜50代の男賢者だな。 ルーの過激派と敵対している、保守派のトップに君臨する人達ということか。 勇者の血を取り込むなんて以っての他で、賢者の純粋な血を保ちたいと思っている……。 そして、勇者に取って代わる存在になりたい……というわけだな。 これから賢者の時代にしてやる……ってことだ。 「大賢者様。雷の勇者を連れて来ました」 レインが返事をした。 ……大賢者。 やはりこの真ん中の老人が大賢者だ。 「大賢者様が、この里のトップに君臨しているのよ」 レインが俺のほうを向き、説明してくれた。 「……横にいる2人は?」 「大賢者様の親衛隊よ」 ……やはりそうか。 親衛隊は強い……と、ルーから聞いている。 そんなことを考えていると、大賢者が俺を見ながら一歩前に出てきた。 「そうか……この男が、雷の勇者か」 大賢者……威圧感が強いな。 威厳もある。 新鋭部隊の2名も、やはりなかなかの実力者だろう。 経験も積んでいそうだ。 ただ……ポテンシャル的にはルーやレインのほうが上だな。 ということは……賢者の里は全体的に思ったよりも戦闘力が低そうだ。 ルーとレインを前線に出してくるのも頷ける。 この程度では、カタストロフ王国と戦争になったら圧倒的な兵の数と武力の前に負けてしまうだろう。 賢者たちが王国に攻め込まないのは、賢明な判断だ。 賢者の里は、思ったよりは大きな里ではないし。 それでも、この世界の中でカタストロフ王国と張り合える可能性があるのは、この里ぐらいか……。 「……雷の勇者よ、当分はルーとともに行動してもらう予定だったが、こちら側に不測の事態が起きた。ルーの一派が、お主との子をつくろうとしている疑いがある」 「ああ。その話は聞いた」 俺が返事をすると、親衛隊の2人が喋り出した。 「こ、このぉっ!! 敬語を使え!」 「大賢者に向かって、なんという口の聞き方をするんだ!!」 大声で怒られたぞ……。 けど、こっちにも言い分はある。 「いや……賢者の里は、俺に対して明らかな敵意を見せた。俺は屈しない」 ルーとレインを俺に仕向けておいて、何を偉そうに……! 俺は……勇者だ。 敵には屈しないぞ。 「むぅ……! 雷の勇者!!」 「我々を前にして、なんて態度だ……!」 親衛隊の2人が俺をニラみつける。 レインと周りの貴族3人からも、圧力を感じるぞ。 「……構わん。この男は勇者だ。世界で唯一の……誇り高き勇者だ」 ……大賢者。 ずいぶんと俺に敬意があるじゃないか。 「お主はこの神殿の地下に幽閉し、ルーをはじめとする過激派を誘き出すエサになってもらう」 ……とは言っても、ちゃんと俺を利用するんだな。 大賢者……こういう相手は、なんかやりづらい。 決して感情的にならず、淡々と物事を進めていきそうだ。 「お主に施された防御魔法をワシと親衛隊で解除し、去勢の公開儀式を行なう。過激派からしたら、希望が絶たれることになる。必ず姿を現すだろう。そこを捕らえる。その後、勇者はレインとともに魔王軍の残党狩りをしてもらおう。それでカタストロフ王国との均衡状態をしばらくは保てる」 ……なるほど。 それはそうかもしれないけど、俺は絶対に去勢なんてされたくない。 「儀式の開始日時が決定するまで、しばらく待っていてもらおう」 --- そして俺は、レインと若い賢者3名に連れて行かれた。 神殿の地下にある牢屋に閉じ込められてしまったぞ……。 牢屋に入るなんて……こんなことは初めてだ。 勇者の俺が……牢屋……。 「……元気がないみたいね? さっきまでと様子が違うわ」 レインが牢屋の前に残る。 他の賢者は上の階に戻ったようだ。 「レイン……去勢の儀式というのは……本当に行なわれるのか?」 「ええ、もちろん。その前に、カタストロフ王国の情報を吐いて欲しいわ。これは大賢者様からの命令よ。あとは……ルーの情報も。どこに逃げたのか本当に知らないのかしら?」 「ルーのことは知らないよ。カタスロフ王国の情報は……渡さない」 「ふ〜ん……雷の勇者は、カタストロフ王国の犬ね」 「……い、いやいや! レインも同じだろ? 大賢者様大賢者様って… …大賢者の犬じゃないか。こうして今も、命令されて俺から情報を聞き出そうとしている」 レインがムッとして俺をニラむ。 「私は……この里で生きていきたい! 私が1番、優れているのよ! ルーにも勝った! この里で生きていくためには……大賢者様に従うのが当たり前じゃない!」 「そうか……やっぱり犬ってことだな」 「うっ! そういうあなたは……カタスロトフ王国になにか忠義があるの!?」 「まぁ……明確なものはないな。魔王軍やその残党を討伐する上で便利だったから……というだけだ。仲間を補充してくれたし、珍しい武器や防具も支給してくれた。あと、統治下の町では優遇してくれる」 そう言えば、ルーには『そんなの勇者なんだから当然の権利です』って言われたな。 『そういうカタストロフ王国の傲慢なところが嫌い』……って。 ルー……好き勝手言っていたけど、今はどこで何をしているのだろう? 助けに来てくれるのだろうか? 「そ、そう……。ずいぶんと冷めているわね。私とは理由が違うわけね……」 「ああ、違うな。カタストロフ王国とは、世界を守るため協力関係にあるんだ。いくら大国とは言え、魔王や幹部を倒すことのできる兵士はいない」 「そう……。いずれにせよあなたは、これからもカタストロフ王国の味方をするつもりなのね? 彼らの情報は渡さない……と」 「……」 ……そうとも限らないな。 ルーの言葉を聞いて、確かにカタストロフ王国は傲慢かなって思った。 あと、ルーが王国にされた過去の出来事を聞いて、俺は嫌悪感を感じているし。 「……どうかな? もう……王国の協力なしでも残党狩りはできるしな。この呪いのリングさえなければ……」 「ふん! ムダよ! 魔法屋には行かせない……! 手首でも切り落とせば外れるかもしれないけどね!」 手首を切り落とす……恐ろしい発想だ。 まぁ、去勢を実行しようとしている人達だからな。 去勢されそうになっていたり、手首を切り落とさなきゃいけなかったり、散々だな……。 まぁ、切り落とそうにも俺の剣がない。 そういえば、俺の剣……ルーに返してもらってないな。 船に置いてきてそのままだったけど……ちゃんと持っていてくれているのだろうか? 「もう……いいわ。話が逸れたわね。どっち道、あなたは儀式で睾丸を潰され、魔王軍の残党狩りを続け、最終的には無力化されたままの状態で賢者の里に幽閉されるのよ。【引き継ぎ】を起こさないために、生き長らえるようケアされながらね」 レインが俺にとって最悪のプランを話している。 まずは、直近の問題である去勢だな。 このままではキンタマを……潰される。 ルーの防御魔法……本当に大賢者達に解除されてしまうのか? ルー……どこにいるんだろう? 「じゃあ、また来るわ」 そう言うと、レインが去って行った。 なんだ……もう少し頑張ってカタストロフ王国の情報を聞き出せばいいのに。 拷問されるのかと思ったよ……。 彼女が、感情的に自分の話をブチ撒けたかっただけのようにも思える。 あ……俺が睾丸を失ってからのほうが、絶望してペラペラ喋っちゃうのかな。 それを待っているのかも。 ……ん? なんだ? レインが振り返ってこちらを見ているぞ。 まさか、やっぱり拷問を……。 いや、誰かと話しているな。 親衛隊の1人か? 「……儀式は今日の夜に決まったそうよ。睾丸と性器が……切断されるわ」 今夜……? 今夜……俺は睾丸を潰されるのか。 って、切断? しかもペニスも!? ということは、エッチなことが……もうできなくなってしまうのか。 なんか……さすがに暗い気持ちになっているな。 ようやく最近、俺のチンコを女の子に使うことができたのに。 ルーにいっぱいエッチなことをされた。 レインにも砂浜で1回されたっけな……。 けど、やっぱ印象に残っているのはルーだよな。 色々なバリエーションでエッチなことをしてくれた。 なんか……さっきからルーのことばかり思い出している気がする。 ルーには色々とエッチなことをされたし、色々なことを言われたな。 おもにデリカシーのなさについて……だな。 ああ、今になってルーの言葉が身に染みてくる。 俺は……レディに対する扱いがなっちゃいなかったのかな? 今のこの悲惨な状況は、その報いなのか。 もう俺は……用済みか? もう俺は……時代遅れなのか? そういえば、ルーとレインの本気の戦いを見たとき、驚いたな。 まだまだ俺の知らない戦術があるんだ……と。 まだ俺のほうが彼女達よりは強いとは思うけど。 けど……10年後、いや、5年後は分からないな。 俺……そろそろ潮時なのかなぁ。 このまま無力化されて、新しい世代に任せるというのもアリなのだろうか? ……けど、だからと言って去勢は勘弁してくれ。 想像を絶する恐怖と痛みだろう。 ルー……助けてくれ。 レディファースト的な振る舞いは、少しはマシにするよう努めるから助けてくれ。 俺は……あくまでも過激派とやらを応援するぞ。 賢者と子供をつくるという方向性は、よく分からないけど……。 ちょっと去勢は……いくらなんでも、つら過ぎるっ!!