レイ・ヴァーミリオンライト VS 電波怪獣の中途分岐別ストーリーの敗北ルート(107枚)です
状況解説のテキストが付いています
電波怪獣に敗れ去ったヴァーミリオンライトは再び怪獣と夕日の中対峙する・・・
彼女の脳内には敗北の記憶が蘇っていた・・・・
謎の声A「・・・」
謎の声B「・・・」
謎の声A「・・・フフ・・・思い出してる・・・」
謎の声B「・・・思い出してますね・・・フフ・・・」
謎の声A「あの娘・・・自分の痛めつけられる姿を思い出して・・・勝手にエネルギーをどんどん消費しているよ・・・」
謎の声B「怪獣にうまく仕込んだとは言えあの娘・・・気がとっても強そうに見えてとんだ変態さんだったね・・・」
謎の声A「・・・これでうまく・・・」
謎の声B「・・・いくんじゃないですか・・・?」
謎の声A「・・・小刻みに震えちゃってるよ・・・・泣いちゃうかな・・・」
謎の声B「・・・何か漏らしちゃうかもね・・・・」
謎の声A「・・・もうそろそろ・・・」
謎の声B「・・・時間ですかね・・・?」
謎の声A「・・・負けたところまで巻き戻った・・・」
謎の声B「・・・遅い巻き戻し機能だけどね・・・」
謎の声A「・・・さてここからが・・・」
謎の声B「・・・本題ですね・・・」
レイ・ヴァーミリオンライト を支える太陽エネルギーが無くなってしまった
こうなってはさすがのヴァーミリオンライトもどうすることもできない
太陽エネルギーを使い果たしたレイ・ヴァーミリオンライトはゆっくりとその姿を消した・・・
しかしレイ・ヴァーミリオンライト は、ほんのわずかな太陽エネルギーからでもエネルギーの補充をすることができる
そして数秒で立ち上がり反撃のチャンスをうかがったはずである
その彼女が何故敗れ去ってしまったのだろうか
レイ・ヴァーミリオンライトの肉体に何らかの異変が生じていることは明らかであった
そしてレイ・ヴァーミリオンライト自身もまた、ひどい違和感を感じていた
レイ・ヴァーミリオンライトは敗北の記憶から戻ってきた
そして今の状況をようやく認識した
目の前にいるのはあの時と同じ怪獣である
レイ・ヴァーミリオンライトは小刻みに動きながら怪獣と距離を取ったままである
怪獣も目を明滅させるだけで全く動こうとはしない
白い戦闘機「なぜあんなに離れているんでしょう?」
黒い戦闘機「さあ・・・一度、敗れてるからか?」
白い戦闘機「なんだか怯えているようにも見えます」
黒い戦闘機「まさか、そんな」
レイ・ヴァーミリオンライトには経験したことのない『恐怖』と『不安』の感情が繰り返し過去の敗北の記憶とともに襲ってきていた
そして・・・・
活動限界時間を待たずにレイ・ヴァーミリオンライトのエナジーコアが点滅を始めた
あと数分で太陽エネルギーの補充のために動けなくなってしまう
そして、レイ・ヴァーミリオンライトは自らの身体に困惑していた
太陽エネルギーの消費量が異常な多さになっているのだ
優れたエネルギーの再充填能力を持つヴァーミリオンライトをもってしてもこの消費量ではエネルギーの再充填が完全にできなくなってしまう
それを見透かしたかのように怪獣がじわりと距離を詰める
怪獣はエネルギーの少ないヴァーミリオンライトに対し
溜まった大量のエネルギーを見せつけるかのごとく
背中の棘を発光させながらじわりじわりと距離を詰めてきた
距離を詰める怪獣に対してヴァーミリオンライトはなすすべはなく
じわりじわりと後退を始めた
彼女にとってそれはありえない行動だった
怪獣は距離を詰めつつエネルギーの発光する轟音とともに威嚇する
ヴァーミリオンライトは怯えたように震えあとずさりが大きくなっていく
戦士としてはあまりに情けなく恥ずかしい姿を見せている
得体のしれない恐怖感の増大とともにヴァーミリオンライトが止まった
足元にまだ人のいる建物を感じたからだ
あまりに不利な状況でもなんとか理性だけは保とうとしているヴァーミリオンライト
しかしあまりの弱々しい姿にそれを見て取ることは一切出来なかった
謎の声A「あーあーもう見ちゃいられないよ・・・もっと頑張るかと思ったのに面白くないなぁ・・・」
謎の声B「そう?このまま座り込んで泣き出したらもっと面白いと思ったけど・・・・彼女、なかなか頑張ってるよ・・・・」
「電波怪獣は謎の宇宙人二人によって密かに改造を受け、体内には大量の神経毒を持ったナノマシンが仕込まれていた。それは体表に触れるだけで相手を感染させられるようになっていた。」
「ヴァーミリオンライトが以前の戦いでピンチに陥った時、怪獣の攻撃『ナノマシンが集中している電波怪獣の背中の角』をまともに体内に受けてしまっていた。その際宇宙人の想像を遥かに超える量で潜り込んだナノマシンたちは、太陽エネルギー供給器『心臓』の中で密かに爆弾を爆発させる機会を伺っていたのである。」
「宇宙人が予想していなかった事。それは神経毒が脳に達した時に起こった。まず、彼女の深層にある『子供の頃、故郷が宇宙人と怪獣に壊滅させられた際の恐怖』に異常な増幅が生じた。そしてヴァーミリオンライトが最も頼りにしている自らの『怪獣や宇宙人との戦闘体験の記憶』が異常な配列で並べ替えられ、勝利や敗北の記憶にすり替えが生じたのである。」
「そして『普通に戦えば勝てる相手』に対して異常な恐怖感を持ち、戦い方も思い出せず、敗北の記憶の猛烈なフラッシュバックで身体がエネルギーを大量に欲していると勘違いし、異常な量での消費が起き、その消費されたエネルギーが脳を更に活発に動かし・・・・という完全な負のスパイラル状態に陥ってしまった。これは罠を仕掛けた宇宙人2人にとっても想像を遥かに超えたことである・・・・」
「そして太陽エネルギーの消費は加速度的に早まり、エナジーコアの明滅はさらに激しさを増していった。このままだとヴァーミリオンライトはあと30秒で動けなくなってしまう。」
宇宙人A「そろそろ?」
宇宙人B「決まるかな?」
「宇宙人の罠により、改造された怪獣の攻撃で制御不可能になってしまったレイ・ヴァーミリオンライトの身体。そしてそれはついに限界を迎えようとしていた・・・」
「激しさを増していたエナジーコアの明滅が突然速度を落とし始め、輝きも徐々にと失われ、明滅音が小さくなり、目に宿った光もじわりと消えていく・・・」
「映画のフィルムの速度を急激に落としたかのようにエナジーコア明滅音の音階と間隔が落ちていった。レイ・ヴァーミリオンライトを支える太陽エネルギーが『完全に』尽きたのである。」
「エナジーコアの明滅音と灯りが完全に止まった。ヴァーミリオンライトは一瞬痙攣した後、完全に動かなくなった。」
「レイ・ヴァーミリオンライトは動かなくなった後、ゆっくりと地面に向かって倒れて行った。彼女は地面へ大音響とともに倒れこんだが不思議と周囲の建物に被害は一切出ていなかった。」
宇宙人A「彼女なかなかやるね・・・あんな状態でも受け身って取れるんだね・・・」
宇宙人B「自分が倒れる方向まで計算してたんだ・・・しかしそこまでして守る価値、この星の人間に、あるのかねえ・・・?」
宇宙人A「兎も角、目的は達成ということで・・・」
宇宙人B「この後の成り行きを、じっくり見させてもらおうね・・・・ふふふ・・・」
「地面に倒れ込んだレイ・ヴアーミリオンライトは微動だにしない。普段ならばどんなにエネルギーが減って行動不能に陥ろうとも夜が明ければ太陽エネルギーをすぐに回復できるはずだったが、夜明けがヴァーミリオンライトの身体を包んでも何も起きなかった。ナノマシンで上書きされた記憶は『恐怖』を最大限まで増大させた『完全敗北』の形で固着されてしまっていた。」
「太陽エネルギーが身体に入ってきてもヴァーミリオンライトの脳は『戦闘不可能』であると勝手に判断し、心臓、エネルギー増幅器、エナジーコアを動かすことを拒んだ。ヴァーミリオンライトの意志には一切関係なく脳が自動的に活動を拒むのである。これはある意味死の宣告に等しいことであった。」
宇宙人A「薬が効きすぎたみたいだよ・・・これじゃ面白くないな・・・」
宇宙人B「本当だったらもっと楽しめるはずだったのにな・・・・」
「逆の意味で『失敗』し、ある意味では『成功』した宇宙人2人は去っていった。そして、この星にはレイ・ヴァーミリオンライトの身体だけが残された。腐ることも朽ちることもなく、このままの姿で永遠にこの星に佇むのだ。そしてこの星の人間は彼女から受けた恩も忘れ『巨大な産業廃棄物』である『厄介者』をどうにか安全に処分できないかと議論と研究を重ねているという。」
その後、この身体のそばに誰かが木の板を立てかけていった
そこにはサインペンの殴り書きが記されていた
『この星の平和のために尽くした美しき戦士
この哀れな姿を誰が想像出来ただろうか』
~レイ・ヴァーミリオンライト VS 電波怪獣 Another~
了