「宇宙人の罠により、改造された怪獣の攻撃で制御不可能になってしまったレイ・ヴァーミリオンライトの身体。そしてついに限界を迎えようとしている・・・」
「激しさを増していたエナジーコアの明滅が突然速度を落とし始め、輝きも徐々にと失われ、明滅音が小さくなり、目に宿った光もじわりと消えていく・・・」
「映画のフィルムの速度を急激に落としたかのようにエナジーコア明滅音の高さと間隔が落ちていった。レイ・ヴァーミリオンライトを支える太陽エネルギーが『完全に』尽きたのである。」
「エナジーコアの明滅音と灯りが完全に止まった。ヴァーミリオンライトは一瞬痙攣した後、完全に動かなくなった。」
「レイ・ヴァーミリオンライトは動かなくなった後、ゆっくりと地面に向かって倒れて行った。彼女は地面へ大音響とともに倒れこんだが不思議と周囲の建物に被害は一切出ていなかった。」
宇宙人A「彼女なかなかやるね・・・あんな状態でも受け身って取れるんだね・・・」
宇宙人B「自分が倒れる方向まで計算してたんだ・・・しかしそこまでして守る価値、この星の人間に、あるのかねえ・・・?」
宇宙人A「兎も角、目的は達成ということで・・・」
宇宙人B「この後の成り行きを、じっくり見させてもらおうね・・・・ふふふ・・・」
「地面に倒れ込んだレイ・ヴアーミリオンライトは微動だにしない。普段ならばどんなにエネルギーが減って行動不能に陥ろうとも夜が明ければ太陽エネルギーをすぐに回復できるはずだったが、夜明けがヴァーミリオンライトの身体を包んでも何も起きなかった。ナノマシンで上書きされた記憶は『恐怖』を最大限まで増大させた『完全敗北』の形で固着されてしまっていた。」
「太陽エネルギーが身体に入ってきてもヴァーミリオンライトの脳は『戦闘不可能』であると勝手に判断し、心臓、エネルギー増幅器、エナジーコアを動かすことを拒んだ。ヴァーミリオンライトの意志には一切関係なく脳が自動的に活動を拒むのである。これはある意味死の宣告に等しいことであった。」
宇宙人A「薬が効きすぎたみたいだよ・・・これじゃ面白くないな・・・」
宇宙人B「本当だったらもっと楽しめるはずだったのにな・・・・」
「逆の意味で『失敗』し、ある意味では『成功』した宇宙人2人は去っていった。そして、この星にはレイ・ヴァーミリオンライトの身体だけが残された。腐ることも朽ちることもなく、このままの姿で永遠にこの星に佇むのだ。そしてこの星の人間は彼女から受けた恩も忘れ『巨大な産業廃棄物』である『厄介者』をどうにか安全に処分できないかと議論と研究を重ねているという。」
その後、この身体のそばに誰かが木の板を立てかけていった。
そこにはサインペンの殴り書きでこう記されてあった。
『この星の平和のために尽くした美しき戦士
この哀れな姿を誰が想像出来ただろうか』
~レイ・ヴァーミリオンライト VS 電波怪獣 Another~
了
C-PULSE・CRP
2024-03-04 00:26:16 +0000 UTCAddition2
2024-03-03 18:24:18 +0000 UTC