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天空戦姫セラフィーヌ 第1話 ミサキ覚醒  後編

 その時だ。

「うおっ!?」

 背中から衝撃を受け、ミミズ怪人は吹き飛んで瓦礫に突っ込んだ。

 フレアが、おそらく最後の力を振り絞り攻撃したのだ。

 はっとして、ミサキは彼女に駆け寄った。

「大丈夫ですか!」

「うん……あなたこそ、無事……?」

 戦いの傷と、凌辱の果てにぼろぼろになったフレア。

 それでも、自分を案じる彼女に、ミサキは深い感謝の念と、憧憬を抱いた。

「いってええーなぁ!」

 しかし、ミミズ怪人は瓦礫を吹き飛ばして復活した。

 口しかない顔からは分かりづらいが、その剣呑な空気から、激怒しているのはわかる。

「ど、どうしよう……」

 当然、ミサキには対抗する手段などない。そして、フレアにも。

「私の……あとを、継いで」

「えっ?」

 フレアは胸元に光り輝くクリスタルを取り外すと、ミサキに手渡した。

 すると――。

「あ、ああっ!」

 ミサキの手に触れたクリスタルは、燦然と輝きだしたではないか。



 光はミサキを包み込み、彼女にふさわしい戦衣となって装着される。

 同時に、ミサキの脳にフレアの記憶が断片的にフィードバックされる。エリミネーターの無法ぶり、逃げ惑う民衆、フレア自身の怒り――。

(エリミネーター……こんなにも人々を苦しめ、辱めて……っ!!)

「な、なんだあ!?」

 ミサキの意識が、戦士としてセットアップされ、光が収まったとき――そこには新たなセラフィーヌが誕生していた。



「セラフルージュ!!」

「な、なんだとっ」

「この外道……っ! ぜったいに許さないんだからっ!」

 ミサキ……ルージュの中には、怪人共に対する怒りが渦巻いている。

 その右腕から、光が伸びて剣と化した。

「馬鹿な、ただの一般人じゃなかったのかよぉっ」

 ミミズ怪人は動揺しきっている。美味しい獲物を目の前にして、突然宿敵が表れたのだから無理もない。

 この怪人もおそらくは、まともに戦ったらそれなりの強敵ではあったはずだ。

「ルージュっ! セイバぁぁぁあっ!!」

 しかし、ルージュ誕生による動揺と、迷いなき彼女の突撃に反応できなかった。

 横薙ぎの斬撃。一瞬の後、ミミズ怪人の体は上下に泣き別れていた。

「ぐああっ……ちく、しょおお……」

 怪人は上下の肉体同時に爆散した。


 戦いが終わり、ルージュはすぐさまフレアだった女性のもとに駆け寄った。

 平時なら日焼けした肌が魅力的であったろう彼女だが、今は戦闘と凌辱による傷だらけで痛々しい。

 変身しているときは分からなかったが、年の頃はミサキとそう変わりないだろう。

 早く病院へ、とミサキが思い当たったとき、上空から声が降ってきた。

「かおりーっ!」

 ルージュはまだ知らないが、それはセラフジェイドだった。

「しっかりしろ、かおりっ」

 ジェイドは降り立つと、倒れ伏したセラフ――かおりを抱きかかえて呼びかける。

 彼女はひどい状態ではあるが、まだ息はある。それを確認して、少しホッとしたようだ。そして、ルージュの方を見やる。

「君は? このあたりでは見ない顔だ」

「ええと、私は……花井ミサキっていいます」

 ジェイドは一瞬怪訝な顔をしたが、かおりがクリスタルを所持していないことに気がついたらしい。

「そうか……君が、彼女のクリスタルを継いだのか」

「多分……そういうことだと思います」

 ミサキにはよくわからない。

 それも無理もないことで、自分たちを守るセラフィーヌがどんな存在かさえ一般人は知らないのだ。

「状況を見ると、仕方のないことだったようだな。とはいえ、行きずりの君に重荷を背負わせることになったか」

「え……?」

 不穏な言葉にどきりとする。

「いずれ、わかるよ。さあ、ついてきてくれ」

 さっさと歩き出したジェイドを追うのを、ルージュは一瞬ためらった。

 踏み出せば、もう戻れない――。そう確信めいた予感を感じたからであった。


 続く

天空戦姫セラフィーヌ 第1話 ミサキ覚醒  後編 天空戦姫セラフィーヌ 第1話 ミサキ覚醒  後編 天空戦姫セラフィーヌ 第1話 ミサキ覚醒  後編

Comments

ミサキさんは正義の味方のエロボディなので大丈夫だと思います!たぶん!

小鬼上人


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