花井ミサキ
新東都統合学校の生徒。
素直で明るい美少女だが、多少天然の気がある。
とある縁からセラフルージュとなり、人々を守るため戦い続けている。
処女。
現在の東京湾には、ピラーと呼ばれる柱上の構造物が突き立っている。
雲を貫きそびえ立つその威容は、触れ得ざるもののような荘厳ささえ感じさせ、驕った人類への天罰そのものにさえ思えた。
しかし、その中から現れたのは、断罪の天使というような、きらびやかなものではない。
わらわらと這い出すように表れたのは、醜悪な改造人間と、無機質な装具に身を包んだ戦闘員たちだ。
連中は殺戮と凌辱のみに没頭する外道であり、人々は無惨に蹂躙された。
そして現在、東京で都市機能を充全に備えているところは、ここ建川市のみとなっていた。
建川市の中心部、ミナノ特区。
ここはセラフィーヌと防衛隊の手で安全が確保されている数少ない地域であった。
その中央部に、かつての商業施設を改装した学校がある。
新東都統合学校と命名されたそこは、都内で生存していたあらゆる年代の学生が集められ設立されたものだ。
学生は勉学に励むと同時に、今後起こりうる危難に対応するすべを学ぶ。
そこの校門前では、授業を終えた生徒たちが下校を始めているところだった。
「ミサキ、じゃあね~」
「うん、また明日!」
流れるような薄紅色の髪と、身長の割に発育した肢体が目立つ美少女が、学友の挨拶に応える。
彼女の名は花井ミサキ。少し抜けたところはあるが、普通の女の子だ。
そして、彼女にはもう一つの顔があった―。
「えーいっ!」
薄紅色の光をまとって、天翔ける一人の戦乙女。
年少向けの変身ヒロインもののような衣装をまとい、エリミネーターの戦闘員を蹴散らしているのは、ミサキの変身したセラフルージュであった。
彼女がその使命を背負ったのは、まだ数日前のことだ。
サイレンが鳴り響く中、ミサキは逃げ遅れて瓦礫の影に隠れていた。
眼前では、名も知らぬセラフィーヌ――ミサキは知らないが、セラフフレアといった――がミミズ姿の怪人に弄ばれていた。
ミサキはガチガチと歯を鳴らしながら、成り行きを見守ることしかできない。
フレアの力は、ミミズ怪人を上回っていた。
しかし、ミサキの存在を感知していた彼女は、大掛かりな攻撃を仕掛けることができず、一瞬の隙を突かれ拘束されてしまっていた。
ミミズ怪人は四肢を引っ込めて、本物のような蠕虫状になり、フレアをギチギチに締め上げていた。
その下腹部には、すでに触手が2本突き刺さっている。
「よーし、オマンコに続いてケツにも入ったぜ。どうだ? いいだろ?」
「あぐっ、ああ……苦しいっ……」
ミミズ怪人はキヒュヒュ、と気味の悪い笑いを上げ、さらに拘束を強める。
「ぐああーっ! こんなことしないで、さ、さっさと殺せっ……」
「へへ、死に際に天国見せてやろうってんだ。楽しもうぜ」
「ふざけるな……お前なんかにっ!」
ミミズ怪人がぎゅうぎゅうと締め付ける。
「うああ……痛いっ……!」
ぎち、ぎちっ。
肉と骨がきしむ音がする。ぶわ、と脂汗が肌に浮く。
「いてえか? ちょっと緩めてやるよ♥」
「っは、ああ……」
拘束がふっと緩められると、じわりとした快感が体中に広がっていく。
それは人間が危機を回避するよう誘導する本能ゆえのことだろう。
が、それをコントロールされる立場にあっては、相手に性欲のツボを抑えられているに等しい。
さらに、怪人の粘液には催淫効果があるようだ。締め上げられた部分の皮膚から、熱がじわじわと全身に行き渡っていく。
死の間際の生殖本能、嗜虐からの開放のカタルシス、粘液の催淫効果……。相乗効果で、フレアの体は火照っていく。
「なんで、だっ……体が熱くっ……」
「へへ……いい具合になってきたようだな? じゃそろそろ始めるぜえ」
怪人はフレアに突き刺した肉棒を激しくピストンし始めた。
「あひあああっ、ああんっ!」
たっぷりと分泌された体液がぶちゅぶちゅと淫靡な破裂音を奏でる。
「くああっ、こんな、こんなのぉっ」
膣と尻穴に、触手が交互に出入りしている。ずりずりと粘液越しに擦れ合う度、フレアの視界が明滅した。
「う、んっ! おしりっ……こすれ、てぇっ、あっ」
「ん? そういやもう一個穴があったなあ、それっ」
持て余していた触手の一本が、フレアの口に突っ込まれる。
「んぶうううっ!」
フレアはすべての穴を肉棒で埋め尽くされ、息苦しさと拘束の痛みで身悶える。
じゅぽんっ、ぐちゅぐちゅっ……。
「んぶ、んはっ! すご、頭、真っ白になりそうっ! あくあぁあっ!!」
「気持ちいいだろう? そらっ」
「んごぉぉうっ! おぶっ、んふ、い、いいっ!!」
押し寄せる快楽の波に、フレアの理性は押し流されてしまっている。
「へへ、すげえ感じっぷりだなあ。イキ死んじまいそうだ」
「いやっ、殺さないで……このままイカせてから殺してえ♥」
「天国見せてやるって言ったろ? そらそらっ」
「んああっ♥ もっと、もっとギュッてシてぇ……んむうっ」
敵に媚びるようなことを言って、さらなる蹂躙を望む。
「いい子だ♥ そら、そらぁっ」
怪人は要望に応え、打ち込んだ肉棒を激しくピストンさせ、粘膜を乱暴に抉り続ける。
「んぶはあっ! ぎもちいいっ! だめ、もう……」
「イクか? よし、同時に注いでやるからな」
「嘘♥ すごいっ、それすごいっ……来て、来てぇっ」
ぎゅうう~~っ。
拘束が一層強くなり、そして肉棒がぐっと熱を孕んで膨らんだ。
射精の予感に、フレアは意識を昇華させていく。
「あ、すごっ……イくっ」
「うくっ!」
どぴゅっ!! びゅくっ!!
「ぶふうあっ、熱っ……あ、あ、ああーっ!」
内側に、全身に熱い本流を感じ、フレアはトンだ。
激しく肢体をビクつかせ、指先から脳天を貫く絶頂感に身を委ねた。
「ぷはーっ、はぁっ……は、あふぅ……」
フレアは半分飛んだ意識の中、絶頂、そして酸欠と拘束からの開放による多幸感に浸っている。
「さて……存分に楽しませてもらったぜ姉ちゃん……だが、ここでお別れだ♥」
ミミズ怪人は先程と同じようにフレアの首に触手を巻き付け、ゆっくりと締め上げていく。
それを見て、ミサキはハッとした。
(だめ、今度は本当に……!)
異形のセックスに目を奪われていたが、それどころではない。
「あぐ……ぐえっ……」
みるみるフレアの顔が青ざめ、口角に泡が溜まるのをみて、ミサキは居ても立っても居られなくなって飛び出した。
「だ、だめえっ!」
策があったわけではない。
「ほう……?」
怪人は動きを止めたが――ミサキをみとめると、嬉しそうな声を上げた。
向こうからすれば、美味しそうな獲物が飛び込んできたというだけだろう。
「なんかこいつが気にしてやがるなあと思ったが、なるほどね……」
怪人はフレアから離れ、じりじりとミサキに近づいてくる。
「馬鹿なことしたもんだなあ。隠れてりゃお前は助かったろうに……」
「あ、あ……」
自分に訪れる惨劇の予感に、ミサキはガクガクと震えるだけだった。
(後編へ続く)
小鬼上人
2023-08-18 11:24:36 +0000 UTC