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男装イケメン怪人に取り巻き爆乳メスにされる話(3) 不穏

基地に戻ったレッド、ブルー、イエローの表情は暗い。 巻き込まれた人々にくわえ、ピンクとブラックを怪人の取り巻きにされる……敗北に等しい結果だった。 「厳しい状況になったな」 白い制服を着込んだ黒髪の女性が、彼らの帰還を迎えつつ言葉をかける。 彼女は基地を預かっている、この部隊のトップ……司令官だ。 以前はこの部隊の先駆者として戦っていたそうだが、今は現場を退きヒーローとしての活動を彼らに任せている。 そんな彼女であっても、今回の事態には言及せざるを得なかったのだろう。 メインの管制室にはオペレーターたちもいたが、普段は明るい彼女たちも重苦しい表情のまま黙っている。 「警戒を続けているが、怪人の消息は不明だ。連れていかれた者を含めて……足取りは終えていない」 指令側も、すでに判明していること以上の情報は持っていない。 そして、ほぼ同じだけの情報がすでに世間にも広まっていた。 『ヒーロー、初の敗北!』 『ブラックとピンク、行方不明か』 『新たな怪人は最強の女性型!?』 普段から怪人の出現や趨勢はリアルタイムに速報されているが、今回もそれが十分すぎるほどに機能していた。 SNSには怪人の姿や映像も挙げられているし、中には取り巻きと化した人たちが撮影しただろう画角からの動画もあった。 あまりにもショッキングなニュースと映像はまたたく間に拡散されており、知れ渡ったとみていいだろう。 今のところ世間の反応としては強力な怪人への警戒や危機感の方が強いが、これ以上の失態は許されない。 「すみません……」 リーダーとして責任を感じているのだろう、深々と頭を下げるレッド。 重苦しい沈黙がしばらく続く。 「おそらく、怪人はまた現れるだろう」 静寂を破るように、司令官が口を開いた。 怪人の欲望に底はなく、生きている限り何度でも出現を繰り返すのが共通した特徴である。 つまり、あの女怪人と再戦することになるのは確実だった。 「確かに厳しい状況だが、これを解決できるのも君たちしかいない」 淡々と、しかし力強い口調で語る司令官。 怪人と対抗できるのはヒーローしかいない。 正義のヒーローとして、人々を守る希望の光として、自分たちが折れるわけにはいかないのだ。 「あの怪人に対する分析や対応を考える必要がある。各自、準備を進めてくれ」 「「「はい!」」」 姿勢を正し、改めて覚悟を決めるヒーローたち。 それぞれ、自分のできる事をやっていくしかない。そして、絶対に勝つ! 揺らぎかけた正義の炎は、ふたたび力強く燃えだしていた。 その場は解散となったが、落ち込んでいる時間はない。 3人のヒーローは、すぐに行動に移った。 「怪人の映像は残ってる?」 「あっ、はい。こちらです」 ブルーは撮影された映像をモニターに映し、怪人の振る舞いの精査を始めた。 声を掛けられたオペレーターが、驚きつつもデータを表示する。 (能力を発動するタイミング、具体的な効果……一体何をされたんだ?) モニターに映った女怪人を見つめつつ、何か見落としがないか観察するブルー。 この未だかつてない苦境を脱するには、怪人の能力を明らかにすることが先決だと考えていた。 それに、自分の判断ミスがこの現状に繋がったという負い目もある。 (何か対策を見つけないと……!) 次に現れたときには、確実に倒せるようにならないとマズい。 食い入るように記録された映像を見返しながら、ブルーは次の戦いへのヒントを探っていた。 場所は変わって、基地の片隅にある訓練室。 「はあぁっ!」 ギィンッ! 「くっ……やぁっ!」 レッドは、訓練場でイエローと実戦形式の戦闘を行っていた。 模擬戦闘は普段からやってはいるが、いつも以上に激しく殺伐とした空気が漂っている。 怪人の能力を考えれば、対ヒーローすらも視野に入れなければならない。 (俺はブルーみたいに頭は良くないけど、それでも戦いなら……!) 怪人の能力に対抗できる術は分からないが、レッドも戦闘については譲る気はない。 少しでも勝利できる可能性を高めるよう、全力を尽くす。 隊のリーダーとして、彼の正義の心は誰よりも強固で高潔だった。 「はぁ、はぁっ……」 「ふぅ……」 ひとしきり打ち合って、呼吸を整える2人。 ブラックとピンクを相手にする想定はもちろんしていたが、それだけではない。 万が一、どちらかが怪人の虜になったとしても制圧できるように。 「もう一回、いくぞっ!」 「りょーかい!」 互いに本気の刃を向けることになる可能性を理解しつつ、それを口には出さなかった。 あれから数日が経過したが、怪人はまだ現れていない。 「はあ……」 モニターの前でため息をつくブルー。 どれだけ映像を精査しても、怪人の能力について特徴的な動作や痕跡は見られなかった。 やはり何かしらの武器や道具を使っている様子はないし、予備動作も皆無と言っていい。 魅了……と表現するべきだろうか。男装した彼女の姿を目にしただけで、女子たちは虜になってしまうのだ。 調べれば調べるほど、その特異性に頭を抱えたくなってくる。 『私のものになってくれるかい?』 画面に映っているのは、目をつけた相手に言い寄っている怪人の姿だ。 涼やかで切れ長な目元、まっすぐに通った鼻筋、艶やかで適度に薄くもある唇……。 女性であると分かっていても、イケメンと形容したくなる顔立ち。 くわえて顔だけでなく、どんなモデルよりも完成されたプロポーション。 堂々としつつ、指先まで完璧な振る舞い。 『ちゅっ、じゅるっ、じゅぷっ……』 次に流れたのは、ブラックが堕とされているシーン。 男の場合であっても、キスで篭絡されてしまう……実際に目の前で見た光景だ。 触れている段階でブラックの態度に変化はあったから、肉体的な接触であればキスに限らないかもしれない。 そうだとすると、より厄介なことになる。 『んっ、くぅ……うぁ……』 モニターの中で繰り広げられる濃厚な大人のキス。 ブラックの反応からみて快感も相当なもので、そういったスキルも高いことが伺える。 くたりと腕が脱力し、抵抗しなくなったところで彼の身体が変質していく。 戦闘スーツを内側から押し広げ、パツパツにして膨らんでいく乳房。 細くなっていく腰に、むっちりと肉を詰め込んでいく太腿。 気持ちよさそうによがっているブラックの顔。 怪人の顔がイケメンなら、彼はその対として存在するべきメスそのもの。 カチッ、カチッ、カチッ…… 「……」 マウスの音が断続的に響く。 何度も色んなシーンを再生しながら、モニターに映った彼女を見つめる。 完璧ともいえるプロポーションに、ふわりとなびく黒髪。 その腕に抱かれた取り巻きたちは皆とても幸せそうに蕩けた表情を浮かべている。 食い入るようにその顔や肢体を凝視して、しばらくの時間が流れ……。 「……っ!?」 自分の思考が止まっていたことに気づき、我に返る。 ただ彼女の全身を眺めていたって意味がないのに。 (疲れたのかな。でも、ここで休むわけには……!) ブルーは軽く首を振ってコーヒーを飲み、改めて映像を見返すのだった。 場所は変わって、基地の外。 「……特に異常はないな」 レッドはイエローと共に街中を歩いていた。 2人は訓練をこなす合間に、パトロールにも力を入れていた。 前回は怪人が出現してから現場に駆け付けるまでの間に取り巻きを形成され、苦境に陥ってしまった。 ならば周囲の一般人が虜になるよりも先に、怪人を発見して倒す……根本的な解決にはならないが、少しでも早く異変に気づけるよう努力していた。 「普通にみんな出歩いてるし」 見回しながらのんびりと応じるイエロー。 怪人の登場にヒーローの敗北……一時期はかなり騒がれたものの、それ以降は続報になるような異変もなく、街は日常を取り戻しつつある。 大型モニターのニュースに、警戒の呼び掛けや女怪人の映像が流されたりはしているが。 「このあたりって、ファッション街だったんだね~」 怪人の現れた一帯も、立ち並ぶ店が変わらずに営業していた。 ロリータ服のポスターに、メイク道具やネイル……華やかな広告や展示ばかりで、自然と目移りしてしまう。 通行人も心なしか女子が多いし、自分たちが見回るのは少し場違いな気もするが……。 2人は、そのまま問題なくパトロールを終えた。 夜。 怪人への警戒もあって、いつでも出動できるように基地で寝泊りしていたヒーローたち。 しかし、心地よく過ごせているかというと微妙なところだった。 「んっ……」 ベッドの上でごそごそと身を捩っているブルー。 ここ最近やけに身体が疼くというか、ムラムラして仕方がない。 普段なら1人で発散しているところだが、今はそういう気分になれないというか……どこか内側に溜まっていくような欲求不満だった。 (眠れない……) 疼きに苛まれた身体と気分を紛らわせるように、手元のタブレットで怪人の映像を映し出す。 改めて敵のことを精査する……頭の中ではそう理屈をつけていたが、彼女の姿を見つめるたび、疼きや熱が増していくことを自覚できていない。 怪人の画面を食い入るように凝視しつつ、行き場のない性欲を持て余しながら、無意識に身体をくねらせる。 ……同様の症状が他のヒーローたちにも現れていることは、知る由もなかった。 あれから一週間が経った。 ガッ、ズサッ、ギィンッ! 「はぁっ、はぁ……これぐらいにしておくか」 「けほっ、そ、そうだね……」 日課となった激しい模擬戦闘を終え、荒い息を吐きながら更衣室に戻るレッドとイエロー。 鍛錬は欠かさず行っていたが、少しばかり悩みが生じつつあった。 「んっ……」 ギチッ 微妙にスーツがきつい。とくに胸まわり。 身体にフィットするよう作られているはずなのだが、トレーニングのしすぎで体型が変わったのだろうか。 イエローの方を見ても、乳首の位置が分かるくらいにはピッチリと胸板に張り付いている。 (擦れたかな……?) サイズの合わないまま激しく動いた結果だろうと、自分の中で結論づけるレッド。 不快感もあるが、身体の動きにあわせて微妙に感じてしまうのも問題だった。 まだ戦闘に支障が出るレベルではないが、早めに新調してもらった方がいいだろう。 そんなことをぼんやりと考えながら、汗まみれのスーツを脱ぐ。 「ふぅ……」 ばつんっ! 圧迫されていた胸回りが一気に解放される。 やはりサイズが小さくなっていたようで、圧迫された胸板と乳首がひとまわり前にせり出した。 「あ~、疲れた~」 ひとしきり汗をぬぐったイエローが、おもむろに何かを取り出して顔につけていく。 それは、コンシーラーや筆といった、どう見ても化粧のための道具で── 「お前、何やって……!」 「ん?メイクだけど、これくらい普通のことだろ?」 当然のことのように返してくるイエロー。 男だとしても、身だしなみを整えた方がいいのは間違いない。 ただ……以前はやっていただろうか? 「ほら、着替えたら管制室に行くぞ」 「あ、ああ……」 何かがじわじわと歪んでいくような、言語化しようのない違和感に首をひねるレッドだった。 管制室には、怪人の分析を続けるブルーがいた。 「んっ……」 肩が凝ったようで、おもむろに伸びをする。 ここ数日は特に上半身が重いというか、鉛でも入っているような気がしてくる。 (ここ最近、ずっと動いてなかったからかな) 連日、怪人の解析と対策で身体が固まってしまったのだろう。 「よっ、そっちの状況はどうだ?」 訓練から戻ってきたレッドたちに声を掛けられる。 ブルーは、少し暗い表情で答えた。 「何から何まで普通の怪人じゃなくて、やっぱり厳しいね……」 特徴といえるものは、やはり顔が良いことくらいか。 姿は人間と大差ないが、人混みの中であってもその美貌ですぐに分かるだろう。 「自分から動かないタイプだし本人の戦闘力は高くないと思うけど、できるかぎり遠距離から倒すしかないと思う」 男であっても、キス一つで乳房の肥大化や全身の女性化が起きる……これが最も厄介な点だ。 怪人の能力を回避しつつ立ち回る必要があるが、ブラックとピンクがいる以上、それもかなり難しくなるだろう。 ある程度の作戦や、準備しておくべき武器などを伝えておく。 「ただ……これ以上は、情報が足りないかな」 一回の邂逅では、得られるものも少ない。映像で分かることにも限界があった。 現時点での想定では不十分だし、次の接触で明らかになる事も多いだろう。 むしろ、より強力な能力である可能性だって捨てきれない。 「結局、やるしかないんだろ? ただ……」 「あっちが動かないと、動きようがないよね~」 苦い表情を浮かべるレッドとイエロー。 怪人が現れなければ戦うこともできないし、虜にされた人たちを取り戻すこともできないのだ。 すでに一週間が経っていて、その面でも心配ではあった。 彼女の口ぶりからして、取り巻きにした人々やピンクたちを無下に扱うことはないと思うが……。 「被害がないなら、ヘタに手を出さない方がいいんじゃないですかぁ?」 モニターに映った怪人の映像を見つめながら、気怠そうに呟くオペレーター。 いつもは真面目に職務を遂行している彼女だが、最近は制服のボタンを外して着崩していた。 「なっ、あいつは怪人だぞ!」 予想外の言葉に驚きつつ、反射的に言葉を返すレッド。 どんな理由が荒れ、怪人の行為を受け入れるわけにいかない。 「まぁそうですけど……」 とくに言い返すわけでもなく、引き下がるオペレーター。 ただ、彼女の言っている事も間違いではない。 もし返り討ちに遭えば、ヒーロー組織そのものが壊滅してしまうのだ。 まだ何か言おうとしたレッドを、司令官が片手を上げて制した。 「……リスクはあるが、ブラックとピンクを奪還する必要がある」 もちろん取り巻きにされた人たちもだ、と語る。 リスクはあるが、それ以上に仲間と人々を優先するしかないのだ。 「怪人はいつ危害を加えてくるか分からないんだ、警戒は怠らないでくれ」 ゆさっ 机の上に、前傾姿勢になった司令官の胸がどっしりと乗る。 「街が平穏なことだけが救いだが……」 管制室の巨大なモニターに映して見上げるのは、今の街並み。 ちょうど休日なのもあって、のんびりと買い物をしている女子たちの姿が映っている。 何も知らずに映像だけを見れば他愛のない日常そのものだ。 豊満なプロポーションと、それを強調するように女性的なファッション。 遠目にも、一歩ごとに乳袋が揺れているのが見えている。 (でも、何かがおかしい気が……) ブルーは、どことなく蔓延している言いようのない違和感に首をひねるのだった。

Comments

ありがとうございます! さあ、これから後半……ヒーローたちは抗いきれるのか!

HNZM

予想以上に強力な改変パワー…これは避けようがないですねぇ…

ふとん

ありがとうございます! 美しいものは画面を介して見ても心を動かされますから、さてどうなるか……。

HNZM

ジワジワと、がいいですねー 分析でモニター見てるだけでやられる呪いみたいなら、司令官やオペレーターさんたちも・・・

瀬谷(アイコンは渦巻トグロウ様)


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