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ザ・ドッグトレーナー #31『調教二日目 下半身ルート拘束』(⇔23)

#31(調教二日目 下半身ルート拘束) 「ったく、いつまで抵抗するつもりですか! いい加減部屋に入りなさいっ!」  二日目の朝、予測していたとはいえリサの拒否反応は当然の如く強く現れ……ソフィアを強く苛立たせる抵抗を何度となく繰り返した。  決められた時間に準備していない……呼んでも返事を返そうともしない……布団から出ろと言っても毛布に包まって出てこようともしない……着替えろと言っても服に手を付けようともしない……。  そんな拒絶まみれの反抗を見せたものだから、ソフィアは怒りを通り越して呆れてしまい……リサを準備も着替えもさせないまま部屋から強引に引っ張り出し、裸のままの状態で廊下を歩かせ調教部屋へと押し込むことにした。  しかし調教部屋を開けるや否やドアの縁を掴んで意地でも部屋に入らないように抵抗してきた為、それを見たソフィアは流石に堪忍袋の緒を切らしてしまい……裸の格好である彼女の肌に平手をお見舞いしたり、尻を叩いたりと手を出す事を余儀なくされた。  肌が赤くなる程度には本気で手を出してみるが、リサの拒絶は想定よりも強く……いくら殴打して引き摺り込もうとしても縁を掴んだ手を放さず抵抗を続けて来る。  これ以上の時間はかけたくないと過ったソフィアは大きな溜息をつきつつ仕方なしと言わんばかりに彼女の腰に右手を下から回し、力の限り彼女を抱え上げて無理やり彼女を部屋へと入れ込もうと力技に打って出た。  足が浮くほどに抱え上げられたリサだったが、それでも手だけはドアの縁を掴んで離そうとしない。ソフィアはそんなリサを部屋へと引っ張りつつ、左手を使って彼女のワキを揉み解すくすぐりを入れて彼女の力を抜かせ無理やり手を放させた。  リサが笑い悶えながら手を放したことを確認すると、ソフィアは彼女を放り投げるように部屋の中へと入れ、彼女がドアを開けて逃げないよう厳重に鍵をかけ施錠した。 「ハァハァ……手間をかけさせないでくれます? 調教の前に余計な体力使いたくないんですから……」  軽々とリサの身体を抱えたとはいえソフィアはそういう訓練をしてきた屈強な女性……という訳ではない。左手に負担したリサの重みや引っ張る時に出した力はそのまま彼女の疲労として蓄積され、調教前から無駄に体力を消費する事となってしまう。  奴隷の調教を行うという行為は何も受ける側だけに一方的に負担が被るモノとは限らない。調教する側にも個人差はあれ精神的にも肉体的にも負担はかかるものだ。特にソフィアの場合は、調教に対して真面目に考え過ぎる節が強い為……毎度精神の負担はエリナ以上に重い。  本人はそれを隠しているつもりではいるようだが……長年彼女を見ているあなたやエリナには彼女の仕草一つで蓄積された疲労も分かってしまうものだ。だから、このように拒絶感の強い調教始まりはソフィアの負担を更に強めてしまうのも理解出来ている。  理解出来ているが……そこは敢えて、彼女に担当して貰おうとあなたは決めた。  負担が全くかからない調教など存在などしない……大なり小なりの負担は必ずおわなくてはならないのが常なのだから、彼女がいかにその負担を自分で減らせるようになるか……それが彼女に与えられる課題になるだろう。その課題を自分なりに咀嚼できるようになって少しでも慣れて貰いたい……それがソフィアを、敢えてこの拒絶が強くなるであろう2日目に担当させた理由だ。 「次……抵抗しようとしたら……今度は頬を殴打します。良いですね?」  あなたのその意図を恐らくソフィアも感じ取って入るだろう。彼女は何も言わずあなたのその指示に従い二日目の担当となった。彼女を怯えさせる存在になるよう……敢えて暴力的な振る舞いを初日に見せつけて……。 「や……だ……もうやだ! こんなの……もう嫌! 嫌なの!!」  部屋に投げ入れられ軽く膝やら肩やらを床にぶつけて痛めてしまったリサは、その赤く腫れた肩を労わる様に手で撫でつつ腕で胸の露出を隠しソフィアから後退る様に逃げる仕草を見せた。 「嫌でも……あなたに拒否権はありません。ほら、拘束しますからさっさと立って部屋の中央へ向かいなさい……」  部屋の中央にはベッドや拘束台の様な大掛かりなものは置いておらず、床に万力のような見た目の台座が固定されているのと、穴の開いた一枚の板だけがその万力に噛ませてある光景が視界には入ってくる。 「ひっ!? あ、アレ……何? アレで何をするつもりなの?」  大きな“万力”の様な見た目の台座は太い金属のボルトによって床に固定されていてどんなに力を加えても動く事はない。その“万力”部分には分厚い1枚板が挟まれていてこれも動かないようしっかりと万力の歯を噛ませてある。板には隣同士に二つの穴が開けられており……その穴の大きさと位置を見るに、そこに“足首”を通して脚を拘束するモノだろうと想像がつく。 「アレは足の拘束を行う道具です。あの二つの穴に足首を通させて穴から抜けないよう施します……」  想像はついていただろうが、ソフィアは敢えてリサに隠さずその拘束板の意図を彼女に説明した。それを聞いてリサは増々顔を青く染め直していき…… 「あ、足の拘束って……じゃあ、また今日も……私の……足を……くすぐる……つもり?」  と、ソフィアの視界から自分の足裏を隠すように床を踏みしめ、膝に手を回し体操座りの格好で足を守って警戒する仕草を取った。 「はい。その通り……足の裏をくすぐろうと思ってますよ?」 「き、昨日の様子……あんたも見てたんでしょ? カメラかなんかで……」 「えぇ……まぁ……」 「だ、だったら、分かるでしょ? 私……足の裏……触られるの弱いって……」 「そうですね。腋よりも反応が良いというのは理解してます……」 「もう……隠しても無駄だと思うから正直に言うけど……私……昔っから……本っっ当に足の裏……触られるのに弱かったのっ!!」 「えぇ……そうでしょうね? そういう反応してましたし……」 「あれから、あのエリナとかいう女に弄られてから更に足の裏がおかしくなったの! 何んていうか、その……敏感になってしまったというか……触られてもないのにムズムズしてくるというか……」 「それはそれは……ご愁傷さまですね……」 「こうして、足を拘束するって聞いただけで……あのくすぐりを思い出して……震えてしまうくらいなのよ! 体中がゾワゾワして……気色悪くなるのっ!!」 「そうですか……それはさぞかし、今日の調教は辛くなるでしょう」 「ちょ、その顔! 信じてないでしょ! 本当よ! 今言ったことは本当の事っ!! 本当に……足の裏が……敏感に……なってるの……」 「いえいえ、信じてますよ? そういう調教をエリナが施したのでしょうし、そうなるだろうなって思っていましたから。まぁ、だとするなら第一段階は完了していると思ってもよさそうですね? 正直に話してくれて有難うございます。お陰で確認する手間が省けました……」 「しょ、正直に言ったから、もう分かるでしょ? 私が言いたい事……分かるよね?」 「言いたい事? はて……何の事でしょう?」 「今日の……ちょ、調教? 足は……やめて? お願い……」 「はい? 私に足を触るなって言いたいのですか? 足の調教をしようとしているのに? 正直に言えばそれを許して貰えるとでも思ったのですか? もしかして……貴女……私の事、馬鹿にしてます?」 「わ、腋なら……その……多少は……我慢する……から……。少しくらいは……頑張るから……」 「フムフム……やっぱり馬鹿にしてますね? 私に交渉が通じると……そう思ったからそんな世迷言を吹っかけているのですよね? 良いですよ、貴女がそういう態度で来るなら……私にも考えが……」 「ち、違っっ! ば、馬鹿にしてる訳じゃ……」 「馬鹿にしていないのでしたら、その口を閉じて黙ってあの枷の近くへ行って座って見せなさい!」 「そうじゃなくて……足は……もう……本気で嫌……なの! どうしても……責められたくないの! これ以上触られたら……私の中の何かが……おかしくなりそうって……そう思っているから……」  今にも泣きそうな声を振り絞ってその様に訴えかけるリサだが彼女を見下ろすソフィアの目は冷徹さを感じさせる冷めたい視線を彼女に送り返している。  そして、まだ駄々をこねようとする彼女に向かって、それがいかに時間の無駄であるかを分からせる言葉を彼女にぶつけに行く。 「貴女も二日間ここに居てそろそろ分かりませんか? 貴女の言葉は誰にも聞き入れられないし……誰の耳にも届かない。貴女が泣こうが喚こうが……調教を中断するような事など一切なかったでしょう?」 「…………うぅ……そう、だけど……」 「発言を意味のある言葉として相手に受け取って貰いたいと思うのでしたら……相手と同等以上の立場になってからモノを言いなさい! 奴隷以下の身分である貴女には本来喋る資格すらないのですよ? ご主人様の前でその様な無礼をはたらけば……人によっては命にかかわる罰を下されかねないのですからね!」 「奴隷……以下? 私は……今……奴隷……以下なの?」 「貴女はまだ奴隷ですらない……奴隷候補の段階です。貴女に適性が有ると判断されれば奴隷としての調教を行いますが、そうでなければ適正無しと判断され奴隷商の下へ送り返されます」 「奴隷の適正……無し?? そ、それって……私は奴隷にならなくて……済むって事?」 「喜ばない方が良いですよ? 奴隷にすらなれず送り返された人間のその後の人生は……悲惨ですから……」 「えっ?」 「奴隷の適性が無いと判断された人は……もう調教を受ける資格すらも奪われます。それがどういう事か……貴女に分かりますか?」 「調教を受ける……資格?」 「従順な奴隷を好むご主人様は、基本的に自分の思い通りの奴隷を手に入れられれば奴隷を丁重に扱ってくれる方が多いと聞きます。しかし、調教しても言う事を聞かないとなれば……そういう方に売る訳にはいかなくなり、もっと環境の悪い市場へと流される事となります」 「環境の……悪い……市場?」 「そこは、奴隷を……と、いうか……人間を“物”以下としか見ていない買い手が、高値でもいいから自分の玩具に出来る人間を買い求める最底辺の場所……」 「自分の玩具になる……人間を? 買い求める?」 「手足を切断して別の人間の切断した手足をくっつけて遊ぶのが好きな狂人が居たり、新しい毒やらなんやらの人体実験に使いたいと考える頭のおかしい医者が居たり……ただ単純に妊娠と堕胎を繰り返すのが性癖だというおぞましい金持ちの変質者などなど……言葉にも出したくない人間の成れの果てがその市場では“堕ちて来る商品”を待っています」 「ひっ!? な、なにそれ……う、嘘……よね?」 「先程から私が嘘を言っているように見えましたか? 私はこう見えて……嘘は付けないタイプなのですよ?」 「そ、そんなの……絶対に違法じゃない! そんな事……警察が許す訳……」 「警察が動けるのでしたら今頃そういう市場は潰れています。彼らは警察が動けない程の圧をかけれる人間達なのですから……そこに法の手が及ぶなんて事有り得ません。だから奴隷商もそこに市場を設けているのです……」 「……私も……奴隷の適性が無かったら……そこに堕とされる……と?」 「貴女は運がいい方ですよ? 調教を依頼してもらえるというだけで……希望はあるのですから……」 「こ、こんな……酷い仕打ちを……受けているのに?」 「酷い仕打ちだと感じるのは貴女がまだ奴隷としての自覚を持てていないからです。その自覚が芽生えない限り……この調教は貴女にとってはただの暴力にしか受け取れないでしょうね」 「自覚? そんなもの……芽生える訳が……」 「どうやったらその自覚が芽生えるようになるか……教えてあげましょうか?」 「…………えっ?」 「それは……“諦める”事です」 「……諦める?」 「自分はまだ助かる……とか、誰かが自分の事助けに来てくれる……とか、そんな事をまだ心のどこかで期待しているのでしょう?」 「う、うぅ……」 「その期待は……捨てるべきです。そして諦めるんです……自分は元の世界にはもう戻れないんだ……と……」 「そ、そんな……」 「諦めないと……いつまでも在りもしない希望に縋り続ける事になりますよ?」 「で、でも……希望がないって訳じゃ……」 「まぁ、私がいくら言ったところでそう簡単にそれを諦めきれるとは思いませんが……しかし、残念ながら今は時間がありません」 「……時間が……ない?」 「今日で貴女が……奴隷の適性があるかどうかを見極めなくてはなりません……。ですから、あなたが望もうが望むまいが……テストをしたいと思っています」 「私の……適性を……見極める? テスト?」 「このテストをクリア出来なければ……残念ですが奴隷の適正無しと判断し貴女を奴隷商の所へ送り返す事となります」 「えっ!? ま、待って!!! それって……さっき言ったところに……堕とされるって……事?」 「それは奴隷商が判断する事になりますが……高い確率でそうなると考えていた方が身の為ですね……」 「そ、そんなっっ! い、嫌よ! そんな怖い所……行きたくない!!」 「行きたくないのでしたら……奴隷になる覚悟を決めてテストをクリアする事です」 「奴隷になる……覚悟なんて……そんな……急に決めろと言われても……」 「無理ならテスト自体も行わずそのまま奴隷商の下へ送りますが? それでも構いませんか?」 「ひっ!? ちょ、まっっ待って!! わ、分かった! そのテストってヤツは受けるからっ!! いきなり送り返すのだけはやめてっ!!」 「ったく……最初からその様に素直に返事をすればこのような事を話さなくて済んだものを……。これだから頭の悪い奴隷は嫌いなんです……」 「うぐ! うぅ……」 「ほら、ヤるんでしたらさっさとこっちに来て座って足を私に預けなさい。拘束しますから……」 「う、うぅ……。くぅぅ……分かったわよぉ……」  渋々といった表情ではあるがリサはようやく警戒する姿勢を解いて立ち上がり、顔を横に向けながら股間と胸をそれぞれ手で隠しつつ恐る恐るソフィアの前まで歩み出していった。  ソフィアはそんな悠長に歩いてきたリサを急かすように腕を掴んで乱暴に枷のある場所まで引っ張っていき、すぐに尻を床につけろと言わんばかりに手を彼女の肩に当て、肩を抑え込んで無理やり座らせた。  リサはそのまま枷の目の前に尻もちをつくように座らされ苦い顔を浮かべながらも、その後のソフィアの行う拘束には抵抗せず従った。  足を拘束する為の分厚い木の板は一見1枚だけの板に見えるが、実は真ん中から上下に分解できるよう切れ込みが入っている。  板の下の部位は土台の万力に固定され動かせない状態となっているが、上の部位は固定具を外せば自由に着脱が出来るような仕組みが施されている。  板に開いていた二つの穴は、そのままでは足を入れるには小さすぎて足の先くらいしか入れられないようになっているが……この板の上の部分を外す事により穴も上下に分かれる事となり、足(足首)をこの穴の下半分に置く事が出来るようになる。足首を穴の下部の方に置いて上からまた板の上部を戻して穴を戻せば、足は穴を通ってきたかのような状態にする事が出来……板をそのまま固定してやれば穴が小さい事もあり、足をその板から自力で抜くことは不可能になる。  足が抜ける事が無くなれば、足首より下……つまりは足裏が板の裏に晒される事となり、それだけで足裏への責めに何の抵抗も出来なくさせられる。  後は、足の指などを追加でその板に磔にでもすれば……増々足の自由は奪えてしまえるのだが……ソフィアは、リサの足を敢えてそれ以上拘束せず、ある程度左右に捻られるくらいの自由は残してあげた。  しかしそれはソフィアの優しさが垣間見えたというものではなく、ある程度自由にすることでその足にテストを受けさせる余地を残すためだった。 「さて、いちお足の方はこれで準備出来ましたが……罰を与える関係上、手の方も拘束させて頂きたいと思っているので……その座りの状態で構いませんから手を後ろ……背中の所で組んで、そのまま縛られるのを大人しく待っていてください」 「ば、罰? 罰も……有るの? そのテストとやらは……」 「えぇ。テストと言えどこれは調教の一環でもあります。言う事に従えなければ罰を与えるという当たり前の流れも経験して頂くつもりです……」 「あ、当たり前って……そんなの……横暴も良いトコよ……」 「罰を与えるのは必要不可欠な事です。犬にだって粗相をしたら罰を与えて教育するでしょう? それと同じです……」 「わ、私は……犬じゃ……ない……」 「大して変わりませんよ。尊厳を売られて失った人間など……下手したら動物よりも身分は下になるくらいですから……」 「……くぅ……うぅぅ……」  リサの手を後ろ手に縄で縛って拘束したソフィアはその様な言葉を彼女に投げかけつつ、再び彼女の足の方へと移動しポケットから1枚のコインを取り出してそれを見せつけた。  何の変哲もない……500円玉程度の大きさの金色のコイン。それを見せつけつつ、ソフィアは彼女に今回のテストの趣旨を説明し始める。 「ルールは簡単です。このコインを落とさず10分間耐えられれば、テストは合格とします……」 「10分間……落とさず? って……ど、どうやって?」 「今からこのコインを足と足の間に運びます。貴女はそのコインを足の親指をくっつけて、落ちないよう挟んで持ち続けて下さい」 「足で……挟んで、持ち続ける?」 「足は隣同士並んでいる格好ですから……ちょっと足首を横に傾ければ親指くらいはくっ付けられるでしょう?」 「……それは……出来る……けど……」 「このコインが足から離れ床に落ちてしまえば、そのトライは失敗となります」 「失敗したら……それで終わり? 私は、送り返されるって事?」 「いいえ……挑戦したいのでしたら何度でもやり直す事は出来ます。時間の制限は今日の正午過ぎまで……13時をリミットとして何度でもトライして下さって構いません」 「何度でも? 私が……挑戦したいって言えば……その時間までなら……何度でも?」 「えぇ。しかし、さっきも言ったように……失敗した時は罰を与えます」 「ば、罰?」 「コインを落としたら15分間あなたの上半身をくすぐって笑わせます」 「上半身!? って……腋……とか?」 「まぁ、脇腹やらお腹やらも含まれますが……」 「うぅ……15分も……?」 「何度もトライして、もう絶対に無理だと思ったらギブアップして下さって結構です。その場合は……」 「……その、場合は?」 「勿論、即テスト終了で奴隷適正無しと判断いたします……」 「ひっ!? 適正無しって事は、そこで送り返されるって……事よね?」 「そうです。そうならない様……石に齧りついてでもクリアを目指してくださいね?」 「私の……意思次第って事……? 続けるかどうかも……」 「はい。このテストではあなたの忍耐力と忠誠心を試します……」 「私の……忍耐力と忠誠心?」 「いかなる妨害を受けようとも言われたことだけは意地でも達成する……そんな指示に対する忠実な心と、それを達成させる為の忍耐力を試すと同時に鍛えるのです……」 「妨害って……やっぱり……邪魔……するの? このテスト……」 「当然です。コインを落とさないでただキープするだけなら誰でもできますから……」 「そ、その妨害って……まさか……」 「その“まさか”です。このような物を使ったりして……私が直接邪魔をします」  ソフィアは僅かに口元に意地悪な笑みを浮かべさせ、メイド服のポケットから埃を払うときに使う“羽箒(はねぼうき)”と、毛先が太いタイプの“筆”を取り出してリサに見せつけた。 「ッっ!? そ、そ、それで……くすぐるつもり……って事? 私の……足を……」  小さな鳥の羽根が多数集まって作られたその羽箒と……いかにも柔らかそうな毛先の筆を見せられ、これからそのテストの間にソフィアが自分に何をしてくるつもりなのかを察したリサは……思わず自分の口から、その道具達の想定される使い道をソフィアに問いかけてしまう。  その問い掛けにソフィアは満面の笑みを零しながら…… 「勿論……くすぐりますよ? くすぐりの妨害に耐えて忍耐力を養う……そういう調教でありテストなのですから♥」  「ひっ!? や、や、やっぱり……」  くすぐられると分かるや否や再び暴れるように足をバタつかせようとするリサ……。しかしその足を板の穴から抜く事は叶わず……板を上下にガタガタ揺らせる事しか出来ない。  先程は簡単に分かれてる風に見えた上部の板も、固定具によって下部の板に繋げられてしまった事で彼女の力では板を持ち上げる事も動かす事も出来なくなった。その固定具を手で外そうと思っても手は後ろ手に縛られていて勿論それも出来ない。昨日に比べてガチガチな拘束とは言えないが、必要最低限の拘束はリサに施されている。だから、リサはソフィアの行う妨害を防ぐ事など出来ない。結局されるがままを強制される事になるのだ。 「さて、じゃあ……これから早速1度目のトライを開始ししようと思ってますので……足を寄せて……コインを挟んで頂いて良いですか?」  不気味なほどの笑顔でソフィアがその様にリサに語り掛ける。  右手は黄金に光るコインを摘まみ……左手には羽箒と筆を足裏に向けて構えている。  リサは血の気の引いた顔で顔を左右に振って見せるが、ソフィアの次の言葉で慌ててそのコインを足で挟むことになる。 「足で挟まないのでしたら……そのままコインを落として最初のトライは失敗という事で処理しますよ? 失敗という事は……分かりますよね? いきなり罰を受けて貰う事になりますが……」  その言葉を聞き必死に左右の足をくっつけてソフィアの摘まんでいるコインを親指の側面で挟み込み、落ちるのを防いだ。  ソフィアはその姿を見て……再び口元に笑みを浮かべなおすと、ポケットの中から砂時計を取り出し……それをひっくり返して床に置いて見せた。  砂の落ち具合から見て……その砂時計は丁度10分を計る時計だと、言われなくても気付く事が出来る。  リサはその砂時計を見てゴクリと息を呑み、挟んでいるコインに意識を集中して足に力を込め続けた。  ソフィアは砂時計を置くと同時に開始の合図も出さず、羽箒と筆をそれぞれリサの左右の足裏へと近づけていった。  そして、リサの悲鳴と共に最初の挑戦の幕は開けられる事となるのだった……  →#32へ


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