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ザ・ドッグトレーナー #24『2日目上半身ルート:拘束』(⇔22)

#24 「あぁもう、うるさいですねぇ! いいからさっさと歩きなさいって言っているでしょう? これだから世話の掛かる奴隷は嫌いなんです……」  2日目の朝……。  予想していたとはいえ、リサの拒絶は彼女を呼びに行ったソフィアを大いに苛立たせる事となった。 「い、痛い! 痛いって! み、耳を引っ張らないでっっ!! 分かったぁ! 従うからぁ!」  呼び出しからの無反応……  部屋から出ろと言ってもベッドの隅に固まったまま……  そして、最後の忠告も無視して頑なに拒否の態度を示す始末……  そりゃあ……ソフィアがキレるのも無理はない。 「早くこの部屋に入る! もたもたするんだったらこの耳……引き千切りますよ?」 「痛ったたたた! 痛いってばぁ、この暴力女ぁ! 分かったって言ってるでしょ! 入るわよぉ……入ればいいんでしょ?」  リサの部屋から調教室までほぼ隣同士といっても過言ではない距離なのに、彼女の拒絶が長引いた結果部屋から出すまでに20分はかかり……そして調教室の扉をくぐらせるまで10分はかかるという抵抗っぷり。これにはさすがのソフィアも手を出さずにはいられなくなり、リサの耳を引き千切らんとする勢いで引っ張って彼女を力で無理やり従わせる事とした。 「入ったら、部屋の中央に行って上着を全部脱いでそこの籠に入れて待ってなさい。いいですね?」  部屋に入るなり摘まんでいた耳を放り投げる様に乱暴に放したソフィアは、その様に冷たく言い放つと扉に閂型の鍵をかけ、更に扉の開閉部分に南京錠を付けるなどして完全に錠を施し、外からも内からも部屋からは出られないよう施した。 「……あなた……耳はついてますよねぇ? 私の指示……聞こえていた筈ですよねぇ? だったらなぜ指示に従わないのです? なぜ言う事を聞こうとしないのです?」  錠を掛け終わって振り向くと……そこには部屋の中央には行ったが上着に手もかけようとせず下を向いてモジモジしているリサの姿が目に入り、それを見たソフィアの顔は一段と睨みの険しさを増した。 「だ、だ、だって! 脱いだら……下着ないし……裸に……なっちゃうし……」 「私は……“裸になれ”と指示したつもりですが? 理解出来ませんかねぇ?」 「い、い、嫌よ……。そんな、恥ずかしい……」 「恥ずかしい? まだこの期に及んでそんな世迷言を吐いているんですか? 」 「そ、それに……また……くすぐる……つもり……なんでしょ?」 「……当然です」 「上半身を脱がすって事は……その……また……ワキとか触るって……事よね?」 「そうですが?」 「そ、それは……嫌! もう……ワキとか触られるの……無理!」 「無理でも嫌でも、あなたに拒否権は有りません。ほら、そんな無駄なお喋りはやめて……上着を全部脱ぎなさい? 時間の無駄です」 「怖い……。昨日……散々くすぐられて……触られるの怖くなってるの。特にワキは……」 「それがどうしました? 私には関係の無い話です……」 「お、お願い! え、エッチな事だったら……その……少しならしてあげてもいいから……くすぐりだけはやめて!」 「少しだけだったらって……随分と傲慢な交換条件を出してきますね……。それで私が応じるとでも思っているのでしょうか?」 「じゃ、じゃあ、少しじゃなくて……一杯でも……まぁ、許すから……だから……」 「“許すから”ですか……。まだ自分の立場が分かっていないようですね? そもそも貴女には今発言する権利すらも無いというのに……」 「お、お金で解決できるんだったら……払うから……。今は手に持ってないからアレだけど……働いてちゃんと返すから……だから、私の事……許して……」 「お金で自分を買い戻したいって言うのでしたら……億単位のお金が必要になりますよ?」 「お、億ッっ!? 私の……買戻しが……そんなに……するの?」 「売却価格は5千万程度のものですが、奴隷商の仲介料やら、手数料やら、保険料やら、更には調教のキャンセル料とかも高いですからね……それくらいは覚悟した方がいいかと……」 「む、無理……そんなお金……絶対に無理……」 「無理なら望みはありません。ほら、もう良いでしょう? さっさと服を脱いでください……」 「い、い、いや……だ……。脱ぎたく……ない……」 「……脱ぎなさい」 「嫌! お願い! もうこんな事……私……耐えられないの! ここから出してっ!」 「私が脱げって言ってるのですよ? さっさと脱げ!」 「こんなの酷過ぎる! 何がくすぐり奴隷よ! 意味わかんないっっ! そんな事やって何が楽しいのよっっ! 私は全然楽しくないって言うのに……」 「自分で脱がないんだったら……脱がせますよ? 良いのですね?」 「やっ! さ、触らないで! 触るな! 私に……指一本触れないで!!」 「逃げようとしても無駄です。ドアは厳重に締めました。逃げられる場所はありません……」 「嫌だ! 嫌っ! 近づいてこないで!! もう嫌なのっ! こんなの嫌なのっっ!!」 「さ~角に追い詰めました……もう逃げられませんねぇ~?」 「ひっ! や……め……て……よぉ……。やめて! やめてぇ!!」 「ほら、さっさとその服を脱ぎなさいって言ってんの! ほらっ!!」 「あっ、ちょ、何すんの! 引っ張らないで……」  部屋の隅で怯える様に身を守りながら座り込んでしまったリサに、右手を彼女の服の襟元に突っ込んで強引にその服を掴み彼女を服ごと引っ張るように力を込めて無理やり立たせるソフィア。彼女の腕力により無理やり立たされたリサは更にそこから彼女から逃げようと身体を横に向けようとするが、服を掴んだままの右手に更に左手を合流させたソフィアはそのまま両手で服を左右に引っ張って生地を引き千切る動作をして見せた。 ――ビリビリビリッ!  すると、リサのシャツはものの見事に縦に真っ二つに割け、シャツの下に隠れていた彼女の生の胸を露わにされる事となった。 「ひっっ!? ちょ、服が破け……」  服を破ってしまう程の剛腕を見せつけられたリサは流石に顔を引き攣らせながら驚く表情を浮かべてしまうが、別にこの服破きは想定外の出来事という訳でもなんでもなかった。  きっとリサが抵抗してくるだろうと想定して“ワザ”と破けやすい服を彼女に着せていたのだから、ソフィアが特別に剛腕だとか力が強いとかでは決してない。  連れて来る時の乱暴な素振りと服を破くというショッキングな場面を経験させれば、いかに抵抗感の強いリサでも、ソフィアの言葉に従わないと何をされるか分からないという不安を心理的に植え付ける事が出来る。そういう効果を狙ってソフィアは敢えて粗暴な演技をして見せているのだが……どうやらその効果は抜群だったようで、服を破られたリサは顔を真っ青にさせながら急いでその服を自分から脱ごうと慌て始める。 「全く……最初からいう事を聞いていればこんな面倒な事をせずに済んだものを……」  ビリビリに破けたシャツを更に破きながらも脱ぎ去ったリサは、自分の両手で露わになった胸を隠すそぶりを見せながらソフィアに続いて部屋の中央へと戻っていく。  部屋の中央には特に何がある訳でもない。  昨日彼女の身を不自由にした拘束台も、拷問器具のような物も周りにはない。  何もない空間の中央に立たされ、何をするでもなく首を横に傾げながら体中を見て回っているソフィアに不気味さを覚えたリサだが、もしかしたら今日は拘束されないのでは? という希望が浮かんだのか安堵に似た吐息を一つ零す。 「ところで……くすぐり奴隷という奴隷にとって“枷で自由を奪われる”というのはどういう事だと……貴女は思いますか?」  身体を見渡すソフィアにその様に問われ、リサは再び顔を不安の色に染めなおし困惑の言葉を返してしまう。 「な、何って……? 質問の意味がよく分からない……けど? 何が聞きたいの?」 「枷で自由を奪われる……という行動の意味です。奴隷にとってこれはどういう意味に値するか知っているか? と聞いているのです……」 「自由を奪われる意味って……それは一つしかないじゃない。抵抗できないようにしてくすぐり易くするって事……でしょ?」 「いいえ。そう答えるという事は、それはまだ……あなたに被害者意識が残っている証拠です」 「あ、当たり前でしょ! 私は正真正銘の被害者よ? 現に昨日も抵抗出来ないように拘束して来たじゃない!」 「良いですか? くすぐり奴隷にとって、ご主人様に拘束の“手間”を与えるという事は不名誉な事なんです。そういうのは奴隷側の“甘え”だと思ってください?」 「あ、甘え? 拘束される事……が?」 「そもそもこういう性奴隷は、ご主人様の趣向をなんの滞りもなく満たせるようになれて一人前だと言われます。勿論、拘束する事自体が趣味であるご主人様もいらっしゃるでしょうが……基本的には指示の通りに振る舞う事が奴隷には求められるのです」 「な、何よ? 今度は奴隷のレクチャー?」 「あなたはまだ奴隷としての自覚が全然足りていません……。責めに耐え抜く忍耐もなければ、耐えようとする努力すらも見受けられません……」 「あ、当たり前よ! 私は別に……奴隷になんてなりたいと思ってないんだから……」 「貴女がそんな心持ちだから我々は拘束しないとならない。貴女が抵抗するのが分かりきっているのだから……」 「うっ……うぅ……」 「本来ならご主人様が手を上げろと仰れば間髪入れずに万歳の格好になって無抵抗にならなければならないというのに……貴女ときたら……私の指示にさえ従おうとしない……」 「い、嫌なものは……嫌だから仕方ないじゃない!」 「その自我の部分も捨てきれてませんよね? まだ身を売られたという意識すらも芽生えていない……」 「芽生える訳ないわよ! そんなもの……」 「そんなでは一向に立派なくすぐり奴隷にはなれませんよ?」 「いや、だから! ならないって……」 「奴隷として尽す為に絶対に必要になるものとして、ご主人様への忠誠心と責めに対する忍耐……これらは必ず身に付けないとなりません」 「忠誠心って……まだ顔すらも見てないっていうのに……」 「そう。忠誠心の方は今後ご主人様と過ごしていく中で培って頂かなければなりません。しかし、忍耐の方はこちらでも鍛えることは可能です……」 「……忍耐?」 「ご主人様がどのような過酷な趣向を提示して来てもそれに耐えうる体力やら忍耐力……それらは今から鍛えることが可能なのです」 「それって……どういう意味?」 「忍耐力を鍛えることは忠誠心を芽生えさせるきっかけにもなると言います。ですから、これから貴女には忍耐力を鍛える調教を施したいと思っています」 「忍耐力を……鍛える?? な、何? それ……」 「ルールは簡単です。貴女はこの場で両手を高く万歳の格好を取り、自分の意思であの天井から下がっている吊り革を掴み続けなさい。それを10分続ける事が出来たなら今日の調教は終わりにしてあげます」 「えっ!? お、終わりにしてくれるの? 10分……掴むだけで??」  部屋の中央……リサの頭上には確かに天井からぶら下がった吊り革が目に留まる。  大きさ的にはバスや電車に備え付けられている吊り革と同じくらいか……その吊り革は手を伸ばせばギリギリ届くくらいの位置に浮かんでいる。リサの身長ならば爪先立ちすれば丁度届くくらいの位置だろう。ソフィアはその吊り革を10分間掴めと指示を出している。 「吊り革は両手でしっかりと握って下さい? もしも手放してしまったらまた最初からやり直しです。チャンスは3回与えてあげますから……そのうち1回でもクリア出来れば、今日の調教は本当に終わりにしてあげます」 「チャンスは3回って……それはつまり、妨害してくるって事よね? 私が手を放すように……」 「当然です。これは忍耐を鍛える訓練も兼ねているのですから……」 「万歳させるって事は……くすぐる……よね? ワキを……」 「くすぐります。この手で……」  ソフィアはリサを挑発するように顔の前に両手を構え指をコチョコチョして見せ、自分が行おうとしている行動を見せつける。リサはそれを見て顔を引きつかせながら目を背けるが、与えられた条件を再確認し自分を鼓舞しようと拳を握り込む。 「うぅ……でも、それに耐えれば……この後は休みなんだよね? 少なくとも今日は……」 「はい。しかし、手を放したらその時点でトライ失敗とみなし、残った時間に10分をプラスしてその場で拘束して罰を加えます」 「ん? え? 失敗したら……ペナルティがあるの? その都度??」 「そうです。例えば1回目のトライで7分頑張ったとしましょう? 7分目で手を放した場合は、残りの3分プラス10分で合計13分の罰を与えます」 「ば、罰って……どんな?」 「縄で縛って身動きを取れないよう拘束して、私が本気でくすぐります」 「な、縄で縛る!?」 「はい。私……一応、縄師の資格も取得していますので……縄一本あれば拘束具が無くても貴女を抵抗できないようにする事は簡単にできるんです」 「ひっ!? あ、赤い……縄!?」 「これで縛った後罰を与えて、次の2回目のトライにすぐ挑んで貰う事になります。休憩などは用意するつもりはありませんのでなるべくテキパキ動いてくださいね?」 「罰を与えたら……すぐに次? 休憩は……無し?」 「当然罰の方がくすぐりの過酷さは増しますので、出来るだけ吊り革を掴む時間を頑張った方が身の為だと思いますよ? でないと、次のトライをする体力すらも奪われかねませんからね……」 「う、うぅぅ……」 「っと、説明はとりあえずこんな所でしょうか……?」  ソフィアはその様に零すと、両手に持った赤い縄を左右に引っ張ってパンと勢いのある音を部屋中に響かせてリサの方へ近づき始める。 「では、拘束の下準備として……ある程度縄を絡ませておきたいと思います。まずは手を左右に広げて立って頂けますか?」  縄の先端を右手に寄せ左手で残った縄束を持つ構えに変えたソフィアは、リサの嫌がる仕草を無視するように下腹部付近に手を回し、持っていた縄をグルリと二周巻き付けて、背中側で結び目を作り縛りの基礎を手早く作り上げていった。  その結び目から今度は縄を股間の方へと回していき、脚の付け根のラインに沿うように表へ回して腰の基礎縄に絡めて合流させると、反対側の股間も同じように縄を通して最終的に腰の結び目に合流させる形を取った。その後股間を縛った縄の長さを微調整して縄が緩まないよう調節を加えると、丁度縄がホットパンツに食い込むような姿になり、脚の方にも縄拘束の基礎を作り上げることとなった。 「ちょっ! あ、あの……手際……良すぎない?」  手を横に広げる間もなくあれよあれよの間に腰回りと脚の付け根に縄が巻かれていきリサは困惑を隠せない様子を見せるが、ソフィアはそんな彼女の困惑など無視して縄の拘束を続けていく。 「麻縄はホームセンターなどで買えば安く手に入りますが、買ったままの状態だと縄が毛羽立ってしまって肌を荒らす原因になってしまうんです。ですから、買った後は煮沸して水分を馴染ませて……馬油などのクリームを塗り込みんでから肌に当てるよう心掛けています。ただの縄だと思われるかもしれませんが……結構手間がかかるんですよ? 実際使うに当たっては……」  再び腰の結び目と合流した縄は次に胸の谷間を狙って斜め上に伸ばされ、そのまま肩の上を通り首の裏を回って縄がクロスするように再び胸の谷間へと斜めに戻っていく。その縄が下腹部の横縄の部分まで降り切ったらその横縄の下へ入り込んで合流する形をとる。そして今度は胸ではなく背中側でバッテンになるよう縄をクロスさせ首の裏で新たな結び目を構築すると、胸の形を崩さないよう縄を周囲に這わせつつカメの甲羅を模したかのようなクロスと結びを繰り返しリサの上半身に縄の衣装を着せ込んでいった。  見た目には生地が無く枠だけが体中に張り巡らされた露出の高い服……に見えるが、ナナメや横に這わされた縄は結び目の所でしっかり絞られ緩まないよう固定されてしまっている為、縄に締め付けられている感覚が常に感じられリサは不安を煽られてしまう。  徐々に自由が奪われていっているような感覚が芽生え、思わず身じろぎしたくなる衝動に駆られてしまう。  しかし、その衝動も足の拘束を終える頃には叶えられなくなり……リサに更なる不安を植え付ける事となる。 「あ、足も……縛るの?」 「はい。罰やトライの最中に蹴られてはたまりませんからね……」  揃えた足の足首に新たな縄を巻き、足との間の空間にも縄をクロスするように絡ませてしっかりと結びを強く作っていく。すると足は揃えた状態から動かせなくなり身動きが極端に制限される事となる。そこから更に、足の結び目から伸びている縄を腰の結び目と合流させそこで長さを調節して結びを絡ませると…… 「あ、足が……前に動かせなくなった……?」  足のカカトから方向から伸びる縄が背中の結び目と繋がっている事で軽く足を後ろに引っ張る形となり、それ以上前へと足を動かせなくなった。  後ろに膝を曲げる事は出来るが、足を前に出して蹴る事は出来なくなったと言うべきか……とにかくリサの抵抗はこの時点で大きく制限される事となった。  足の拘束に更なる不安を煽られたリサだが、ソフィアはそんな彼女の顔を見ようともせず最後の拘束の為に新たな縄を用意した。  最後の拘束は手……  っと言っても、これから吊り革にぶら下がるという行動をとらなければならない為、足程ガチガチに拘束するわけにはいかない。  あくまで“罰”を行うときにいちいち拘束し直す手間を除くための下準備である為、手の自由を制限し過ぎては意味が無くなる。  だから、あくまで手は手首の部分だけの拘束に留める。  手首を揃えさせ、警察が手錠をかける様に手首に縄を巻き……足と同じように縄を複雑に絡ませ、手首が抜け出せなくなる様拘束を施しつつ手首の後ろに結び目を作ってひとまず完成。  この手首の拘束だけならまだ両手で吊り革を掴む事も自分の意思で腕を上げることも下げることも自由に行える筈だ。手がくっ付いた状態になっている所だけが不自由を感じるかもしれないが、別に手の指を拘束している訳でないのだから、吊り革を掴むのにも問題はないだろう。  リサにそこまでの簡易的な拘束を施したソフィアは、縄の引っ張り具合などを再チェックし……これで準備は整ったと言わんばかりの吐息を最後に零して一息ついてみせた。 「さて、準備は整いましたので早速最初のトライを始めて行きましょうか……」  目の前には、縄が亀の甲羅の様にクロスして拘束されているリサが困惑するようにモジモジしながら立っている様子が伺える。  ソフィアはそんな彼女の拘束された手首を静かに持ち上げ、吊り革の垂れている場所まで運ぶ手伝いをしてあげた。  足も揃えるように拘束されていて身体も自由が制限されている……そんな状態で万歳の格好を取るというのは体のバランスが取り辛くフラフラしてしまいがちだが、リサはソフィアの援助を借りながらもどうにか吊り革に手を届かせ、その不自由な両手でそれをしっかりと握り込みぶら下がる格好をとることに成功した。  少しだけ足裏が浮くくらいの爪先立ちの格好……  その格好を10分間も続けるのは中々に酷ではあるが、吊り革を握っている以上は体重は手が支えていると言っても過言ではない。  手さえ放さなければ、身体のバランスを崩す事もない。  しかし、ひとたび手を放してしまったなら、不自由な手足では体のバランスを保つ事も出来ず床に倒れ込むことになるだろう。  地面は石畳で出来ているから硬い。その硬い地面に受け身も取れずに倒れ込むのは……身体を痛めつける事になりかねない。  そんな観点からもなるべく手は放したくない。  このまま10分間耐え切って……今日の苦痛を少しでも和らげてしまいたい……  リサはその様に心から願っているが、時計のアラームをセットしているソフィアはそんな願いを叶えさせる気など毛頭ない。    たったの10分で調教を終わらせるつもりは最初から思ってもいない……  ソフィアの目はそう訴えかけるようにリサの背中を睨んでいる……  口端にほんのりといやらし目な笑みを携えて…… →#25へ


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