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“くすぐり見せつけボックス”に足を捕らえられ、好き勝手責められる女僧侶に待つ悲惨な末路①【真支援プラン限定小説】

①見せつけボックスと女僧侶の足の裏  魔王討伐後3年という月日が流れたとある国……  その国の辺境にある山奥に……淫の悪魔サキュバスが、己の欲を満たすために作ったとされる洞窟が存在する。  一風変わった性癖を持つそのサキュバス達は……“変癖種の魔物”と呼ばれ、周囲の村から恐れられていた。  変癖種は普通の淫魔よりも強力な魔力を有している事が多い……という通説を証明するかのようにそのサキュバスたちは、強力な結界を張ってその洞窟に人間を近づかせないよう施していた。  しかし、時折その強力な結界を破って侵入してくる人間が居たりもする……  サキュバスたちはそんな“力を持った”人間を罠にて捕らえ、捕らえた人間を自分達の食料として搾取していると聞く。  私は彼女らに捕まった人間の内……女賢者リセ様とその妹マリィ様を探しにその洞窟までやってきた。  姉のリセ様は、あの魔王討伐軍に属していた有名な賢者様であり、私の魔術の師匠でもあったのだけど……この洞窟に入ったという噂を最後に、彼女達の行方は不明になってしまっていた。  彼女程の実力があるのであれば……まさか死んでしまっているという事はあり得ないだろうけど……行方不明になっている以上その洞窟で何かしらのトラブルに巻き込まれたと思って間違いない。  そう思い立って私は、彼女達の足取りを追うべく、その洞窟へと足を踏み入れたのだったが……。  私は不覚にも敵の罠にはまり意識を失った後に奴らに捕まってしまった。  ミイラ取りがミイラになるというのはこの事だと言わんばかりの失態だが……サキュバスはそんな私の失態を神にでもなったかのように罰し、私にこの世では決して味わえない地獄を与えて来たのだ。 ―――― ―― ― 「くぅ! この卑劣な魔物どもめ! 私にこんな事をして……ただでは済むとは思ってないでしょうね?」  目が覚めた時には私は既に彼女らに拘束された後だった。 「あらあら……お目覚め早々に物騒なご挨拶ねぇ? 私達の領域に勝手に入ってきたのは貴女の方だというのに……」  大きな蝙蝠の羽根が背中に生えた女の魔族……サキュバス。見た目こそ人間の成人女性の姿形を模してはいるが、頭には羊の角が生えており肌の色も青紫色でいかにも魔族だと主張している。  そんな奴らに捕まった私は……彼女の用意した椅子に座らされ身動きが取れないよう拘束を施されている。  椅子とは言ったが、この椅子はどうやらサキュバスが魔力を使って作った即席の椅子のようで……地面から生やされた木の蔦(ツタ)が複数編み込まれて作られた見た目にも変わった椅子だった。  蔦の1本1本は人間の親指程の細さしかないが、その蔦が複数交差し捩れるように編まれて魔力によって硬化させられている為、見た目よりも頑丈で……私が暴れてもこの椅子はビクともしない。  蔦は椅子の脚を形作ったり、平べったい座面を作ったり、肘置きや背もたれに至る部分……更には王様の椅子にありがちな豪華な装飾品に似せた形の飾りまでも再現し、無駄にクオリティの高い椅子を蔦で再現していた。  木の蔦で作られていなければ中々に立派な物として映っていたであろうその椅子に私は座らされ……そして手足を拘束されている。  椅子が魔力の蔦で作らているからなのか……手足を拘束している枷に当たるものも椅子から派生した蔦であり、その蔦が部位に絡むことによって私の行動を制限している。  例えば、肘置きに沿って置いてある私の腕には複数の蔦が絡んでおり……腕を動かす事はおろか手をその肘置きから浮かす事も叶わないようしっかりと拘束が施されている。  手首に巻き付いているのは勿論、上腕の途中、肘、と、肘置きに置かれている腕の主要な部位はそこから絶対に動かしはしないと訴えかけるように強い力で押さえつけられている。  背もたれから派生した少し太めの蔦は私の腹部にベルトの様に巻き付いて背もたれから離れられないように引っ張られているし、胸の少し下辺りにも背もたれから生えた蔦が巻き付いていて同じように拘束されている。  更には首周りにも細い蔦が巻かれていて、顔を自由に上下に振る事もままならない。  脚に至っては、上半身以上に念入りな拘束が施されていて……太腿を拘束する蔦は座面から太いのが生えていて、左右両方の腿を一纏めにするよう大きく簀巻きにするよう巻き付いていて拘束している。  更に太腿から下の部位は、膝下、脛(スネ)、足首と等間隔に三ヶ所蔦が絡んでいて、左右の椅子の脚からワザワザ触手を伸ばすように蔦を伸ばして椅子脚の間の宙に浮かせておく形で拘束がなされていた。  この三ヶ所の部位も太腿と同じ様に一纏めになるよう拘束されている為、股や脚を開くことが出来ない姿勢にさせられている。  しかし……なぜわざわざ椅子脚から触手を伸ばして宙に浮くような拘束にしたのかは謎が残る。椅子の脚に沿ってそれぞれ拘束した方が手間も少ないと思うが……脚を一纏めにして拘束しないといけない理由があるとでも言うのだろうか? まぁ些細な疑問であることは確かなのでこれ以上気にしてもあまり意味はないのだろうけど…… 「この椅子は何なのよっ! どうせあんたが魔法か何かで作った物なんでしょ?」 「フフフ……蔦とはいえ魔力で強化して作ったから案外頑丈でしょ? 身動きも全然取れないでしょ?」  確かに身動きは取れない。上腕は肘置きに押さえつけられているし、顔を肩や胸を前方に傾けられないよう首の拘束が効いている。腹部は言わずもがな太い蔦が巻き付いているし、脚はさっき説明したように無駄に厳重に拘束されている。  神官職である私にこの徹底された拘束は破れない。術を使って打開したいと思っても、どうやらこの部屋には術封じの結界が張られているようで……そういうものも使わせて貰えない。  彼女の言葉通り……私はこの拘束に一切抵抗は出来なくされているのだ。 「くっ! 放しなさいよっ! 私はこの洞窟にリセ様とマリィ様を探しに来ただけで……あんたと遊んでいる暇はないのっ!」  身体は動かせないが、私は魔族に屈っする訳にはいかない。だから敢えて強気な口調で目の前のサキュバスに言葉を飛ばしているのだけど…… 「リセ? マリィ?? あぁ、あの姉妹ちゃん達ぃ? あの子達だったらぁ……隣の部屋に居るわよぉ?」  口実として出したリセ様達の名にまさかこのような返答が返ってくるとは思わず……私は目を白黒させて驚きの声を上げてしまった。 「んなっ!? 隣の部屋に……居る?? ココに居るの!? 二人がッ!?」 「えぇ……彼女達は姉妹仲良く私の子供たちに遊んでもらってるわぁ♥ まぁ……会いたいんだったら、後で合わせてあげても良いけどぉ?」 「子供に……遊んでもらってる?? まさか……リセ様は……捕まってしまっているという事? お前ら如きにっ!?」 「うぅ~~ん、そうよぉ♥ 貴女と同じ罠にかかって……二人とも私達のモノになったわぁ♥ 最初は賢者のお姉ちゃんの方は強情だったけどぉ……みぃ~んなに可愛がられて……今ではすっかりアレの虜になっちゃてるのぉ♥」  彼女の言葉を聞いた瞬間、リセ様も私同様にこのような拘束を施され過酷な責めを受けたに違いない……と想像し怒りが込み上げた。可愛がられて……などと甘く言葉を濁しているが、こいつら(サキュバス)がやるような事と言えば絵にも描けないくらい程凄惨な凌辱だろうから……きっとリセ様もマリィ様もそれを何日も繰り返されて……疲弊させられたに違いない。そう考えると……怒りが勝手に沸々と湧き上がってくる。 「リセ様とマリィ様に……いかがわしい事をしたなっ! この悪魔どもめっ!!! 今すぐ二人を解放しなさいっ! さもなくば……この洞窟を焼き払うわよっ!!」 「あらぁ……こわぁ~い♥ 見た所、貴女……僧侶か何かの職の様だけどぉ? 真面目で慈悲深い僧侶様がぁ……そんな怖い事言って大丈夫かしらぁ?」 「う、うるさい、、低級魔族めっ! 私だってリセ様の一番弟子! 二人を救う為なら……お前らに慈悲などかけやしない!!」 「ハイハイ……怖い怖い♥ でも、そういう事は自由になってから言って頂戴ね? 拘束されて身動き取れなくなってる貴女なんて、なぁ~んにも怖くないんだからぁ♥」 「う、ぐっ……く、くそ!」  怒りは湧けど……それを解消する手段が無い。悔しいが彼女の言う通り……今の私には何の力も示す事は出来ないのだ。 「さてさて? 長話はあまりしたくはないけど……試しに貴女にこれから何をするかを、準備がてら話してあげよっか♪」 「私にする事? フン! サキュバスがやる事なんて……知れた事! 食事とか何だとか言って、いやらしい事を強いて私の事を快感に溺れさせるって腹でしょ? 残念だけど、私はあんたなんかに屈するような女ではないわ!」 「ウフフ♥ 流石は僧侶さんと言ったところかしら……そういう、煩悩的な快楽には溺れない自信があるのねぇ?」 「当たり前よ! 私は魔族などには絶対に屈したりはしない! ましてやあんた達のような変態の集まりみたいなものに私の信念が負けるはずがないッ!!」 「イイわぁ~♥ 強気なところがとってもいじらしくてキュート♪ これは……堕とし甲斐があるってものねぇ♥」 「何をされても……堕ちるものかっ! 私の強情さを目の当たりにして……絶望するといいわ!」 「フフフ……それは楽しみ……。でも、いつまで頑張れるかしらね? 私の責めに……」  サキュバスはその様に呟き不敵な笑みを零すと、私の目の前に手を差し出し指をパチンと鳴らして見せた。  すると、その指鳴らしが合図であったかのように私の足元の地面から軽い地鳴りのような音が鳴り始め、そこから椅子と同じ材質の蔦がみるみる成長するように伸び、私の胸の高さまで一気に成長しきってそこで動きを止めた。 「な、なに? これ……」  突然の蔦の出現に私は奥歯を噛みしめて警戒の表情を作る。すると蔦はすぐに次の指示に従うようにウネウネとその場で横に広く編み込みを始め……私の目の前に“テーブル”の様な台を作り上げ始めた。 「て、テーブル??」  私の胸の少し上の位置に密着するように形を成していった蔦のテーブル。その蔦があまりに目の前でそれを作り始めたものだからコレで何かしらの攻撃でもするのではないかと警戒したが……どうやらサキュバスはこのテーブルを作る為だけに蔦を召喚したらしく……それ以上の何かを私に強いる事はしなかった。それどころか、別の蔦まで召喚して自分が座る用の椅子まで作る始末で……向かい合うように用意されたそのテーブルと椅子は、これからティーパティーでも始めるんじゃないかと思える程その場にそぐわない空間をそこに作り上げた。 「これは……何? 呑気に紅茶でも飲もうとか思ってる訳じゃないでしょうね? 私と……」  困惑する私を見て再びクスリと笑みを零したサキュバスは出来あがった椅子に「よいしょ」と言って座り、テーブルに両手で頬杖を突きながらしばし無言で私の顔を見つめ始めた。 「フフ……♥ こういうのも……雰囲気があってイイでしょ?」  しばらく私の警戒する顔を笑顔で眺めたサキュバスは、フッと力を抜くように小さく息を吐き……このような呑気な言葉をつぶやき始めた。 「ば、バカにしないで! こんな薄暗い洞窟の中で魔族なんかと向かい合って座っているなんて……想像しただけでも吐き気がするくらいよ! いい雰囲気もクソもあるか!」 「バカになんてしてないわよぉ? 私は素敵だと思ったの♥ こんなジメッとしていて怪しい空間に淫魔と“無抵抗の女の子”が二人っきり……しかも、こんな風にお茶会でもするかのようにテーブルを挟んでいるのよ? さぞかし傍から見れば素敵に映ってるだろうなって……思ったりしない?」 「お、思うもわけあるかっ! 何が傍から見れば素敵に映るだ! そんな事感じるのは頭のおかしいあんたみたいな魔族だけよっ!」  彼女が言った“無抵抗の女の子”という言葉に内心ドキリとした事は彼女に悟られたくない。言葉に勢いを持たせてどうにか自分の現状を意識の外に追い出そうと努力してきたが……このように強調されて言葉に出されたら……意識したくなくても意識に上ってきてしまう。  私は……今……確かに……彼女の言う通り無抵抗を強いられているのだ。何をされても抵抗が出来ない……そういう拘束を施されているのだ。  認めたくはないが……私は彼女に何の対抗手段も講じられない。それは理解しているけど……やっぱりそれを意識したくはない。  意識すれば地の臆病さが目を出して……心が挫けてしまいかねないのだから……。  私は……自分で言うほど心は強くはない。  不安に押しつぶされそうで……“怖い”と思っているのが本音だ。だけど……それを悟られれば付け入られる。魔族とは……特にサキュバスはそういうのが得意な種族なのだから……。  だから自分を鼓舞し続けなくては……。  不安に押しつぶされないよう……怖がっている事を……悟らせないよう…… 「ところで……」  焦りを隠す私の口調を見破っているかのように片方の口角を上げ切って笑みを浮かべたサキュバスは、今までの甘ったるい声とは真逆の低く響くような声を口から出し私の不安を煽る様に喋り始める。 「こうして身動きを取れなくはしたけど……衣服とかはまだ脱がせてはないじゃない? これって……結構意外だったと思わなかったぁ?」  その様に頬杖をついたまま話すサキュバスに、私はハッとなり顔を出来る限り下に向け、改めて自分が“服を着ている”と言う事実を確認する。  この洞窟に入った時に着ていた白い神官服。  露出など皆無に等しい……袖や裾の長いフード付きの法衣……下も露出を抑えた足元まで丈が伸びている長いスカート……それらはまだ脱がされていない。  恐らく下着や肌着も……脱がされる事なくそのまま着衣した状態を保っている。そんな感触が僅かに感じられる。  これは確かに意外だ。  サキュバスが行う食事は基本的に性的な凌辱を繰り返して絞られる精液だと聞いている。それは女性でも男性でも変わらない。  だとするなら……拘束されているにもかかわらず、露出がされてないというのは不可解だ。性的興奮を与えたいなら……まずは服などの邪魔なものは脱がすのが定石の筈だろうに……。 「フン! 脱がし忘れを自分で指摘したの? おめでたい魔族ね……。まぁ、どうせ魔法か何かでこれから消すつもりなんでしょ? それかこのまま破いて羞恥心を煽るつもりとか?」 「フフフ♥ いいえ? 今日はもうこのままで責めさせて貰うわぁ♥ この最低限の露出だけで……ね♥」 「さ、最低限の……露出??」  彼女の言う“最低限の露出”という言葉に私は更に困惑した。なにせ……最低限と言っても、性的部位を触る為の露出は何一つなされていないのだから。  まぁ、露出が全くしていないと言えば嘘にはなる。確かに……足の部位だけは……露出させられていると言われれば……まぁして無くもないと表現は出来る。  スカートの裾から僅かに出ている足の部位……  普段は靴やら靴下やらを穿いて守っているその足の部位……そこだけは……何故か不自然に肌を露出させられている。  露出させられているとは言っても……ただ靴が脱げていて裸足の格好になっているというだけであり……別に露出と言う程の仰々しい言葉は普通使わないのだろうけど……  最低限の露出……。それがただ裸足になっている事を指しているなら……それこそ性的部位とは全く関係の無い露出である為、私の困惑はさらに強まる事となる。  このサキュバスが何を考えているのかさっぱり分からなくなり……逆に不安が募ってしまう。 「靴……脱がせたわね? 私が意識を失ってる間に……」 「えぇ……脱がせたわ♥」 「なんで? 別に靴で汚されて困る様な地面ではないでしょうに? っていうか……足は地面に付いてなくて宙に浮かされているのよ? 靴を脱がせる意味なんてないじゃない!」  足は地面にはついていない。それは間違いない。  椅子の脚の高さは敢えてなのか分からないが普通の椅子よりも高く作られてある。だから足は地面に届かず……宙でブラブラさせられる程には地面から離されてはある(まぁ、宙をブラブラさせるとは言ったが……実際は椅子の脚から横に伸びて来た蔦に拘束されているから、足を振ったりするような自由は与えられてはいないのだけどね……)。 「意味はあるわ。私がこれから行う事がとってもやり易くなる……っていう大事な意味が……」 「やり易くなる? 何を言ってるの? あんたは……私を凌辱するつもりじゃないの?」 「フフフ……♥ 全てのサキュバスがエッチな事をするって思ったら大間違いよぉ? って言っても……私にとってはアレはエッチに感じるから……結局エッチぃ事する事には変わらないっか♥」 「な、なによ……結局エロい事するって事じゃない!」 「ウフフ……私はそう感じるけど……貴女はどうかしらねぇ?」 「フン! 何をされても私は動じないわ! あんた達のする事に性的興奮なんて覚えるなんてありえない!」 「本当にィ?」 「くどいわね! 無いったら無い!」 「試してみても……イイ?」 「ヤりたいならさっさとヤればいいじゃない! 何をするかは知らないけど……」 「そう? じゃあ……ヤる準備を最後まで進めましょうか♥」  サキュバスは椅子に相席したまま頬杖をつく格好だけを崩し再び目の前でパチンと指を鳴らして見せた。  するとテーブルの上に両手のひらに乗るくらいのサイズの小さな箱がポンと言う音共に現れ、私とサキュバスの間のテーブルの上にそれが鎮座した。 「は、箱?」  サキュバスは私の困惑を無視し、現れた箱の蓋を開けて、何やらその箱の中に先程とは違う別の呪文を唱え始めた。  その呪文が唱え終わるとパッと紫色の光がその箱から零れ、いかにも何かしらの魔法が掛かったのだと悟らされるが……私側からは開き切った蓋が邪魔になっていて箱の中身が見えていない。  だから箱の中に何が入っているのかもわからず……ただただ困惑を極める事しか私には出来ていない。  一体何があの箱の中に入っているのか? そんな疑問を持つ私に魔法をかけ終えたサキュバスは、ニコリと笑みを零したかと思うとその箱の蓋をパタンと閉じてしまう。  蓋を閉じると、サキュバスはその箱を今度は私の方へ正面を向けるように反転させ、蓋の閉じた箱を見せつけるように置き直す。  その箱の隙間からはまだ何かしらの魔法が掛かっているのが分かるよう紫色の光が僅かに漏れているのが確認できる。どうやら魔法は持続的に掛けられるもののようだ…… 「な、なんなのよ……その箱……」  ダンジョンなどに置いてある宝箱……それを二回りくらい小さくさせたサイズのその箱は、本体部分は石で作り上げているのか頑丈で重そうに見える。  しかし蓋の部分だけは木製で作られていて……本体の無骨な造りとは裏腹に豪華な装飾まで施されてある。  蓋部分は山なりに丸みを帯びた造りになっており、色も赤を基調とした色彩が塗られ、その箱の縁には金色の豪華そうな差し色が着色されている。  蓋だけは拘って作らせて貰いました……と言わんばかりのその箱をサキュバスは私に見せ、ゆっくり箱から手を放すと……今度は手を下に向けて指差す格好を取り、私の足元付近を目がけて再び何かしらの呪文を唱え始めた。  テーブルが目の前にある為足元の様子を覗き見る事は出来ないが、どうやらその呪文は私の足首付近に掛けられたようで……その呪文を受けた足首はジンワリと熱を帯びるような生暖かさを感じ私はそれが何かの攻撃呪文ではないかと察し警戒と緊張を高めていく。 「くっ! 何か術を掛けたわね!? 攻撃魔法? 呪いの類? それとも……」  足首の生暖かさはすぐに収まりを見せたが、今度は足首から先の足底部に違和感を覚え始めた。  違和感と言っても……肌に感じていた空気感が少し変わったと思える程度で、大した違和感ではないのは確かだが……魔族が何かしらの魔法を掛けたのは明らかである為、私は緊張を崩す事が出来ない。例え些細な違和感であっても……それが何かしらの意図を持った魔法であるのは明らかなのだから、警戒をしない訳にはいかない。 「うん……繋がったみたいね?」  テーブルの端から私の足元を覗き込んでその様に零すサキュバス……彼女の口から零れた“繋がった”と言う言葉があまりに不穏であったため、私は額に緊張の汗を滲ませ彼女を睨みつけて何を行ったのかを問いただした。 「何をしたの? 今、私の足に……呪文か何か……掛けたでしょ!」 「あら……分かっちゃったぁ?」 「しらじらしい! 何を掛けたのか言いなさいよ! その箱も何? 何でそれを私の方に向けているのよっ!」 「この箱……気になっちゃう~?」 「気になるから早く教えなさいって言ってんの!」 「フフフ……実はこの箱自体には凄い何かがあるって訳ではないんだけど……まぁ、こうやって大事そうな箱に入っていれば“何が入っていても”特別感があって……なんかイイ感じに見えるでしょ?」 「何が入っていてもって……その箱に……何が入っているっていうのよ? まさか……小さな魔物……とか?」 「ううん、そんなものは入って無いわ♥ もぉ~っと……面白くて……貴女が、楽しく“なれる”モノよ♥」 「楽しくなるって……馬鹿も休み休み言いなさい! そんな事……なる訳ないって分かってんでしょ! 戯言は良いから、さっさと何が入ってんのか教えなさいっ!」  サキュバスの言葉が私の不安をこれでもかと掻き立てて来る。不穏な言葉など一つも言っては無いように思えが……言葉の言い方がいちいち怪しさを纏っていて、なにやらじれったさすら感じてしまう。 「フフフ……♥ この箱はね……私は“見せつけボックス”って呼んでるの♥」 「見せつけ……ボックス?」 「この箱の中にはとあるモノが入っていて、私はソレをこれから弄(いじく)ろうと思ってるの……」 「い、イジくる? 何を?」 「その弄っている様子を……見せつける為に……箱を置くためのこのテーブルも用意したし、私も同席できるよう椅子まで用意したの♥」 「見せつけるって……誰に?」 「それは勿論……貴女に決まってるじゃない♥」 「わ、私に……見せつける??」  楽しそうにその様に語るサキュバスに……私はその時初めて寒気を覚えた。  私を見る目が……いやらしく惚けている。何か良からぬことを企んでいる顔だと……すぐに悟る事が出来る。 「この箱の中にはね? 貴女の……大事な“あるモノ”が入っている……」 「私の……大事な……あるモノ??」 「まぁ……入っているというか、そこに移動させられている……と言った方が正確かしら?」 「い、移動……させられている?」  その言葉を聞いて私は急激に足に寒気を感じてしまう。別に気温が下がったとかそういうものではない。ただ……嫌な予感が“足”に過ったのを肌で感じてしまったのだ。 「ほら……覚えてるでしょ? さっき……私……魔法……掛けたじゃない?」 「魔法?? 私に……」  ギクリとなって私は顔を引きつらせる。同時に背中に嫌な汗が滲みだし始める。 「あの魔法……何処に掛けられたか覚えているでしょ?」  勿論覚えている。今意識が向いている箇所だ…… 「あ、あ、足? 足首に……何か掛けたわよ……ね?」  不安が募り過ぎて足指を動かしてその感覚があるかを確認してみる。確かに足指を動かしている感覚は伝わってきている。空気感も感じられているし……違和感もない。  足自体には……魔法によって何かされたという訳ではないのだろうか? 「貴女も僧侶さんなら知ってるわよね? テレポート・ゲートって言う……魔法の事……」 「て、テレポート・ゲート?」 「そ♥ 簡単に言えば、入り口のゲートと出口のゲートを作って空間を繋げて……そのゲートをくぐればそれらの場所を一瞬で行き来できちゃうっていう便利な魔法の事なんだけど……」  テレポート・ゲートという呪文の事ならば知っている。彼女が言ったように入口用と出口用にゲートを作って、そのゲート間の空間を魔力で歪めて短く繋ぐ……そういう魔法だった筈だ。  街の各所や重要な拠点なんかには必ずそのゲートが備え付けられていて……入口さえ作ってしまえば誰でもそこに一瞬でワープできるっていう……主に移動用の呪文の筈だけど……? 「さっきの魔法で貴女の足に……その“入り口”にあたるゲートを開かせて貰ったわ♥」 「い、入り口っ!?」 「入り口のゲートに足底から足首までを入れて、足首の部分でゲートを小さくして足が戻ってこないようにしてあげたわ♥ 「ゲートを小さくして……足が戻らないようにした?? って事は……私の足首から下は……何処かにワープさせられているって事!? 今!?」 「そっ♥ んで、その飛ばされている何処かっていうのが……ココって訳よ♥」  そこまで説明を終えると、サキュバスは箱の蓋に手を伸ばし、私に見えるようにその蓋をゆっくりと開いて見せ始めた。 ――ガチャ。  箱の中には……高級感溢れる赤い綿上のモノが敷き詰められており、その盛り上がる様に膨らんだ敷物の上には……  人間の……足が……誰かの素足が……足裏を上に向けた状態で並べて置かれている様子が見て取れた。  カカトをこちら側に……足の指先をサキュバス側に向けて艶めかしく指を動かして見せているソレは、確かに人間の足の裏である事は間違いなく……私は初めて目の前に見る足裏と言う部位に、驚きと困惑が同時に湧き上がって言いようのない不安を覚え始めてしまう。 「こ、これって……まさか……ワ、わ、ワタシ……の……?」 「そうよ♥ これは今見ている“足”は正真正銘……貴女の身体から伸びている“足”であり、貴女は今自分の足の裏を自分の目で見下ろしているって構図になっているのよぉ♥」  私はその言葉に絶句してしまう。  箱の中に入っているこの二つの足が……私の足だと彼女は言っているのだが、正直実感など湧くわけがない。訳も分からず捕らえられ、魔法を掛けられたかと思えば……箱の中に入っているのが自分の足だと言われても、それが本当であるかなど確かめようがない。しかも箱の中に納まっているその素足は……自分でもマジマジと見た事さえない足の“裏側”をこちらに向けているのだ……。それが自分のだと言われても……ピンとこないのは当たり前の話だ。 「どう? 面白いでしょ?」  面白いでしょと聞かれて……素直に面白いなどと誰が答えられようか? このような手の込んだモノを見せられ……困惑意外にどんな感情が芽生えるだろうか? 「自分の足の裏なんてこんなにしっかりと見た事なかったでしょうから……まだ自分の身体って……実感湧いてないんじゃない?」  そりゃあ……実感など湧くはずもない。足の指とかを動かしてみて……箱の中の足の反応を見たりしてるけど……ちゃんと動いていると確認できてもやはりまだそれが自分のものだと自覚できない。  何か……リモコン操作されているロボットを見ているようで……現実感を感じる事が出来ない。 「フフ……。だったら……こうすれば嫌でも自分のモノだって自覚できるんじゃないかしら?」  困惑する私に彼女は再び指を鳴らし箱に合図を送って見せる。すると、箱自体が僅かに振動し、赤い綿の隙間からウネウネと小さいバージョンの蔦が生えだし私に視覚的に嫌悪感を植え付けた。  足の指の間からそれぞれ生えてきたその蔦は、ジタバタしている私の足指の関節にそれぞれ巻き付いて指を捕まえ、そのまま足指を引っ張る様に力を込め始めた。すると私の足指はその力に抵抗する余地も与えられぬまま足の甲側に引っ張られ……足裏を反らす様な格好にされ新たな拘束を施される事を強いられた。  その一連の作業の時、私は確かに蔦が足の指に絡みつく感触を自分の足に感じた。  しかし、カカトが自分の方を向いていて爪先がサキュバスの方を向いている格好である為、これがもし本当に自分の足だとするなら“鏡”を見ているかのように反転した状態の足裏を見ている事となっている為、触れた感触を感じても“見ている足とは真逆”の足に刺激が加わる事になり、脳が誤認し混乱を起こしてしまう……  確かに蔦の感触を感じているのに……実際に触れているのは逆の足指……そういう反転した伝達のし方がされているものだから、いくら目で確認していてもそれが本当に今起きている事象なのかを理解する事が出来ない。  自分のモノである筈なのに自分のモノでないと感じてしまう不可思議な感覚……それを今私は味合わされている。 「フフフ……足の指まで拘束しちゃった♥ これで……足をばたつかせる事も左右に振って嫌がる事も出来なくなっちゃたわね?」  困惑と混乱を極める私を見てあざける様に笑ったサキュバスはまたテーブルに頬杖を突き直し、頬を赤く紅潮させながら熱い息を吐き……私の顔をジッと見つめ直した。 「な、なんなの? こんな事して……何がしたいわけ?」  目の前には……まるで宝石か何かを大事に保管しているかのように、丁重に収められた私の 足が視界に入っている。  テーブルの高さが高い為、箱の縁が顎に当たってしまいそうなほど間近でその箱を見せられている状態だ。そんな距離で見せられているものだから……ちょっとした息を私が吐けば、その息はたちまちに目の前の足裏に当たり、風が当たるようなゾワゾワっとした寒気をモロに感じてしまう。  こんな距離で自分の足を見せつけて……結局このサキュバスは何がしたいのか? 彼女の真意がまだ理解出来ず……私は困惑の渦の中で這う事しか出来ない。  そんな私の困惑をひとしき楽しんだ彼女は、ようやく次の行動を起こそうと考えたのか……片手は頬杖をついたまま、もう片方の手を差し出して箱の上で指をパチンと鳴らして見せた。 「……ッ!!?」  すると……開いていた箱の蓋がスーッと透明になるよう色を薄くさせ始め……やがて存在そのものが無くなるかのように目の前からその蓋が消え去って、箱の本体だけが残される形となった。  蓋が消えた事で……サキュバスの視界を遮っていた障害物は消えた。今までは蓋が良い意味で彼女からの視線を遮ってくれていたから意識しなくて済んでいたが……蓋が消えてそのどちらの目からも箱の中の足を確認できるようになってしまう……途端に例えることのできない恥ずかしさが込み上げてきてしまう。  最初から裸足であったのには変わりはない筈なのに……蓋が消えた瞬間、服を無理やり剥ぎ取られまるで裸を見られているかのような感覚を覚え……余計に恥ずかしさが増してしまう。  私にそんな気持ちが湧き上がったのを敏感に察したのか……彼女は見放題になった私の足を覗き込むように見始め……私に“見られている”と言う感覚をこれでもかと植え付けて来る。 「ちょっ! ジロジロ見るなぁ! 恥ずかしい……」  自分の足であるという実感こそまだ完全には湧いていないが、そうだとしても……このように無遠慮にジロジロと足裏を見られるのは恥ずかしい。  なにか……見せてはいけないものを見られているようで……身体が締め付けられるように感じる程もどかしくてムズムズしてくる。  ただ見られているだけなのに……。  別に汚くもないし……形が変なわけでもない……普通の足の筈……。  だけど……足の裏を見られていると感じるだけで……おぞましい程の嫌悪感と寒気を感じてしまう。  ただ見られているというだけで、足を隠してしまいたいと思わされ……もどかしさを覚えてしまう。  足指に絡んでいる蔦さえなければ……足の指を動かして嫌がるそぶりを見せたり、足先を左右に振って気を紛らわす事も出来るのだろうが……この蔦が私の足裏を見せつけるように拘束してしまっている為そういう事もさせて貰えない。  まさに視線の凌辱に“晒されている”という言葉がピンとくるもどかしさに苛まれている。 「僧侶ちゃんってば……顔は可愛らしい癖に……足の裏は結構大きくて……立派ね♥ 土踏まずのこのラインとか……くっきり窪んでて……とてもエッチだわぁ♥」  見つめる彼女の視線が熱く感じられる。  ただ見られているだけだというのに……そこが“足の裏”だと意識すると途端に羞恥の感情が高まり私をもどかしくさせる。 「本当に……なにが……したいのよ! あんたは……私に……こんな思いをさせて……」  見られればみられるほど……腰をくねらせたくなる衝動に駆られる。  恥ずかしい……。足の裏をジロジロ見られているのが……我慢できない程恥ずかしい……。 「ウフフ……。この箱の事……私が何て呼んでるか……覚えてる?」 「…………!?」 「……“見せつけ”ボックスと呼んでるって……そう言ったわよね?」 「……っ!?」  サキュバスの甘く焦らす様な言葉掛けに再び背筋に寒気が走る。  その口調のいやらしさに……急激に身体の節々まで緊張を強いられる。 「あの時ぃ……私は何を“見せつける”って説明したかぁ……覚えてるぅ?」 「何を……見せつける……か?」 「ほら……言ったわよね? 私は……この箱に入ってるモノを……」 「……ッっ!!?」 「“弄(いじく)る”って……♥」 「っ!?」 「箱の中に入っているモノを弄る様子を……見せつける……って♥」 「ちょ、ちょ、ちょっと待って! 弄るって……まさか……」 「箱の中に入っているモノはもう分ってるでしょ?」 「箱に入ってるのは……私の……足!? 足……を弄る? 私の足を……あんたが?」 「もっと正確に言うなら……この箱の中に入ってるものは……貴女の……足の“裏”よ♥」 「あ、あ、足の……裏……?」 「この足の裏をこれから私が弄り回してあげるの♥ 貴女は……その光景を……目の前で見せつけられるのよ? 何の抵抗も出来ないままに……ね♥」 「弄るって……あなた……まさか……」 「フフフ♥ 足の裏を弄る“行為”と言えば……コレしか……考えられないわよねぇ?」  サキュバスは目を細め私に向かって意地悪そうな笑みを零して見せると、右手を背中に回して自分の翼から黒い羽根を1本抜き取って見せた。  そしてその抜き取った羽根を私の目の前まで運び……それをユラユラと揺らせて見せた。 「羽根……。それ……貴女の……羽根……!?」  毛が細く柔軟性もありいかにも柔らかそうに見える黒い羽根。それを見せつけられた瞬間、私は思わず手足をバタつかせようと力を込めてしまう。 「そう……羽根よ♥ まずはこの羽根で……貴女のこの敏感そうな足の裏を隅々まで撫で回してあげるつもりなの♥」 「ちょッっ!? そ、そんな柔らかそうな羽根で足を触るつもりっ!? そんな事されたら……」 「だからぁ~♥ 足は足だけど……実際に触るのは“足の裏”だってばぁ♥ 足首でも足の甲でも脛でもないわよぉ? 貴女のぉ……足の……ウ・ラ♥」 「ひっ!? そんな物で……触られたら……わ、私……。私……が、我慢なんて出来ずに……」 「我慢できずに……どうなっちゃうのぉ?」 「わ、わ、笑っちゃう……。そんな……柔らかそうな羽根で……足の裏なんて触られたら……私……馬鹿みたいに……」 「えぇ~? 笑っちゃうのぉ? なんでぇ?」 「な、何でって……当たり前でしょっ!! 私……あ、足の裏……く、くすぐられるの……昔っから……弱いから……」 「へぇ~弱いんだぁ? 足の裏ぁ♥」 「だ、誰だって……弱いものでしょうがっ! 足の裏なんて……」 「足の裏の……何処が特に弱いのぉ? 土踏まずとかぁ?」 「ひっ!? し、知らないわよっ!! 何でそんな事聞くのっ!」 「ムフフ♥ 顔を真っ赤にさせて慌てちゃってぇ~♥ 可愛い♥」 「ふ、ふざけないでっ!!」  羽根を左右に振っていかにもくすぐるぞと言わんばかりの動きを見せつけるサキュバス……。私はその羽根の動きから目を離す事が出来ない。目を離せないが……見れば見る程にこそばゆそうに見えてしまう羽根に私の蓄積された不安は今にも爆発寸前の様相を見せ始めてしまう。 「別にふざけては無いわよぉ? 本当に可愛いと思ったから可愛いって言っただけ……。でも、この後はもっと可愛い顔を私に見せてくれる筈よね? だって……弱いんでしょ? くすぐりに……」 「くっっ!! なんで……なんでこんな事をしようって考えるの! 貴女はサキュバスなんでしょ? だったら……サキュバスらしく淫らな事して腹を膨らませたらいいじゃない!!」 「さっきも言ったように……淫魔の中にもこういう特殊なシチュエーションを好む淫魔もいるの♥ それが私だったってだけよ?」 「それにしたって……こんな状況でくすぐるって……どうかしてる……」 「こんな状況でくすぐるからエッチなんじゃない♥ 普通……こんな状況で笑う事なんてあり得ないでしょ?」 「あ、あり得る訳ないじゃない! 魔族と相対しているこんな時に笑うなんて……」 「笑うべき状況じゃない……笑って良い場面でもない……絶対に笑いたいとも思っていない……そういう状況下にある女子を無理やり笑わせて苦しめる……。それが私の癖に刺さるのよ♥」 「何よそれ……本当の変態じゃない!」 「淫魔はそういう事を好む魔族よ? 癖への刺さり方もそれぞれだし……私だけが特別って訳でもないわ♥」 「それでも……くすぐりが刺さるって……馬鹿じゃないの? そんな子供染みた事をして……何が楽しいのよ!」 「子供染みた行為だからこそ尚更刺さるんじゃない♥」 「くぅ……何を言っても……考え方が天と地ほど違い過ぎて……話しにならない! こんな奴に捕まってしまっただなんて……末代までの恥だわ……」 「フフフ……そんな事言って大丈夫? 今なら……懇願すれば手を緩めてあげる事も出来るんだけどぉ?」 「懇願? 馬鹿にしないで! 魔族なんかに懇願するような情けない人間は居ないわ!」 「えぇ~? でも、あの姉妹も……今では懇願し続けているわよぉ? やめて下さい……お願いします……って♥」 「姉妹って……まさか……リセ様達っ!?」 「そうよぉ♥」 「何を馬鹿げたことをっ! 私の知るリセ様がその様な事を口走る筈が……」 「毎日言ってるんだけどなぁ? 特にリセちゃんの方がくすぐりに弱いみたいでぇ……」 「う、嘘を言うな! そんなのでたらめに決まってる! くすぐり如きにリセ様が負ける訳……」 「まぁ、後で見せてあげるわよ……彼女達の……今の状態を……♥」 「……うぐっ!! くぅ……」 「それよりも……ほら……自分の心配の方をしたら?」 「……っ!?」 「貴女も……弱いんでしょ? 足の裏ぁ♥」 「……うぅ……くっっ!!」  左手で頬杖を突きながらもサキュバスは……右手に摘まんだ羽根をユラユラ揺らせながら、私の足に向かって羽根を降ろし始める。  私はその羽根の動きを目で追う事しか出来ない。自分の足に近づいてきている羽根を……見る事しか許されていない。 「私の羽根コチョコチョに……貴女は果たして……どれくらい耐えられるかしらぁ?」  羽根先を突き立てるように……真っ直ぐに足に向かって降りて来る。  その羽根先の微細な動きが、まだ触られてもいないのに私に刺激を想起させ……既に喉元まで我慢ならない欲が込み上げてきてしまっている。 「たぁ~~ぷり、笑わせて……苦しめてあげる♥ 私に御免なさいって素直に言えるようになるまで……じっくり……ジワジワ追い詰めて行ってあげるんだから♥」  喉元に込み上げているモノが“笑いたい”と思っている笑欲である事は自覚出来ている。  自覚は出来ているけど……私はそれを口から吐き出してはならない!  吐き出せば……きっと……こいつの思うつぼだ。  だから、我慢しなくては……意志の力で…… 「ほぉ~ら、もう触るわよぉ? ほらほら……先っちょが……土踏まずにぃ……」  我慢しなくちゃと奥歯に力を込めているが、その我慢とは裏腹に口元が勝手に笑いの形を取ってしまい自分でもその情けない顔を戻す事が出来ない。  羽根の先端が……コチョコチョと宙をくすぐりながら私の足裏の皮膚に触れようとしている。その刺激をう想像するだけで……横隔膜が勝手に収縮活動を活発させ笑う準備を整えようとしてしまう。 「この羽根に触られた人間は……どんなに意志が固くても笑ってしまうの♥ そういう魔法も込められてあるから……貴女も諦めて……衝動に身を任せて笑いなさい? 下手に我慢すると……後で苦しむ事になるからねぇ~?」  羽根がもう……触ってしまう! コチョコチョ動く羽根の先っぽが……私の無防備な足裏の土踏まずに……触って……しまう!! 触って……ッっ……


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