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ハルカナ
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誘惑☆デート #56 ~エピローグ~

#56   大好きな彼女へのくすぐり責めという夢のような時間を過ごしたあなたは、彼女が疲れ果てて寝てしまったのを確認したあと自分も彼女と共に眠りについた。  フカフカのベッド……温かい毛布に温かい七穂の肌……  心地よい疲れと満足感があなたの入眠を誘い、そしていつの間にやら意識を飛ばす様に眠りこける事となった。  それから何時間が経ったのだろう? よく覚えてはいないが、今が朝になっていた事だけは彼女のモーニングコールに起こされ理解する事が出来た。 「……せ……ぱ……い? 起きてくださいよぉ! 先輩!」  ペチペチと頬を軽く叩いてあなたを起こそうとしてくる七穂……。あなたは目を半分開けながらそのモーニングコールに寝ぼけ半分の「おはよう」を返す。  視界がまだぼやけている……。七穂の覗き込む顔もぼんやりして見える。  目を擦って目覚めの景色をしっかり見なきゃ……と、あなたは自分の顔に手を運ぼうとするが…… ――ジャラ♥  という、金属の擦れる音が鳴り響いて……自分の手が何かに引っ張られているような感覚を覚える。 『アレ??』っと思い身体を起こそうと思っても、足の方も何かに固定されていて動く気配を見せない。 『どういう事だ??』と思いあなたが腕の方に視線を向けると……  そこにはあの“枷”が手首に巻かれている様子が見て取れた。  更には脚の方にも同じ枷が巻かれている。  そして……昨晩眠りに入った筈のフカフカのベッドにはもう寝ていないという事も背中の感触で悟る事が出来る。今寝ているベッドは、七穂を昨日拘束したあの石ベッドの上であるのは明白だ。  硬い石ベッドに寝かされ、裸の状態で手も足も拘束された姿にさせられているあなた……物凄く嫌な予感は過っているが、あなたを覗き込みながらニコニコと可愛い笑顔を浮かべている七穂に事情を伺ってみる。なぜ自分はこんな格好で拘束されているのか? ……と。 「ウフフ♥ 先輩ってば中々起きようとしないから~ちょっとだけ悪戯しようと思って……こっちに移動させてみました♥ どうです? 寝心地……めっちゃ悪いでしょ?」  あなたをビックリさせるためだけの悪戯であれば移動させるだけでもその効果はある訳で……何も手足を拘束する必要などない。だからこれがただの悪戯でない事は明白だ。手は降ろせないよう拘束されているし足は股を開いた状態で動けなくさせられている。つまりは昨日の七穂と同じ格好であり、完全に立場が逆転してしまった状態を強いられてしまったのである。  こんな格好にさせられて……拘束までしておいて、何もしないという事はありえない。きっと彼女は復讐をしようと考えているに違いない。昨日やられた復讐を…… 「はぁ~~~あ。昨日先輩には……い~っぱい笑わせて貰ったなぁ~♥ あんなに笑ったの久しぶりですよぉ? いや……初めてかな? なにせ……数時間以上も笑い狂わされていたんですから……」  その様に零すと七穂はあなたの腹部付近のベッドの縁に腰掛け、顔の前に人差し指を立てて見せ、あなたの前でその指先をクイクイと動かして見せた。  そしてあなたをジト目で軽く睨むと口元だけクスリと笑みを浮かべ、その指先をあなたの胸横の肌に優しく触れさせた。  その瞬間、あなたの胸横にゾワッとした寒気を感じ思わず手を下げようと力を込めてしまう。しかし勿論のことながら手は枷によって降ろせないよう拘束されている為、彼女の寒気を与える指先に抵抗する余地が生まれない。  七穂はあなたが抵抗できないのを確認しつつその指をツゥ~~っと縦になぞらせてこそばゆい刺激を送り込み始めた。  ゾワゾワゾワッ♥ と強すぎず甘美過ぎない絶妙なムズ痒い刺激が脇の下に送られ、あなたは思わず肺の中の空気を吹き出してしまう。  笑いこけるには至らなかったが、その電気刺激の様に鋭い刺激はあなたの腹部の筋肉を勝手に痙攣させ笑い出す態勢を整えていく。そんなあなたを横目に見つつ七穂は更にあなたの脇の下を指先でなぞってこそばい刺激を送り込み続ける。 「苦しかったなぁ~辛かったなぁ~。先輩に好き勝手くすぐられて笑わされたのは♥ 私……こんな風に身動き取れない格好で拘束されてくすぐられたんですよぉ? 分かってますぅ?」  寝起きで刺激に敏感になってしまっているのか……胸の横を優しく触る七穂の指先が異常にこそばゆく感じてしまう。ただ胸の横をなぞられているだけなのに……身体が勝手に反応して横隔膜が収縮を早めようとしてしまう。 「先輩も……私と同じように手を万歳させて拘束してみました♥ どうです? 腕……降ろしたくても降ろせないでしょ?」  七穂の指が脇腹の少し上までなぞり進めて来る。ジワジワとこそばゆさが募っていき今にも笑いを吐き出しそうになる。  この指のなぞりをやめさせたい! と、強く思うが腕はあなたの意思を踏み躙るかのように万歳の格好を維持させ続ける。それがもどかしくて……余計にくすぐったいと思う感情が膨らみ続ける。 「このまま足の裏を触られても……先輩は逃げられないんですよぉ? 足も拘束してますからぁ~私がコチョコチョ~って悪戯しても……先輩は抵抗できません♥ 昨日の私と一緒ですよね? ね? これで分かるでしょ? 私が昨日味わったキモチが♥」  脇腹の上の方までなぞった指はそのまま脇腹を触らず、腹部の表を経由して鼠径部へと接近していく。  もうすぐ股間に到達してしまう! と想像させられてしまうそのじれったいなぞりは、期待の強さからあなたの下腹部を熱く滾らせ始める事となる。 「アラアラ? 先輩ってば……コーフンしてきちゃいましたかぁ? こんな事で……」  股間に触れる直前……七穂の指はそこで動きを止めてしまう。  もう少しでキワドイ箇所に触れてくれる……と思った矢先の寸止めに、あなたは更にもどかしい気持ちを強くさせられる。 「先輩って……根っからの変態さんなんですね? こ~んな事でもコーフンしちゃうし……私をあんな風にイジメてもコーフンしちゃうんですから♥」  陰部の直前で止まった指があなたの鼠径部の皮膚を軽くカリカリと引っ掻いていじらしい刺激を送り込み始める。その刺激はもどかしくもあり……ムズ痒いこそばゆさも孕んでいる。 「今も……私にこんな事されて……内心、悦んじゃっているでしょ? 拘束されて……昨日の仕返しされるんじゃないかって思って……期待しちゃってるでしょ?」  七穂の意地悪な言葉に否定の言葉を返せない。彼女の言葉通り……あなたは確かに期待してしまっていたのだから……。  このまま無防備に晒された足の裏をその指でコチョコチョされて、笑わずにはいられない刺激を与えて貰えるんじゃないか? とか……  手を降ろせない無抵抗な腋を、その細い指で滅茶苦茶に引っ掻き回されて笑わせ責めにさせられんじゃないか……とか……  昨日……アレほどまでに無慈悲にくすぐり責めを行ったのだから、七穂がどれほどの復讐心を抱いているのか想像すら出来ない。死ぬほど笑わされるんじゃないだろうか? 呼吸が出来ないくらいくすぐったい刺激を送り込まれるんじゃないか?   そう考えると途端に怖くなる……身体が無防備であるからこそ、何をされても抵抗できないから……七穂の仕返しが怖い……どこまで本気でやってくるのか分からないから尚更怖い。怖いけど……不安な気持ちが膨らめば膨らむ程、同時になぜか胸の奥がドキドキする程の期待も湧き上がってくる。  やられたくないという気持ちと同等に、七穂に支配されてみたいという被虐欲が込み上げて来る。 「否定しないって事は……そういう事ですよね? ふ~~ん、やっぱり変態だ……」  あなたを蔑むように見下ろす七穂の顔……しかし口元はニヤリと笑みを浮かべている。 「変態さんにはちゃんと調教を施さないと駄目ですよねぇ? 真人間になれるように……苦しいチョウキョーを……♥」  人差し指が陰部から離れ、今度は彼女の両手は顔の前に掲げられる。  いかにも『くすぐるぞ!』という構えを取りながら……ニヒヒと笑う彼女の顔の隣でワキワキと動き始める。 「ホテルの滞在時間は先輩が寝ている間に延長させて貰いました……だから時間も気にせずに私の愛の調教を受けていってくださいね?」  ワキワキと蠢く指があなたの顔に近づいてくる。  その指を見せつけられているあなたは、身体の芯からゾクゾクと寒気が湧きあがってきている事に気付かされる。  これから七穂にくすぐられてしまうんだ……  昨日……散々苦しめた七穂から仕返しのくすぐりをされるんだ……  そう思うと……不安な気持ちよりも期待感の方が競り勝つようになってしまっていた。 「このチョウキョーを施したら改心したかどうか……また誘惑デートで先輩の事試してやるんですからね? 次こそは先輩が手を出してしまうよう完璧な誘惑をしてやるんですからッ! 覚悟しておいてください?」  くすぐったそうな細い指……  その指があなたのワキに向かってコチョコチョと蠢きながら近づいてきている。  あなたはその指に生唾をゴクリと飲み干すと、その指が肌に触れる瞬間まで目を離さずワキに意識を集中させた。  触ってくる……。  もう触られる……。  指先が……。  爪の先が……敏感なワキの肌に……。  ……あぁ……  ……ッっ!!? あぁあぁぁぁあぁぁぁっっっ!!!! ―――――― ―――― ――  結局……あなたは、七穂のチョウキョーという名の復讐を受ける事となり時間いっぱいまで責め立てられた後そのホテルを出る事となった。  ワキだけではなく足の裏も散々くすぐられた。  脇腹も胸も……股間さえも七穂は興奮しながらくすぐってくれた。  あなたは何度も絶頂を味わいながら、涙と涎を流しながら七穂のくすぐり責めに笑い狂わされた。  正直……少し怖かった。  あなたを罵倒しながら鬼気迫る表情で容赦なくくすぐり込んで来る七穂の姿は、今思い返しても震えが来るほどの恐ろしさがあった。  でも、こういう怖さは……きっと七穂も昨日あなたに対して感じていたに違いない。  好き勝手……いつまでもだって笑わせる事の出来るくすぐりを……いつ終わってくれるか分からない……。いつになったら解放されるのかも見えてこない……。そんな先の見えない恐怖を味わったに違いない。  いつ止めてくれるかは責め側が決める事であり受け手側は指示する権利が貰えない。だから受け手は攻め手が限界以上に責めない事を願いつつ信用して身を預ける他ない。  本当にやめてくれるだろうか? 本当に休みを与えてくれるだろうか?  興奮しすぎて辞め時を見失いはしないか? 息が出来なくなる程笑わされるのではないか? まさか死ぬまで笑わされるつもりでは事はない?  そんな不安を抱えながら受け手は責め手のくすぐりに笑い悶え、苦しまなければならない。    だけど……  その苦しみ抜いた後、ようやく拘束を解かれる瞬間に感じる解放感は何ものにも代えがたい快感だと認識が改まる事がある。  解放された時の安堵感と、責め手がちゃんと自分のことを想ってやめてくれたという“思いやり”を感じる事が出来た瞬間は……絶頂以上の清々しい快感を味わうものだ。  それを感じてしまったらもう……くすぐりプレイの沼にハマるも同然である。  あなたはそれを感じられたし……  多分きっと……七穂も同じことを感じてくれたと……思う。  そうでなきゃ……あのような復讐は企てなかっただろうから……  復讐の体を取りながらも、しっかりとあなたと“次の約束”に結び付けている所を見るにあたり彼女のくすぐりプレイに対する考え方が変わったのだと認識できる。  それは喜ばしい事だし……あなたが望んだ事でもあり、あなたが考え得る最高の結末であったと噛みしめる事が出来る。  あなたは誘惑を我慢し……そして責め抜き、責め抜かれる事を通して七穂に理解してもらえたのだ。  責められる側の歓びも……  責める側の悦びも……。 ―――― ――  ホテルの玄関から外へ出ると、眩しいくらいの日差しがあなたの目を眩ませた。  外は昼下がりの良い天気……。デートをするには絶好の日和だと言える。  七穂はその後……終始嬉しそうな笑顔を絶やさなかった。  あなたに最後に復讐が出来たのが気持ちよかったのか……  それとも……あなたのフェチを自分も共有できたと感じ清々しい気持ちになれたのか……  なんにしても、誘惑デートによって七穂との距離はもっと縮まったと思える事が出来た。  くすぐりに対してもそのフェチに対しても彼女は嫌悪する事無くあなたを理解してくれたようだ。  それは今朝の復讐のくすぐり方に現われていた。  あなたを笑わせている七穂の顔は、昨日の無理やり作らされた笑い顔よりも輝いているように見えた。  そして今隣に居る彼女の顔も……  それに負けないキラキラと輝く様な笑顔を浮かべてくれている。  ……あなたは思った。  この笑顔を見れたのだったら……フェチがバレてしまったという出来事も……決して悪い事だけでは無かった……と。  ……あなたは七穂を眺めながら、こうも思った。  まだ彼女が誘惑する気なら……今度はその誘惑にワザと手を出して見るのも一興じゃないか……と。  ……そして、あなたは空を見上げて思っていた。  ただの恋人同士ではなく……くすぐりフェチとして七穂と付き合う事が出来て……本当に良かった……と。  バレた形にはなってはいたが……結果的にくすぐりフェチをカミングアウトできて本当に良かった……と。  七穂という女性が……自分の彼女で、本当に……本当に……  ……本当に…………良かった……  ……と。   誘惑☆デート……FIN♥


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