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誘惑☆デート #37 ~シャワー~

#37 「へ、へぇ~~~。中々……雰囲気があって……お、面白い部屋……ですね?」  受付で部屋の鍵を受け取り、最上階にある『お仕置き専用フロア』と書かれた階にエレベーターで向かうと、更にそのフロアの最奥にある角部屋が七穂の予約した部屋であった事が判明する。  その部屋の鍵を開け玄関から上がり込んでプレイルームの電気を点けると……七穂の視界には異質で異様な空間が映る事となり、彼女の言葉が一層たどたどしい口調に変化する一因を生み出してしまう。  光を反射する艶々した素材で出来た赤と黒のタイルが、壁面だけでなく床や天井にも交互に敷き詰められていてそれだけで怪しい雰囲気を醸し出している。その怪しさを際立たせるかのように1本脚のテーブルや椅子、ベッドフレームからバス・トイレの備品に至るまで全て赤か黒かの2色のもので統一されていて、その徹底ぶりが無機質感を生み、より一層の不気味さを訴えかけて来る。  まるで悪夢に出て来る怖いピエロの住処の様な雰囲気をその部屋の装飾だけで演出しているこの部屋の中央には、七穂を更に怯えさせる武骨で巨大な拘束ベッドが置かれているのがすぐに目に入る。  休憩する為のベッドとは別に設置されているこの巨大な岩をくり貫いて作ったかのような重々しい雰囲気のベッドは、成人男性がどんなに手や足を伸ばしてもベッドの端からそれらがはみ出ることなく寝れてしまうほどに大きい。   低身長な七穂が寝転がれば丈も幅も余ることは目に見えて想像出来てしまう。  そんな巨大で寝心地が悪そうな石ベッドだが、勿論このベッドはカップルでイチャイチャしながら夜を明かす為に作られたベッドなどでは決してない。  その証拠に、枕の位置の遥か斜め上に位置するベッドの隅には……明らかにここに手首を通して拘束してくださいと言わんばかりの埋め込み式の革枷が左右に配置されていて、その反対(下)側の隅にも足首を拘束する為であろう枷が同じように設置されているのが確認できる。  これらを手や足に巻いて拘束すれば間違いなく七穂の身体は腕を斜め上にあげた万歳の格好に強いる事が出来るし、股を大きく開かせた恥ずかしい格好の下半身拘束も出来てしまう。  恥ずかしい箇所を見られても隠せない……どんな事をされても抵抗できない……  拘束されればそういう完全な無防備感を味わう事となり、もどかしい感情に胸を締め付けられる事となるだろう。  そういう想像をしてしまったからか、七穂は顔を引き攣らせながらもあなたに懇願を行ってしまう。せめて羞恥の部分に関してだけは最小限被害を被らなくて済むよう……あなたに許しを求め始める。 「初めてのホテル泊まりなんですから……ま、まだ裸になるのは……抵抗があります! だ、だから……その……拘束はまぁ百歩譲って許すとして、服だけは着させて下さいね? くすぐるだけなら裸になる必要はないでしょ? ね?」  と、もっともらしい言葉を彼女はあなたにぶつけ始めるが、それに対してあなたは…… 「誘惑を耐え切ったら好きにして良いって言ったよね? だったら反論は認めないよ」という常套句を持ち出し、彼女の懇願を跳ねのける。  その言葉に顔を真っ赤にしてグゥゥ……と唸るような声を絞り出し言葉を失ってしまう七穂。あなたはそんな彼女の肩に手を乗せ、ベッドよりも先にアレに入らなきゃでしょ? と言わんばかりに彼女の身体を方向転換させ反対の手でとある場所を指差してあげた。  あなたの指差した方向には透明なガラスで囲まれたシャワールームが視界に映り込んでくる。  言葉を下さずともあなたの言わんとする事を察した七穂は、その何処から見ても覗けてしまう開放的過ぎるシャワールームを見て更に顔を真っ赤に染めて恥ずかしがった。 「む、無理無理!! あんな透明な仕切りしかないシャワーなんて恥ずかし過ぎて浴びられませんよっ! 先輩に見られちゃうじゃないですかっ! 私の入浴シーンっ!!」  あの中で裸になってシャワーを浴びている自分を想像して一層拒絶感が増したのか、七穂は必死にあなたの胸をポカポカと叩きそこには入りたくないと訴えかけて来る。  その恥ずかしがり方があまりに可愛らしすぎてあなたの胸を素直にときめかせたが、あなたは自分が得た権利を復唱するように彼女に「格好もプレイも好きなようにさせて貰うよ?」と告げ再び七穂から反撃の言葉を奪い去ってしまった。 「親とか友達とか……例え妹であっても極力肌を見せないよう隠してきてたんですよ? 先輩はそんな大事に守ってきた私の貴重な裸を……こんな情緒もへったくれもない場面で見たいって言うんですか?」  七穂は最後に……あなたの良心に訴えかける言葉を放ち考えを変えるよう促してきたが、あなたの意思はそんな言葉に惑わされる事は決してなく……彼女が期待するような態度はついに最後までとならない事を貫いた。  その態度を見た七穂は、自分の主張をいくら唱えてもあなたには通らないだろうと悟り、諦めた様子で『ハァ……』と、深い溜息をひとつ吐いて軽く目を瞑った。そして、顔を下に向けたかと思うとブンブンと顔を横に振って気持ちをリセットし再度あなたの顔を睨むように見直す態度を取った。  その顔は、納得出来ていないムゥ~ッとした表情ではあるが、目の奥には何かしらの覚悟が芽生えたかのような闘志染みた色が垣間見える。  多分この、顔を振った行いによって羞恥心やら不安やらにも区切りを打ったのだろう……あなたを見る目は“受けて立ってやりますよ”と言わんばかりの挑戦的な鋭い視線に変わっていた。 「分・か・り・ま・し・た! そこまで言うんだったら見せてあげます! 私の裸が見たんでしょ? なら、一緒にシャワーを浴びましょうよ! お互い裸になってバスルームに入るんであれば我慢してあげます。そういう条件ならご希望通り見せて差し上げますよ! 私の貧相な身体でよければですけどねっ!」  半ば自棄になってそのように言い放った七穂は、早速と言わんばかりに上着に手を掛けそれを勢いよく脱ぎ去って雑にベッド横に置いてあったカゴに投げ入れていった。  そして、あれよあれよという間に躊躇なく下着姿にまでなっていく七穂に、これこそ情緒もへったくれも無いとあなたは呆れるが……徐々に露わになっていく彼女の白い肌を見るに、少しは鎮まりを見せていた“彼女の肌に触りたい欲”が再燃する感覚を覚え、堪らない気持ちに苛まれ始める事となった。  勢い任せに服を脱ぎ捨てていっていた七穂だが、流石に下着を脱ぐときだけは手を止め躊躇する瞬間が見られた。これを脱げば後は隠す物無く自分の一番恥ずかしい部分を見られることになる……と、そんな事を過らせたのだろう……その止まった手は下着の端を握ってはいるが中々次のアクションに移ろうとしない。  もしも心の底から彼女が嫌がっているのであれば、それを強行してまで彼女の裸を見たいなどとは思ってはいない。本気で嫌なら、少し残念だけど服を着直してプレイに臨む事もやむを得ない……と、あなたは彼女に助け舟を出そうと口を開くが…… 「フン! こんなもの……脱いでやりますよ! コレで良いんでしょ! コレでッ!」  一度宿らせた覚悟はあなたの意思同様、強固に彼女の背中を後押しているようで……下着の端に掛けていた彼女の手はその言葉と同時に勢いよく動いてそれを脱ぎ去り、あなたの見ている前で堂々と生まれたままの姿になって見せたのだった。  初めて見る七穂の生の裸体……  水着姿の彼女を見ていたのだから何となく頭の中で想像だけは出来ていたのだが、本物を間近で見るとそれらの想像がただの妄想であった事にこれでもかと気付かされる。  小さいと思っていた胸の膨らみだったが……下着が取り去られた後に見る彼女のソレはBカップ以上はある事が分かり、決して小さくはないサイズだと判明する。谷間はよく見ていた(覗き見していた)のだから実は胸があるのでは? と疑ってはいたが、まさか下着の効果によってこれほどまで大きさを抑えられていたとは思いもよらなかった。  柔らかそうで健康的で張りのある艶めかしい膨らみの曲線……きっと、触ったり突いたりすればその感触の心地よさに心奪われる事になるだろう。指はどれだけ肌に沈むのか? 指が押し返される弾力は如何ほどに強いモノなのか? 七穂の母性を強調するその部位に触れた時を想像する好奇心が止まらない。  桜の蕾のように可愛いピンク色をした胸の突起……ツンと尖らせるように上向きに膨らんだその突起は、これからの行為に期待するかのように固く反り立っているようにも見える。  胸の丘陵を曲線の形に沿って降りていくと腹部に差し掛かる肌に到着する。臍を中心に透明感のある薄い肌が彼女の腹部を覆っている。その肌は絹のように白く柔らかそうで……それでいてスポーツジムで鍛えている事を示すように程よい筋肉の筋も走っている。  指で摘まめばプニッとした感触が味わえそうなその腹部を更に下へと降りていくと……そこからは普段絶対に見る事の出来ない彼女の秘匿された部位が露わになっていく。  ワレメを隠す為に適度に生え揃った薄茶色の毛……それらが隠しているお陰で肝心な局部の中までは確認できないが、ワレメのある筋は毛の生えている方向が素直である為コレを掻き分ければきっと彼女の美しい下の唇を拝む事が出来るだろうと想像がつく。  隠れているから尚更見たくなる。そこに神秘が隠されていると分かっているのだから尚の事見たくて堪らなくなってしまう。  今まで七穂を衣服の上からだけで見てきたあなたからしてみれば、彼女にもこういう性的な部位が存在していたのだと改めて知る事となり不思議な気分に苛まれてしまう。  彼女に対してガードが硬くて清楚なイメージを持っていたからこそ、こういう部位は想像も出来ていなかたのがあなたの本音であり、ある種彼女に対する幻想的なイメージが固着していた為にその部位は神聖な何かであるという固定観念さえも植え付けられていた。  しかしこうして現実にソレがある事を確認してしまうと……彼女も他の女性と同じ人間の身体を持っており、服の中にはちゃんと幻想ではなく現実が存在していたのだと思い知らされる。  それを知ることでイメージの改変が起こってしまうことは少し寂しい感情が過ってしまうものだが、あなたは彼女の本当の“生身”を知れたことにより、また新たな彼女の魅力を再構築する事が出来た。今まで不明瞭だった部分が見られたことにより、もっと具体的に彼女の事を知れたような気がして喜びが増した。  初めて見る彼女の無防備になったカラダ……それを自分だけに見せてくれたという事実は、強制してしまったとはいえ感慨深いものを感じる。 「ほら! 先輩も脱いで! 私だけっていうのは不公平でしょ? ほら!! 今すぐにぃ~脱げ~っ!」  本来ならあなたが服を脱ぐという過程は含まれなくて良かったのだが、七穂のグイグイ迫る勢いに負けあなたは渋々それに従うように服を脱ぐ事を由とした。  まさか七穂と一緒にシャワーを浴びる事になるとは思いもよらなかった……  自分が裸に近づいていくたびに徐々に気恥ずかしさと身体を見られるという不安が募り、心音が高鳴っていく。  自分の身体を見て七穂がどんな反応をするか……どんな顔で感想を述べて来るか……それを考えると不安が募って仕方がない。  恥ずかしさと不安と緊張が服の枚数が減る毎に逆に増していく。  さっきは七穂も同じような気持ちに苛まれたに違いない。  このような恐れの感情を抱きながらも七穂は覚悟を決めたに違いない。  あなたの場合は七穂が裸になった後に続く形である為少しは気が楽である筈だ。先駆けてくれた人が目の前に居るのだから、ただ同じ格好になるだけだと考えれば不安も和らぐというものだ。  そんな二番手であるというアドバンテージを得ながらもここまで不安を感じてしまっているのだから、一番手で服を脱いだ彼女がいかに強い精神力を持っているのか理解出来る。  例えカラダに自信があったとしても……このような不安に苛まれればもっと躊躇していてもおかしくはない……。もしも立場が逆で、この順番が逆だったなら……もっと嫌がって駄々をこねていただろう……。そう考えると、いかに七穂の決断が速かったが伺い知れてしまう。  服を脱ぎ去った後も胸や局部を隠すことなく片手を腰に当てて堂々と立っている七穂を目の前に見ながら、あなたは服という服を全部脱ぎ去って彼女と同じように裸の格好へと成り下がっていった。  裸同士で向かい合い睨めっこをする様にお互いの赤くなった顔を見合うあなたと七穂……その姿は壁画に描かれたアダムとイブのよう。  そう考えるとこのような特殊な情景に身を置いても、不思議と性的な興奮は湧き上がってこない。  それは七穂の身体に魅力が無いと言っている訳ではない。逆に完璧すぎてある種の宗教画を見ているかのような冷静さでその身体を見てしまっているのだ。  あなたはそう感じつつ七穂の身体を見ていたが七穂の方はどうやら若干の気恥ずかしさが増してきたようで、あなたの視線が首より下に向くなりその恥ずかしさを体現するかのように腰に当てていた手を胸に運び、反対の手で股間を隠す仕草をしながらあなたの視線を遮った。 「じゃ、じゃあ……そのぉ……。お互い……服も脱いだし……、シャワーでも……浴びちゃいましょう……か?」  あなたの裸を見て急に現実に戻され恥ずかしさが込み上げてきてしまった七穂は、言葉を詰まらせながらもあなたをシャワーへ誘った。  急に緊張し始めた彼女を見てその緊張が伝染したあなたも、自分が裸である事に異常な恥ずかしさが湧きあがり、七穂同様自分の局部を覆って隠す為に手を回そうとする。しかしその手を七穂が強く握ってきた為に隠すことはままならず、あなたは自分の恥ずかしい部位を隠すことなく彼女に引っ張られるようにシャワー室へ入る事を余儀なくされた。 ――シャーーーーーーーーーッ、ザァァァ~~~~~~~~~~ザザァ~~~~~~~~  シャワーを浴びている最中はお互い無言になった。  熱い温水の熱気が湯気へと変わり、透明な仕切り板を白く曇らせていく。  先に七穂の方が身体に石鹸泡を纏わせシャワーを浴びた。  あなたはその、石鹸泡を洗い流していくシャワーの勢いと肌に当たって弾けるように飛散していく水滴を眺めつつ、七穂と共にシャワーを浴びているんだという実感を徐々に得る事となる。  プレイをするだけでなくまさかシャワー室にまで一緒に入る事になるとは思いもよらなかった。  七穂の柑橘系の香水の匂いがシャワーの水流で流され、足元の排水溝に流れ込んでいっている様がリアルに感じられる。  ドキドキする……。  すぐ傍に華奢で柔らかそうな彼女の裸体が立っているのだ。手を伸ばせばいつでも触れられてしまう……そんな位置に彼女の肌が……存在しているのだ。  触ってみたい……  いや、この後存分に触れるのだから、今不意打ちのように触る必要はない筈だ。どうせ触れる……すぐに触れるのだから……  でも、今すぐに触ってみたい。  その柔らかな肌を今すぐ指先に堪能させてみたい……  シャワーに指先を濡らしながら……彼女の肌を…… 「先輩? もしかして……今……良からぬことを考えてませんか?」  あなたに背中を向けながらシャワーを浴びている七穂が、あなたの思考を読み取るかのように的確にその様に呟き……あなたをドキリとさせる。 「ダメ……ですよ? どうせ……シャワーの後に私の事……滅茶苦茶にする予定なんでしょ? だったら……シャワーの時くらい……気持ちや覚悟の整理をさせて下さい……」  その様に呟かれると、流石に煩悩の膨らみ切ったあなたでも手を出し辛くなってしまう。  シャワーを浴び終えたらあなたの好きなように七穂を弄ぶことが出来る……そう思っていたのは確かであり当然の権利だと思ってもいる。  しかし、例え権利があったとしても七穂だって一人の人間なのだ……人形やロボットなどではない……。人間なのだから仕置きを受けるのにも覚悟を決める時間が必要なものだ。  人間は感情の生き物でもあるのだから……権利があるからとはいえ、大事な恋人のそういう繊細な思いを蔑ろにする事は出来ない。そこは譲ってあげるべき事なのだ……。 「分かってくれましたか? 分かってくれたのなら、先輩……そのまま後ろを向いて手を万歳して、壁に手をつく格好を取ってください。私が先輩の身体……洗ってあげますから……」  少し神妙な口調でそのように告げた七穂は、自分の洗体が終わると同時に再びハンドソープのボトルへと手を伸ばし、自分の手のひらに石鹸を複数回垂らしつつあなたに反対側を向いて万歳の格好になるよう指示を出してきた。 「先輩だって……前の方……私に見られるの恥ずかしでしょ? 私も前の方見られるの恥ずかしいし……お互い見ないようにするのが公平だと思いませんか?」  裸を見られることは確かに恥ずかしい……しかも性的な部位が複数見られてしまう身体の表側は見られれば尚の事恥ずかしさに拍車がかかるのは間違いない。  それを汲み取ってくれたのか七穂は、あなたに後ろを向かせる事でそういう部分を見ないようにしようと提案してくれた。  そしてどうやら彼女があなたの身体を洗ってくれるようだ……。あなたは言われた通り七穂に背を向け、壁の高い位置に手をつき万歳の格好になって待機した。  身体を洗ってくれるというのは嬉しい事なのだが……なぜに“手を挙げる格好”をしなければならないのか?  ふとあなたの脳裏にそのような疑問が浮かぶ。 「腕……降ろしちゃ駄目……ですよ?」  あなたの背後で七穂が手を動かしている様子がシャワーの音の違いで感じ取れる。何故か分からないが、その時見えていない筈の彼女の表情までも目に浮かんでくる……  その顔は恥ずかしがっている訳ではなく、何かを企んでいるかのような悪戯っぽい笑みを浮かべているように感じた。 「じゃあ……直接……私の“手”で洗ってあげますね? ココとかを……」  七穂は自分の手に垂らしたソープをクチャクチャと揉んで、手が石鹸まみれになるまで泡立てを行った。  そして十分に泡をて全体に行き渡らせると、その手をワキワキさせながら……万歳の格好になった事で無防備に晒されたあなたのワキの部位を狙って手を運び込んでいった。  それを気配で察して……『嫌な予感がする!』と、あなたは頭に過らせるが、それが過る頃には七穂の手はあなたのワキに触れてしまており、危機を察知するのがワンテンポ遅れてしまったあなたは与えられた刺激にビクリと身体を震わせてしまう事となる。 「ほ~ら、コチョコチョコチョコチョ~~♥♥」  七穂は石鹸のついたヌメヌメした手であなたのワキに触れると、そのワキの中心を思いっきりくすぐる様に手を蠢かせ始めたのだ。 ――ッっ!? ッッッッっ!!!?  あまりの唐突な出来事に驚き、素っ頓狂な悲鳴を上げてしまったあなただが、七穂はそのまま手を緩めずしつこくあなたのワキをくすぐり続けている。  そしてその刺激のあまりの強烈さに、あなたは思わず腕を下げて万歳の格好を解除しそうになってしまう。 「ほらぁ! 駄目だって言ってるでしょ? コッチを向くのも手を下げるのもダ~メ! 腋を洗い終わるまで我慢ですよ? ガ・マ・ン♥」  ソープの泡によって摩擦が薄くなり滑るようなった指先でワキの肌をコチョコチョとくすぐってくる七穂のくすぐりに、あなたは吹き出す様な笑いを吐き出し始める。そして我慢できずに手を降ろそうとすると、七穂があなたの背中に身体を密着させて腕を降ろすなと釘を刺してくる。  背中に押し付けられる七穂の胸の膨らみ……その感触があまりに気持ち良すぎて……あなたは思わず降伏するような感覚で腕を挙げ続けてしまう。   「そりゃ~♥ コチョコチョコチョ~! どうだ! こういう事を私にしようと考えているんでしょ? だったら、先にそれがどれだけくすぐったくて辛い事なのか味あわせておいてやるッ! ほらほら、これを私にするんでしょ? したいと思ってたんでしょ? コレをっ!」  滑る手で腋をモニョモニョくすぐって笑わせようとしてくる七穂に、いよいよ姿勢を維持するのが難しくなったあなたは腕を降ろしくすぐりをやめさせようと彼女の腕を掴もうとする。しかし、背後から抱き付くようにホールドしている彼女の腕を掴むのは至難の技であり中々やめさせる事が出来ない。あなたは遂に身体を崩していくように床へと座り込み、七穂の身体と壁に挟まれながら彼女が送り込んで来るくすぐりに笑い悶えさせられる事となった。 「どうだ、くすぐったいかっ! くすぐったいだろっ! コレを私にしようとしてるんだゾ? 無理やりしようとしてるんだゾ! 分かってますか? 先輩がしようとしてるのはこういう事なんですよ! コチョコチョコチョ~♥」  床をペチペチと足で叩いてどうにか七穂に“くすぐらないで”と訴えかけようとするあなただが、勢いに乗った七穂の手は容赦なくあなたの腕の隙間に入れ込むように侵入し執拗にワキをくすぐり続けている。  あなたはそのくすぐりに何の抵抗も出来ずに笑い狂わされる事となる。  あなたの手足にも石鹸が絡みついていて、床や壁を踏ん張ろうと力を込めても滑ってしまって上手く力が伝わらない。だから、七穂を引き剥がしたいと思っていても上手く力が伝わらず、結局藻掻く様な仕草しかとる事が出来ない。  七穂はそんなあなたに抱き付くように背中に覆いかぶさりながらくすぐりを続ける。  腋の隅々に石鹸のヌメヌメを行き渡らせる為に指を高速で動かしてあなたをくすぐり、笑わせ続ける。  七穂の指は素人とは思えない程あなたのツボを的確に突くくすぐりを行ってくる。そのくすぐりがあまりに耐え難く苦しさを覚えた為、今すぐにでも逃げ出したいという気持ちが本能的に脳に広がりはしたのだけど……  彼女の抱き付くように密着した身体の柔らかさを背中に味わっていると、これはこれでしばらく味わっていたいという本能も湧き上がってきてどっちつかずの感情に苛まされることになる。  くすぐりからは逃げたいけど、身体の触れ合いからは距離をとりたくない……  否、七穂にくすぐられる事自体も……別に嫌という訳ではないのだから、いっそこのまま彼女に蹂躙され続けるというのも倒錯的でグッと来るものがある。  などと、矛盾した思考が様々にあなたの脳に浮かんでは消えを繰り返し、結局七穂が気の済むまであなたは抵抗する事無く彼女のくすぐりを受け続ける事となった。 「ハァハァ……どうです? ちゃんと味わってくれましたか?」  しばらく続けたこの一方的なくすぐり洗体も、シャワーのお湯によって手から石鹸泡が消え肌への摩擦が通常通りに戻った頃合いを見計らって終わりの時を迎えた。  七穂もあなたも息を切らせながらシャワー室の床に座り込み、上から降り注いでくる熱いシャワーを浴びながら、しばしお互いの裸体を再度見合って頬を染め合う。  シャワーの熱気とお互いの熱気が合わさりシャワー室は相変わらず湯気の靄(もや)に包まれた状態になっているが、その靄が良い感じに二人の間をぼやけさせてくれている為、裸を見合っているにも関わらず何処か幻想的な雰囲気が漂っていて気恥ずかしさを薄めてくれている。 「こういう苦しい事を……私にしようとしてるって事……忘れないで下さいよ?」  湯気の合間から七穂の静かな口調の声が届く。  まぁ、七穂からしてみれば……自分が受ける罰をプレイ前にあなたに味合わせ、これほど酷いことをしようとしているんだぞと訴えかけるつもりでこの凶行に及んだのだろうが……  しかしながら、今のくすぐりを受けてあなたが思った事はただ一つだけだった。 「可愛い彼女である私に……こんな酷い事なんてしませんよね? こんな苦しい思いなんてさせませんよね? ……ね? 先輩♥」  甘えるような声色であなたに手を緩めるよう釘を刺してきた七穂。しかしながらあなたの頭にはこの言葉だけが何度も反芻され、彼女に対する劣情だけが高まり続けていた。 その言葉とは……  この仕返しは……必ず拘束してからやってやる!    誘惑した分も含めて……徹底的に……仕返ししてやる!!  という、復讐を誓う為の言葉……だった。 →#38へ


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