メイド・イン・アンダーグラウンド⑭~浴場にて
Added 2022-03-15 13:59:35 +0000 UTC14:浴場にて 「ゆ、ゆかっち? その……責める側で参加って……どういう意味?」 脱衣所で服を脱ぎ、お互い何も着ていない裸になって浴場の洗い場までやってきた瑞穂先輩は、先程のプレイで汗まみれになっていた身体に石鹸の泡を纏わせようとしている私に向かってそのように質問を返してきた。 「いえ、ほら……瑞穂先輩って、ずっと責められっぱなしでプレイに誘われていたんでしょ?」 私の返し言葉を聞きつつ瑞穂先輩も私の隣の洗い場に腰掛け、私同様身体にこびりついていた汗を流す為タオルに石鹸を含ませて洗体する準備を整えていく。 「え、ま、まぁ……そうだね。覗きに来た罰ってやらをずっと受けて来てたから……」 肩から手……首筋を経由して胸の膨らみにタオルを這わせ白い泡を満遍なく付けながらタオルの粗目で擦りながら汚れをこすり落としていく私……。ふと先輩の方を横目に見ると、足の先からタオルで洗体し始めているのを見ることが出来、彼女の洗い方は私とは違う順番があるのだなぁ……と、彼女との違いをまた一つ確認でき嬉しような一緒が良かったと思うような複雑な気持ちでその洗体を眺める事となった。 「私の場合は、たまたま“くすぐられる事に快感を覚えられた”という点でプレイの魅力やらなんやらに興味を持てましたけど……先輩の場合はくすぐられる事に快感を感じる体質じゃないでしょ?」 足から洗い始めた先輩は、そのまま太腿、横腹、背中や腕、胸にまでタオルを這わせた後、最後にお尻とあの部位にも石鹸泡を立て始める。 私も。上半身の泡付けが終わったら先輩と逆の道順を辿る様にお腹やら腰やら脇腹やら……太腿やら脛やら足の先やらまでタオルを巡らせ、最後は彼女と同じお尻と乙女の秘所にタオルを運び今日の汚れをしっかり落とさんとするように泡立て仕上げの洗体を行っていった。 「あ、あのさ? ゆかっちは……その……くすぐり? を、快感? に感じれるようになったって事だよね? 私には……その……そういう感覚が芽生えなくて……それがどういう物なのか理解できてないんだよね……」 「私も……どうしてそう思うようになったのか? って聞かれても上手くは説明できないんですけど……おそらくアレを快感に捉えられるかどうかは体質だったり性格だとか性癖だとかによるんだと思うんです……」 「体質? 性格……??」 「ほら、よく自分はSだとかMだとか言い合う事ってあるじゃないですか……アレって自分の性格とか性癖が寄与する事が大きいと思うんですよね」 「あぁ、それを言うなら……私は結構Sっ気が強いって昔から言われていたけど……」 「先輩ってば悪戯とかちょっかい出すのは大好きですもんね♪ 逆にそれをメイド長に怒られたら一気にテンションも下がってましたし♥」 「うん……まぁ、どちらかと言えばS寄りの人間なんだろうなぁっては思ってたけど……」 「多分、そういう性格的な部分が性癖とかにも繋がっていて“どちらかというと責められるより責めたい”って本能の部分は思っているんじゃないでしょうか?」 「本能の……部分?」 「実際、私にくすぐられていて……どう感じました?」 「えっ!? ど、どうって……」 「後輩の私に良いように笑わされて……どう思いました?」 「そ、そりゃ……悔しかったり、歯痒かったり……やめてって言ってるのにやめてくれない事に……ちょっとムカついたり……とかも……」 「うっ……そ、それはすいませんでした。私も楽しくなっちゃってつい調子に乗ってしまって……」 「いや、もとはと言えば私がゆかっちを巻き込んだのが原因だし……それはもういいんだけど……。でも、やっぱりあの時は余裕がなかったせいもあって怒りの感情は湧きまくってたかも……。嫌だって言っても調教を続ける亜理紗お嬢様にもムカついてたし……それに従うメイド長や綾にも……」 「怒りの方が先行してしまえば……そりゃあ快感なんて生まれる余地はありませんよね?」 「いや、普段は全然良い人たちだからアレ以外ではそんなこと思わないんだよ? むしろ働かせてもらって感謝しているくらいだし! でもほら……嫌だって言っているのを無理やり強いて来るのはなんか違うっていうか……」 「嫌がっている子を無理やり笑わせて苦しめる……っていうのがくすぐり“プレイ”の醍醐味だと思うし、その部分に疑問を持つという事はやっぱり先輩は“やられる側”では楽しめないという事でしょうね……」 「うん……でも、ゆかっちは……好きになっちゃったんでしょ? くすぐられるの……」 「私の場合は……くすぐられる事自体を好きになったというよりは、くすぐりプレイっていうプレイそのものに興味が持てたから結果的にくすぐられる事も許容できたというだけです……」 「うん? それって……なにか違うの? 結局好きになったんでしょ? くすぐりが……」 「私だって最初にあのくすぐりを受けた時嫌で嫌で仕方がないくらいでしたよ?」 「え? そ、そうなの?? てっきりゆかっちはドMだったから責められるのに快感を覚えた~とかそういうアレだと思ってたんだけど……」 「SかMかで言うと……まぁ確かにM寄りなんだろうなぁって今にしては思いますけど、でも瑞穂先輩の事笑わせていた時にもしっかり快感を感じてたので……どちらかと言えば両刀ってやつですかねぇ♥」 「へ、へぇ~~~。まぁ確かに……私の事責めてるゆかっちは……なんか楽しそうだったからねぇ……」 「エヘヘ♥ まあ実際楽しかったですよ? 先輩を笑わかすの♪」 「むぅぅ! アレは本当に死ぬかと思ったんだからっ! 滅茶苦茶怖かったんだからね!」 「そ、それはごめんなさいって言ってるじゃないですかぁ~♥」 「なんか……あの時のゆかっちの顔を思い出したら無性に腹立たしく思えてきたわ! 人の苦しみも知らないでこんな酷いことを平気な顔でやっておいて~って……」 「先輩の苦しみ……分からなかった訳じゃありませんよ?」 「……へ?」 「私だって……気絶するまで笑わされた身でしたから、先輩がどれだけ苦しい思いをしているのか……どれだけ怖い思いをしているのかも手に取る様に分かってました」 「じゃ、じゃあ……それが分かっていたのに……何でやめてくれなかったの?」 「それは……まぁ……何と言いますか……ねぇ?」 「何よぉ~? 私の顔を見てちゃんと答えなさいよぉ~」 「うぅ……だって……先輩の笑い顔が……その……可愛すぎたから……」 「ッっ!? か、か、可愛い?? あんなに無様に笑い悶えていたのに??」 「いつもの瑞穂先輩って……ほら……私にも優しいし皆にも明るく振る舞ってくれてるじゃないですかぁ……」 「……え? う、う~~ん、あんま意識してはないけど……ゆかっちにはそう映っていたって事……かな?」 「お調子者の振る舞いをしてるくせに裏ではちゃんと私達の事を気に掛けてくれてたり、仕事もいい加減にしている風に見えて結局仕事量をこなしているのは先輩が一番だったりしてますし……」 「……それ……褒めてる? 貶してる?」 「ほ、ほ、褒めてますっ!」 「そう? なんか……褒めてる部分より貶してる部分の方が強調されているように感じたけどなぁ……」 「と、とにかく! 私から見た瑞穂先輩って表では明るくふざけるような振る舞いをしていながら、裏では“案外”ちゃんと仕事もこなしているし面倒見も良いっていう……実は頼れるお姉さんってイメージが私には定着してきていたんです!」 「“案外”ってところ……そんなに強調する必要あるぅ? そこは素直に褒めなさいよぉ!」 「でも、そんな頼れるお姉さんのイメージだった瑞穂先輩が、私のくすぐりで子供の様に笑わされている姿は……何というか……イメージとのギャップが凄くて……なんだか可愛く感じられるようになっちゃいまして……」 「何よそれぇ~~! それって、勝手に私のイメージを作り上げて勝手にそのイメージにギャップが出来てそれが可愛く思えたって事でしょ? 私としては全然嬉しくもなんともないんだけど!」 「す、すいません! でもでも、先輩が可愛いと思えたのは事実なんです! 今でも……その……可愛いなぁって……思い続けていますし……」 「むぅぅ~~~! なんか釈然としないけど……まぁ、可愛いって言われて悪い気はしないから……特別に許す!」 「う、うわぁ~~♥ 嬉しいなぁ~~♥」 「ワザとらしく喜ぶんじゃないわよ……このおバカ!」 一区切り会話をし終えた後、私達は最後に洗髪の為にシャンプーを泡立て髪を洗い、最後に用意しておいた熱いお湯を頭から被り自らの身体を清めるように洗体を終え浴場へと向かった。 何十人もの人間が同時に浸かってもなおスペースが出来るくらいには広いお屋敷の大浴場……その広すぎる石造りの浴場に先輩と二人っきりで入り身体を伸ばしながらゆっくりと体を温める。 その解放感と湯船の丁度良い加減の温度に、私達は今日の疲れを癒すかのように大きな安堵の息を一つ零すのだった。 「気持ちいぃ~~~っ♪ やっぱお風呂が一番だよねぇ~~♥ 特に後輩に好き勝手虐められた後に入る風呂は最高だわぁ~~♥ なんつってね……♪」 「ちょっ! 先輩~~! もう許して下さいよぉ~~」 「アハハ……冗談だってば♥ この件はおあいこって事で手打ちにするんだったよね?」 「ま、まぁ……そういう事に……しておいてください……」 「は~い、はい♪」 「うぅ…………」 身体を伸ばしたり……鼻歌を歌い始めたり……バシャバシャとバタ足を始めて見たり……何かと落ち着きのない先輩を見つつ私はお湯の湯気に紛らせるようにまた一つ安堵の息を吐いて心を落ち着かせた。 「……ところで……さっき言ってたやつの続きだけどさ……」 お湯を波立たせる事に飽きたのか手足をバタつかせるという行為をやめて突然トーンの低い声で会話の続きをし直して来た先輩に、私はドキリとして身構えるように身体を固くさせてしまう。 「責める側で参加してみては? っていう提案は……結局、どういう意図があって私に言ってきたわけ?」 バタ足をやめた先輩は手で水鉄砲を作り私の顔めがけてお湯を掛ける仕草を始める。また子供の様な悪戯を始めた! とその行為を咎めようとする私だったけど、それを行っている先輩の顔は真面目そのものの顔であった為怒るに怒れなくなり、私はお湯を掛けられながらも彼女に自分の考えを伝える事を余儀なくされた。 「いえ……これも私の勝手な想像なんですけど……。さっき言ったみたいに、先輩はくすぐられる側よりもくすぐる側の方が楽しめる性癖なんじゃないかなぁ~って思いまして……」 「性癖って……。まさかゆかっちの口からそんな言葉が出て来るようになるなんてね。そんな事言わなそうな真面目ちゃんかと思ってたのに……よっぽど今日の出来事がゆかっちを変えちゃったんだね?」 「あうっ!? そ、それは……その……」 「まぁ、真面目だと思ってたのは私の方の勝手なゆかっち像だった訳だから……ゆかっちと同じだよね? ギャップってやつ? なんか今その意味が少し分かった気もするわ……」 「わ、私は……真面目だなんて……自分で思った事なんて……有りません……」 「私だってそうだよ? ありのままに振る舞ってきただけ……。でも、見てる人はその部分を見てその人の個性を思い描いてしまうものよね?」 「そう……だと思います。だからギャップっていうのが生まれるんじゃないかと……」 「ふむ……。っで? ゆかっちも見た通り、どんなに優しくされようがキツくされようが結局私はくすぐりには興味が惹かれなかった訳だけど……そんな私をゆかっちは何で引き留めるような声を掛けたのかな?」 「うぅ……そ、それは……」 「……それは?」 「だ、だって……」 「……だって?」 「先輩に……復讐されるっていうシチュエーションも……良いなぁって……思っちゃったから……」 「………………」 「……あうっ! ご、ごめんなさい! これも私の勝手な希望でして、先輩は嫌がっているのにそんな無理強いするような事をしたい訳では……」 「ゆかっちってさぁ……」 「は、はい……」 「ほんっっっと、ド変態だよね?」 「うひっ!? そ、そ、そんな事は……」 「違うって言いたいの?」 「い、いえ! それはその……仰る通りなのですが……」 「あれだけ嫌がる私を責め抜いておきながら、今度はそんな私に復讐されてみたいなんて思ってるって事でしょ? どういう思考回路してる訳? あれだけやっといて復讐されればどれだけ報復されるか分かり切っているでしょう? それでも受けたいって言うの? どんだけド変態なのよ!」 「い、い、いえ! ただ私が受けたいという事だけで提案したわけではないんですよ! 先輩はその……責められる側ばっかりやらされていたみたいでしたから、責め側の気持ち良さも体感して貰いたいって思っただけで……」 「嘘おっしゃい! ゆかっちはさっき言った方が本音でしょ? 私に復讐されるシチュを味わいたいから提案してきただけでしょ! 違う?」 「ち、違います! いえ、違いはしませんが……でも違いますっ! 私の欲の為だけでは決してないんですぅ! 信じてください~」 「いまいち信用ならないわねぇ~~。それなら、今からくすぐって無理やり本音を吐かせてやろっかなぁ~?」 「い、い、今からですかぁ? ひぃぃ~~! まだ心の準備が出来てません~~♥」 「そんな事言いながらも両手を万歳するな! このド変態っ!!」 「うひぃぃ~~~~! ゴメンなさいぃィ~~~!!」 「よぉ~~し、そっちがその気ならやってやろうじゃない! そのまま手を降ろすんじゃないわよ? 降ろしたら二度とくすぐってやらないんだから!」 「ひぃぃ! そんにゃあぁぁ!?」 「ほ~ら、ご希望通りのコチョコチョの刑だぁ! 笑え~~っ♥」 「ギャハッ!? アギャハハハハハハハハハハハ、先輩っっひひひひひひひ、いきなりはだめぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」 「ほらほら! 本当の事を言って見なさいっ! ちゃんと本音を喋らないとやめてあげないぞっ! コチョコチョコチョ~♥」 「ハギャハハハハハハハハハハハハハハハ、先輩ィひひひひひひひひひひひひひ、ホントに私の欲だけじゃないんですってぇへへへへへへへへへへへ!! ホントですぅぅ!!」 「ま~だそんな事言ってる! こっちは全力でくすぐっているっていうのに手も降ろそうとしないで幸せそうな顔して笑ってるし! もう怒った! 脇腹もこしょぐってやるっ!!」 「あぎゃ~~~っはははははははははははははははははは!! うはははははははははははははははははははは、脇腹モミモミしにゃいでぇぇへへへへへへへへへへ!! わだじそれ弱いぃぃひひひひひひひひひひひひひ!!」 「弱いんだったら集中攻撃しなくちゃよね? ほらほらほらぁ!! もっと笑い悶えなさいっ! コチョコチョコチョコチョコチョ~~♥」 「ギャ~~ッハハハハハハハハハハハハハハハハ、うはひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、きついぃひひひひひひひひひひひひひひ、それきついれすぅぅふふふふふふふふふふふ、イヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!」 「これだけくすぐっても手を降ろさないなんて……ホントゆかっちは変態よね?」 「だっへ! だって、手を降ろしたら先輩にくすぐられなくなっちゃうぅぅふふふふふふふふふふふ!! それは嫌だからぁぁはははははははははははははははは!!」 「どっちにしても変態じゃないっ! くすぐられて悦ぶ変態っ! ゆかっちの変態~っ!!」 「あがっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、で、でも! でも! 先輩にくすぐられたいとは思ってますけど……明日は綾先輩が代わりにくすぐられたいって言ったからっっははははははははははははは……」 「……綾が? 代わりに?? 何それ……どういう事?」 「はぁはぁはぁ……。い、いえ……本当は私が……先輩の復讐を受けたいって思っていたんですけど……なぜか綾先輩が先に責めを受けたいと名乗り出ちゃいまして……」 「あの自己表現の薄い綾が……そんな事したんだ……? へぇ~~それは面白いじゃない……」 「だから……先輩が責めるのは……私じゃなくて……綾先輩の方で……」 「うん? 私はまだプレイをやるなんて言ってないけど……」 「あぅ!? そ、そうでした……」 「でも……まぁ、綾が私の責めを受けるって事なら……考えなくもないわね……」 「本当ですか?」 「そうね……。っで? その立場逆転のプレイは……いつやる予定だったの?」 「あ、明日のプレイの時間……ですぅ……」 「明日……ね?」 「あ、あの……それで……受けて頂けるんでしょうか? 私の提案を……」 「ふむ……」 「…………?」 「受けてもいいけど……その代わり2つ条件を出させてもらってもいいかなぁ?」 「2つ? は、はぁ……どんな条件でしょう?」 「1つは絶対に私を綾にくすぐらせない事! これは絶対よ? どんな流れになってもそれだけは守って貰うわ」 「も、勿論です! あくまで先輩が責め手なんですから……先輩には手を出さないようしっかり言っておきます……」 「……よし。んで、もう1つの条件は拘束の仕方の事なんだけど……」 「拘束の……仕方?」 「私がされたように万歳の格好にさせるのは勿論なんだけど……足の方は私の時よりももっと念入りに……もっと自由を奪う感じで拘束して貰いたいって思っているの」 「足を……念入りに?? そ、それは……なぜです?」 「なぜかって? そんなもの決まってるじゃない! 綾にも味合わせてやるのよ! 私にしてきたあの変態プレイの数々を……」 「へ、変態プレイ??」 「ゆかっちも責められたから分かるでしょ? 綾のあの異常な足裏への執着……」 「は、はい……。それは……はい……」 「綾は私が罰を受ける立場だって事を利用して自分の性癖の赴くがままに私の足裏を滅茶苦茶にしてくれたの!」 「め、めちゃくちゃに!?」 「お陰で仕置き以外の時間でさえも綾の顔を見たら足裏がゾクゾク疼くようになっちゃったし……日常の業務でさえ足裏がこそばく感じて支障をきたすくらいにまでさせられたのよ? くすぐられるのが嫌になったのも……綾のせいって言っても過言ではないわ!」 「な、成程……(それは綾さんのせいではない気もするけど)ま、まぁ……そういう事でしたら……後でメイド長に言っておきます……」 「ふむ……。だったら明日のプレイとやらは受けてあげても良いわ。綾に復讐出来るって事なら少し気分も変わる事だし……」 「アハハ……それは良かった……」 「どんな風にイジメてやろうかしら? まずはやっぱり足の裏からやるべきよね? いや……敢えてワキから責めて、最後に足の裏をやるっていうのもアリか……」 「あ、あ、あのぉ~~~?」 「……うん?」 「私への復讐の方も~~少しは頭に入れておいてくだされば……嬉しいのですけどぉ~~」 「…………………………(ジィ~~~ッ!)」 「うぅっ! なんちゃって……エヘヘ♥」 「こ~の、変態ゆかっちぃ! いいわ、お前へのお仕置きは今やってやるっ! そこになおれ! 手を挙げろっ!!」 「あ、あ~~れぇ~~~♥」 「この変態っっ! 変態マゾ由加里ぃぃ!! 覚悟しろぉ! コチョコチョコチョ~~!!」 「うきゃ~~~っ♥ はははははははははははははははははははは!! アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!」 そんなこんなでどうにか瑞穂先輩を明日のプレイへ招待する事に成功した私…… 先輩は私への復讐よりも綾先輩への復讐の方に興味を惹かれたようで、私としては少し残念な気持ちを持ってしまう結果とはなったが……明日のプレイで先輩が“責め側”としてのくすぐりプレイを気に入って貰えプレイへの参加もして貰えるようになればいくらでも復讐されるシチュでのプレイを受ける事も出来るだろう……と考えなおし気持ちを切り替えた。 先輩のくすぐりは綾先輩の様な大胆さも佳苗さんの様な妖艶さもお嬢様の様な繊細さも感じさせない……雑で粗野な手の動かし方をしているが、その乱雑なくすぐり方であるが故刺激の質が一定ではなくその時々で強くなったり弱くなったりして傾向が全く読めない。それ故他の先輩方とは違う野性的なくすぐったさを彼女の手からは感じられ笑いを引き出されていく。 この手で……明日は綾先輩をイジメるつもりなんだ…… 私は一足先に彼女のくすぐりを自身で感じながらも、明日拘束されて責められるであろう綾先輩を羨ましがりながら笑い悶えていった。 ……結局、この瑞穂先輩からの仕置きは私がお湯にのぼせる直前まで続き、私達の湯あみは私のギブアップ宣言をもって終了の運びとなった。 次の日の朝……瑞穂先輩は普通通り元気いっぱいの挨拶を私やメイド長に交わし、ご機嫌を体現するかのように鼻歌を零しながら珍しく真面目に雑務をこなしていった。 一見、普段の先輩と変わりない(いや、真面目に仕事をしているのは普段通りではないか?)と思える振る舞いだけど……テーブルの布巾掛けを行っていた綾先輩に掛けた一言を聞くに、やはり先輩が今日のプレイを誰よりも楽しみにしているのだと言う事を思い知らされる。 彼女は……淡々と仕事をこなそうとしている綾先輩に……このように声を掛けていた。 『今日は立場逆転らしいわね♥ 今夜は私が綾の事……死ぬほど笑わせてあげるから楽しみに待っていなさい?』 その言葉を聞いた瞬間の綾先輩は背筋を伸ばし拭いていた付近を胸元に両手で持ち身体を硬直させる仕草を見せた。 その時の顔は不安や恐れが入り混じる緊張した表情を浮かべたが、次の瑞穂先輩の言葉に顔を弛緩させ何やら期待に満ちてそうな笑みを彼女も浮かべ始めた。 『……今までされたお返し……たっぷりさせて貰うから♥ ちゃんと逃げずに……あの部屋に来るのよ? もし少しでも逃げようとしたり遅れるような事があれば……あんたの足裏……ぶっ壊れるまでくすぐってやるんだから!』 楽しみに自然と笑みが零れてしまう瑞穂先輩と、不安と期待が入り混じる微妙な笑みを浮かべる綾先輩…… 彼女達が顔を突き合わせる事になるであろう夜の22時…… その時間はあっという間に訪れ、私も瑞穂先輩の復讐劇を見届けようと“プレイ衣装”に身を包み自分の部屋を後にしたのだった。 鍵の開けられたあの秘密の扉…… そこから1階分の石階段を降りていくと現れる大袈裟な装飾の施した怪しい大扉……その扉を開け中へと足を踏み入れると、部屋の中には私と同じくプレイ衣装に身を包んだ佳苗さんと瑞穂先輩とお嬢様が何かを取り囲むように部屋の中央に集まっているのが見えた。 彼女達が取り囲んでいたものは他でもない…… 瑞穂先輩の腰ほどに高さのある“座椅子風の椅子”に座らされている綾先輩その人だった。 彼女の座っている……いや“座らされている”座椅子は勿論家庭にあるような普通の座椅子ではない。 これから行う“プレイ”をやり易くするために設計された特別な座椅子だ。 彼女はその座椅子に拘束され座らされている。 丁度その拘束が終わった所なのであろう……私が部屋へ入るなり取り囲んでいたお嬢様と佳苗さんがその輪から外れ、瑞穂先輩を残して私を迎え入れに来てくれた。 「待っていたわよ。丁度今……拘束を終えた所なの♥」 と、楽し気にお嬢様は私に状況を説明する。 「瑞穂さんったらもう待ちきれないって感じで、拘束中の綾さんの事……言葉でイジメ続けてたんですよぉ?」 続けて佳苗さんもそのように瑞穂先輩の様子を私に教えてくれた。 「由加里さんの誘い方が上手かったみたいね♥ 彼女……滅茶苦茶やる気出してくれちゃってるわ♪」 「一体どうやって誘ったのですかぁ? こんなにイキイキとした瑞穂さんを見るのは久しぶりですよ?」 彼女達の言葉に、私は首を横に振って言葉を紡ぐ。 「特別な事は言ってませんよ? ただ……瑞穂先輩がたまたま……復讐したいって前々から思っていただけだったようで……」 私の言葉にキョトンと顔を見合わせる二人……。その後見合ったまま笑みを浮かべた二人は…… 「だったら、今からの復讐プレイも……しっかり楽しめそうですね♪」 と佳苗さんが零し、 「二日も連続で復讐シチュが見れるなんて……これだからくすぐりはやめられないわ♥」 と、お嬢様も続けて感想を述べた。 私は二人の言葉に同意の頷きを返し、二人と共に特等席へと向かった。 瑞穂先輩と綾先輩が真横から間近で同時に見る事の出来る……復讐プレイを見るにはこれ以上ない特等席へ……。