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暴虐王女の国 後日談②

6:我慢の行方 ――コソっ♥ コソコソ♥  その刺激は同時に姉妹の無防備な足裏を襲った。  「ひぐっっっ!!? んくっっっ!!」 「はひぃぃぃぃぃっっ!! だ、だ、ダメっっッ!! 足になんか……当たってるぅぅぅぅふっっ!! っくっく……」  良くほぐされた筆の柔らかい先端が、枷とワイヤーによって限界まで反らされて拘束された足裏の土踏まずに触れ、そこをコチョコチョと優しく撫で上げている。  皮膚下の神経までもピンと緊張するように伸ばされた土踏まずにボソボソした毛先の触感が触れてなぞるように動かされると、緊張した神経が敏感に刺激を感じ取ってしまい異常にむず痒いこそばさを感じてしまう。 「うくっっ!! メルっッ!! 口を……閉じろっっッ!! 笑ってしまうぞ!!」  そのこそばゆさに思わず足を動かしたくなってしまう2人だが、拘束された足はその“こそぐったい刺激”から逃れる事は許されていない。  どんなに暴れたくなる様なこそばゆさを感じていてもその刺激を受け続けなくてはならない……。足指を動かす自由すらも奪われているのだから。 「はひっ! あひっっ!! む、む、無理!! も、もう無理っっっひ!! 姉さんっっっ!! わだじ、もう無理ぃぃぃぃ!!」  普段は窪んでいる形をしている土踏まずだが、枷から伸びたワイヤーが足の指を根元から引っ張り上げている為足裏全体を反らせるような体制を取らされている。その伸び切った土踏まずをきめ細かい毛をした筆の先端がジワジワと焦らす様に皮膚の表皮を上下に撫でると、ゾワゾワとした寒気と共に足裏の神経が不快感を感じてしまう。思いっきり掻いてしまいたいような痒みに似た、もどかしくてむず痒くて耐え難い刺激……。それを敢えて言語にするならば“くすぐったい”という言葉になる。  メルは足へのそういう刺激に弱かった。  特に足裏は自分で触ってもこそばゆいと感じてしまう程に敏感だった。  そんな彼女に容赦なく皇女の操る筆先が刺激を与え続けてくる。  思わず笑ってしまいたくなるような刺激を……。 「いいから口を塞げ!! 笑っちゃダメだ!! た、耐え……くふっ!? うくくくくくっっ!!」  「ほらほらぁ♥ 妹ちゃんの事ばっかり心配してたら自分が笑っちゃうわよ? マリリアに持たせてあるその筆は特別こそばゆくなる様に加工した筆なんだから♥」  確かに王女の言った通り、その筆は異常にこそばゆかった。  普通の筆のようにガサついていたり毛先が固かったりはしない……。毛先の1本1本がシルクで出来ているかのようなしなやかさを持ちつつも、しっかり触られている感触を感じられる程よい硬質感。それらの毛がまとまって束になっている為、先端の部分をコチョコチョと少し動かしてあげるだけで触られている感触がクリアな刺激を足裏が感じてしまう。柔らかいのに鋭い引っ掻き感を味わってしまうその筆は、王女の言った特殊な加工のおかげでこそばゆさを増している。  特にそういう刺激に弱いメルにこの刺激は到底耐えられるものではなかった。 「あひゃっ!! はひっっ!! む、むりだっでぇぇへへ!! あひひひ……ひひ……んくくくくくくくく!!」 「あらん? 妹ちゃん……今笑ってなかったかしら? 声が出てたような……」 「ひっ、ひぃぃ!! わ、わ、わ、笑ってましぇん!! 笑ってましぇんんっっふふっふふふふふ!!」 「そう? まぁ私は寛大だから、思いっきり笑ってしまうまではセーフとみなしてあげるけど……貴女、もう口が緩みっぱなしじゃない。大丈夫? そんなので……」 「だ、だ、だいじょぶぅぅぅふふ!! んはぁぁぁぁっっっ、そこやめてぇッッ!! こしょばいぃぃぃぃ!!」 「へぇ……土踏まずの少し上の方が妹ちゃんは弱いんだぁ~? それは良い事を知ったわ♥」 「はひぃ! はひぃぃ!! はひぃ、はひ、はひぃ!! も、もうやめでぐださいぃぃ!! くしゅぐったくて気が変になりそうっっっ!!」 「マリリア? 右の手に握ってる筆……もう少し上にあげてコショコショしてあげなさい♥」 「んえっっ!!? 何を言ってっッ!? ま、待っっっ!!」 「はぁ~~い♥」 ――ス~~ッ ――コショコショコショコショ♥  「んびゃあぁぁぁぁぁぁ!? しょ、しょ、しょこ! しょこはやめでぇぇぇぇぇぇひひっっ!! あぐぅぅぅぅぅぅふふふふっっっ!!! んくぅぅぅぅぅっぅうっぅうぅぅぅぅぅぅぅ!!」 「ムフフ♥ 今のは笑ったのかしら? 叫んだようにも聞こえたけど……」 「わ、わ、笑っでまぜんんんっっ!! 笑っでぇぇへへへへ、ませ……んっっふふふふふふ!!」 「そう? じゃあ……そういう事にしといてあげましょうね? ウフフ♥」 「はひぃぃぃぃぃっっ!! もうヤだっっッ!! もうヤだぁぁぁぁ!! んくっふっふっふっふっふっふっふ、くひぃぃぃぃぃぃぃぃっっっ!!」  メルの足裏……母指球と小指球の間に出来た谷間をなぞるように柔らかい筆先が上下に往復する。  土踏まずの上部からその谷間をなぞられるこそばゆさは土踏まずの中央をなぞられるよりも遥かにむず痒く笑わずにはいられない刺激だ。しかしメルは我慢しなくてはならない……。どんなに筆の刺激がくすぐったくても笑ってはいけない。笑えば更なる地獄を味わうことになるのが目に見えているのだから。 「んくっっっっふ! メルっっ、が、我慢だ! 笑っちゃいけない……がま……んくひっっっ!? はひひひひっっ!!」  皇女の利き手は右手であるが故メルの足裏はその利き手に握られた筆によって繊細に責め抜かれている。一方エリィの足裏は利き手でない左手に握られた筆にて責められている為動きが利き手程繊細ではない。どちらかと言うと乱暴で粗暴で雑な動きで筆を操っている。  だからと言ってこそばゆさを感じないわけではない。むしろ利き手よりもどう移動するか分からない予測不能な動きと、予想だに出来ない筆の当たりの強さに逆に翻弄されてしまう。  丁寧でない雑なくすぐりに姉のエリィも気の抜けない緊張した我慢を強いられている。 「メルさんの足がモゾモゾしちゃってるの見るの楽しぃ~~♥ もっとコチョコチョしてあげるからいっぱいモゾモゾしてね?」   メルの足がどうにかしてくすぐりから逃げようと引っ込めようとしたり様々な方向に動かそうとしたりしようとするが、枷と足指に巻き付いたワイヤーのせいでほとんど動きが封じられしまっている。その嫌がる様に小さな抵抗をする足裏を見てマリリアは余計に喜んでしまっている。自分のくすぐりに反応が返ってきているという嬉しさは、彼女の好奇心を大きく惹きつけ……そしてもっとその動きを見たいと責めを強くさせる。  小さな範囲を優しく撫でていた筆を横や縦に大きく広げ母指球や小指球を直接触ったり、足指の付け根をコチョコチョしたりと責めにバリエーションを追加していく。 「あぎぃぃぃぃぃぃひぃぃぃぃぃっっ!!? や、や、やらぁぁぁぁぁっっっはひっっひっひっひっひっひっひっひっっ!! 足指ぃぃぃぃぃひひひ、こしょばいぃぃぃ!! こしょばいからダメぇぇぇぇぇぇぇ!! んぐぅぅぅぅぅぅぅぅっっくっくっくっくっくっくっくっくくくくくくくくくくくく!!」  その中でも、反らされる様に引っ張られ自由を失った足指の付け根はメルに多大なるむず痒さを与えてしまう。  足の指と指の間の敏感な神経を柔らかな筆先がコチョコチョと撫で回す刺激は足裏が弱いメルにとって地獄以外の何ものでもない。痒くて堪らないけれどそれを我慢させられているかのような、そんなこそばゆさに責められメルは我も忘れんばかりに頭を横に振り乱し必死に笑いだけは吐かないようにと口を噤む。  「あは♥ ココが良いんだね? だったら……しゅーちゅーこーげきしてあげる♥」  1本の筆にさえ耐え難いこそばゆさを受けていたのに、皇女の気紛れな悪戯心はメルに更なる残酷な仕打ちを与え始める。  姉をくすぐっていた左手の筆も右手に合流させ、事もあろうに2本の筆を使ってメルの足指をイジメ始めたのだ。 「ぎゃひぃぃぃぃぃぃぃぃっっっっっ!!? に、に、二本っっっふふふふふふふ!!? にゃんで二本っっっふふふふふふふふふふ!! ず、ずるいぃぃぃぃひひひひひひひ!! ずるいよぉぉぉっっっっっ!!」 「あらあら、お姉ちゃんとの勝負だって言ったのにマリリアったら……その欲望に忠実なトコ、誰に似たのかしら? まぁ、いいわ……足裏があんまり効かないお姉さんと足裏が弱い妹ちゃんじゃハンデがあった様なものだし……。貴女達? お姉さんの方をイジメて差し上げなさい♥」  妹と姉の笑い我慢勝負だと言うのに姉の足裏から妹の足裏を集中攻撃始めたマリリアを王女は諭そうともせず、逆に新たな責めを姉に加える合図を送る王女。  その合図を受け取ったメイド達はコクリとそれぞれ頷いて拘束された姉の胸横や顔の横、足の下等に陣を取り手をワキワキと動かし始める。 「ちょっっっ!! ま、待て!! それはルール違反だろっ!! 皇女のくすぐりに耐えればよかったんじゃなかったのかっ!!」  目の前に見せつけるように迫るメイド達の無数のワキワキした指達……。その動きにゾクリと寒気を走らせたエリィは必死に王女へ抗議する。ルール違反だ……と。 「だってぇ♥ マリリアったら妹ちゃんをイジメたくてしょうがないみたいなんですもん♥ そうなったら勝負も何もあったもんじゃなくなっちゃうじゃない? だからコッチは、メイド達のコチョコチョに耐えて貰わないと……釣り合わないんですもの♥」 「い、今すぐこんな勝負は中止だっッ!! 皇女がルールを守れないんじゃ公正な勝負じゃなくなるだろっ!!」 「勝負は続行よ♥ ほら貴女達? この無駄に抗議するお姉さんの口……閉じさせちゃいなさい♥」  王女の命令にまたもメイド達は無言の頷きをして、構えていた手をそのまま自分達が割り振られた担当の“箇所”へと移動させ始める。  ある者は首筋に……ある者は袖から伸びた腋に……そしてまたある者は脇腹や足の裏に……。  それぞれの所定の位置へと手を這わせ王女の最後の合図を待つ。 「ま、ま、待て!! そんなのズルいぞ!! や、やめろ!! やめ――」 「ヤっておあげなさい♥」  エリィの必死の抗議に挟む様に王女はメイド達に開始の合図を送る。それを聞くや否やエリィを取り囲む様に立っていたメイド達は一斉にそれぞれの担当部位を指先でサワサワとまさぐり始める。 ――コ……チョ、コ……チョ、コ……チョ、コ……チョ……♥ 「うぶっっっっ!!? くひゃっっっっ!! んぐぅぅぅくくくくくくくくくく、ひぐっっっっっ!!」  それは筆にも勝るとも劣らない絶妙なタッチでエリィの敏感な神経を刺激した。  指先の爪の先端で皮膚に触るか触らないか……でも少し触れているという具合に優しく当て、ゆっくり……本当にゆっくりな動きで焦らす様にくすぐっていく。  足の裏は土踏まずを、ワキなら腋の窪みを、脇腹なら括れを、首なら首筋を……。  それぞれの部位を恐ろしく薄いタッチでこそばしていくその刺激に、エリィは全身に電気が走る様な痺れるこそばゆさを感じてしまう。 「んびゃぁあぁぁぁぁぁっっっ!! お、お前だぢぃぃぃぃひひ!! その触り方は反則だろっっっふふふふふ!! や、やめっっっっへへへへ!! んぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっッ!!!」  晒された足裏をゾワリと撫で上げる気色悪さと、剥き出しのワキをツツツと撫で上げるどうしようもないこそば痒さ!  脇腹の筋をなぞり上げる爪の感触も引きつる様な笑いを生み出し、全身に鳥肌が立ちそうな首筋のなぞり上げも耐え難い!  メイド達はエリィの必死に暴れようとする姿を無慈悲な表情で見下ろしながら淡々と彼女の身体に耐えがたいこそばゆさを与えていく。  伸び切った腋も、隠せない足裏も、引っ込められない首筋も、服の間からはみ出した脇腹も……指先の刺激をダイレクトに受けてしまう箇所全てをメイド達がいやらしい手つきで触り放題触ってくる。  この刺激はエリィには辛い。特に笑ってはいけないという条件が付けられている為尚更苦しい。  笑わされる事がどれ程自分を苦しめるのかは分かり切っているけれど、笑いを我慢させられるという今の状況も恐ろしく苦しい。  くすぐったいのに笑ってはいけない……自分の意思でくすぐりの責めに耐えなくてはならないというのは、刺激に対する反射を無理やり抑えている感覚と同じで、自然の摂理に逆らわなくてはならないため笑うよりも余計に体力や忍耐を消費してしまう。  そもそも、可笑しくもないのにくすぐりによって無理やり笑わされるというのも自然の摂理に反しているというのに、更にその強制的な笑いすらも我慢しろと女王は言う。  この理不尽極まりない王女の条件にエリィもメルも必死に笑いたい欲求を堪えながら我慢する事しか出来ない。  両者ともに笑ってはいけない理由が出来てしまったのだから。 「ね、姉さんっっふふふふふ!! も、もう笑ってっっ!! 私の為にも……笑ってよぉぉふふふふふふふ!! お願いぃぃぃぃっっひひひひ!!」  皇女のいやらしくコチョコチョする筆の刺激に必死に笑いを堪えようと頑張るメルだが、どうしても発した言葉の端々に我慢しきれなかった笑いが付随し漏れてしまう。見る人によれば完全に『笑っている』と判断されて然るべきなのだろうが、意地悪な王女はそれを『笑った』とは認めず、勝負の続行を強引に進めている。  メル的にはその判断に助けられているのであるが、笑いたいのに我慢しなくてはならない苦悶を続けなくてはならないというストレスも同時に溜まる為辛い事には変わりない。 「あひぃぃぃぃっっ!! はひ、はひ、はひひひひひ……んくぅぅぅぅぅぅぅぅふふふふふ!! だ、だ、ダメだぁぁ、我慢っっふふふふふ! 我慢するんだぁぁっっふふふふふ! んぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっひ……ひひっ……ひっひっ……くひっひっひっひ……」  それは姉のエリィも同様だった。  同志たちの命が天秤にかけられたこの勝負……絶対に負けられない。しかし負けられない戦いである事を意識すればするほど腋や足裏を優しく撫で回すメイド達の手つきが余計にこそばゆく感じてしまう。  我慢しなくてはならないと律そうとすればするほど腹の底から可笑しさが込み上げてきてしまう。  ワキが……足裏が……首筋が……脇腹が……ゾワゾワ、ゾワゾワとむず痒くてこそばゆい! 身体中を柔らかな鳥羽根で一斉になぞられている様なじれったいこそばゆさ。  我慢ならない……我慢できない刺激だけど、エリィは必死に我慢する。開きそうになる唇を何度も噛みしめて、少しでも気を逸らそうと頭を横に振りながら……。 「お、お、、おでがいぃぃぃひひひひひひ、も、もう笑っちゃうっっふふふふふふ!! 我慢なんて出来っこないよぉぉぉぉぉぉ!! 助けてぇぇへへへへへへへ、皇女様ぁ! もう、くすぐらないでぇぇぇぇぇ!!」  皇女にも負けず劣らず幼い雰囲気を残したメルの可愛らしい顔がこそばゆい足裏への刺激に負け、ぎこちない笑顔を強制的に作らされる。唇は波立つ様な形をしながらも緩いV字を描き、目も涙を溜めながら目尻を垂れさせていてすでに笑ってしまっているかのような顔を作ってしまっている。  逃げ出す事の出来ない足裏を好き勝手にコチョコチョと筆先を這わせる皇女のくすぐり責めにメルはもう抗えない。  緩んだ口元から笑いが吹き出してしまうのを止める事が出来ない。 「マリリア? 妹ちゃん……もう限界みたいだから、トドメを刺してあげなさい♥」 「うん? ママ……? トドメって?」 「ほら……貴女ってば……右足ばっかりコチョコチョしてたじゃない?」 「うん。しゅーちゅーこちょこちょの刑だよ?」 「だったら、まだ刺激されてない左足は……とっても刺激に弱くなっている筈よ♥」 「えぇ? そうなのぉ?」 「そうよ♥ だって、ずっとお預け状態を喰らっているのと同じですもの。刺激を想像しまくってて……もう風を吹き付けるだけでもこそばく感じると思うわ♥」 「ふぅ~~ん、よく分かんないけど……ママがそういうんなら、言う通りしてみよ~っと♥」  楽し気に無邪気な笑顔を見せるマリリアは、母親に促されるままに右足から筆をゆっくりと引き揚げさせる。そしてそのまま隣で刺激されるのを待っているかのようにピクピクと小刻みに震えている無防備な左足の裏へとその筆たちを移動させた。 「こ、こ、こ、皇女様?? や、やだ! やめて下さいぃぃぃ!! そっちの足は……今触られるのは……マズいですぅぅ!! 皇女様、聞いてます? 皇女様ぁぁぁぁ!!」  親子の会話を聞いていたメルは、これから刺激される箇所も分かっている為焦りは頂点に達していた。  “くすぐられる”と分かり意識してしまったが最後、左の足裏に意識が集中してしまい触られてもいないのに想像だけでムズムズとジッとしていられない程のむず痒さを感じ始める。  こんな状態で本当にあの筆が這い回ったら……。その想像をするだけで身体の芯がどうしようもなく寒気を感じ震え、意識した足裏は触られるという刺激にとても敏感になってしまっている事に自分でも気づいてしまう。  だから懇願する。  自分の限界を悟っているから……必死に……。 「アハ♥ 可愛い♥ メルさんの左の足の指がジタバタしてるぅ♥♥」 「こ、皇女様っっ!! ダメですよ? 絶対触っちゃ……ダメですから!! ダメですからねっ!!」 「えぇ~~どうしよっかなぁ~~♥ あたし、メルさんのこと好きだし~~メルさんが嫌がる事はしたくないからなぁ~~」 「お、お、お、お願いしますっっ!! や、やるなら……姉さんの方をやってくださいっッ!!」 「んぎっっっひひ……んくくくっっ! め、メル!? 何を言って……んくっっ!!」 「わ、私じゃなくて……姉さんを笑わせてやってくださいっ!! も、もう……私は無理ですぅぅ!!」 「め、メル!! お前ふざけたことを言うなっッ!! 2人で我慢しようって言ってるじゃ……んひゃくっっっ!!?」 「姉さん……許して! 私……もう耐えられない! 笑いたくないのっっ!! 苦しいのっっ!!」 「お、お前と言うやつは……うくっ! そんな我儘を……んくっっっっっ!! くひっっっひっひっひっひ……んぐぅぅぅぅ!!」 「あらあら? 妹ちゃんったら……自分が助かりたいからお姉さんの事売っちゃうわけ? イケナイ娘ねぇ……」 「お願いれすぅぅ!! 怖いのも苦しいのも嫌なんですぅぅ!! だから私は助けてくださいっっ!! 私だけは……」 「マリリア? こんな不誠実な妹ちゃんの事……どう思う? 仲間や姉の事よりも自分が助かりたいって考えてる妹ちゃんだけど……」 「う~~ん なんかズルいね♥」 「こ、皇女様ぁぁ??」 「そうよね? ズルいわよね? だったら……そんなズルイ妹ちゃんの事……これからどうしたらいいか、分かるわよね?」 「…………うん♥ お仕置きだね?」 「クフフ♥ さすが我が娘……ちゃんと分かってるじゃない♥」 「こ、皇女様? 嘘ですよね? や、やめて……下さい……」 「悪い子にはお仕置きするの♥ 悪い子にはコチョコチョのお仕置き~~♪」 「や、や、やめて!! だめ!! 左は……だめ……」 「お仕置き♥ お仕置き~~♥ んっふっふっふ~~♪」  皇女の2本の筆がメルの左の足裏にゆっくりと近づいてくる。  くすぐりの素振りをするかのように空中で上下に筆先を揺らしながらゆっくりと……。 「ひ、ひぃぃぃ! やめて下さいっッ!! 皇女様? マリリア皇女様ぁぁぁ!!」  メルは声を上ずらせて必死に皇女の名前を叫ぶ。しかし、その叫びは当の本人にはもう届いていない。  皇女の視界には足の裏しか映っていない……。  足指を引っ張られ自由を奪われていながらも必死に嫌がる様に足先をジタバタさせる……哀れな妹の足裏だけを……。 「フフフ♥ 折角だからお姉ちゃんの方もトドメを刺しちゃいましょうかね♥」  王女はその様子を見て不敵に笑みを零し、メイド達に向け軽く右手を構えて見せる。  そして……。 「貴女達? そろそろ焦らしプレイはお仕舞にしてあげなさい。ここからは本気でいくの♥ こんな風にしっかり指をくねらせてお姉さんを笑わせてしまいなさい♥」  構えた右手を空中でコチョコチョと動かしてメイド達に手本を見せる王女。  それを見たメイド達は無言で頷き、次の瞬間からその手の動きを真似るように責め方を変え始めた。 「ぶふっっっ!! ぐひっっっっひひ!!? ひゃ、ひゃめっっっふふ!! んくぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっぅ!!!!」  コチョコチョと音を立てて身体中の敏感な神経をまさぐり始めたメイド達の攻撃に、エリィは思わず息を止め膨らませていた頬から呼気を零してしまう。  しかし、笑ってはいけないとすぐに息を吸い込んでまた口を閉じようとするが、彼女達の手つきがどうにも我慢ならない笑いを誘いそれを邪魔してしまう。  気が付けば口を閉じれなくなり、痙攣するような笑いを小刻みに零すようになっていた。 「あひっっ! っひっひっひ! はひっ、はひっ、はひっっっひひ!! んぎっっひひ!! へひひひひひ……ひひ……」  晒されたワキの窪みを指先が踊る様にコチョコチョ……。  上着と下着との間に出来た衣類の隙間から露出した脇腹を揉み込む様にムニムニ……。  服の中に手を突っ込んで胸の横付近にある部位を指先でコリコリ……。  長いロングスカートにも下から手を突っ込んで太腿や内太腿を爪の先でカリカリ……。  妹同様しっかりと指まで反らされる様に拘束されている足裏に手を縦横無尽に這わせコショコショ……コショコショ……。  首筋も腹も顔も膝も膝裏も……ありとあらゆる敏感な箇所をメイド達は本気で責め始める。  その笑いたくなる衝動を極限まで高めるくすぐり責めにエリィはすぐに我慢の限界を迎えてしまう。 「んぎぃぃぃぃぃぃひひひひ!! や、や、やめっっっへへへへへへ!! んくぅぅぅぅぅぅ!! ぐひっっっひひ……ひひひひ……はひひひ……んくくくくくくくく!! んむううぅぅぅぅぅぅ!!」  限界ではあったがそれでもエリィは仲間の顔を頭に思い浮かべ必死に笑いを堪えようと口を閉じる。  自分が笑ってしまえば仲間の命が消されてしまうという言葉を何度も心の中で連呼して、必死に耐えようとする。 「ぎひっっっ!! ひひっっ、くひっっっ!! むぐぅぅぅぅっっっふふ……んくふふ!! くふふふ……ふふ……」  目には我慢の涙を滲ませ、唇は歯形が付く位に噛みしめ、緩みゆく表情筋をどうにか笑いの形にさせまいと気力を振り絞る。  しかしメイド達のくすぐりは時間を追うごとにその強さを増していった。  いや、メイド達がくすぐりを更に強めた訳ではない。くすぐったい刺激を連続で受ける内にその部位の感度が勝手に上がってしまいよりくすぐったさを感じるようになってしまっただけだった。  皮膚の神経はそのこそばゆい刺激を予測してしまい、その刺激に抗おうと構えてしまう。しかし抗える刺激ではない為無駄に意識してしまい感度だけが上がってしまう。そしてその感度の上がった箇所を再びくすぐられれば、更に警戒を強めより意識してしまうことになる。  くすぐられるだけで意思とは関係なく皮膚の感度は上がっていく。望んでもいないのに腋や足裏といったこそばゆさを嫌でも感じてしまう部位は、神経が剥き出しになっているかのごとく敏感になり果てていく。  そんなこそばゆさの負の連鎖に、エリィが抗えるはずもない。  そして……妹のエルも……。 「はぎっっっ!!? いぎぃぃぃぃぃぃぃぃっっっっ!!? だ、だ、ダメだったらぁ!! 皇女様ぁ? ダメッッ!! 触っちゃダメぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」  マリリアの操る2本の筆が、刺激を焦らされ続けた左の足裏へついに到着してしまう。  左手に握られた筆は土踏まずの下側部分にコソッと毛先が触れさせ……もう1本は指の付け根付近を横に掃く様にシュッシュッと動かし刺激を開始する。  今まで無刺激だった左の足裏に突然襲い始めたそれらの刺激に、メルは目を見開いて口を大きく開いて悲鳴を上げさせられる。 ――コソコソコソコソコソコソ♥  土踏まずの敏感な神経をなぞるように筆先がチョロチョロといやらしく刺激する。  決して大きい動きではないが、同じ箇所に留まらずメルがくすぐったさを感じるであろう箇所を順番に筆先の僅かな動きでこそぐっていく。 ――サワサワサワ♥ シュッシュッシュッ! サワサワサワ♥  足指の付け根付近は、母指球の膨らみや小指球との間に出来た溝のような谷間に毛先を滑らせて、箒で埃を掃く様な動きを見せながら意地悪く刺激を繰り返す。  指の間の堪らなく敏感な神経を逆撫でするようにコチョコチョとくすぐるその筆先の刺激に、メルは声にならない悲鳴を涎が垂れ放題になった口元から零している。 「あぎぃぃぃぃぃっっっ!! む、むりぃぃぃぃひひひひひひひひ!! も、も、も、もう無理!! もう無理ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっ!! んぎひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっっ!!!」  笑ってはいけない――    この単純なルールの拷問に、2人は極限まで苦しめられている。  自分が笑えば自分以外の誰かの命が失われてしまう……。  笑ってしまえば丸々1日中笑い狂わせ責めの刑を受ける事になってしまう……。  それぞれ突き付けられた条件は違えど、我慢を強いられる理由としては十分過ぎる程だ。  笑いを我慢しなくては……。  2人はその一心で込み上げてくる笑いの衝動を殺してしまおうと奮起する。  しかし、不自由な身体を好き放題にくすぐられて……その笑いを殺す事は不可能だった。    笑ってはいけないと何度も心の中で唱えるように自分に言い聞かせても、条件反射のように込み上げてくる笑いを我慢する事など彼女達には無理だった。    笑ってはいけないのに……笑いたいと思っていないのに……くすぐりはそんな彼女達を無理やり笑わせようとする。  たかが肌の一部をなぞられているだけなのに……。  少し敏感な箇所をまさぐられているだけなのに……。  その刺激は彼女達の我慢を簡単に崩壊させてしまう。  くすぐりとは……そういう刺激なのだから。


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