土曜日。
奇妙な音がしているのを感じ、男が起床したのは時計の針が午前十時を回った頃だった。
半開きの目で周りを確認すると男の部屋に本来あるはずのない女性物の制服が真っ先に視界に入り、昨日の出来事が脳裏に蘇る。
着替え途中だった三玖は、下半身だけがショーツとタイツに隠されており、上半身は透き通った肌が露出したままだった。対して男の格好は、就寝前から何一つ変わっていない全裸のまま。
それに加え、起床直後の生理現象が、男の分身とも言える存在を強張らせていた。
「あ、起きた」
「う……おはよ……ございやす」
「おはよう。起きるの遅い、もう十時になっちゃった」
「あぁ……でも……寝たのだって三時くらい……だったろ? 普通だよ普通」
「まだ眠そう、もしかして朝弱いの?」
「……ん」
男の目線からは、三玖の背中しか確認することができない。だが中途半端な格好のまま、三玖は着替えを進めている様子もない。
先程から不明瞭に聞こえていた音が、徐々にはっきりと耳に入り、ぐちゃぐちゃと液体が擦れているような音として聞き取れたのはほんの数秒後のことだった。
「……何してんだ?」
「気にしなくて良い。今日は折角休みなんだからゆっくりしよ」
「あぁ……そうだな」
男は未だ頭が目覚めていない状態でなんとか上半身を起こし、ベッドに腰掛けた。
すぐに閉じてしまう目を何度も強引に開け、起床するために睡魔と戦う。勃起したままの無防備な男性器も、ぐっと伸びをしたように天井に向かって逆立っており、男の全身が徐々に覚醒し始めていた。
目を閉じて力を込めるとまた沈んでしまいそうな意識を何度も押し上げていると、横に座った三玖が男の乳首を指先で軽く弾いた。
「なんで乳首固くなってるの?」
「ん……なんでだろ……」
普段であれば過敏に反応してしまう乳首への愛撫も、起床したばかりで全身の感覚が未だにはっきりしていない状態では鮮明に感じることはできず、男の返答にも覇気がない。
だが何度も三玖の細指に触られているうちに、男は徐々に普段どおりの快感を取り戻していった。
「それにおちん◯んも……男の人って、本当に朝からこんなに大きくなるんだ」
「あぁ……毎朝なってるよ……」
「苦しい?」
「まぁ平気だよ、すぐ収まるから」
「もっと早く直す方法がある」
「え?」
三玖の手に握られていた桃色の筒は、男性器へ快楽を与えるためだけの玩具だ。
「お前……ぁ、あっ」
ぐちゃぐちゃと音を立てていた玩具―オナホールには、たっぷりとローションが注入されており、剛直した男根をねっとりと飲み込んだ。
「こんなの持ってたんだ、えっちだね」
「勝手に、そんなの持ち出してんじゃ……あ、あッ!」
「中が見えて面白い、入ってるときってこんなふうになってるんだ……。普段から使ってるの?」
「ん、んっ……! つ、使ってるっていうか……まぁ、えっと……」
「なに? 恥ずかしいの?」
男が一人で楽しむために購入したはずのオナホールを、今は三玖が握っている。
使い慣れた感触のはずなのに、それが異性に使われているというだけで、普段とは全く違う興奮と恥じらいが濁流のように押し寄せてくる。
もっとも、最近では中野家の同級生たちと連日のように性的行為に及んでいたために使用することはなかった。
「最近はその……使ってないよ」
「ふーん、男子ってこんなのが良いんだ? 玩具で満足しちゃうの?」
三玖はオナホールを握った手を上下に動かし、もう片方の手で男の乳首を何度も小刻みに弄り始めた。
「ぁ、あ……っ」
◇
精液をたっぷりと回収したオナホールが抜き取られ、男は文字通り骨抜きにされてしまったようにベッドに倒れ込んだ。
跳ねる身体が落ち着くまでにそう時間は掛からなかったが、跨った三玖が体重を容赦なく男に乗せたことによって男は悲鳴にも似た声を上げた。
「待ってくれ……ちょっと、今は……」
「だめ」
タイツだけを着用している三玖の姿はひどくアンバランスだったが、精液とローションでぐっちょりと覆われた肉棒を押し潰すタイツの感触はあまりにも危険。腰を回転させ、股間をぐりぐりと陰茎に擦り付ける三玖は悪戯な瞳で男をまっすぐ見つめている。
「気持ち良い?」
「あ、やば……それ……!」
「もっといいことしてあげるね?」
存分に男の表情を満喫した三玖は自らのタイツに手をかけ、ぐっちょりと濡れた股間部分をびりっと引き裂いた。
「三玖……何をっ」
「この方が早い」
精液かローションか、それとも三玖の愛液によるものなのかは不明だが、湿ったクロッチ部分を指に引っ掛けて横にずらし、女性器を露出させた三玖が男性器を優しく持ち上げる。
「比べたい?」
「はぁ、はぁ、……えっ?」
「この玩具と、私のナカ……、どっちが気持ち良いか気にならないの?」
「それはその……気にはなるけどさ……」
「だったらちゃんと言って? あなたの口から聞きたいな」
「……でも、良いのか?」
「早く」
既に鈴口が三玖の陰唇に押し付けられ、あと数センチ腰を浮かせれば入ってしまう距離にある。
「……れたい」
「聞こえない」
「い、挿れたい。三玖の……まん◯に……」
「ちゃんと言えたね?」
少しずつ、ゆっくり腰を下ろし、苦痛に耐えつつも男を見つめて微笑む三玖の顔。
僅かに亀頭が何かに当たり―
「入ったね?」
三玖の秘窟は初めて、男の愛棒を根本まで迎え入れた。
【Side:S 三女-ゴブンノイチ- つづく】
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次回:2/13(日)18:00公開予定
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2022-02-17 14:03:29 +0000 UTC