自分が今どれほどいやらしい顔をしているのか、五月は全く考えていなかった。
身体の奥が熱を持ち始めたように疼き、垂れた目で男に上目遣いを送る。
(男性の乳首……とても小さいのですね……)
固くなった男の乳首を舌で転がしながら、手のひらの中で震える肉棒をしっかりと握って離さない。
唾液を含ませながら唇で感触を味わい、時折吸い付きながら男の反応を確かめる。
男の表情は五月にとって初めて見る光景であり、この状態が苦しいのか、それとも興奮故に顔を歪めているのか、彼女には判断ができなかった。
「気持ちいいですか?」
「ぁ……ぅ……っ」
必死に声を我慢している男は、返答できない。射精直後の愛撫はまさに毒薬。息が乱れて苦しいのは確かなのだが、乳首を舐められるたびに口から零れ落ちそうになる甘い吐息を堪えなくては、男としての外聞を保つことができない。
幸いにも五月は男の扱いに慣れていない様子で、陰茎は刺激されておらずに握られたまま。
このまま五月が満足するまで耐え抜けば、惨めに射精を繰り返すこともないかもしれない。
二乃だけでなく五月にまで、姉妹にこんなことをされるなど男は全く予想していなかった。
「なぜ何も言ってくれないのですか、んっ、んっ」
ちゅうちゅうと乳首に吸い付かれ、羞恥心がこみ上げてくる。
「もう……これ以上は……あっ」
「きちんと言ってくれないと分かりませんっ、正直に言ってくださいっ」
頑なに"気持ち良い”と言わないことを考えると、自分の愛撫が不器用なのかもしれないと五月は思った。
昔から姉妹や友達に融通が利かないと言われて育った彼女自身にも、その自覚はある。まして一度も行った経験のない男性への愛撫だ。要領が悪くても当然だと言える。
しかし、五月はふと気がついた。
右手で握っている肉棒は太く猛々しく脈打ったまま、小さくなる気配など微塵もない。つまるところ、男が興奮状態にあるのは間違いないのだ。
一見苦しそうに見える男の表情も、射精しないように堪えているのだとすれば納得がいく。
まして乳首だけで射精してしまうような男だ、人並み以上に敏感なのだろうということは五月にも予想ができる。
ならば、乳首と同時に責めたらどうなるだろうか。
「……あなたがそのつもりなら、私にも考えがありますっ」
言って、不敵に笑った五月がついに右手を上下に動かし始めた。
「ぅ……ぉっ……!」
乳首と肉棒の、同時愛撫。
多少不慣れに感じられる手の感触が、男にとっては心地良い。
力を入れすぎないように気にしているのか、握る力は弱すぎたり強かったりと、その強弱が男の感覚を敏感に火照らせていった。
「これなら……我慢できないんじゃないですか?」
「こんなの続けられたら……俺……っ」
◇
間髪入れずに行われた二度目の愛撫。五月の柔らかな手によって、男は射精へと導かれた。
今度は乳首を弄っていただけで出てしまった、事故に近い射精ではなく、男性器への愛撫を行って導いた結果。
五月はしばらく呆然と男性器を見つめ、先端からとぷとぷと零れる精液に思考を奪われていた。
「すごいです……二回目でも……まだこんなに出るのですね……」
気を失ってもおかしくない連続射精に、男は呼吸を整えるだけで精一杯だった。
「五月……もう……」
なんとか出した言葉にも力が入っておらず、その様子がまた五月を興奮させる。
「なんだか……熱いです……」
気がつけば自分自身も汗だくになっており、ブラウスが肌にくっついて不快に湿る。ぐっと堪え続けている内股からは愛液が滴り、五月も自分を抑えることができないでいたのだ。
カーディガンを捲りあげてブラウスのボタンを外し、ブラジャーを取り払って胸を露わにする。
「なに……して……」
「あなたのせいで……胸が熱くなってしまいました……」
精液を吐き出した肉棒を自らの乳首に押し付けて、五月は顔を歪める。
未だ勃起したままの男性器を胸にこすりつけるなど、無論彼女にとっては初めての体験。
今まで知識でしか知らなかった行為をすることができる。
「もう少し、付き合ってください」
五月は乳房を引き寄せて、男の肉棒をゆっくりと挟み込んだ。
【Side:S 五女-ゴブンノイチ- つづく】
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次回:10/3(日)(五月編は一週お休みです。)
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