日々の修行は、多岐にわたる。
剣術、体術、魔術、そして全ての基本である体力や精神力を鍛え上げるため、マスターは努力を惜しまない。
「マスター、少しお疲れではありませんか?」
そんな彼の様子を見兼ねて声をかけたのは、ブリテンの王、伝説の騎士王とまで言われた『アーサー・ペンドラゴン』である。
「あ、あぁ。セイバーか、少し休めば……平気だ……」
肩で息をするマスターは、傍から見ても『平気』という状態からは程遠い。無論、このような努力の果てに成功があるというのなら、彼自身多少の無理は容認できる。
「そうは言いますが……鍛錬のし過ぎではないでしょうか。あまり無理を重ねると、身につくものも身につきませんよ」
「分かってるよ、アルトリア……っと」
アルトリアというのはセイバーの真名。普段は本人たっての希望で、クラスである『セイバー』を呼び名としているが、ふとした時に名前で呼んでしまうことがある。本人は特別嫌がっているわけではないので、彼女の希望であれば尊重したいのも山々ではあるが、信頼しているサーヴァントをクラスで呼ぶというのも何やら距離を感じ、マスターとしては真名で呼びたいというのが本心だ。
「いいですよ……今は他のサーヴァントも居ないですし、二人きりの時は、アルトリアと呼んでください」
「そ、そうか」
アルトリアの頬が、少しだけ赤くなったように見えたのは気の所為だろうか。そして、小さく目を逸らしたように見えたのも。
「どうぞ。この時代には便利な飲料水があるのですね、塩分も同時に取れるというのにこの爽やかな味、よく出来ている」
マスターはアルトリアよりスポーツドリンクを受け取り、訓練によって失われた水分を補給する。
「はぁ……ありがとな」
「……ごほん」
小さく咳払いをしたアルトリアは、数秒何かを迷ったように周囲を見渡し、ゆっくりと言葉を発した。
「あの……マスター。噂を少し聞いたのですが、他のサーヴァントと仲睦まじく……その……魔力供給を行っているというのは……本当ですか?」
「!?!?!?」
勢いよく飲みかけの水分が口から飛び出し、摂取されるはずだった栄養が空気中へと霧散する。
「は、はぁっ!?!?」
魔力供給というのは、彼らにとって隠語の一種となりかけている。強い共感状態になり、そして精を直接体内へと取り込み糧とする行為。
していないなどという嘘はこの場においては全くの無意味。マスターは数瞬の間悩み、直ぐに言葉を口にした。
「えー……っと、それは……まぁ……たま……に?」
「どうして口篭るのです」
「いや……そんなこと聞かれたら、なんて言うか……返答に困るだろ」
「それは、そう……ですね。失礼なことを聞きました」
冷静に見えるアルトリアは、どことなくいつもより照れているようにも思える。
「……私では、不足ということでしょうか」
「アルトリア?」
「そうですよね……このように筋肉のついた身体は、男性にとっては見苦しいでしょう……」
少女のようにも見えるが、騎士王の名に恥じない洗練された肉体が、服の下に隠れている。幾度か入浴のタイミングが重なってしまい、事故的に見てしまったことはあるが、もちろん部分的なものだ。
「そんなことはない。アルトリアは……綺麗だ」
熟れた桃のように紅潮する姿はただただ、美しい。
だが、今の彼女が何を考えているのか、マスターは未だ図れずにいた。
「……実は最近、思うように身体が動かないのです」
「それって」
「こう……思考に靄が掛かったというか、何かが引っかかり鈍ってしまうというか……。これがもしも魔力不足によるものだとしたら……その……」
「……皆まで言うな…………」
これだけ言われて、さすがに気が付かないはずがない。
マスターの脳内は、早くも熱を帯びて鼓動を一段階早く動かしている。
「分かった。でも……いいのか?」
「……はい。王として、他のサーヴァント達が行っていることが私だけ出来ないという状態も許容できません。さらに、魔力を補給することでこの不安にも似た気持ちが払拭できるのであれば、それこそ……ありがたいです」
自分で言ったことの意味を噛み締めるようにして、アルトリアは一度大きく息を吐く。
「私が言い出したことです。お疲れの中無茶なお願いだということは理解していますので……勿論……私がその……できる限り先導したいと思います……」
その申し出を断るほど、マスターも無粋ではない。
「……あぁ」
それだけ返答して、二人はマスターの自室へと足先を向けた。
◆
「んっ、んっ」
(なんという……雄々しい匂い……)
マスターの陰茎を口にしながら、アルトリアは鼻を抜けるその匂いに身体の中を侵されていた。
裏筋を、雁首を、口の中で懸命に舌を動かして包み込んでいく。唾液を全体に絡みつかせながら、じっくりと隙間のないように覆う。
「くっ……アルトリア……どこでこんなの……」
「はぁっ、はぁ……。マスターの部屋を掃除していた際に……興味深い書物を見つけまして……そこから学びました……んっ」
本棚に他の本と混ぜて普通にしまっていたのが不味かったのか。本を隠すなら本の中という考えは、どうやら意味がなかったようだ。
「……その本では更なる技術が用いられていました。私とマスターの繋がりで、マスターの性感帯もある程度は把握しているつもりですので……」
そう言って、竿を扱いていた手をそっと伸ばし、
カリッ。
指先で乳頭を引っ掻いた。
「ぅ……ッ」
乳首から伝わった刺激が、脳へ、そして喉へと伝達され、声を我慢することを許さない。
両手が伸び、同時に、交互に、撫で、弾き、摘み、優しく、鋭く愛撫する。
◆
ごくん。
アルトリアの口の中に放出された精液が、吐き出されることなく喉奥へと流れ込んだ。
「はぁ……はぁ……。マスターの精液……苦いような……ほのかに甘いような……これが魔力の味なのでしょうか?」
「わ、わから……ねぇ……よ……」
両乳首から手が離れ、マスターはようやく快楽の渦から解放される。荒くなった呼吸を無理やり整えるべく深呼吸を繰り返す。
「ありがとうございます……でも……その……」
もう一度喉の奥にほのかに絡みついた精液を飲み込んでから、アルトリアは太腿の間へ手を挟んだ。
「ごめんなさい……その……垂れてしまって……」
タイツの内腿を、つー、っと流れる愛液を恥ずかしがって、アルトリアは目を背けた。
そんな姿を見せられて、我慢などできようものか。
「アルトリア……俺……」
絶頂を迎えたばかりの陰茎に血液が集まる。
再び固く勃起した肉棒が、包み込まれるのを期待し、我慢汁を溢れさせて充血する。
「……マスター、お願いします」
ベッドへと横たわったアルトリアは、胸元を空け、ゆっくりと脚を開き、潤んだ目でマスターを見つめた。
「初めて……なので……どうか……」
――優しくして下さい。
その言葉は、今の二人には必要ない。
ゆっくりと足先へと移動し、マスターはいきり立つそれを、アルトリアへと向けた。
伝説の騎士王 01 -了-
【おまけ】
以下台詞なし差分です。
お好みでご利用くださいっ。(だから何に)
寝待月
2019-09-16 12:38:56 +0000 UTC