「敵の捕虜となってしまった時、貴様ならどうする?」
「は?」
黒き騎士王、アルトリアの問いかけに、マスターは間抜けな返答を返した。
「だから、貴様自信が捕虜とされて身動きが取れない時、どうすると聞いたのだ」
「なんだよ急に。……そうだな、令呪を使えばオルタが助けに来てくれるだろ?」
「はぁ……なんと情けないことか。いくらこの世界において令呪が回復するからとはいえ、そんな考え方ではいずれ破滅するぞ」
露骨にため息をつき、呆れ返る様子のアルトリアの真意が汲み取れず、マスターは眉を顰めた。
「例えば、だ。汚らわしい女のサーヴァントが、貴様を手篭めに自らの駒としようと考えていた時、捕縛し、その後拷問することは容易に想像できるだろう?」
「まぁ……ないとは言いきれない……か……?」そのように露骨な行いをする者がいるだろうかと、マスターは逡巡したが、ここは納得しておかないと話の本筋が掴めそうにないだろう。
「そうだ。この私のマスターともあろうものが、その様な体たらくでは話にならない。そこでだ。貴様を私に相応しい、勇猛で、屈強な男に鍛えてやることにした」
「……は?」
二度目となる間抜けな返事に、今度はアルトリアが眉を顰めた。
「さっきからなんだその気の抜けた返事は。貴様は性根から鍛え直さなければならないか」
「……で、何か考えでもあるのか」
「貴様には多少武術の心得がある。その辺の有象無象の腑抜け共より少しはマシだろう。……だが、私には程遠い」
「サーヴァントと一緒にするな……」
「貧弱なマスターの分際で鍛えるべきところは精神力。全ての基本となる強靭な心を獲得してもらう」
「焦らすなよ。お前は俺に何をするんだ?」
数瞬の間。
そしてアルトリアは不敵な笑みを浮かべ、
「――性交だ」
恥じる様子もなくそう言った。
「…………は?」
バシィッ、と、アルトリアの強力な平手がマスターの頬肉を震わせた。
「三度目だぞ! 性交だと言ったのだ!!」
「それは聞こえてる! なんでそんなことするんだって聞いてんだよ!
大体魔力の供給に必要とでも言うならまだ分かるが、精神を鍛えるって話に必要なんだよ!」
二人の問答は徐々にヒートアップしていき、感情的な討論は既に話し合いになりそうにない。
「ついでに魔力供給が出来るなら、それこそ望むところだろう! それとも何か? 私では不足だとでも言うつもりか!」
「別にそうは言ってないだろ!」
「ならば良いではないか!」
このままアルトリアに言い聞かせたところで無駄だと、これまで過ごしてきた時間が物語っている。
マスターはそう悟って、この問答を終わらせるべく言葉を飲み込み、なんとか口を塞いだ。
「…………はぁ。仮に、セイバーの言うとおりにするとして、そんなことで本当に訓練になるんだろうな」
「無論だ。この私の提案だぞ。愚案なわけがなかろう」
「そこまで言うのなら、実力を見せてもらおうじゃないか」
「フフ……私にふさわしい男にしてやるぞ……覚悟しろ」
◆
拠点として構えている建物の部屋は、それぞれ個人のものとして分けている。
その中一室、マスターの部屋で、それは行われた。
「まずは服を脱げ」
「俺だけか?」
「そうだ。まずは貴様の身体を隅々までチェックしておかなくてはな」
恥ずかしくない、というのは嘘になる。
マスターは仕方なく、順番に服を脱いでいった。
「これでいいだろ」
「ほぅ……悪くはないな。だが、あれだけの動きをする割に筋量が少ないのだな」
「そうか?」
「フッ……まぁいい、では始めようか、我がマスター」
ソファに座ったマスタ―の横へアルトリアはゆっくりと近づき、腰を下ろした。
徐に右腕を背中に回した。
「……うっ」
右手が後ろから、近づいてくる。
(こいつ……まさか……)
気付いている。自分の性感帯の一つに。サーヴァントとの『繋がり』の中で、知られてしまったのだろうか。
カリッ、と、アルトリアの指先が右の乳首を弾いた。
「あっ……!」
吐息が漏れる。細い指が先端を優しく滑り、爪先が優しく引っかかり、徐々に徐々に、感覚がクリアになっていく。
「やはりそうか。男のくせに無様だな」
「うる……さ……い!」
右の乳首は固く勃起し、ここから先を期待するように、陰茎へと血液がドクンドクンと流れ込む。
「これはどうだ?」
アルトリアの顔が左の乳首へと近づき、唾液で艶やかに濡れた舌先が乳首を焦らすように回る。
周りをゆっくりと移動し、決して先端には触れない。
繊細な舌先が、生き物のようにうねり続ける。
「セイ……バー……」
「ん? 何を期待しているのだ?」
「違うっ……してない……!」
「良いだろう……生意気な貴様のちん◯と一緒に、至福の喜びを教えてやる」
ついにアルトリアの舌が、勃起した乳首を舐め始めた。
同時に左手が陰茎へと伸び、柔らかい手が優しく全体を包み込む。
両乳首と陰茎の三点責め。
性感帯を三箇所も同時に刺激される。
◆
「待て……っ! 今……イッたばかりで敏感になって……あっ!」
自身の出した精液がローションのようにねっとりと絡みつき、上下に動くアルトリアの手により一層の快楽を呼び込む。
(気持ち……良い……っ)
グチュ、グチュ。。
マスターとして、男としてのプライドを保ってなどいられない。
しかし――
「は……騎士王様の愛撫はどんなものかと……思ったけど……大したことないな……」
必死に強がって、マスターは懸命に意識を据えていく。
「なかなかいいものだろう? 私の愛撫は……」
アルトリアの悪戯な笑みに、まだ終わりそうにないと、どこかで期待した。
どこまでも続きそうなこの時間を、求めているのか。
マスターの意識は、まだその域に届いていない。
黒き騎士王 01 -了-
【雑記】
久しぶりの文章です。
シリーズとして何かしら形にできたら良いなと思っております。
以下セリフ無し差分でございます。お好みでご利用ください()
寝待月
2019-08-28 13:07:43 +0000 UTC寝待月
2019-08-27 13:45:18 +0000 UTC