この学校には、五つ子がいる。
全員が全員、全く同じ容姿をしていたり、嗜好や特技が全て同じというわけではないが、同じ学校、同じ学年にいればそれは話題にもなる。
さらに、全員が全員美人で、しかも落第寸前ともなれば尚更だ。
そして五人の中で一番真面目でありながら、とてつもなく不器用な少女。
それが中野五月である。
「あーあ、どうすんだよこれ……」
男子生徒の一人が、ため息混じりに言葉を吐き捨てた。
「す……すみません……」
申し訳なさそうに腰を曲げたのは、中野五月当人である。
◆
放課後。
同じ班の男子生徒二人とクラスの仕事をしているときのこと。
五月を含めた三人はクラス担任に依頼された書類をまとめていた。
「俺こっちの日報とかやっとくわ」
「じゃ、じゃあ俺は黒板消しのフィルター洗ってくるよ」
活発そうな男子と、少し気弱そうな男子が言って、
「それでは、私はこの書類を並べ変えて先生に渡せるようにしておきます」
最後に五月が自分の担当を確認する。
各々分担し、順調に仕事を済ませていった。
男子二人が日報の提出と簡単な清掃を済ませるのにかかった時間はものの十分といったところだろうか。
五月がまとめ上げた書類を指定の場所に提出するため持ち上げ、全員が教室を後にする。
「この書類は私がもっていきますので、お二人はお先に帰っていただいて結構です」
「そうか? じゃあ頼むわ」
「よ……よろしくね」
軽く作業を済ませ、いざ帰路につこうとしたとき――――
――――「あっ!」
と、女子生徒の声が聞こえた。
いやこの場合、このような高い声を上げることができるのはたった一人のみだ。
二人が振り返ると、五月がやや青ざめたように目を見開いている。
「なんだ?」
「ど、どうしたの?」
「すみません……この書類……今回提出するものと違っていました……。今回必要な書類は別の……」
どうやら、五月がまとめていた書類は全く違うものだったらしい。
「なんだよッ。じゃあまたやり直さなきゃいけないのかよ……」
少し不機嫌そうに活発そうな男子がぼやく。
「で、でもやっておかないと明日先生に怒られちゃうかもしれないね……」
気弱そうな男子もやや不満そうな表情を浮かべたが、直ぐにぼやいていても仕方ないことを悟ったようだ。
「いえ……。私のミスですので……お二人は帰っていただいて構いません……」
少ししょんぼりした様子の五月が、二人に提案する。
「そんなわけにいくか。前にそんな感じで帰ったら「何故仕事を押し付けて帰ったんだ!」とか先生に怒られたんだから。たまったもんじゃねぇ」
「帰るときはみんな揃って先生に報告しないといけないもんね……とりあえず……教室に戻ろうか」
「めんどくせ……」
三人は教室に戻り、五月は直ぐに提出分を改めてまとめ始めた。
「申し訳ありません……すぐに終わらせますので……待っていていただけますでしょうか……」
「早くしろよな」
「て、手伝おうか?」
「いえ大丈夫です……。お気持ちだけいただいておきます」
五月が言うままに、男子たちが椅子に腰を下ろす。
そして今度もまた十分ほどの時間を要し、五月は書類をまとめ上げた。
「お待たせいたしました……」
「お疲れ。さ、帰ろうぜ」
その十分程度で、不満を露わにしていた男子生徒も落ち着いたようで、暇つぶしに使っていたスマートフォンをしまってから五月に一言激励した。
「お疲れ様……」
三人がほぼ同時に立ち上がったとき、これを皮切りにして、ことは始まった。
◆
ガシャンッ――――と、鈍く金属を弾く音が聞こえた。
そしてそれは一度では収まらない。ドミノのような連鎖を起こし、ガッガッ、と木材、金属物が接触する音が狭い教室に響く。
中途半端に引かれた椅子。そこから立ち上がった五月の膝が机を弾き、傾いた机上にあった書類が数枚中を舞う。傾いた机はそのまま前の席に衝突し、勢いを弱めつつ周囲似合ったもう一つを巻き込んだ。
最後にひときわ大きな音を立て、接触音はそこまでで終了した。
時間をかけ、五月が懸命にまとめたはずの書類は数瞬だけ空中を乱舞し、無残にも教室の床に逃げいていった。
奇妙な静寂が教室を包み込む。
そしてそれは、一つの声によって破られた。
「あーあ、どうすんだよこれ……」
男子生徒の一人が、ため息混じりに言葉を吐き捨てた。
「す……すみません……」
申し訳なさそうに腰を曲げたのは、中野五月当人である。
数秒前まで落ち着いていた様子の活発そうな男子生徒は、頬をピクリと釣り上げた。
「人のこと待たせといてまだ迷惑かけんのかよ」
頭を下げたままの五月は、返す言葉も浮かばない。いや、正確に言えばテンプレ通りの謝罪文の一言だけは浮かんでいたのだが、それを発したところで意味があるとは思えなかったので言葉を飲み込んでいたのだ。
「なんとか言えよ中野」
追撃を受けた五月は、更に少しだけ頭を下げながら口籠る。
「そ、その……」
「まぁそのへんにして……直しちゃおうよ……」
見兼ねたのか、気弱そうな男子がお茶を濁す形で仲裁に入った。
身体を震わせた五月が返答に困って立ちすくんでしまう。
「ぼーっと立ってないで片付けろよ」
男子二人は机を直し、書類を拾い始めている。
「ごめんなさい……」
「もういいよ。俺らでやるから」
テキパキと分担して書類をまとめ上げるのにかかった時間は、三分といったところだろうか。
最初から二人でやっていれば、と、男子の脳裏に言葉が浮かぶ。それを浮かばせたのは自分自身だと理解しつつ、溜まった不満が理性という壁を歪ませている。
「本当にごめんなさい……。もし私にできることがあれば……お手伝いさせていただきますので……本当に申し訳ございませんでした……」
三人は微妙な空気のまま教室を後にし、所定の位置に書類を提出し終えた。
◆
「助かりました……本当にありがとうございます。なにか……お礼をさせていただけませんか?」
「……」
「えっと……その……」
五月の提案に、男子二人は口籠る。
昇降口に向かう足を止めたのは、活発そうな男子だった。
「お礼ね、してもらおうかな」
教室を出てからここにたどり着くまで、時間は一、二分といったところだろうか。それだけの短い時間だったはずなのに、五月にはひどく長い静寂だったように感じた。
そして久しぶりに聞いた男子の声は、明るくも暗くも、はたまた怒りを感じさせるような声音ではない。不気味に、落ち着いたものだった。
「は、はい。なんでしょうか?」
すると男子が五月の腕を掴み、「来い」と短く呟いて強引に廊下を進む。
「いっ痛いですっ!」
五月の悲鳴を聞いたのは、この場においては気弱な男子生徒ただ一人だった。
バサッ。
三人が辿り着いたのは、学校の仮眠室だった。本来であれば夜勤の教師が使用する場所であるが、放課後とはまだ明るいこの時間に使用する者は誰もいない。
乱暴にベッドに投げられた五月の身体は体勢を崩し、そのままシーツの上に転がってしまった。
「なにをするんですかっ!」
入り口に鍵をかけ、男子はそのまま五月に覆いかぶさるように四つん這いになる。
「俺らの時間を奪った責任、取ってよ……それとも……迷惑かけた謝罪もできないの?」
「そういうわけではありませんが……でも……」
「他の何かなんていらないよ。ほら、早くしてよ」
そう言って、活発そうな男子が制服を脱ぎ捨て、全裸になった。
「っ!」
興奮している男の陰茎は、硬く勃起していた。仰向けに寝そべり、ビクビクと震わせてアピールする。
「わ……わかりましたっ!」
諦めたように声を荒げ、五月が体勢を低くして陰茎に顔を近づけた。
くんくん、と鼻孔を抜けるこもった匂いを確認し、裏筋をそっと舐めあげる。
「あっ」
男が声を漏らし、もう一度陰茎全体が根本から震えた。
亀頭に舌を這わせながら、全体を包み込むように唾液を絡ませ、雁裏をくるりと一周する。
「上手だね、慣れてるの?」
「んっ、んっ。そ、そういうわけではありません……っ」
そして口の中に、亀頭から陰茎をまるまる半分ほど咥える。
じゅぽっじゅぽっ、と厭らしい音が弾けるように細かく響く。
口の中でも舌を動かして、裏筋をベロベロと舐め続ける。時折先端から我慢汁が溢れているのは分かった。
だが五月は、このままでは一向にこの男子を満足させることはできないのではないかと勘ぐっていた。
最初よりも声を上げる頻度が少なくなってきたことに気づき、五月は竿をしごく手を止め、咥えたまま男の乳首に両手を伸ばした。
「あぁ……っ、中野……い……五月……ッ」
下の名前を呼ばれてピクリと反応した五月だったが、集中するために注意力を割くことはしなかった。
クリクリと指で乳首を弾かれ、更に敏感に勃起する。
グチュグチュと音を立て、口に加えたままフェラチオも止めない。
(効果アリのようですね……)
口の中では亀頭を舌で舐め回し、指先は勃起した乳首を指先でカリカリと弄り続ける。
懸命に全身を使って、奉仕をし続ける。
じわぁっと下着越しに溢れ出した愛液が、五月の陰唇の形がくっきりと浮かび上がらせている。
別に期待しているわけではない。
男子生徒が興奮している姿を見て、自分も気持ちよくなりたいなどと、そう考えているわけではない―――――はずだ。
無意識のうちに、愛玩するようにお尻を振っていたことは、五月の正直な意思表示だったのかもしれない。
傍観。
このような状況を見せられ、普段は何事にも消極的だった男子生徒は普段どおりの自分を演じることができるだろうか。
それは、空腹絶頂の時点で目の前に大好物を置かれ、無限に待てを強要された雄犬が言いつけを破ってしまう程に明らか。
不可能だ。
五月が懸命な奉仕を続けているうちに、いつの間にか気弱そうな男子も制服を脱ぎ捨て、細身の肌を露出した。
そして、音もなくゆっくりと五月の後ろに回り込み―――――
―――――ズプゥゥッ!
下着をずらして挿入するまでにかかった時間はほんの一瞬だった。
「ンッ”」
五月の丸いお尻をガシッと掴み、滾らせた肉棒で性欲のままに腟内を抉り続ける。
意外なことに(この場合意外ということはないのだが)すんなりと肉棒を受け入れた五月の膣肉は、ぐねぐねとうねって愛液を溢れさせながら全体を締め上げる。
(き……気持ち良い……っ。私の……おま◯こが……喜んで……いるのでしょうか……っ)
だらしなく愛液を垂らした肉壺に挿入された肉棒、そして口の中でも肉棒が大きく脈打ち、
前後の穴に、男たちの欲望に滾った精液が注ぎ込まれた。
体内を、精液が進んでいく。
口の中から喉を通り、そのまま身体の中に精液が注入されていく。
ゴムもせずに突き進んでいた亀頭が、五月の膣奥で震え、子宮が勢いよく精子たちを飲み込んでいった。
射精直後でひどく敏感になった肉棒は、五月の肉壁に抵抗を受けながら出口に進む。
やっと五月から引き抜かれた陰茎がぶるんと弾け、男子たちは「はぁ……」とため息を吐いた。
陵辱されたはずの五月は、少しだけ涙ぐみながら表情を歪ませていはいるものの、不思議と嫌な顔はしていなかった。
それは本人が意図してした表情だったのか。五月自身、気づいてはいなかった。
不器用な子 -了-
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【雑記】
久方ぶりの文章です。
個人的には描くのは好きなのですが、正直どの程度需要があるのか計り兼ねております。
こういった官能小説?はストーリー原案としてお見せして、
そのうち同人誌とかにするのも面白いかもしれませんね。
まぁ……漫画なんて描いたこと無いんですけど(アヘ顔)