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空き巣に入ったはずが縛られて~バイバイ、ドロボウさん~


平日の昼下がり。住宅街は静まりかえり、人の気配はない。


黒いボディスーツに身を包んだ2人の女が、裏道から一軒の家の脇へと忍び寄っていた。


ひとりは小柄な少女。金色のくるくるとした髪が肩のあたりでふわりと揺れる。華奢な肩、すらりと伸びた手足、身長は150センチ台後半といったところ。軽やかなステップでフェンスの影に身をひそめる。


その隣には、ひときわ目を引く長身の女。茶色の髪をゆるく後ろで束ねた落ち着いた雰囲気の女性で、身長はおよそ170センチ。モデルのようにしなやかな手足はボディスーツにぴたりと沿い、無駄のない身体のラインを浮かび上がらせている。


「留守ね。カーテンが開けっ放し」


低く囁いたのは長身の女――シズカ。観察するように窓を見上げると、リリーがひょいと隣に顔を寄せた。


「チャンス到来ってやつじゃん。ねえ、開けていい?」


「慌てない。まずは監視カメラの確認を」


シズカは冷静に周囲を見回す。リリーは唇を尖らせながらも、しゃがんでカバンから細いワイヤーを取り出した。


家の裏口。目立たない勝手口に、鍵穴がひとつ。


「へへ、こういうのはあたしの得意分野♪」


小さな金髪の怪盗は器用に手先を動かし、ピッキングを始めた。シズカはその背中を静かに見守る。


2人の呼吸は浅く、静かに、しかし確かに高鳴っていた。

この一瞬が、2人にとっての“仕事”の始まり。








カチリ――。


わずかな音とともに鍵が外れた。リリーはにんまりと笑い、小さくガッツポーズ。


「よし、開いたよ」


「音を立てないで。入るわよ」


シズカが先にドアをそっと押し開け、暗がりの中へと足を踏み入れる。リリーも後に続き、静かに扉を閉めた。


家の中は薄暗く、カーテンが閉め切られているせいでほとんど光が差し込まない。だがそのぶん、外から覗かれる心配はなさそうだった。


「誰もいない。リビングに行くわよ」


シズカの低い声に頷き、リリーは小走りで隣の部屋へ。足音を殺すようにスニーカーの底を滑らせながら、2人は無言で分担して動き始める。


リビングの引き出しを開け、棚の上の装飾品を手に取る。時計、アクセサリー、封筒の中身。

リリーは器用な指先で次々と物をチェックしていく。


「うーん、ブランド物は少なめ……あ、でもこれ、質屋でいけそうじゃない?」


小さな花柄の宝石箱を見つけたリリーが、蓋を開けて中のネックレスを引っ張り出す。ぱらぱらと音を立てるチェーンを光にかざすと、シズカがすぐ横に目を向けた。


「使えそうならまとめて。時間は限られてるわ」


「りょーかい♪」


今度はシズカが階段を見上げ、慎重に2階をうかがう。足音ひとつ立てずに、影のように動きながら寝室へと向かう。

寝室のドアノブをそっと回し、中に入ると――そこには、鍵のかかった引き出し付きのドレッサーが。


「……怪しいわね」


腰を落とし、ヘアピンのようなツールを取り出して鍵をこじ開ける。


リリーはリビングのテレビ台の下から、何かの箱を発見する。中には紙幣がバラで入っていた。


「うわ、これ本物……!? ついてる~」


思わず小声が漏れる。








「私、寝室を漁ってくるから」


階段を見上げながら、シズカが低い声で呟いた。


「りょうかーい♪」


リリーは軽くウインクし、手に持った宝石箱をバッグに滑り込ませると、次のターゲットを探してテレビ台の下に身をかがめた。


シズカは物音を立てぬよう、足先に重心をかけて静かに階段を上がっていく。長い脚がボディスーツにしなやかに沿い、黒い影がすべるように廊下へと消えた。


一階に残されたリリーは、引き出しを次々に開けては中身を吟味する。


「現金~……はなしかな。うーん、地味なおうち……あ、でもこれは――」


見つけたのは、封筒に無造作に入れられた数枚の紙幣と、ブランド物の香水。リリーは鼻先に近づけてひとくち匂いを嗅ぎ、小さく咳き込んだ。


「けほっ……おばさんの香り……パス!」


再びソファの下を覗き込もうと四つん這いになりながら、リリーは気楽そうに笑った。


その一方で、シズカは二階の寝室の前にたどり着いていた。

ドアに耳をあてて様子をうかがい、物音がしないのを確かめると、ノブに手をかけて静かに押し開けた。


中は薄暗く、窓際のカーテンが風もないのにふわりと揺れているように見えた。

室内にはドレッサー、ベッド、クローゼット。どれも整っており、人の気配はない。


シズカはまずドレッサーへと歩み寄った。小さな鍵のかかった引き出しを見つけると、腰を下ろしてツールを取り出す。


「さて……何が出るかしら」


細く息を吐いて、シズカは作業に取りかかる。









シズカは静かにドアを閉めると、一呼吸おいてから部屋の中央へと歩を進めた。


「失礼するわよ……」


そう小さく呟きながら、まずはドレッサーの引き出しに手をかける。鍵のかかった小物入れはピックでこじ開け、アクセサリーや通帳のようなものを次々と抜き取っていく。


「ふむ……これはまあまあ」


淡々とした口調ながら、目は鋭く光っていた。


だが次の瞬間――。


「……これは、いいわね」


クローゼットの奥、手提げバッグの中から出てきたのは、札束の入った封筒。さらにその奥から、小型の金庫、ジュエリーボックス、未使用のブランドバッグ。


「なによこれ……宝の山じゃない」


それまで冷静だったシズカの顔が、少しだけ綻んだ。表情は崩さぬまま、目だけが楽しげに細められている。


棚の上に置かれた箱を引き出すと、中には金縁の腕時計や純金のインゴットのようなものまで混じっていた。


「まさか、こんな地味な家に……隠してるわねぇ」


彼女はもはや慎重さを忘れたかのように、次から次へと引き出しを開け、扉を開き、収納スペースをひっくり返す勢いで漁りはじめた。

乱れた寝具。開け放たれたタンス。積み重ねられていた衣装ケースが床に倒れる。


「ふふ……これは今日、当たりかもね」


鼻で笑いながら、シズカは片手で札束を軽く弾いた。空き巣の緊張感より、今はむしろ、漁る快感のほうが勝っているようだった。










一方その頃、リビング――


リリーはソファの前の床にうつ伏せに転がされていた。

黒いボディスーツの上から、茶色のロープが無数に食い込んでいる。


両手首は背中の後ろでぎゅうと縛られ、そのまま腕の付け根と胸の上下をぐるりと回るロープが、彼女の上半身の自由を完全に奪っていた。

下半身も同様に、太もも・膝・足首が丁寧に固められ、まるで何本もの鎖で繋がれているかのようだった。


口には、彼女自身の脱ぎたての靴下が詰め込まれていた。

その上から、銀色の工業用テープがぐるぐると巻かれ、顎から頬までぴったりと封じ込められている。


【んぐぅうぅっ!? んむぅうぅっ!!】


くぐもったうめき声がリビングに響く。

リリーは床の上で、必死に身体を捩らせた。が、縄は動かない。むしろ動こうとするほどに、胸元や太ももに食い込む感触が強まる。


【んむぅ! ふむぅっ!!】


くるくるとした金髪が、額に張りつく。

汗がにじみ、鼻呼吸が荒くなる。

何が起きたのか、どうしてこうなったのか――それを叫びたくても、くぐもった声しか出せなかった。


ひとつ、ふたつと転がってみても、足首の縄がきつく、まともに蹴ることすらできない。

無様な姿勢のまま、リリーは床に突っ伏し、なおも懸命に身じろぎし続けた。









ひとつ、ふたつと転がってみても、足首の縄がきつく、まともに蹴ることすらできない。

無様な姿勢のまま、リリーは床に突っ伏し、なおも懸命に身じろぎし続けた。


額からは汗が伝い落ち、頬をつたって床にぽたりと落ちる。

縄はギチギチと音を立てながらリリーの肌に食い込み、動こうとするたびに締めつけを強めてくる。


【んぐっ……んむぅぅっ!!】


くぐもったうめき声が止まらない。

肩をねじる。脚を引く。腰を浮かせる。

それでも、ロープは微動だにしない。


(なんで……なんでこんなに……)


喉の奥でくぐもった声を漏らしながら、リリーはさらに必死にもがいた。だが、どれだけ暴れても、縄はほどけるどころかますます身体に食い込んでいくだけだった。


身体をひとつ動かすたびに、胸の上下を締めるロープがぎゅう、と圧をかけてくる。呼吸は荒く、鼻で必死に空気を吸う。


【んっ……むぅぅ……!】


汗ばんだ頬にテープが張りつき、わずかにズレた隙間から靴下のにおいが鼻腔を刺激する。


リリーは歯を食いしばるようにして、再び全身に力を込めた。

が、縄は――やはり、解けなかった。









【んむぅっ……んぐぅぅぅっ!!】


必死に身を捩らせるリリーの背後から、突然、軽やかな声が降ってきた。


「あはは、ドロボウさーん、もがいてるもがいてる」


リリーの動きが一瞬止まる。

その声は、少女のものだった。若く、無邪気で、そしてどこか意地悪さを含んでいる。


「そんなに暴れても無駄だよ?」


リリーが目を見開き、音のした方に顔を向けようとする。だが、うつ伏せの体勢では思うように動けず、肩をよじって視界の端にようやくスニーカーの先が見えた。


少女は、リリーのすぐそばにしゃがみ込んでいた。

ショートパンツにパーカー姿。年の頃は中学生か、もしくはそれ以下。だが、その目は妙に落ち着いていて、獲物を観察する猫のようだった。


【んむっ!? んんーっ!!】


リリーは激しくうめき声をあげて、全身をくねらせる。

縄がギチギチと軋み、床に擦れる音が部屋に響く。


少女は微笑んだまま、まるでそれを楽しむようにリリーを見下ろしていた。


「ふふ、くるくる髪のドロボウさん、ほんとに可愛い~。もっともっと見せてよ、その無様なジタバタ♪」


【んんーっ!! んぐぅううっ!!】


恥ずかしさと恐怖と悔しさ。

リリーは渾身の力で縄を引きちぎろうとするが――ロープは、一切ほどけない。


少女の笑い声が、リビングに響いた。










さらに必死にもがくリリー。

床の上でゴロゴロと転がり、全身をねじる。

その動きに苛立ったのか、少女はニヤリと笑い、リリーの脚先を見下ろした。


「そんなことする悪〜い脚は……」


少女の手が、リリーの足首のロープを掴む。

すでにきつく縛られた足首から、余ったロープを背中へと伸ばし――。


「背中とつなげて……引っ張ると……」


【むぐぅゔゔゔゔゔゔ!!?】


リリーの身体がぐいっとのけぞる。

背中の後ろで縛られた手首と足首がひとつに繋がれ、腰が持ち上がり、胸が床に押しつけられる。


「逆海老縛りの完成〜♪」


少女が楽しげに宣言する。

リリーは背中を反らされたまま、まるで空中で弓のような形に固められてしまった。


【んぐっ!! んんんむぅぅぅ!!】


くぐもった悲鳴をあげて必死に藻掻くが、動けば動くほど背中と脚のロープがきしみ、さらに反り返らされる。

胸を床に押しつける感覚と、足首の痛みが同時に彼女を襲った。


少女はそんなリリーを見下ろし、片手で頬杖をついて楽しそうに言った。


「ほらほら、もっと動いてみなよ? その格好、めちゃくちゃおもしろいよ♪」











(き、きつい……動けない……)


背中と足首を繋ぐロープが、リリーの身体を容赦なく引き上げていた。

手首は背中の中央で固められ、脚はそのまま折り曲げられて吊り上げられている。

反らされた腰、床に押しつけられた胸、まともに呼吸すらしづらい。


【むぐぅゔゔゔゔゔゔ!!】


リリーは悔しそうなうめき声を漏らした。

鼻息は荒く、頬は赤く火照っている。

必死に身じろぎするたびにロープがギチギチと音を立て、皮膚に深く食い込んでいく。


そんな彼女の様子を、少女はしゃがみ込んだまま見下ろしていた。

にこにこと笑みを浮かべ、楽しそうにその姿を眺めている。


「ふふっ、いい顔~♪ ねぇねぇ、そんなに悔しいの?」


少女の声はどこまでも無邪気で、しかし残酷だった。


「さっきは元気にピッキングしてたのに、今じゃこの通り……動けないくせに、足だけジタバタさせちゃって♪」


リリーはうめき声をあげながら、じたじたと足先を振るわせる。

だが、それすらも縄で引き上げられた姿勢では効果がない。動くほどに、背中と足首の縄がさらに締まり、体勢が苦しくなるだけだった。


「はい、はい、もっと反ってみよっか? ほら、ぎゅーってね!」


少女がそう言いながら、わざとリリーの足先をちょん、と押す。


【んぐぅぅぅうっっ!!】


悲鳴のようなうめきが、銀色のテープ越しに漏れた。


少女は満足げに頷くと、軽く拍手をして言った。


「うん、100点♪ とっても無様でかわいいよ、くるくる泥棒さん♪」











一方その頃――

寝室で袋いっぱいに“お宝”を詰め込んだシズカは、満足げな表情を浮かべながら階段を登っていた。


「さて、リリー。そろそろ引き上げるわよ……」


静かにリビングの扉を開けた瞬間――


「…………っ!?」


シズカの目に飛び込んできたのは、ありえない光景だった。


【むんぐぉおおおおおお!!】


リビングの床に転がっていたのは、逆海老縛りにされたリリー。

両手首は背中の中央で縛られ、足首はそのまま吊り上げられた姿勢で固定されている。

口には銀のテープ、その下には自分の靴下が詰め込まれており、うめき声しか出せない状態だ。


「な、アンタどうして……!? 誰がやったのよ!」


【んごぉおおおおお!!】


必死に何かを訴えようとするリリーの声。

シズカは驚愕しながら駆け寄ろうとした、そのときだった。


「っ……!?」


背後から、冷たい布地が突然シズカの鼻と口を覆った。

柔らかいが密着性のある布が、容赦なく呼吸を奪っていく。


咄嗟に手を振り払おうとしたが――


「くっ……が……」


手に力が入らない。足元がふらつき、頭がぼんやりとする。

視界が歪み、暗くなっていく。

シズカは床にバッグを落とし、その場に膝をついた。


「っ……ぅ……リリ……」


その言葉を最後に、彼女の身体は完全に力を失い、ゆっくりと床へ崩れ落ちた。


深く、静かに――意識が、闇へと沈んでいった。





空き巣に入ったはずが縛られて~バイバイ、ドロボウさん~【完結】


シズカが目を覚ますと……


ーつづくー





プロの泥棒である2人の女たちが、たったひとりの“無邪気な少女”にしてやられる――

逆転と羞恥が交錯する、極限のサスペンス×ボンデージストーリー。


狙いを定めた空き家に侵入した金髪の小柄な女・リリーと、長身で冷静な相棒・シズカ。

順調に家を漁っていたはずが、突如現れた“少女”によって拘束され、翻弄され、そして利用される。


「先に私のところまで来れたら、縄を解いてあげる」

そんな無邪気なゲームに振り回され、縛られたまま、うめき声と共にもがく2人。

そして少女が告げた衝撃の真実――


逃げ場のない部屋で展開される、

“無垢な少女”に支配された、息もつかせぬ密室劇。


本作のポイント


女2人組のプロ泥棒が少女に敗北する逆転構図


徹底した拘束描写:逆海老縛り、だるま縛り、猿ぐつわ


くすぐり、羞恥、もがき、懇願など心理描写が濃密


少女性×サディズムのコントラスト


制限時間つきの脱出ゲーム→敗北という緊迫の展開


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