お嬢様とボディー ガード縛られて…
Added 2025-07-10 11:25:31 +0000 UTC・
桐生家の屋敷。白い塀に囲まれたその前庭に、場違いな女がひとり、バラの茂みに目を向けて立っていた。
女は、黒いフレアコートに身を包み、ブーツの踵をコツコツと小石に響かせている。胸元には意味深に結ばれた赤いスカーフ。夜ならまだしも、昼の陽射しには明らかに不釣り合いだった。
一方で、その女を正面から見据えるボディーガードの女は、黒のパンツスーツにネクタイを締め、革のグローブをつけている。腰には通信端末と警棒。動きを阻害しないように整えられた短髪が、淡々とした気配をさらに強めていた。
「ここは私有地だ。目的を答えてもらおうか」
ふと視線をあげた女が、にこりと笑う。
「まぁ、そんなに怖い顔しないで。お嬢様のお屋敷でしょ? 少し見たくなっただけよ」
「敷地に入る理由にはならない。立ち去れ」
女は花の香りを嗅ぐふりをしながら、ふらりと数歩進んだ。
「こんなに綺麗なバラ園、外からじゃ見えないもの。私…昔、お嬢様と少し関係があったのよ」
「その言葉を信じるには根拠が足りない。名前は」
「名乗ったら招いてくれるの?」
「答えないなら、それなりの対応を取る。引き取ってもらう」
女はコートの裾をなびかせながら、軽く肩をすくめた。
「ふふっ…ボディーガードって、やっぱりそうでなくちゃ。いいわ、今日はこれで帰る。でもまた来るかもしれない。その時は…もう少し中まで入らせてもらえるかしら?」
「次は即通報だ」
その低く冷たい声に、女は振り返ることもなく手を軽く振った。レイの黒い革靴が砂利を踏み、ゆっくりと門を閉め直す音が、静かな庭に響いた。
夜。屋敷は静けさに包まれていた。
応接間の奥、木製のシャンデリアがオレンジの光を灯し、カーテン越しの風がわずかに揺れていた。
革靴の音が、床に控えめに響く。ボディーガードの女は、まっすぐにソファへと座るお嬢様のもとへ歩み寄った。
お嬢様はナイトガウンに着替え、紅茶を手にしていた。長く整った金髪が肩に流れている。
「…昼間、不審な人物が屋敷の前に現れました」
お嬢様がゆっくりと顔を上げる。
「女の人? 背が高くて、黒いコートを着てなかった?」
「その通りです。面識があるのですか」
「……わからない。でもね、ちょうどその頃だったと思うの。私の部屋に、手紙が届いてたのよ」
ボディーガードが一歩だけ近づく。眉をわずかに寄せた。
「誰が?」
「わからない。封筒には宛名も差出人もなかった。ポンとベッドの上に置かれてたの」
お嬢様はテーブルに置いた封筒を指差す。上質な紙に、朱色の封蝋。
すでに開封されていた。
ボディーガードが封をめくり、中の便箋を取り出す。達筆とも悪筆ともつかぬ文字が、斜めに走っていた。
『二人の可愛い女の子を、いただきます。』
無言のまま手紙を読み終えた彼女は、わずかに口を引き締める。
「お嬢様。なぜ、すぐに報告しなかったのですか」
「だって…冗談かと思ったの。変なファンレターか何かかと……でも」
お嬢様の指が、無意識に紅茶のカップを握りしめる。
「その女の人が来たって聞いて、ちょっと…嫌な予感がして」
ボディーガードはすっと手紙を畳み、ポケットにしまった。
「今夜から屋敷内の警備体制を強化します。お嬢様の部屋には私が常駐します」
「レイが一緒にいてくれるなら、少し安心かも」
「どんな相手であっても、あなたには指一本触れさせません」
そう言って背筋を正すレイの姿に、お嬢様はほんのわずか、安堵の表情を浮かべた。
だが、その窓の外。屋敷の塀の上に、小さな影が一瞬だけよぎったことに――
まだ誰も気づいていなかった。
屋敷の夜は静かだった。
時折、木々を揺らす風の音が、廊下の奥にかすかに届く程度。
お嬢様の部屋の前に立つレイは、背筋を伸ばしたまま耳を澄ませていた。
不意に、違和感――。
空気が、揺れた。
反射的に体を半回転させたその瞬間、背後から誰かの手が口元を塞ぐ。
「っ……!」
息を吸う暇もなく、布が無理やり押し込まれる。唇の内側に詰め物が食い込み、反射的にレイは体を捩った。だが、次の瞬間――
「ピシィッ」
銀色のダクトテープが頬に貼りつき、力強く引きちぎられる音と共に、口を封じる帯が何重にも巻かれていった。
【ん゛んっ……ふっ……!】
呻こうとするも、声はくぐもった音にしかならない。
そしてすぐに、両腕を背中へ強引に引かれる。引き絞るようにロープが巻かれ、肩甲骨のあたりで手首がぎちりと固定された。
【んっ……んぅ……っ!】
体勢を崩され、膝をつくレイ。すぐに足元にも手が伸びてくる。
足首をぐいと揃えられ、そのまま太いロープが巻かれていく。
しっかりと交差し、解けないように結び目が何度も確認される。
【んんむっ……! んぅう……!】
完全にバランスを奪われ、体が横に倒れ込んだ。カーペットの上に横たわるその姿は、背中で手首を縛られ、足首も拘束されたまま――声すら届かぬ。
(……まずい……お嬢様に……知らせなくては………!)
「よくできました。さすがです、動きも速い。でも…もう何もできませんね」
耳元に、侵入者の女の声。
笑うような声色に、レイは身体を震わせるしかなかった。
女は一度、振り返ってレイの全身を見下ろすと、そのままお嬢様の部屋の扉に静かに手をかけた。
――ありすは、まだ何も知らずに眠っていた。
廊下に転がされたレイの身体が、かすかに揺れる。
【んっ……んむぅっ……!】【んんーっ……ふぅんっ!】
布越し、テープ越しに漏れるうめき声。声帯を震わせ、喉を震わせ、ありったけの力で。
【んーーーっ!】【ふぐっ……!んぐううぅっ!】
肩を使って床を打ち、靴音を鳴らし、背中を強張らせて壁にぶつける。
お嬢様の部屋のドアは、わずか数メートル先。
だが、その音は――扉の厚みと深夜の静寂に、吸い込まれていくように消えていった。
「ふふ……やっぱり、まだ暴れられるのね」
女が静かに戻ってくる。黒いフードの下、笑みだけが見える。
「じゃあ……少しだけ、おとなしくしてもらおうかしら」
レイの背中にまたがるように座ると、女は新たなロープを取り出した。
まずは胸元。
上下からロープを通し、両腕ごと胸を締めつけるように、何重にも巻いていく。
【んぅっ!? んぐぅっ……ふんんんっ!】
服の上からでもロープの硬さが伝わる。吐息が浅くなる。
胸の輪郭を挟み込むように食い込むロープは、逃げ道を塞ぐように交差し、ぎゅう、と引き絞られた。
「苦しい?でも、これで少しは静かにできるわね」
続いて、太ももに手が伸びる。
足首とは別に、膝上にきっちりとロープが巻かれ、交差されるたびに肉を圧迫していく。
【んむっ! んぅぅぅーーっ!】【ふっ、ふぐぅっ……っ!】
さらに膝の上下。ぴたりと膝を揃えた状態でロープが締まり、関節ごと拘束される。
足をばたつかせることも、跳ね上がることもできない。
【ふぅ……んぐっ! んぅううっ……!】
捩る身体が軋む。腕も、脚も、胸も――どこも動かせない。
女は一歩下がり、転がったレイの姿をじっと見下ろす。
「よく頑張ったわね。でも、もう終わりよ。あとは、あの子を迎えに行くだけ」
レイの視界に、女の足元が遠ざかっていく。
背中に流れる汗が、服を濡らしていく。
ロープの締め付けは緩まず、ただ残酷に、無言のまま彼女を拘束し続けていた。
(……っ……! ありす様……逃げて……!)
しかし、そんなレイの必死の思いも――まだ、お嬢様には届いていなかった。
部屋のドアが、音もなく開いた。
廊下の暗がりから、黒い影がゆっくりと忍び込む。
カーテンは閉じられており、室内はベッドサイドのランプだけが灯っていた。
その淡い光の中、ベッドに横たわっていたお嬢様――桐生ありすが、かすかな気配に気づいてまぶたを開ける。
「……だれ……?」
寝起きの声。ぼんやりとした視界に、背の高い黒い人影が映る。
そして、そのすぐ背後。
扉の向こう、廊下の床に――レイがいた。
「……レイ……? うそ……なに、どうして……?」
目を凝らす。レイは床に転がったまま、両手を背中で縛られ、足首も固く束ねられ、胸を締め付けるロープが衣服の上から浮かび上がっている。
口はテープでぐるぐる巻きにされ、うめき声もくぐもった音しか出ていない。
【んぐぅっ……ふっ、ふぐっ……んむぅっ……!】
それを見た瞬間、ありすの体から血の気が引く。
「……レイ……嘘よ……なんで、こんな……!」
混乱と恐怖が混じり合う。言葉にならない感情が喉を詰まらせ、布団を握る手が震える。
そんなありすの背後に、すっと影が滑り込む。
「あなたも、いただくわよ。かわいいお嬢様」
その囁き声に反応するより早く、両腕を取られた。
背中の方へと、ゆっくりと、でも確実に引かれていく。
「や、ちょっと、なにっ――」
逃れようとしたが、手首を掴む力は強く、布団の上に押さえ込まれるように倒される。
「レイっ……!」
悲鳴に近い声を上げたとき、手首に冷たい感触。
ロープだ。滑りのない、きつく編み込まれた感触が、右手首に巻かれ始めた。
「やめてっ……誰か……」
左手もすぐに後ろに引かれ、両手が揃えられる。
呼吸が乱れる。息が浅く、早くなる。
心臓の鼓動が耳の中で大きく鳴り、額にじわりと汗がにじむ。
「いや……やめてよ……!」
だが、その願いを遮るように――ロープが手首にぐいと食い込んだ。
「っ……あ……!」
皮膚の上からでも分かる、くっきりとした締め付け。
何度も巻かれ、しっかりと結ばれた結び目が、手首の感覚を奪っていく。
ありすはベッドの上でうつ伏せにされたまま、肩を震わせた。
(こんなの……レイがあんな姿で……わたしまで……)
手首が完全に自由を失った。背中で動かせない。
寝巻きの布地が引きつれ、息苦しさが胸を圧迫する。
侵入者は、ゆっくりとロープの結びを確認しながら、次の部位へと手を伸ばそうとしていた――。
背中で手首を縛られたまま、ありすはうつ伏せにされた体勢でじっと息を呑んでいた。
首をひねってレイの姿を探すも、視界の端にはもがく彼女の影しか映らない。
【んんっ……ふっ、ふぐっ……!】
くぐもったうめき声が遠く、頼りない。
ありすの耳元に、再び侵入者の声が忍び寄る。
「あなたのその身体……綺麗ね。ちゃんと、締めてあげるわ」
ぞわりと肌が粟立つような感覚の直後、背中に重みがかかる。
体をまたがるようにして座った侵入者が、次のロープを取り出した。
「やっ、やめて……なにを……っ!」
か細く絞り出した声。だが、容赦はなかった。
ロープの端が背中から胸の下へと滑り込み、うつ伏せの体勢のまま、下から持ち上げるように巻きつけられる。
「んっ……!」
ぴったりと肌に沿って伸びる縄が、寝巻き越しに柔らかさを押し上げ、弾むような肉の感触が抑え込まれていく。
「ふふ……やっぱり、大きいわね。これはしっかり締めないと」
ロープが交差し、ぐい、と引かれた。
布地ごと、ありすの胸が持ち上げられ、ぎゅう、と挟み込まれる。
「やっ……あっ……く、くるしいっ……!」
呼吸が浅くなる。大きな胸が上下から締められ、中心に押し潰される感覚。
寝巻きの前面がひきつれて張りつき、輪郭がよりくっきりと浮かび上がっていた。
胸の下を巻き終えると、今度は上。
鎖骨の下、肩のラインに沿って、さらに一巻き。
二本のロープが上下でありすの胸を押さえつけ、その谷間は強調され、肉がわずかに盛り上がるように歪んでいた。
「あっ……んんっ……!」
苦しさと羞恥で顔が赤くなる。だが腕は動かせず、胸を締め付けられたまま、ただ身を捩ることしかできない。
背後の女は、結び目をきゅっと締めてから、手をそっとロープの上に置いた。
「……いい形。よく似合ってるわよ、お嬢様」
(やだ……やだやだ……レイ……助けて……っ)
ありすの瞳には、まだ縛られたままのレイが映っていた。
必死に身体を捩って何かを訴えているが――声は届かない。
二人の間には、もうロープと沈黙しか存在していなかった。
胸を上下から締め付けられ、身体を捩っても逃れられない状態のまま、ありすはベッドの上で息を荒げていた。
「っ……んく……くるしい……」
寝巻きの中で肌に食い込むロープ。胸の輪郭が潰れ、服が突っ張って軋む。
その視線の先、扉のそば――レイが転がったまま、ありすを見つめていた。
【んぐっ……っ! んぅうぅ……!】【ふぐっ!ふむぅうっ!】
声にならない声を吐き、必死に身体を捩る。
肩を揺らし、背筋を反らし、喉から絞り出すようなうめき声を続けていた。
だが、その願いも届かぬまま――女の手が、ありすの太ももに伸びる。
「っ……やめて……っ、こないで……!」
ありすは脚を閉じて抵抗しようとした。だが手首は縛られ、上半身も胸の締め付けで自由が効かない。
女は静かに膝立ちになり、ありすの脚に手を這わせた。
ロープが、太ももに巻きつけられていく。
「ひっ……や、やめてってばっ……!」
ムチッとした太ももに食い込む麻縄。寝巻きの生地越しでも、ぎゅうっと締められる感触が直に伝わる。
肉がわずかに盛り上がり、圧迫されることでさらに敏感になっていく。
【んんーーっ!んぐぅぅうっ!!】
レイが大きく呻く。首を振り、身体を強く捩らせる。
だが、背中で縛られた腕は動かず、胸と脚のロープが軋む音だけが響く。
「まだ暴れるの? でも、見てるだけしかできないでしょ」
女が小さく笑いながら、太ももの結びを固く締め、続いて膝へと手を伸ばした。
ありすの脚がぴくりと跳ねる。だがそれすら封じられる。
膝の上下にロープが巻かれ、脚を曲げる動きが一気に制限される。
ぐいっと引き締めるたびに、関節ごと拘束され、動きが奪われていく。
「だめ……もう……やめて……」
ありすの目に、涙が浮かぶ。呼吸が荒く、胸が上下に震えていた。
そして最後に――足首。
女はありすの足元へと移動し、両足首をぴたりと揃えたままロープでぐるぐると巻きつけていく。
結び目はしっかりと。ほどけないように、何重にも。
完全に脚を封じられたありすは、うつ伏せのまま小さく震えるしかなかった。
【んぅぅぅぅっ!んぐうううっ……!】
レイが絶望の中で最後の力を振り絞り、床をドンと蹴ってみせる。
しかしロープの拘束は変わらず、身体は無様に揺れただけだった。
(なんで……レイ……私たち……なんでこんな……っ)
部屋には、縛られた二人の女の息遣いと、きしむロープの音だけが残されていた。
うつ伏せのまま、全身をきっちりと縛られたありすは、肩を震わせていた。
手首、胸、太もも、膝、足首――そのすべてがロープに拘束され、身動きひとつ取れない。
「ふぅ……これで、ほとんど完成ね。でも……まだ声が出せるのは、ちょっと都合が悪いわ」
女が静かに囁くと、ありすの頬がピクリと震える。
「やっ……ま、待って、お願い、口だけはっ……やめ――」
その言葉の途中で、女の指が口元に伸びた。
ためらいなく唇をこじ開け、柔らかく畳まれた布――白いハンカチを無理やり押し込まれる。
「んぐぅっ……! ふ、んんっ!」
舌が圧迫され、奥に詰め込まれた布が喉を塞ぐように広がっていく。
必死に首を振るが、女はお構いなしにそのまま、手に持っていた銀色のロールテープを持ち上げた。
「もう、静かにしてて。お嬢様は、従順でいてくれるのが一番」
ピシッ、と軽い音を立てて、最初の一巻きが口元に貼り付いた。
そして――
ピシィッ ピシィッ ピシィッ……
横から、縦から、何重にも。
下顎から頬にかけてぐるぐると巻かれ、ありすの小さな顔がテープに覆われていく。
鼻の下、頬の側面、あごのライン。しっかりと封じるように、強く、丁寧に。
「ふぐっ……んんぅぅぅっ……! んーっ! んんっ……!」
くぐもった悲鳴。だが、もう言葉にはならない。
テープがピタリと肌に貼り付き、詰め物ごと口を塞いでいた。
レイがそれを見て、悔しそうに身体を強くよじる。
【ん゛ぐうぅっ……!】【んむむぅっ……!】
(ありす様……!)
だが身体は動かず、腕も脚も、胸のロープすらピクリともしない。
女は、2人を交互に見下ろし、ゆっくりと微笑んだ。
「じゃあ……並んでもらおうかしら。せっかくだもの」
レイの脇に手を入れ、拘束された体をぐるりと回して仰向けにする。
ありすも同様に、布団から引きずり降ろされるように転がされ、その隣に並べられた。
2人の女は、背中で手首を縛られたまま、口を塞がれ、胸も脚も固く縛られている。
無様に並べられたその姿は、まるで人形のようだった。
【んんっ……ふっ、ふぐぅぅっ……!】
【んむぅ……んんっ……んーーっ!】
もがいても、ロープが軋む音が微かに響くだけ。
女はその姿を見下ろしながら、軽くしゃがみ込んだ。
「本当に、ふたりとも可愛い。気に入っちゃった。……このまま、連れて帰ろうかな」
レイとありすの目が、恐怖に揺れた。
(誰か……気づいて……お願い……!)
けれど、広い屋敷には、助けの足音はまだ響かない。
夜は、静かに、そして残酷に、2人を閉じ込めたまま続いていた――。
ゴロゴロ……ゴロゴロ……
重たい音を立てて、床を転がされるキャリーケース。
レイとありす、それぞれの身体は――既にその中に押し込まれていた。
中は暗く、狭い。天井までの距離は拳ひとつ分もない。
背中で手首を縛られたまま、胸と脚をきつく縛られ、口も塞がれた状態で、身動き一つ取れないまま詰め込まれていた。
【んんっ……んぅぅ……!】
【ふぐっ……んんーっ……!】
布とテープで塞がれた口元から、くぐもったうめき声がかすかに漏れる。
だが、それすらもケースの分厚い蓋に遮られ、外には届かない。
圧迫される身体。ロープがさらに食い込み、呼吸が浅くなる。
視界は真っ暗。
どちらが上でどちらが下かもわからず、ただ、振動だけが伝わってくる。
(……どこ……どこへ連れて行かれるの……?)
ありすの思考がかき乱される。
頭の中で何度も繰り返されるその問いに、答えはない。
外では、車のドアが開く音。
ケースごと持ち上げられ、ドン、と乱暴に荷台に押し込まれる。
重たい扉が閉まり、世界がさらに密閉される。
ゴウン、と車体が動き出す。
【んむっ……んぅうぅぅっ!】
【んーっ……んんんーっ!】
身体が揺れ、ロープが軋む。
それでも結び目は緩まず、拘束は解けない。
(レイ……そばにいる? ……?)
暗闇の中、誰にも聞こえない心の声が震える。
けれど、声に出すことはできない。
唇は詰め物とテープで塞がれ、喉をふるわせても――音は外に漏れない。
(……助けて……お願い……誰か……)
背中をロープに押されながら、ありすは目を閉じた。
ただ、どこへ向かっているのかもわからない車の振動に、静かに身を委ねるしかなかった。
ーーーーーーーーーー
ギィ――
金属の軋む音とともに、キャリーケースのファスナーがゆっくりと開かれる。
入り込んできた空気は、ほのかに甘く、そしてどこか乾いた匂いが混じっていた。
暗闇の中にいたありすの目が、ぼんやりと光を捉える。
視界の先。
天井には高いシャンデリア。
壁には厚手のカーテン。
そして、目の前――真紅のシーツが敷かれた、大きなベッド。
「んむっ……!」
引きずり出された身体が、ベッドの上に投げ出される。
背中から落ち、縛られた腕が軋む音を立てる。ロープの締め付けは変わらず、胸も脚も圧迫されたまま。
【んぅぅっ……ふっ、んむぅぅっ!】
テープで封じられた口元から、怯えと驚きのうめき声が漏れる。
詰め物が唾液を吸い、口腔を圧迫していた。
ベッドの上。ふかふかと柔らかいはずなのに、その沈み込みが妙に不安を誘う。
(ここは……どこなの……?なにをされるの……?)
そんな思考が、頭の中でぐるぐると渦を巻いていた。
視線を右に向けると――
床。絨毯の上。
そこには、すでにレイの姿があった。
後ろ手で手首を縛られ、胸、太もも、足首まですべてきっちりと固定されたレイが、横向きに転がされている。
頭を床につけたまま、目だけでこちらを見ていた。
【んっ……んぅぅっ……!】
声にならない叫び。
それでも、その目には「逃げて」と「耐えて」の両方が込められていた。
ありすは首を振ろうとするが、首筋すらうまく動かない。
胸を締めるロープが食い込み、息が苦しくなってくる。
【んむぅ……んーっ……んっ……】
うめき声が震える。ベッドの上で無様に転がる自分の姿――
それを冷たい天井が、静かに見下ろしていた。
部屋の中には、2人の女のくぐもった息と、ロープの擦れる音だけが残されていた。
つづき(DLsite)
つづき(BOOTH)
つづき(ファンザ)
かつてない緊張と羞恥が交錯する、逃げ場なき「お嬢様監禁」サスペンス。
優雅なお嬢様と、その美しき女性ボディーガード。
侵入者により屋敷を襲われた夜、2人の運命はゆっくりと、しかし確実に狂っていく。
縛られ、並べられ、同じ姿勢で晒される二人。
ホッグタイ、目隠し、猿轡。
羞恥と絶望の中、鏡に映るのは――“本当の自分”。
逃げられない。声も届かない。
ただもがき、見せつけられ、責められる。
徹底した緊縛描写と心理演出で、
あなたを「観客」へと引きずり込む。
本作のポイント
女性ボディーガード×お嬢様という新鮮な組み合わせ
両者が並列に縛られ、同じ姿勢で羞恥に堕ちる構図が美しい
目隠し・猿轡・ホッグタイの3大拘束描写を完備
リモコンバイブによる段階的責めとリアクションの変化
鏡による“自分の無様な姿”の可視化で羞恥感を最大化
「無音」「無力」「放置」といった演出でじわじわと責めが進行
うめき声、鼻息、涙、汗……五感に訴える描写の連続