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新米ハンターの蜘蛛糸拘束【モンハンワイルズ】

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新米ハンターのナナは全身を覆う蜘蛛糸の感触に身震いした。ネルスキュラ討伐のための訓練として与えられたこの任務は、蜘蛛糸拘束からの脱出だった。使われたのは小さな蜘蛛が作った糸とはいえ、その粘着力と絡みつく力は予想以上だった。


(こんなの、簡単に抜け出せると思ったのに……!)


ナナは身をよじり、腕を動かそうとする。しかし、肌に密着した蜘蛛糸がじわりと食い込み、少し動かすだけで粘り気のある音が耳元で響いた。


『ニチ......ニチ.......』


ナナは焦った。手足は糸に絡まり、無理に引っ張れば引っ張るほどべったりと吸い付くように締め付けられる。


(うそ……こんな小さな蜘蛛の糸なのに……!)


さらに厄介なのは、目と口も塞がれていることだった。視界は白く閉ざされ、辺りの状況がまるで分からない。息は鼻からしかできず、湿った蜘蛛糸が肌にまとわりつく不快感が増していく。


「……んぐっ!」



ナナは喉の奥で声を絞り出そうとするが、蜘蛛糸が唇を完全に封じているため、くぐもった息しか漏れない。なんとか叫びたくても、まともな音を発することすらできなかった。


(くそっ……抜け出さないと……!)


ナナは再び身体をねじる。だが、そのたびに蜘蛛糸が粘りつく音を立て、まるで逃げることを嘲笑うかのように締め付けてくる。


『ニチ...........ニチニチ.........!』


右腕を無理に引こうとすれば、粘着質な糸がさらに食い込み、逆に動きを封じてしまう。左足を引けば、べったりと貼りついた糸が皮膚を包み込み、まるで自分の動きを計算しているかのように絡みついてくる。


(なんで……どうして……!)


焦りが増せば増すほど、ナナの動きは鈍くなり、蜘蛛糸の支配は強くなった。呼吸が乱れ、額にはじんわりと汗がにじむ。手のひらはじっとりと湿り、拳を握ることすら難しい。


それでも、ナナは諦めなかった。


(負けるわけにはいかない……! 私はハンターなんだから!)


再び足を動かし、腕を引こうとする。しかし、粘りついた糸はまるで獲物を逃がすまいとするように、ナナの力を吸収していく。爪先がわずかに動くたびに、肌が蜘蛛糸に擦れ、「ニチニチ」といやらしい音が鳴る。


ナナは喉の奥でうめきながら、全身を震わせた。しかし、完全に自由を奪われた状態での抵抗は限界があった。


(このままじゃ……!)


そのとき――


「おい、新米! じっとしてろ!」


鋭い声と共に、誰かがナナの体に手を触れた。瞬間、鋭利な刃が蜘蛛糸を切り裂き、ナナの頬を覆っていた糸が外れた。光が視界に差し込む。


「……っ!」


ナナはまばたきを繰り返し、ぼやけた視界を必死に戻した。目の前には、先輩ハンターのレンが双剣を構え、冷静な表情で立っていた。


「まったく、ちょっと絡め取られただけで焦りすぎだ。もっと落ち着いて対処しろ」


そう言いながら、レンは手際よくナナの腕や足を拘束していた蜘蛛糸を斬り裂いていく。蜘蛛糸が剥がれるたびに、粘ついた感触が肌を離れ、『ニチニチ』と音を立てた。


やがて、全身を覆っていた糸が取り払われ、ナナはようやく自由になった。


「……助かりました……」


ぐったりとした体を支えながら、ナナは荒い息をついた。


「まったく、ネルスキュラ相手にこれじゃ話にならないぞ」


レンは腕を組みながら、苦笑する。ナナは悔しそうに唇を噛みしめた。


「でも、これでわかっただろ? 蜘蛛糸は焦れば焦るほど絡みつく。力任せに抜け出そうとせず、まずは動きを最小限にして、冷静に糸を剥がしていくんだ」


ナナはゆっくりと深呼吸し、先輩の言葉を噛みしめた。悔しいが、確かにその通りだった。


「次は、ちゃんと脱出してみせます……!」


そう決意を新たにしながら、ナナは拳を握りしめた。



つづきはこちら↓

【小説】蜘蛛糸に絡め取られた新米ハンター【モンハンワイルズ】



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