.
私は自分を縛る縄と格闘していた。
きつく締め上げられた縄はどんなにもがいても緩む気配すらない。
まさか自分より年下の小学生に緊縛されることになるなんて人生何があるかわからない。
私、かえでは私立の中学校に通う普通の女子学生なのだが、ある日地元の小学校の子供達と親睦を深めるためのイベントが開催されるとのことで。まぁうちの学校側からしたら宣伝以外の何物でもないのだが、自分の学年から3人選抜されることになり、くじ運の無い私は見事に3人の中に入ってしまったわけである。私は2年生で同じ学年の子は300人を少し超えるほど。
「普通に考えてありえないよ!」
そんな愚痴を言いながら私は友達の優子と帰宅途中だった。実は彼女も選ばれてしまった1人なのだ。
「もう決まっちゃったんだから仕方ないじゃない」
「優子は子供と遊ぶの好きだからいいけどねっ!」
何を隠そう私は幼い子と触れ合うこと自体が苦手なのだ。
「後の1人は誰になったのかな?」
「まゆだよ、小柄なサッカー部のマネージャーの子」
さすが優子だ。優子以外に友達のいない私は名前は愚か顔を思い出すこともできない。まぁそのイベントの時は名札をつけて参加するらしいから問題ないか。
そんな話をしてるうちに私の家に着いた。優子の家はもう少し先だ。
「じゃあまた明日〜!」
「はぁ~い」
元気なく返事をする私、名前の通り優しい優子は気づいたらしく少しだけ微笑んで私を励ますように手を振ってくれた。
そんなこんなでイベント当日、小学校のグラウンドで行われるというので集合時間より少し遅れて行ったら他の2人は既に集まっていてイベントの説明を受けていた。
「遅いよかえで!」
優子に言われて、ささっと輪に入る。そこで初めて顔を見て、なるほど流石に同じ学校の同じ学年ということで見たことくらいはある。
小柄で大人しそうな子だ。麻友という漢字の上に(まゆ)と書かれた名札をつけていた。
自分も言われた通り"かえで"と書かれた名札を学校指定のジャージに付けて説明を聞き始めた。
そこで初めてイベントの内容を知ったのだが、どうやら私たちはここにいる20人ほどの小学生と"ケイドロ"をやるらしい。私たち3人が泥棒になって20人の子供たちに追い回されるわけか。子供嫌いの私は想像するだけで鳥肌ものだ。
そしてずっと気になっていたが、ここにある大量の縄と布、これは何に使うのか。私が聞く前にまゆが質問した。
「この縄は何に使うの?」
ひと通り説明が終わって先生たちは校舎の中に入ってしまった今、子供たちに聞くと、とんでもない返事が帰ってきた。
「お姉さんたちを縛るんだよ!」
は?という声が出そうになった私だが次の言葉にまぁ納得はした。
「お姉さんたちドロボウは捕まったら鉄棒に縛られるの!」
「自分で解けたらまた逃げられるよ!」
最近のケイドロはそんな感じなのか。自分が遊んでいた頃はせいぜい牢屋を模した砂場とかで待機する程度だったんだけど。
「30分間逃げ切ったらお姉さんたちの勝ち!」
「よーいスタート!」
さっき起きたばかりでぼんやりする頭のままゲームは始まってしまった。私たち3人は適当にケイサツから逃げる。
以外と息が上がるなぁ。
最初の数分は頑張って逃げたが、年の差による走力の違いは明確で私はそそくさと隠れる場所を探してのんびりしていた。優子とまゆは子供たちにと戯れてたけど私は時間が経つまで隠れてようと思った。
グラウンドの端の方にあった遊具に身を潜めて早く終わらないかなぁ...と空を見上げていたその時、
「お姉さん見つけた!!」
最悪だ。油断していた私は背後から来る女の子に気が付かず捕まってしまった。
「これで3人目だよ!」
私が隠れている最中に頑張って逃げていたドロボウは2人とも捕まっていたのか。少しの罪悪感を覚えながら女の子の後について行く。
そして鉄棒まで連行されて驚いた。すでに優子とまゆが捕らえられていたのだが、彼女達はギチギチに縛られていたのだ。手は後ろに回され鉄棒に括り付けられている。胸にも縄がかかっていてなんと口には猿轡まで施されている。相当もがいたのか2人とも汗だくになっていた。
「んんんぅ!」
「んむぅぅぅ!」
猿轡のせいで声にならない呻き声を上げる優子とまゆ。もがくたびに縄の軋む音が聞こえる。これでは自分で解くことなんて不可能だ。
(なんで2人とも裸足なんだろう...?)
「じゃあお姉さんも縛るね!」
そんな2人に見入っていた私は私を捕まえた女の子に縛られ始めていた。
「ちょ、ちょっと待って、こんなにきつく縛るの?」
「そうだよ!だって悪いことしたドロボウなんだから!」
「ええ...」
女の子はまず私の手首を後ろで固定してしまった。次に胸にも縄を巻き付けていく。手際の良さに驚いているうちにどんどん身体の自由が奪われていく。そして鉄棒に縛り付けられてしまった。試しに解こうとするも全く動けない。
「いや、こんなの解けるわけ無いよ!」
私の抗議の言葉なんて聞こえてないかのように黙々と足首も縛り始めた。ここで私は隣で縛られてる2人がなぜ裸足なのか理解した。なんと女の子は私の靴、次に靴下を脱がせ、あろうことか靴下を私の口の中に押し込んだ。
「!?」
とっさの出来事に舌で押し出そうとするもその前に布を鼻、口を覆うように巻き付けられてしまったのでそれは叶わなかった。
「むぅんんんんんん!!!」
舌が完全に固定されてしまいほとんど声が出せない。焦った私はめちゃくちゃにもがき始めるが余計に縄が食い込むだけで緩む気配はぜんぜん無かった。
「完成!」
無邪気に笑う女の子、その周りに見張りをしていた男の子達がやって来た。
「さすがにお前は縛るのうまいな」
「よーし、じゃあこいつも写真撮ってやろうぜ」
「んんんん!?」
そう言うと男の子の1人がスマホを取り出して写真を撮り始めようとした。
「むぅぅ!んんんん!!」
こんな恥ずかしい姿を撮られるのは絶対に嫌だ。しかも今は名札をつけている。このご時世SNSに晒されたらと思うとぞっとする。
なんとか抵抗しようと再度もがき始めるが口が塞がれているため、息が続かない。
体温と恥ずかしさで真っ赤になった顔を縛られた身体と一緒に撮影されてしまった。
「んんぅ...」
隣で縛られてる優子とまゆも同じようなことをされたのだろう、よく見ると顔が真っ赤だ。
そしてなんとか解こうともがく3人を他所に縄は解けないまま30分が経った。その間周りの小学生たちにじっと見張られていたので恥ずかしさで泣きそうだった。
「ケイサツの勝ち!!」
「やったぁ!」
と子供達は喜んでいた。散々もがいたせいで髪は乱れ、女の子の施した緊縛によって完敗してしまった私達3人だったがようやく解放されると思いホッとしたのだが
「じゃあ、お姉さん達頑張ってね!」
と言って全員帰る準備を始めた。
「!!?」
「んぅ!?」
「まっへほおいへ!!」
3人で呼び掛けようとするも猿轡に阻止された。
「なんて言ってるかわかんないよ笑」
「じゃあね!」
残された私達は最後の力を振り絞って助けを求めた。
「んんんんんんんんぅ!!」
3人の呻き声がグラウンドに虚しく吸い込まれていった。
.