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進行する縄【前編】

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「原因不明.......としか言えません。このような症例は初めてです」

「そんな........」

隣で母が俯く。

「苦しくはないのですか?」

「はい」

「とりあえず経過観察していきましょう」

「……」








朝起きたら腰の辺りに違和感があった。

女の子の日かなと思ったがどうも違う。

場所は自室のベッドの上。

「うーん……」

パジャマの上から腰を右手で探ると、妙な膨らみを感じた。

まだ半分夢の中の私はいつも通り布団の中で下着姿になる(堕落した着替え方だ)

「ん?」

今度ははっきりと違和感の正体を掴んだ。

布団を跳ね除けて鏡の前に飛んでいった。

「…なにこれ………?」

私の骨盤の少し上。

おへその辺りに縄が巻き付いていた。

「え?.........え?」

指先でザラザラした感触を確かめるようにそっと触る。

疑う余地もない、縄だ。

パッと見たところ結び目がない。

くっと首を捻って腰を後ろに突き出すと背後に大きな縄の瘤を見つけた。

まるで兎のしっぽみたいだ。

「うっ.........ぬっ.......」

背中に手を回して瘤を弄るが、もともと不器用な私は解く事が出来なかった。

「お母さーーーん!!」

これが始まりだ。









1週間経って分かった事が3つある。

医者もお手上げのこの縄。

背後の結び目と思わしき縄瘤は解けない。

自分だけじゃなくお母さんにも手伝ってもらって無理だったから間違いない。

次に、この縄は切れない。

ハサミ、カッターナイフ、ノコギリ。

いろいろ試したがどれも刃が通らなかった。

最後に.........この縄は私を縛っていく。

最初は腰周りを一周していただけだった縄は今や私の胸元までたどり着いていた。

まるで亀の甲羅の模様を描くように私を縛る縄。少し窮屈だけど痛いほどじゃない。

ちなみに大きかった背後の縄瘤はひとまわりもふた周りも"小さく"なっていた。

どうやら寝ている間に背後の瘤が自動的に解けてその分が私に絡みついてくるようだ。

兎のしっぽくらいの大きさだった瘤は、ピンポン玉ほどの大きさになった。


「うーーーむ..........」

嫌いな数学の授業中に分かった事をノートにまとめていた。

しかし、考えれば考えるほど分からない。

「兎が凹んで亀が出てくるなんて、そんな童話があった気がするなぁ」

挙げ句の果てにこのような思考が出てくる始末だ。

「1週間乗り切ったけど………」

「明日から楽しみだねぇ」

「ホントそれ!」

後ろの席から女子達がはしゃいでいる声が聞こえた。

実はこの学校、明日から2泊3日の修学旅行なのだ。

「楽しみだね!里奈(りな)!」

「あ、うん」

私の返事には元気がない。

正直、楽しみではある。

だけど……………

(この縄……見られたくないな…)

制服を着てしまえば隠せる"縄"だったが、修学旅行になるとお風呂をはじめとした無防備になる時間帯がある。

(いい方法ないかな……)

いくら考えても解決策は見つからなかった。









季節的にも気温的にもパーカーを羽織るのはおかしな事じゃない。

周りの友達も同じような格好である。

しかし、目的地についてからは脱ぐことになるかもしれない。

何せこれから旅立つ先は国で1番暖かい場所なのだから。

私はパーカーの裾をギュッと降ろした。

「里奈、珍しい格好だね」

「まあね」

仲のいい友達は少しの変化にも気付いてくる。

嬉しいけども緊張を隠せない。

何せ服の下には.........."縄"があるのだから。

変態のレッテルを貼られないためにも細心の注意を払う必要がある。

「お菓子こんなにかっちゃった」

「鞄に入れておきなよ.......」

「えへへ、楽しみだなぁ」

「......」

この子には気付かれないかな.......

無駄な心配で出発前から早くも疲れてしまった。






1日目の昼の時間は...........まぁ楽しかった。

班のみんなと一緒にホテルの近場をまわった。

スマホに納められた写真の中の私はどれも満面の笑顔。

部屋の中で友達と談笑しながら写真を見返す。

意外とこんなもんなのかと拍子抜けした。


だが

「うふ〜〜これからお風呂だね」

髪をほぐしながら友達が言った。

「私はパス」

「ええ!入らないの!?」

「そんなわけ........後で入るよ」

「あはは〜そうだよね」

お風呂の時間は班ごとに決められているのだが鈍い私の友達は"後で入る"という私の言葉にいちいちとっつかない。

「それじゃお先に〜〜」

「.....」

なんだか安心する声だった。











みんなが寝静まった夜

私は布団からこっそりと抜け出して、部屋を出る。

そのままホテルの廊下、感触のいい絨毯の上を歩きながら向かうは女湯。

1日くらい入らなくても良いのではと思う人もいるかも知れないけれど、年頃の乙女にとって”清潔感”は命よりも大切なのだ。

「おお……」

脱衣所から何から広くて綺麗だった。

薄暗いオレンジ色の明かりに心落ち着く。

「独り占めじゃん」

こんなに広いお風呂に1人で入るなんて贅沢と思われた。

しかし、事情が事情なので許してもらいたい。

服を脱いだ私は縄姿(?)になるとタオル一枚でまずはシャワーを浴びた。

「はーーーーーー………気持ちいい………」

水を浴びると1日の疲れが流れていく様だった。

身体は後で洗おう

私は先に大きな温泉に『ちゃぷん』と足先から入った。

「おおふ…………」

自然と声が漏れる。

そのまま肩までゆっくりとつかった。

その時

「全く同じことを考える人がいるもんだねぇ」

「へぇぇっ!?」

「女子だけで物凄い人数いる学校だからこういう事もあるか。あぁ気にしないで、私もこの時間に入りたかっただけだから」

とっさにタオルで身体を隠した。

いや隠し切れてない。

小さなタオルでは限界がある。

隙間から"縄"が見えていた。

「やだなぁ、タオルをお風呂の中に入れるなんてマナーがなってない」

「違くて、えっと……」

説明なんてできるか。

「先に出る」

「待って」

『ぐいっ』と……あろうことか”縄”を掴まれてしまった。

「うわぁあああ!」

バランスを崩した私は仰向けに『ばしゃん』と飛沫をあげる形で風呂に引き戻された。

「私は待っていたんだよ、里奈。そう、身体がのぼせるくらいに」

「私はあなたを知らない……だれ?」

「それは悲しいな、同じ学校じゃないか」

そうだったけ?

「ごめん最近疲れてたから」

「疲れの原因はその”縄”かい?」

彼女はたった一言で間合いを詰めてきた。

お互いに開放的になる裸の付き合いってやつか。

「まぁ……」

「私は”それ”を知ってる。何なら治し方まで」

「えっ……」

「里奈がどうしてもって言うなら……………ちょちょちょ!」

「どうすればいいの!!はやく教えて!!」

彼女の肩を掴んで前後に揺らした。

風呂の中が大きく波打つ。

「落ち着きなって、今すぐにどうこうなる問題じゃない。明日の自由行動の時に班から抜け出して私のところに来なよ」

「そしたらこの縄は切れるの!?」

「切る?考え方が乱暴だなぁ」

「乱暴って」

解くか切る以外にないだろうに。

「今はお風呂を楽しもうじゃないか」

「うーん………」

彼女の言葉には謎の説得力があり、私は簡単に流された。











「自分で洗えるって!!」

「縄が巻きついてるとこは無理でしょうに」

「ちょ、ダメ………人に触られたことない………あひゅっ」

「大げさ」

「いきなり引っ張るから!」

「ほら、バンザイして」

「いや絶対嫌」

咄嗟に両手で胸を隠した。

「嫌ならその縄も自分で何とかしな」

「う…………」

何だこいつタチが悪い。

観念した私はそーっと両腕を上げる。

「改めて綺麗に縛られてるね」

上から下まで舐めるように覗き込まれた。

「じろじろ見ないでぇ………」

「それじゃあいきます」

そんな必要ないのに目を瞑った。

まるで初キスを待つ女の子の様に。

『にゅるぅ』

「ひゃあっっ!?」

待っていた感触と違った。

「何してるの!?」

「洗ってるんだよ」

「素手で!?」

「あ、いつもタオルで洗ってるの?今はこっちのほうが主流だよ」

「うそ…………あ…………はんっ……っ!......わざとでしょ!」

「何が?」

「そんなトコばっかり………ひゃああぁぁ……」

石鹸のついた彼女の素手が身体をなぞる。

自然と腕が下がってきた。

「腕を下げるな」

「はひぃ!」

内股でプルプルしながら腕を天井へと上げる。

まるで服従する奴隷の様だった。

「目を開けて」

「ひ.....や........」

「目を開けろ」

「.......」

彼女に頼るしかない私は半ば強引に目を開けさせられた。

「......」

「鏡で見た感想は?」

「あ.........や.......」

えっちだった。

鏡の中の私は両手をバンザイさせて無防備な状態。

加えて亀の甲羅のように身体に巻きついた縄。

太ももに力が入ってお尻を突き出したポーズ。

「感想は」

彼女は強い声で言った。

「はひぃ!えっちですぅ!!」

「もっと詳しく」

「り、里奈はカラダを縛られてイタズラされるのが大好きな変態ですぅ!」

「合格」

彼女は満足したようだった。










「これは明日の儀式とやらに.........必要な事なの?」

「口答えしない」

お風呂のあとはそのまま流れで彼女の部屋に連れ込まれてしまった。

そして私は

「これ以上縛らなくても.......」

自由だった両腕を後ろで束ねられていた。

「もともと縛られてるんだからいいじゃん」

「身体に巻き付いてるだけで........」

そう、少なくとも"拘束"されるのは初めてだった。

手が使えなくなるのは正直怖い。

しかも今は裸。

仮に今、悪い人がこの部屋に入ってきたらなんの抵抗もできずに犯されてしまうだろう。

「やっぱ怖い!解いて!!」

「ちょ、うわぁ!!」

彼女に突っ込んだ。

2人は床に倒れてもぞもぞしている。

「解いて!解いて!」

彼女の胸に顔を押し当てて要求した。

さらに顔を擦り付けて懇願する。

「し!静かに!」

「へ?」

「うーん............何してるの〜〜?」

ベッドのある隣の部屋から寝惚けた女の子の声が聞こえた。

「あ..............大丈夫!喉渇いたから起きちゃった!寝てていいよ〜!」

「あんまり煩くしないでね」

「ごめんごめんーー!」


「「...........」」

どうやらやり過ごしたみたいだが。

彼女の胸はドキドキと高鳴っていた。

縛られたまま倒れて胸に顔を突っ込んでいるのでよくわかる。

「わかった?騒ぐと里奈の学校生活おわるよ?」

「うぅ...........」

今さら事態の深刻さに気付いた。









「ほらとってこーい」

「う.......む............」

足も縛られてしまった私は床を這って目当ての"ホネ"を取りに行く。

「これ.........きっつぅ........」

縛られた身体で移動するのは難儀だった。

自分の身体じゃないみたい。

いつも当然のように出来ている動作が何ひとつ..........出来ない..........

「おっ.........くっ.............」

「あとちょい、がんば〜」

隣の部屋では3人の女子がすやすやと寝ている。

こんな場所でこんなことをさせるなんて........

必死な思いでホネの所までたどり着いた。

「手は使っちゃダメだよ」

「へ?」

後手を上手く使って拾おうとしたのにその行動は却下された。

「そんな......どうやって......」

「わかるでしょう」

彼女は意地悪だった。

「........」

私は姿勢を変えてゆっくりと床に口を近づける。

「うはは、無様だねぇ」

「うぐ.........」

もう少し.............

あと3センチ........だったのだが

『ビンッ!!』

「うぉええ!」

「うぉえだって、くふふふふふふ」

急に首が引っ張られた。

苦しい。

振り返ると彼女が縄を持って笑っている。

その縄はピンと張り詰めていて私の首に.........繋がっていた。

「何するの!」

「まだギリ届くでしょ」

「はぁ!?無理に決まって........」

「舌伸ばせば?」

(こ、こいつ..........)

落ち着け...........落ち着け私。

私は彼女に頼るしかないんだ。

床に転がりながら『んべっ』とはしたなく舌を出した私はホネに向かって目一杯伸ばした。

「うーわっ年頃の乙女なのに」

(無視だ、無視!)

ホネは床でコロコロと転がる。

「なかなか拾えないねぇ」

舌で触れるのがやっとで引き寄せるのは難しかった。

どうしても滑ってしまう。

「悔しいねぇ」

(ああもぅ!!)











「それ落としたらお仕置きね」

「ふむぅうううう!?」

ホネを咥えた私はさながら犬のようにだらしなく涎を垂らしていた。

(落としたら........って事は喋れない!?)

口を閉じられないしこれ以上開けることも許されない。

ホネを唇で挟んだまま離せない.......

「あーあ、こんなに汚しちゃって」

「んごぉ!?」

彼女の指が私の頬に触れた。

『ピクッ』と反応してしまったが辛うじて口はキープした。

そのまま顔を背ける。

「やめて欲しいならそう言って」

「やぇへぇ.....」

「んー何?」

「おぅやぇへぇぇ!!」

「聞き取れない」

人を馬鹿にするような笑い方に苛立った。

「んへぇええっっ!?」

「お風呂の時にわかったんだけど弱いでしょ」

「んぅ.........んぅ........」

「く・す・ぐ・り」

「!?」

途端に脇腹を『こちょこちょ!』と弄られた。

激しく、確実に弱い部分を責められる。

「ふふふふふああああぅううう!」

「観念しなよ」

胸を揉みしだかれ首筋をなぞられ脇の下を『ぐりぐり』とくすぐられる。

「ふひゃああああああああ!!」

「あははははははははははは!!!」

笑い転げた瞬間、『ポロっ』と口からホネが滑り落ち...........

「あっ.....!」

「...........」

彼女の手が止まった。








『ビィィィィィンンン!』

「うぅ!うぐっむむむ!」

(なにこれ!?........ヤバイ!)

脚をM字に縛り直され、仰向けに転がされた私は両胸にローターを貼り付けられてしまった。

「むぅうううううう!」

「次落としたら強にするから」

「おぅううううう!?」

そう言って彼女は私の股間を脚で踏みつけ始めた。

「おっ!おっ!..........んぐぅ!」

必死にホネを噛み締める。

「ほらほら、逃げないと下の方も気持ちよくなっちゃうよ」

「んもぉおおおおおお!」

(こんなにきつく縛られて逃げられるわけないでしょ!)








〜後編につづく〜

進行する縄【前編】 進行する縄【前編】

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