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捕われたスパイ

.




「くっ........ぅぅ....!!」

「んぅううううう!!」


脱出の糸口は掴めずにいた。







〜〜〜〜〜〜〜〜








スパイという理由だけで、まるでそれが捕まる事を前提とした職業である事には声を大にして疑問を投げかけたいのだけれど、たしかに明確な敵がいて、さらにはその敵の味方を演じ続け、最後には裏切るのだから恨みを持たれるのは仕方のない事かもしれない。






私には相棒がいた。

金髪の相棒。

どこか天然で少しエロい相棒。



天然とエロは仕方がないとして、スパイのくせに髪の毛を異彩を放つ美しい金髪のままにしている彼女は頭がおかしいのではと思うことが多々ある。いや、正確に言えば多々あった。過去形だ。

数々の任務をパートナーとして彼女と共にこなして行くうちに彼女の容姿は認めざるを得ないものだと認識する様になった。


"金髪のスパイなど居るはずが無い、人間の裏の裏をかいたスパイ、言わば二重スパイなのです"


それが彼女の持論であり口癖だった。






「その二重スパイという言葉は私達の仲間の前では使わない方がいいと思うのだけれど」


「ん、どうしてですか?」


天然。





彼女......そろそろ名前を出してもいい頃合いだろう。


マグナ

それが彼女のスパイとしての名前だった。本名は知らない。

もはや常識の域に達している事だと思われるが念のために言っておくと、真名、本名を明かさないのはスパイとしての最低限の決まりであり、活動する上での条件なのだ。

つまり5年の付き合いである私が彼女の本名を認知していない事をとやかく言われる筋合いは無い。



「そこの突き当たりを右」

「ふぁ〜〜〜い」

「やる気のかけらも感じられないのだけれど」

「昨日遅くまでユー○ューブ見てたからなのです」


寝不足。



潜入及び機密情報を奪取する"当日"に眠気と戦っているのか、戦うべき相手は他に山ほどいるだろうに。

一種の怒りの感情を覚えたがあえて口に出そうとは思わない。

だって


「おい!お前らやっと見ーーーー」


突き当たりから現れた男は最後まで言い切る前に倒れた。


「まったく、うるさいですねぇ....」


だって彼女は信じられないくらい強いのだから。





相棒のマグナ、武術の天才。

誰もが彼女の美しい金髪に見惚れている間に気を失う。人並外れた勘の良さと運動神経、その暴力的なまでの才能は本物だ。



私は突き当たりを右に曲がりながら並んで走る彼女を見る。何度見ても見慣れることのない美しい金髪だった。



「あっちに行ったぞ!」

「待てオラぁ!」


実は現在進行形で私とマグナは追われている。目当てのものはすでに私の手の中にある。さらには頭の中にコピーしてある。


絶対的な記憶能力。

それを持っているが故に私はこの金髪の天才スパイとコンビを組んでいられるのだ。

私は頭、彼女は身体で敵を翻弄する。不動のNo.1コンビであった。



「マグナ、ざっと13〜14人。どう?」

「ん〜普段ならともかく、無理ですねぇ」


考える間もなく彼女は即答した。まるで考える意味がないとでも言うように。


「数が2桁のうちは敵では無いはずでは」


冗談みたいな話だが単なる嘘ではない。彼女なら99人を相手取っても勝ってしまうかもしれない。

狂乱で乱暴で淫乱な女、それがマグナなのだ。

「やだなぁ、それは条件付きですよぉ、しっかりと寝た次の日の話なのです」


殺意。




「次の突き当たりを私は左」

「了解なのです」


私達は2手に分かれた。

あわよくば2人で帰還する。最低でも1人帰ることが出来れば任務は成功だ。機密データのチップは分かれる寸前にマグナに手渡した。そしてその情報の全てが私の頭の中にある。


つまりどちらかが生き残ればーーーー



「うふぁーーっ!」


うふぁ?時折ワケの分からない言葉を発する私の相棒。上司や後輩に翻訳を頼まれる事も一度や二度ではないマグナ語。



〜うふぁ〜

万事休すの状態。

何らかの理由で助けが必要な時に発せられる言葉。




久しく聞いていなかったので忘れてた。


「マグーーーんんっ!?」


振り返った瞬間に口を塞がれてしまった。遠くで私の相棒が奮闘しているのを見た。

私の記憶はここで終わっている。













以上がここに至るまでの経緯であり、その内容は概ね、どころかほぼ100%合っているだろう。

脳に焼き付けた記憶は忘れない。それがマグナの相棒を務める私の役目なのだから。

しかし状況を理解しただけでは打開する事はできない。




「私、何故か立てないのだけれど、マグナは?」

暗闇で何も見えないのだ。

「んぐぅっ!」

「そう、良かったわ。恐らく私は縛られているだろうから結び目を見つけて解いて」

「んむぅぅぅ!」

「お昼寝タイムだから嫌だ?冗談言わないで!」

「んぉああっ!!」


んぉああっ?

知らない言葉が出た。

新しくマグナ辞書に追加しなければならない。まったく、私の頭の中の容量だって無限では無いというのに。


そんな事を考えているうちに目が暗闇に慣れて来た。

どうやら彼女はサルグツワを噛まされているようだった。


「んぉお!」

「そういう事か、どうりで会話が噛み合わないと思ったのよ」


私は後手に回された両手でマグナの口元を探る。彼女も私の指先に顔を擦り付けて来た。その勢いから必死さが窺える。

5分ほどでサルグツワを外す事ができた。マグナはびしょ濡れのハンカチを『おぇっ』と吐き出してすぐに言った。


「媚薬を盛られました!弄ってください!」


後悔。


後手に縛られた両手ではサルグツワを外す事はできても再度噛ませる事は不可能だ。


「どうしても指が届かないんです!」

「今はそんな状況じゃ無いでしょう」

「そんな状況なんです!」


彼女はピタッと縄で揃えられた太ももを小さく擦り合わせてなんとか快感を得ようとしていた。無論それでは満足出来ないようで私にすがって来た。


「両手が空いてるじゃないですか!」


私だって縛られているのだから"空いている"わけでは無いのだが、彼女からすれば性感帯を刺激する唯一の方法なのだ。もどかしい事だろう。













「あっあっ、んあっ!はぁん!」

つまり私とマグナは敵に捕まって監禁されたと。マグナに手渡したチップは縛られる時に奪われてしまったらしい。しかし私がその中身を暗記している以上....

「んあっ!イクっ!もう我慢できないのですっっ!!」

脱出する事を考えなければ、しかし敵も抜かりない。こういう時のためにスーツに仕込んでおいた護身用のナイフは当然のように取られている。

「はぁ!んぅっ!イギだいぃぃーーーーー!!!」

「うるさいなぁ」











「静かにしてて頂戴」

「1回だけ、1回だけその綺麗な指でイかせてください!」

「ダメよ、1回イッたら2回イキたくなるのがマグナなのだから」

「ぅぅ....酷いです...」

「とにかく、その縛られた両手をこっちに向けて」


マグナは諦めたのか小さくため息をついてゴロンと寝返りを打って私に背中を向けた。

「!?」

ど、どうなっているのコレは...

膨大な量の縄が至る所に絡み合っていてとてもじゃないが解けそうに無い。ましてやこの薄暗い部屋の中、後手の状態でこの縄を解くのは無理だ。


「マグナ、引き千切れないの?」

「無理なのです、上手く力が入らないのです」

彼女は『ぎゅうううっ』と二の腕や胸を動かして見せた。『んあぁぁっ』っと淫乱な声を出す事も忘れない。


「.......仕方ないわ、マグナ、脱出のためのお昼寝タイムよ」

「この身体で寝られるわけが無いのです!」

「.........」

「なんですかその目は!?」

「本当に一回イッたら満足するのね」














「にゅはーーーっ!上手すぎるのです!テクニシャンなのです!大事なトコが先パイの綺麗な指でカリカリされてるのですーーーーっ!んあ!?今度は舌でですか!?そんな大サービスしてくれる先パイ大好きですぅーーーっっ!なんと!後手でスーツの中をいとも簡単に.......あぁ下着の中はダメなのです!ダメじゃ無いけど新たな快感に目覚めちゃうのですぅーーーーーーーーーっっ!!」











寝た、というか気絶した。


後はきっかり30分後に起こせば万事解決。フルパワーのマグナは敵なしだ。簡単に脱出できる。


はずだったのだが。





「騒がしいぞ!」


それは最悪のタイミングであった。














「んむんむ..........ぅぅうううう!?」


マグナは確か媚薬を盛られたと言っていた。まさかコレが...........!?

確信した。

口の中に押し込まれたハンカチから謎の液体がこれでもかと滲み出て来る。上から別の布を噛まされているのでハンカチは吐き出せない。声を出そうと藻搔くたびにハンカチを押し潰す形となり嫌でも液体は溢れ出た。


「んぉあああああああ!」 

出来るだけ体内に取り込まないように涎と一緒に外に出そうとするが、きつく縛り直された身体は仰向けの姿勢を強要されている。

「んぉ!んぉおうっっ!」

どうしても喉に流れ込んでしまうのだ。

これでは私も発情し始めるまで時間の問題ーーーーー

心なしか身体が火照っているような気さえする。



ちなみにマグナは気絶したままだ。意識がない彼女はされるがままに再度、布を噛まされてしまった。












「んふーーーーーゔっ!....んんんっ!」

ダメだ、どうしても解けない。それどころか今度は姿勢も変えられない。媚薬は着々と喉の奥に流れ続ける。

異常な量の汗が噴き出て来た。認めたくないがすでに効果が身体に出て来ているようだった。




「うふっーーー!んぉゔゔゔ!!?」

仰向けにひっくり返ったまま無様に藻搔いていると縄が連動して乳房を締め上げた。その時にどうしようもなく甘い快感が身体中を走ったのを感じた。


「んぅゔゔーー!!んゔゔゔーー!!」

しまった、刺激すればするほど我慢が効かなくなる。忘れようとしても正直な身体は敏感に反応した。



あと5分!

あとたった5分我慢すれば........祈るような気持ちでパートナーの寝顔を横目で見た。

「!?」

私はその表情が変わる瞬間を目撃してしまったのだ。マグナは目を瞑ったまま険しい顔つきになり、眉毛がピクピクと忙しなく動いている。


まだ、

まだ起きないでーーーーーーー




「..................んん..............むぅんんんんんんんん!!??」


私の祈りが通じる事は無く、マグナは目を覚ました。



またしてもサルグツワを噛まされている事に驚きを隠せないようで彼女は半狂乱になっていた。

彼女の暴れる音はかなりの大きさで、ドアの向こう側まで届いていたらしい。



















「んぅぅぅぅうううううう!!」

「ふゔーーーーーーーーーーっっ!!」


媚薬を使われた上でのローターがどれだけ気持ちよく、そしてそれを止める術がない時の辛さは女性でなければ分からない。

私は脚を折り曲げるようにして、マグナは直立した状態で縛り直されてしまった。

2人の縄は繋がれている。マグナが手首を動かすと私は引っ張られるようにバランスを崩してしまう。



「んぐぅぅぅぅゔゔゔゔ!!」

「ふぅう!ふぅうう!!」


お互いに目の前にぶら下がるローターのスイッチを切ろうと必死だった。


私は辛うじてしゃがんだ体勢をキープしているが、秘部や乳首に固定されたローターに翻弄されてしまう。いっその事全て投げ出して転がってしまいたい。

しかしスパイとしての本能が私を無理やり突き動かした。

「うっ!......ふゔゔっっっ!!」

(届かない............)



「んぐぅうううううううう!!」

私は涙目でマグナの方を見た。

「むふぅうっ!んぐぅううっ!!」

彼女も自分のローターのスイッチを切ろうと小刻みにジャンプしていた。

「んぉぉうう!ふむぉおおう!!」

私は必死に訴えかけるがサルグツワのせいで伝えられない。

「んほぉおおおおおおお!」

(気付いて!あなたの姿勢ならこっちのスイッチに届くの!)

強引に手首を動かして繋がれた縄を引っ張って伝えようとする。しかしマグナより遥かに力の劣る私では彼女を振り向かせる事が出来なかった。



「んむぉおおおおおおおおーーーーっっ!!」

私の呻き声には耳を貸そうともせず、彼女は無我夢中で意味のないジャンプを続けていた。










〜終〜

捕われたスパイ 捕われたスパイ

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