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妹を賭けたゲーム



「ダウト」

「いやぁああ!」

「何でわかるの」


放課後、友人と机を並べてトランプをしていた。カードには可愛らしいくまの絵が描かれている。

このクラスで最初にできた友達を手玉に取っていることに多少なりとも罪悪感を感じたが、どうせ"友達"なんて長続きしないのだから良いではないか。







何回やっても私に勝てない2人が可哀想になって来た所で


「あ、私これから仕事だから」

「バイトか、偉い!」

「働き者だねぇ」




2人に別れを告げて足早に最寄駅に向かう。徒歩15分かかる道を10分で歩き、何とか予定の時刻の電車に間に合った。

別に急いでいるわけでは無いのだがその日は何となく時間を無駄にしたく無い気分だった。


電車の中で子供に声を掛けられた。


「コレ、落としたよ」


見ると私のハンカチだった。


「ありがとう」


私はお礼を言ってハンカチを受け取る。




目的の駅で降りて改札を潜り少し歩くとド派手な建物がみえた。


今日の仕事が始まる。











私の仕事を一言で簡単に端的に説明すれば"ギャンブル"となる。

運の良い者だけが生き残り、運の悪い者は淘汰される世界...

だと思われがちだが実際は違う。むしろいかに運の要素を排除できるかが鍵となる。私は自分の人生を不確定なものに預ける気にはなれない。


「あら...」

「おい....アレ......」


建物......

というかカジノの中に入るとディーラー(店員)やプレイヤー(客)たちは私を一目見るや否や警戒モードに入る。この業界で私はちょっとした有名人だ。


運命をも操る力を持った女。


"ハンドル・ザ・ディスティニー"


それが私の通り名。












「ねぇ、そこの貴女」

振り向いた私は続け様に声をかけられる。

「そのショッキングピンクの髪は他を寄せ付けない警戒色.......」

「........」

「まさかこんな所で最強を謳われる女に会えるとは今日の私はついているのかもしれないわ。一戦いかが?」

私よりは年上だが若い女。身なりからして高額な勝負に持ち込める可能性は高い。何より私を知る者は私に勝負を挑まなくなる。勝てないから。プレイヤーが揃わなければギャンブルは始まらない。対戦相手が枯渇して来た私にはちょうど良い獲物だった。


「受けて立ちましょう」













用意されたテーブルに腰掛けて開口一番に私は言い放った。

「私、安い勝負はしませんよ?」

相手の女はニコリと頷く。

「いくら...もしくは"誰"を賭けるおつもり?」

「私はドレイ反対派なので金銭の方、1000万以下の果たし状でしたら破り捨てます」


当然だがこの段階で勝負は始まっている。

相手の女の視線、呼吸、細かな癖や仕草をじっと観察する。


超能力レベルの観察眼。


私に運命を変える力はない。あるのは客観的事実や数字に裏打ちされた確かな"選択"。


「1000万とは、私にそんなお金があるとお思い?」

「でしたら私は降りさせてーーーー」

「でも...」


女はニコリと...いや、ニヤッと不敵な笑みを浮かべそれと共に隠されていた白い刃を見せつける。


「1000万に匹敵するモノを持っています」


女はスーツケースに手を伸ばした。


「出所の分からないものはーーーー!?」


出所の分からないモノは賭けの対象としてはナンセンスだ。しかし私にとってそのスーツケースの中身は、そんな次元のモノでは無かった。


「楽しい勝負にしましょう」


出所が分からないどころか、生まれてこの方ずっと一緒に暮らしている人、つまり私の妹だった。












美香(みか)はーーーー

妹は朝、私と一緒に家を出た。別れた後に拐われたのか。


彼女は道を外れた私とは違って真面目で優秀な人だった。茶髪の髪も私のショッキングピンクに比べれば大人しめな方だろう。

歳は1つしか離れていないが、私には勿体ないくらい可愛い、出来た妹だった。


そんな彼女を巻き込んでしまった私には義務がある。この勝負は負けられない。












「それでアナタは妹を賭けたとして私は........何を出せばいいの」


建物の中はいつもと全く変わらない。奴隷が賭けの対象になるのは珍しい事ではないから。

ディーラーも素知らぬ顔をしている。ここで私が騒ぎ出したら捕まるのは私だ。


「貴女は貴女をかけて頂戴」

「........いいでしょう」


「んぅううううううう!」


目を覚ました美香が必死に藻搔いている。厳しすぎる拘束だった。ずっとスーツケースの中にいた筈だ。酷い事に外に出されてからも縄で身体を折り畳まれている。


「美香、待っててお姉ちゃんがすぐに助けてあげるから」


ただーーーーー疑問がある。


「両者合意のもとに公正な勝負を始めさせていただきます」


私は一呼吸おいて口を開く。


「なぜ......何故アナタは"私"を誘拐しなかったの」


本当に私が欲しいのなら直接私を誘拐すればいいものを。妹を巻き込む理由なんて何処にもない。


「簡単な話、貴女を試したいのよ。ハンドル・ザ・ディスティニー、運命をも操る女の力を」


「....」


納得はできないが理解はできた。

私が負ければ女は私が手に入る。

私が勝てば女は私の力を本物だと立証する事ができる。

妹を賭けるのだ、私は本気でやらざるを得ない。

上手く仕掛けられた。



美香は自分の失態に責任を感じている様でずっと縄をギチギチと鳴らして抵抗している。


「んぅゔゔゔゔーーーっっ!!」


気持ちは分かるが集中出来ない。頼むから静かに拘束されててくれ。


「公平な抽選の結果選ばれたのはーーーーーーー」


私は思わず息を呑んだ。


『コイントス』


女は相変わらず笑っていた。











どれだけ鋭い観察眼でも限界はある。

いくら相手の行動を注視したって分からない事の方が多い。

さらに言えばハナから心理戦に持ち込めないギャンブルだってある。

最強の女だって負けるのだ。



私と私の妹.....

2人の運命はたった一枚のコインに委ねられた。


ーー50%ーー


「裏」

女は即答した。

躊躇する事なく。迷う必要なんて無いと言うかの如く。


「お...表.......」


テーブルの上、高く舞い上がったコインは一瞬でディーラーの手の中に落ちた。


「あら、今日は本当についているみたいね」


「んぅゔゔゔゔゔゔゔゔ!」


「.....」





裏だった。
















「離して.......やめてぇ!」


建物の中にある一室、休憩室としても使われる部屋で私は女に縛られている最中だった。



「んふぅううううううーーーーー!」



目の前には拘束れた妹が転がっている。頭の後ろで両手を縛られているのかバンザイの姿勢である。下半身もしっかりと纏められているが一番恨めしそうにしているのは腰に巻かれた縄と足首を繋ぐ縄だった。

その一本があるせいで動きが極端に制限されている。起き上がる事を阻止するのもその縄らしい。


「んぐぅっっ....」


口元を覆うガムテープはバツ印に貼られ詰め物がはみ出しているのが見える。


「お願い......妹だけでも......ゔっ....」


胸に巻かれた縄をグッと引き絞られる。まるでいけない事をした子供を叱る様に。


「ダメでしょう、貴女は負けたのだから」


「分かってます......ですが美香は.......っっ!」


「同じ事を何度も言わせないで頂戴」


またしても引き絞られる縄に意図せずして悲痛な声が漏れる。


「かわいい声......」


女の顔が紅潮している。何だこいつは、私の何が欲しかったのだ。こんなに厳しく縛らなくても逃げられないのに....

服従の印として首元には紋章が刻まれている。私はこの女に絶対服従、すなわち奴隷となったのだ。



「ゔぉえっ!?.....ちょっと何してるんですか!」


女は私の下半身の服を破き、下着姿にした。


「貴女は特別にココも縛ってあげる」


「?」


女は素早く私の股の間に縄を通して......

一気に食い込ませた。


「........っっ!?」


「クセになるでしょう?」


股に通された縄はそのまま私の後手に縛られた手首に繋げられてしまった。故に手首を動かす度に容赦なく縄が秘部に食い込んでくる仕掛けだった。結び目が丁度私の秘部にあてがわれている。


「んはぁっ!?」


「あらあら、まだ始まったばかりなのに...」


私の小刻みに震える様子を見て女は満足そうに笑っていた。












私を縛り終えた後、緩い部分がないか念入りに確認してから女は一枚のコインを取り出して私に見せた。


「あのディーラーは私の仲間、貴女は騙されたのよ」


「言ってる意味が......!?」


目の前に持ってこられたコインを見て愕然とした。

だってそのコインは.....

両方が"裏"だったのだから。


「イカサマかよ!訴えて.....うくっ...」


胡座の姿勢で仰向けに寝かされた私は首だけ起こして女に突っかかる。しかし勢い余って動かした手首が私の秘部をキュッと刺激した。


「ゲームが始まって以降、一瞬たりとも私から目を離さなかった。貴女の観察眼は優秀すぎる」

「優秀すぎるが故にその目が貴女の妹やディーラーを捉える事ができなかった」


「んんんんんんんんーーーっっ!」


「妹さんは必死に合図を送ってたわよ、素人でも分かるくらいに」


「.......」


憤り、自己嫌悪、そんな感情が渦を巻いてのしかかって来た。


その時、女はすっと屈んで転がされた私に耳元で囁いた。


「その股縄でイキなさい」

「は?」

「できたら妹さんの事は考えてあげる」

「お前....」

「縛られててもひとりで出来るわよね?」


これ以上ない屈辱だった。無様な胡座の姿勢で縛られた上に自分で股の縄を動かしてイクだなんて、ましてや妹も見ているというのに。


「できないなら妹さんは......」

「分かった.....やるから.....」


「良い子」


大きな声を出されては困るからと女は私の口を塞いだ。















『シュッ....シュッ.....』

「んっんっんっ......ふぐぅっ....」



腰をヘコヘコと浮かせる様に動かして縄をグッグッと秘部に食い込ませた。



「んむぅぅぅぅうう!!?」

妹が驚いて私を凝視した。


は、恥ずかしいーーーーーー


見られてる。美香に見られてる。現実逃避のために敵の施した緊縛に身を委ねていると思われている事だろう。


「えらいえらい、そのちょうしよ」


美香を、私が美香を助けなくちゃーーーーー


『シュッ....シュッ....』


「ふぅゔゔゔゔっ!」

次第に昇り詰めてきた。口の中に押し込まれたハンカチを噛みしめながら目をギュウッと瞑る。


「んんんんんんんんん!!!」

妹の叫び声にも似た呻き声が聞こえる。


ごめんね、お姉ちゃんが助けるからーー


腰の動きが一層激しくなる。股縄を動かす手首もその動きを速めた。秘部にあてがわれた結び目も今や必要なモノと思われた。



そして






「ふぅうううううううっっっ!!」


私はビクンと身体を跳ねさせて絶頂に達した。













「ちゃんとひとりで出来たわね」

女は私の口に巻かれていた布を外した。


「........はぁっ...はぁ.......約束通り妹を助けて....」

「自分の事より妹の心配、お姉ちゃんは偉いわねぇ」

「早く......うぐっ!?何....してるの」

「お姉ちゃん軽くて助かるわ」

「きつい....降ろして」


私は胸縄を引っ張られて持ち上げられた。向かう先はーーー


「妹さんが退屈そうよ」

「やめて!」

「"縛られたままの妹をイかせろ"」

「!?」


それは....奴隷へ命令する様な口調だった。













「んんんんんんんっ!?」

妹が苦しそうに身を捩っている。他でもない自分の姉に責め立てられているのだ。


「卑怯だぞーーーーはむ....」

胡座で縛られたまま妹の下着に顔を突っ込む私。

逆らえないーーーー


奴隷として契約された者は主人に絶対服従。女はその権利を発動させた。


「"口だけで器用に弄りなさい"」


「はむ......んむんむ.....」

「んんんんんんんんっっっ!!?」


逃げて、美香ーーーー


身体が言う事を聞かない。命令された私はなす術なく妹の股間を下着の上から弄る。


「"貴女も股縄を動かして"」


『シュッ....シュッ....』

「んふっ!んふぅっっ!」

「んんんんんんんんんんんーーっっ!!」


支配された身体が緊縛された妹とそして自分を同時に弄ぶ。

妹の下着に阻まれて上手く息ができない。


「「んんんんんんんんんんんんんーーーーっっ!」」


「あっははははーーっ!仲がいい事!」


「「ふぅゔゔゔゔゔゔゔゔっっ!!」」


それは、どうしようも無く妖艶な空間であり時間をも忘れる出来事であった。








〜終〜

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