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JOKER

彼はマッドサイエンティスト。その風貌に相応しい屋敷とも工場とも呼べる怪しい家に住んでいた。そして今、完成させた。女子高生だけに効果を発揮する催眠装置『JOKER』を。









異変は突然現れた。モテる男達、簡単に言えば彼女持ちの高校男子の間で毎日のように飛び交う話題があった。全員総じて自分の彼女がSM好きになったと言う。正確に言えば縛られたいという欲求をアピールするようになったと言うのだ。

この異変に最初に気が付いたのはこの様な学生達だけであった。








昔から変わった性癖というのは表に出さないものだ。誰しも奇異の目で見られる事を恐れ、「今日から縄好きになりました」などとカミングアウトする者はいなかった。しかし縛られたい、口を塞がれたいと思う女子高生はうなぎ上りに増えていった。


次第に縄を扱う夜の店に出入りする客が増え、毎日のように女性の呻き悶える声が聞こえるようになった。








マイナーだったものはメジャーになり日常になりつつあった。

街中では縛られた女子高生が出歩くようになった。カップルは手を繋ぐ代わりに彼氏が彼女の縄尻を持って歩く。それが普通になった。

女子高生の間でSNSは緊縛された身体を披露する場となった。もはや顔を隠す者の方が少ないくらいだ。縄に酔い猿轡を噛まされ、恍惚とした表情でカメラを見つめる彼女達は普通の女子高生と認識される。








高校の入学祝いに送られるものはロープが主流となった。女の子は高校生になると縄が必要だ。男の子でも縄を持っていた方が都合がいいことは言うまでもない。一昔前なら心配されるような事だっただろうが今では常識だ。中学生から高校生へ1つ大人になったという程度の認識だった。









授業中、女子高生は縛られ、猿轡を噛まされた状態が普通となった。

「んぐぅううう!」

「ふぅうう...」

飛び交う女の子達の呻き声はそのトーンで何を言っているのか理解できるようにしなければならない。教師になるためには猿轡語の習得が必須となった。






女子生徒たちの間でも猿轡によって派閥が生まれた。ボールギャグ派か噛ませ布派か、中にはガムテープを使用する子もいた。

縄化粧という言葉も一般的に使われるようになり、緊縛の仕方にも個性が生まれた。









しかし...

大学生になった途端に縄に興味がなくなる現象は女の子たち自身はもちろん、偉そうな学者でも解明できない謎だった。分からないものには蓋をするのが一番良い。学者達はさじを投げ、世間でも高校の期間は緊縛夢の3年間とまで呼ばれるようになった。







女子高生は緊縛に夢中になるものだと世間では当たり前の事となった。それが常識になった。




突如として現れ、あっという間に世の中に浸透した"緊縛夢の3年間"は後にとある男が開発した催眠装置、通称『JUICE』によって...


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