「……!」
馬車がぎしりと音を立て、ハッサンとアモスは後部の出入り口に目を遣る。
そこには光を背に受けた異形の輪郭が二つ、佇んでいた。
飛び出した眼球と分厚い唇を備えた大ナメクジ。
太った道化を思わせる形容し難いモンスター。
両者ともに妖しい笑みを浮かべ、男たちを見つめている。
「っ……!」
ハッサンとアモスの分厚い胸の中心が揺れる。
どちらも間抜けと言っていい魔物の顔から下腹部へと視線を移すと、そこには今まで気付かなかった器官が息衝いていた。
ぴったりと合わせ目を閉じた肉厚の割れ目。
その器官がいったい何のために存在するのか、分からない男たちではなかった。
異様な静けさにハッサンとアモスの喉仏だけが上下し、音を立てる。
魔物は男たちの中に植え付けた快感の種が育つのを待っていた。
そして、今が刈り取りの時だった。
「……っ」
テンツクが身を翻し、馬車から降りてゆっくりと林の中へ歩いていく。
「ったく……あの野郎勝手にウロつきやがって……はぐれちまうぞ……」
ハッサンが立ち上がる。
白々しいセリフのわりに、もはや下穿きを突き破ろうとする勃起を隠そうともしない。
歩き難そうにしながら、ハッサンはテンツクを追って馬車を降りた。
馬車を出るとテンツクはすぐそこにいた。
山の麓に止めた馬車の脇、木立の生い茂る斜面で男を待ち受けていた。
腰をくねらせ、男をさそうおどり。
ちょうどハッサンの目の高さで魔物の股間の卑猥な割れ目が微か開いては、擦り合わせるように閉じる。
ハッサンは怒りを覚えた。
雄はこうすれば挿入したくなるのだろう、とテンツクの間抜けな顔が言っているように見えた。
魔物に触れるほど近付くとハッサンはその卑小な肥満体を見下ろす。
「もう茶番は終わりだ」
そう言って下穿きを横にずらすと、赤黒い憤怒を湛えた下反りの極太肉棒がモンスターの臍を圧迫する。
そして桃色の粘膜を僅かにのぞかせる局部に狙いを定めると、ハッサンは腰を深く落とし、真っ直ぐに突いた。
「ぬおおおおおっ!」
ハッサンが雄叫びを上げると同時に、馬車から重い音が響いた。
青い鎧の前垂れが馬車の床板の上に落ちている。
その横ではリップスが仰向けに身を横たえていた。
「ふーっ、ふーっ……!」
アモスは闘牛のように鼻息を荒げ尋常ではない興奮を呈している。
それはモンスターの特殊なあまいいきのせいでもあったが、もう一つ理由があった。
リップスは自身の下半身に開いた割れ目を指で広げ、その内部をアモスに見せ付けていた。
潤った膣内は初心な薄紅だったが、その色に似つかわしくない悪辣な襞がひしめき合い、しかも音を立てて蠕動運動を繰り返している。
そこに男根を挿入する快楽を想像するなというのはアモスにとってあまりに酷だった。
「そんなに男の逸物が欲しいか……!」
アモスが悪態をつきながら下穿きを太腿まで下ろし、引き締まった尻を露わにする。
リップスの飛び出した目がその一点を見つめた。
大ナメクジの子壺の奥まで届くであろう、仮性包茎の巨大な肉棒を。
「それならっ……存分に食わせてやる……っ! おっ! ぐおおおおおっ!」
アモスはその巨体でリップスに覆い被さり、硬く毛深い腰を軟体に埋めた。
「ぬおおおおおっ! な、何だこれっ! おあああああっ!」
「ぐおおおおおっ! こんなっ! おっ! おうううううっ!」
歩幅にして十歩ほどの距離を開け、二つの男体が慄きながら激しく躍動する。
ハッサンは木立の中で、アモスは馬車の中で。
古今無双の戦士たちの肉体は戦いを忘れ、己が男根をモンスターの膣に出し入れすることのみに没頭していた。
「ぬあああっ! イ、イボがっ! チンポにっ! ぬおおおおおっ!」
「ぐあああっ! 溶ける……っ! 逸物がっ! 襞にっ! ぐうううううっ!」
激しさは同じなれどハッサンとアモスの味わう快感の質は全く違った。
テンツクの膣は内部に生え揃った大小のイボがハッサンの肉棒を弾けるような快楽で痛めつけるいわば攻撃的な膣。
リップスの膣は無数のヒダがゆっくりとアモスの肉棒を舐め回しながらより深い悦楽の奥へと誘う受動的な膣だった。
異なる膣が与える壮絶な快感は、男たちにとって俄かには信じ難いほどだった。
もし二人が正直に答えるならば、男としての人生で一番気持ち良かった体験はハッサンはシーフラワーとの交尾を、アモスはおおイグアナから受けた口淫を挙げるだろう。
だが、それらが霞むほどにハッサンとテンツクとの交尾は、アモスとリップスとの交接は気持ち良過ぎた。
その理由であり結果でもある双球が男たちの逞しい太腿の間を昇っていく。
「駄目だっ! 抜かねえとっ! おっ、俺とテンツクのガキが……っ!」
「そ、外で……っ! 私とリップスのっ……子供が出来てしまうっ!」
雄の直感が告げる。
膣内で射精したら確実に目の前のモンスターを孕ませてしまうと。
だが、妊娠のリスクがあるからこそ男たちとモンスターとのセックスは途方も無く気持ち良い。
それは雄である二人の哀しい摂理だった。
「ちくしょうっ! 初めからっ! 俺の金玉汁っ! ぬあああああっ!」
「私の子種をっ! 私をっ! 種馬としてっ! ぐあああああっ!」
モンスター達は初めから、ハッサンとアモスを『使う』つもりで一行に加わった。
雄として飛び抜けて優秀な二人を繁殖相手として選ぶことは当然だった。
「くそおっ! 出したら……っ! ナカで精子出しちまったらっ!」
「いっ、いかんっ! 交じってしまったらっ! 私はもう……っ!」
モンスターと命を繋げる屈辱の上に更なる予感が忍び寄る。
このままでは確実に訪れる、自身の子種と魔物の卵子が混ざり合う禁断の悦楽。
それ程の快感を経験してしまったら、男というものは駄目になってしまうという本能的な警告が二人に聞こえていた。
男たちは最後のプライドを懸けて腰を引こうとする。
だが、雄を知り尽くしたモンスターが哀れな抵抗を許すはずがなかった。
「ぬおおおっ! な、何っ! おっ! やめろおっ! ぬおあああああっ!」
ハッサンの素肌にかけたベスト、その陰からいつもチラチラと見えていた乳首をテンツクの指が摘まみ上げる。
「ぐあああっ! やめろっ! そこは、男の……っ! おうっ! おうううううっ!」
男盛りの子種を溜め込んだアモスの精巣、その豊満な楕円球をリップスの長い舌が包み込む。
そして、モンスターはそれらを弾き、捻り、潰し、弄ぶ。
雄の本能に火を付けられた男たちは完全に快楽に屈した。
「ぬあああああああっ!」
分厚い胸板の端の乳首を捏ねながらふしぎなおどりを舞い、ハッサンの極太肉棒をイボ責めにするテンツク。
「ぐおおおおおおおっ!」
股の間で巨大な二つのしこりとなった睾丸をひゃくれつなめで磨きながら、アモスの長大な肉棒をヒダ責めにするリップス。
全てが吹き飛ぶような法悦が雄たちを襲い、二本の巨大な男性生殖器はモンスターの体内の最奥部へと挿し込まれる。
もういいと思ってしまう。
モンスターとの子が出来るとしても、膣内で射精したい。
否、雄の本能を利用されたハッサンとアモスは子を作りたいと熱望してしまう。
当然、男は全てを出しきれば行為の後には別人のように後悔すると二人は知っている。
しかしそれでも、英雄たちは異種生殖の快楽に勝てない。
「んぬうううううっ! いぐっ! いっちまうっ! ガキ出来ちまうっ! ぬあああああああっ!」
「ぐおあああああっ! 出てしまうっ! 私とっ! ナメクジの仔がっ! ぐおおおおおおおっ!」
二つの男体が燃え上がり、限界まで腰を突き出して痙攣する。
そして筋骨逞しい英雄たちは、モンスターの子壺の中で同時に敗北した。
山々に野太い雄叫びがこだまする。
選ばれた雄しか味わえない無上の快感に、二人の男は人生を塗り替えられていた。
「ぬおおおおおっ! おうううっ! キモチイイッ! んぬおおおおおっ!」
「ぐおおおおおっ! きっ、気持ち良過ぎるっ! 奥があっ! ぐほおおおおおっ!」
ハッサンとアモスは未曾有の快楽に半ば混乱し、まともな思考を保つことができない。
だが、主がどれほど無様を晒そうと雄の生殖器官は競い合うように己が役割を果たす。
二本の極太の男根が狂ったように律動しながら夥しい精液をモンスターの肉の宮殿へと注ぎ込む。
そして、突然二匹のモンスター達が甲高い絶叫を上げた。
ハッサンの精虫がテンツクの卵壁を貫く。
アモスの精子がリップスの卵核と融合する。
その瞬間、もはやどちらのものとも知れない歓喜の重低音が空気を震わせた。
「「ごおおおおおっ! おうううっ! キモチ良いっ! キモチ良いいいいいっ! ぐぬおおおおおおおっ!」」
それは雄がこの世の至福を極めた時にあふれ出る叫びだった。
ハッサンとアモスには互いの聞き苦しい喘ぎも、卑猥な交接音も聞こえていた。
だが、この屈辱的な幸福を取り繕えるはずもなかった。
テンツクの耳まで広がった口が、リップスの分厚い唇が愉悦の弧を描く。
自分たちを軽々と倒すほどの鋼の肉体を持つ優秀な雄たちの精子。
それらはモンスターたちの目論見通り、巨大な四つの精巣から一匹残らず搾り取られた。
一行は再びダーマ神殿を訪れ、ルイーダの酒場で寛いでいた。
「まさかオメデタだなんて、驚いたわね」
「ええ、いつの間に……と言うより、そもそもモンスターはどうやって殖えるのでしょう?」
神秘的な雰囲気を纏う女性が口を開き、メガネをかけた少年が疑問を呈する。
その視線の先には、大きな腹を抱えたテンツクとリップスが大儀そうに椅子に座っていた。
「何にせよとてもじゃないが戦える状態じゃないな。自然に返すことも検討しなくては」
「えーっ! 大事な戦力なのにどうするの?!」
銀髪の剣士がそう呟けば溌溂とした少女が戸惑いの声を上げる。
逆立った青髪の少年も腕を組み、一行は悩ましい唸りを漏らす。
その時だった。
「……代わりのモンスターを仲間にすればいいんじゃねえか?」
皆が驚いて振り返る。
「……ええ、魔物使いなら我々がなりましょう」
ハッサンとアモスが厳つい顔を上気させながら、どこか苦々し気に転職を申し出る。
「ええっ、どういう風の吹き回し?!」
「あれほど気乗りしなさそうだったのに」
訝る仲間たちの中、胎に命を宿した二匹のモンスターたちはテーブルの下に目を遣る。
「別に、深い理由はねえよ……」
「ただ、別の職業に就くのも、たまには良いかと思いまして……」
そこでは忘れられない快楽を刻まれてしまった巨大な二本の男根が頭を振り、収まるべき新たな蜜壺を探していた。
─旅の武闘家と村の英雄は魔物使いに転職した!!(終)─
大人のつみき(レゴ)
2023-07-29 00:44:38 +0000 UTCAbka
2023-07-28 23:37:43 +0000 UTC大人のつみき(レゴ)
2023-06-25 13:36:41 +0000 UTCBringCock
2023-06-25 13:02:24 +0000 UTC