学校対抗レズバトル合戦①
Added 2023-04-05 13:26:47 +0000 UTC私が通っていた中学校では、毎年のゴールデンウィークにある一大イベントがある。同じ市の何かと因縁のあるライバル校と対決をするのだ。 参加できるのは両校女子生徒5人ずつ。ゴールデンウィークの初日の夜に、両校のOBたちによって借りられた公民館の一室に総勢10人が集まり、ある勝負をする。 レズバトルだ。 ルールは簡単。相手側の5人を全員ノックアウトさせた方の勝ち。道具の使用は禁止で、己の肉体のテクのみでの勝負。10人全員が裸になり、段々と女の身体へと仕上がっていく初々しい肉体をぶつけ合う。 勝ったから何かあるわけでもないし、負けたから何かあるわけでもない。そこにあるのは、ただ単純なプライドの勝負だ。始まりは知らない。もうずっと何年も前から、2つの中学の女子生徒は毎年こうして勝負を繰り返してきた。 中学3年生の時、私はその年の闘いに参加していた。1年や2年の時も立候補はしていたのだけど、参加枠を賭けた同級生との闘いに負けて参加を見送るしかなかった。最後の年で、ようやくの参加だった。 ルールとして、参加できる5人の枠は学年で固定されている。3年生が3人。2年生と1年生が1人ずつだ。この5枠を争ってそれぞれの中学では4月を丸々使って校内戦争が勃発する。1年と2年はその学年で1番強い女子が、3年は上からトップ3が選抜される。私は3年生のナンバー2として参加した。 勝負の日。決戦の場となる公民館には10人の女子が集まってくる。監督役として両校のOBの代表者が1人ずつ。計12人が、静まり返った公民館に集まった。 女子たちはそれぞれ別室で服を脱ぎ、裸の状態でホールと呼ばれる空間に集まって勝負をする。必ずしもタイマンでやり合わなきゃいけないというルールはない。2人で1人を確実に落とす手もある。その場合、こちらの誰かが複数人相手にすることにもなるけど。とにかく、肉体とテクで相手を全員潰せばいいのだ。 ホールに集まった相手側の5人を見て、私は少し驚く。4人は知っている顔だったけど、たった1人だけ、見たことの無い女子がいたのだ。 この決戦の日以外にも、私たちの中学の女子生徒たちは日々レズバトルを繰り返している。相手がライバル校の制服を着ている女子生徒なら、たとえ名前も知らない子でも街中で遭えばすぐさまバトルが勃発する。そんなことを繰り返していれば、自ずと相手中学の実力者の顔や名前も憶えてくるものだ。私も、ほぼ毎日のように相手中学の女子とレズバトルをする日々を送っていたから、強い子の何人かは把握している。 だからこそ、相手中学の5人は全員自分も知っている女子が来るだろうと思っていた。しかし1人だけ、私のデータベースに入っていない女子がいた。 黒髪のボブヘアで、やや丸顔の輪郭。体格は小さく、胸も小さい。他の女子たちとは違ってこちらを睨みつけるわけでもなく、壁にかかった時計の方を見ている。緊張している様子はうかがえない。 私は隣に立つ高坂(こうさか)にこっそりと聞いた。同じ3年生で私のライバルであり親友でもある。一応実力は私の方が上だけどほぼ互角といっていい。 「1番右の子、知ってる?」 高坂は、その子を睨みつけながら頭を振った。 「知らない。多分1年だろうけど、こっちが調査した実力者候補の中にはいなかったね」 「どうする。1年生なら、こっちも1年に相手してもらう?」 そう言いながら、こちら側の1年生の子を見る。名前は小林(こばやし)で、少し緊張した表情で相手側の女子たちを睨んでいる。あっちの子と比べるとまだ幼く見えるけど、私たちの中学の1年生トップだ。実力は申し分ないはず。私たちを会話が聞こえていたのか、小林は自信ありげに頷いた。 「1年の相手は1年が務めるのがセオリーですよね。大丈夫です、私がやります」 「よろしく。・・・・それじゃあ、相坂の相手は小宮でいい?」 相坂(あいさか)とは相手側の2年生の名前で、小宮(こみや)はこちら側の2年生の名前だ。 小宮は頷いた。 「はい。任せてください。今度は勝ちます」 小宮と相坂は去年の決戦にも1年生代表として参加していた。その時は同時逝きでドロー。それ以来2人はライバルで何度も私的に対戦している。さっきから、2人はそれ以外の女子が目に入っていないかのようにお互いを睨み合っている。 「それじゃあ1年と2年はそれぞれ任せて、私ら3年は状況に合わせてやるってことで」 そう言ったのは佐山(さやま)だ。3年生トップにして私らの中学の暫定トップ。何度やっても私が唯一勝てなかった女でもある。正直私との仲はあまり良くないけど、いがみ合っている状況ではない。今は同じ中学代表として協力しなければ。 「それじゃあ始めよっか」 OBの人がそう言う。部屋の隅にいた私たちは横に並び、ゆっくりとした足取りで部屋の中央へと進んでいく。 やたらと私を睨んでくる女がいると思ったら、小笠原(おがさわら)だった。あいつとは今までにも街中で何度か対戦したことがある。私が勝ちこしているからか、どうやらあっちは私とやる気満々のようだ。私も睨み返す。とりあえず、最初の相手は決まった。 2人の監督役のOBが顔を見合わせ、その内の1人がいった。 「それじゃあ、お互い悔いの残らないようにね。0時になったらスタートで」 それから約2分間、私たちは闘争心を高めながらお互いを睨み合った。その中で唯一、相手側の1年生の子だけが少し退屈そうな表情をしていた。 0時になり、掛け時計からカチッと音が鳴る。それを合図に、私たちは目当ての相手へと飛び掛かった。