NokiMo
ゴシック
ゴシック

fanbox


帝国③

「んふっ・・・・あぅ・・・・」 「うっ・・・・んん・・・・」 私と小池麗美のレズバトルは、至って単純、お互いの指テクと我慢強さを競い合う手マン勝負になった。お互いにそれを望んだわけではないけど、全裸で睨み合いをしている内に、気付けば指が相手の股間へと向かっていたのだ。 やや腰をかがめながら、小池麗美とおでこを突き合わせた状態で手マンし合うこと10分。私たちの足元には徐々に水滴がしたたり落ちてきている。最初は睨み合いながら逝かせ合っていたけど、時間が進むにつれてそうは言っていられない様になり、どちらもとろんとした瞳の大半を瞼で隠している。もはや視界は定まっておらず、溢れ出ようとする涙と興奮の熱で小池麗美の顔はよく見えていない。 それでも小池麗美がそれなりに限界に近づいているとわかるのは、小池の口から漏れた熱い吐息が私の口元にかかっているからだ。さっきからその頻度が増している。体力的にもそろそろ限界になりつつあるようだ。もちろん、それは私も同じだけど。 「んぐっ!・・・・」 小池麗美の身体がビクンと震える。私の股間をいじめていた指の動きがやや緩まり、逆に私が指を突っ込んでいる小池の股間からは水滴が激しく飛び散った。 「・・・・口だけのことはあるな」 派を噛み締めながら小池が言う。その表情は悔しさでいっぱいに見えた。 「・・・・先にイッたくせに、まだ上からなんですか?」 「微々たる差だろうが。次はお前だ」 「どうでしょうね。じゃあ、続けましょうか」 結果として、小池の言う通り次は私がイクことになる。それから5分後に小池の中指の腹が私の割れ目を激しく震わせ、私は喘ぎ声を漏らした。 「んっ・・・・!んんぅぅ・・・・」 「・・・・はっ、可愛い声だな、下級生」 馬鹿にして見下すような目つきで小池は私を嘲笑う。これでようやくイーブンになったばかりなのに、もう勝った気でいるのだろうか。そのムカつく顔を殴りたくなる衝動に駆られるが、これは女の闘いなのだと自分に言い聞かせる。 「・・・・次で終わらせましょうか、先輩」 「上等だよ。もう一回喘がせてやる」 そして私たちは、また指を動かした。 20分後、派手にイッて生気を失った顔で仰向けに倒れる小池と、その腹の上に座ってマウントを取る私の姿が、そこにはあった。 「勝負ありですね、先輩」 「・・・・クソが」 「悪態をつく元気があるうちに明言してください。あなたたち『恋歌』は姫菜さんの下に就く、と」 「・・・・」 黙る小池に、私は右手を背後に回して小池の股間へと添わせる。いつでもいじめてやれるというアピールだ。 「言うまでずっと弄りますよ」 「・・・・わかったよ、立花に就く。これでいいだろ」 「ありがとうございます。それでは今後、『恋歌』の皆さんには私たちの指示で動いていただきます。それらの報告はリーダーであるあなたからお願いしますね」 これで姫菜さんからの任務は達成。・・・・よかった。これで期待を裏切らずに済んだ。姫菜さんの掲げる「終幕」に一歩近づいたのだ。それに少しでも役に立てたと思うと、思わず笑みがこぼれそうになる。 小池はニヒルな笑みを浮かべた。 「・・・・ああ。だがな、これからお前はもっと忙しくなるぞ」 「何が言いたいんですか?」 「自分で言うのもなんだがな、ウチはこれでも結構仲間たちから慕われてるんだよ。リーダーの言うことは何でも聞きますってな。だからあいつらも立花の下に就くのも納得するだろう。・・・・だが、ウチを倒したお前は、さぞかし仲間たちから恨まれるだろうな」 「・・・・あなたより格下の連中がどれだけ来たって、私は負けませんよ」 「かもな。・・・・だけどな、確かに『恋歌』のリーダーはウチだが、それはウチが一番強いってことにはならねえぞ」 「・・・・『恋歌』にはあなた以上の人がいると?」 「どうだろうな」 小池は不敵な笑みを浮かべる。・・・・普通、グループのリーダーに立つ人間はその中で一番の実力者と決まっている。誰だって自分よりも弱い人間の言うことなんて聞かないからだ。なのに『恋歌』にはリーダーの小池よりも強い人物が他にいると言うのだろうか。それは少し考えにくいが、ここで小池がそんな冗談を言う理由も無い。きっと本当のことなのだろう。 「・・・・それでも、勝つのは私です」 私の宣言に、小池は笑うばかりだった。 「・・・・そう。お疲れ様でした、美与(みよ)さんの働きにはいつも助けられてばかりですね」 特別学習棟2階の美術倉庫室。学校行事のイベントで使う小道具などが収容されているこの部屋は、姫菜さんが仕切るグループの溜まり場となっている。以前までは他のグループが使用していたけど、私と姫菜さんでそのグループを壊滅させて吸収したことで、今は私たちの場所となっている。 「いえ、全ては姫菜さんが掲げる理想の為に、私のような兵隊は自分にできることをしたまでです」 「うふ、そう。とても嬉しいわ。ありがとう」 明るい金髪にウェーブのかかったセミボブ。驚くほど整った顔立ちとスタイル。薄く艶のある唇が動き、発せられる言葉のひとつひとつに私の心臓が震える。 立花姫菜。 この学校の女帝に相応しい、我らが『ギャンビット』のリーダー。そして、私の憧れの人でもある。 「約束通り、ご褒美をあげないとね」 「・・・・ありがとうございます」 「今日はどこがいいかしら。とりあえず、キスでもしながら考えましょうか」 立ち上がった姫菜さんはゆっくりと品のある歩き方で私へと近寄ってくださる。その顔、唇が私へと向かい、至極の時間が訪れる。・・・・ああ、このご褒美のためなら、私はどんな相手にだって勝ってみせる。この人がこの学校の女帝になるためなら、どんな犠牲だって払ってみせる。 私は捨て駒でいい。この人の力になるなら、それでいい。


Related Creators