帝国①
Added 2023-03-13 22:27:42 +0000 UTC自分が優れた人間であるとは思わない。秀でた才能があったわけでもなければ一目置かれる特技があったわけでもない。私はただの凡人だった。 凡人には出来ることは限られている。狭く薄い範囲でも、一部の優れた人間のようにはいかなくても、とにかく出来ることはある。それを人は努力という。 私は努力した。凡人なりに精一杯、少しでも優れた人間に近づくために努力を重ねた。努力し続けることだって才能の一つなんて言う奴もいるみたいだけど、それは怠け者の言葉だと思う。努力は誰にでも出来る。私のような凡人にもだ。 努力は人を裏切らないと言う人もいれば、裏切ると言う人もいる。真偽は定かではないしどうでもいいけど、私の場合は裏切らなかった。私がした努力は、その分だけ私を秀でた人間へと近づけた。 そんなことを言っても、自分が秀でた人間へと近づいた実感はなかった。私にそれを教えてくれたのは1人の女の子だ。その人は私が憧れた秀でた人間そのものだった。どれだけ努力しても届かないような、雲の上にいるような絶対に手の届かない人だ。 「あなたは特別よ。良ければ、私に付いてきてくれないかしら」 その誘いを断る理由はなかった。努力は私を成長させるだけじゃなく、想定外なご褒美もくれた。 私はその人の啓蒙的な活動が好きだった。その思想に賛成だったし、それを実行するための活動にも意欲的だった。なのでその人の兵士の1人として活動できることが、本当に嬉しかった。しかもただの兵士ではない。特別な兵士だ。力を持った子にしか与えられない特別な任務を与えられ、私はそれに尽力した。 いつしかその活動は私の名を広めるに至った。いつしか私はその人の右腕のような立ち位置として周りに知られ、個人的に私へと近づいてくる人も多くなっていった。その中には私を尊敬してくれる人もいれば、敵視してくる人もいた。それでも私にとってはどうでもよかった。あの人以外は私にとって些末な人間に変わりはない。誰に好かれようが誰に嫌われようが、あの人の兵隊である限り、私にとっては心底どうでもよかった。 ある日、私はいつものようなあの人に呼ばれた。新しい任務だ。でも今回はいつもとは少し違った雰囲気で、私は思わず息を呑んだ。いつもは穏やかな笑みを絶やさないその人だけど、その時は真剣な表情で私に言った。 「次はね、今までとは少し違う人を倒して欲しいの。私でも苦労するような凄い子よ。貴女にしか任せられないの。どうかしら」 答えは決まっていた。頷くと、その人の顔はいつものような微笑みに変わった。 「貴女のそういうところ、凄く好きよ。私の活動に欠かせない特別な子。だから期待しているの。きっと勝てるわ。勝てたらご褒美をあげる」 ご褒美とは?私が聞くと、その人はゆっくりと私に近づき、顔を近づけて囁くように言った。 「うふ、知ってるくせに」 その人の右手は私のスカートの中に入り、股間をゆっくりとまさぐっている。しなやかな指はパンツの中に入り込んで、割れ目をゆっくりと撫でる。私は熱い吐息を吐きながらその快楽に夢中になる。 「貴女は私の右腕。私の目的の為に、無力な子を導くための旗持ちであり、障害となる子を排除するための兵士でもある。ずっと私の隣にいて?そして、私が潰してと言った子を潰す、力の象徴になって」 はい、もちろんです。蕩けそうになる意識を必死につなぎとめてそう答える。その人は、妖艶な笑みを見せる。 ふと、それは悪魔のような笑みにも見えたけど、私の意識はすぐに快楽に支配された。