2人の「まゆ先輩」①
Added 2022-12-06 21:24:38 +0000 UTC私には「まゆ先輩」と呼べる人物が2人いる。 まず、朝倉真由(あさくらまゆ)先輩。この方は私と同じ中学校の出身で、私が中学一年生の時に入ったバレー部で真由先輩はその部の主将を務めていた。ショートヘアの黒髪がよく似合う、活発で可愛らしい笑顔が印象深い人だ。 真由先輩は初心者の私にも優しく基本練習を教えてくださり、部活終わりには一緒にカフェに連れて行ってもらったりもした。とにかく優しい先輩で、部内のみに関わらず、中学全体でも評判のいい人だった。勉強も出来てスポーツも上手い。バレー部では圧倒的なカリスマ性で部を勝利へと導いてくれる。県大会で優勝できたのも、真由先輩の力あってこそだ。 真由先輩が中学を卒業して高校生になってからも、私と真由先輩の関係は続いていた。「もう先輩じゃないんだからいいよ」と言われたけど、私は彼女を「真由先輩」と呼び続けた。関係が途切れてしまいそうになるのが怖かったからだ。それぐらい、私は真由先輩のことが大好きだった。 「初めて彼氏が出来た」と真由先輩が報告してきてくれた時は、私も自分のことのように嬉しかった。今までにも告られてきたことは何度もあったけど、バレー部に集中するためになくなく断ってきたらしい。だから真由先輩にとっては念願の彼氏だったようだ。 彼氏さんの写真も見せてもらった。とても優しそうな人で、真由先輩とはお似合いに見えた。その方は真由先輩と同学年同クラスの人で、たまたま隣の席になったことが出会いの始まりだったらしい。 そんな彼氏さんとの関係は円満に続いたようで、私が高校受験間近に迫った時でさえ、真由先輩は私を呼び出して彼氏さんとの惚気話を聞かせてくださった。 そして私が高校受験に成功して真由先輩と同じ高校へと入学を決めた日、私は合格のことを真由先輩に報告するために電話をかけた。電話に出た真由先輩は、酷く元気がないような声だった。 「・・・・真由先輩、どうかされたんですか?」 「・・・・ああ、ううん。なんでもないの。それより合格おめでとう。また春から、同じ学校で過ごせるね。楽しみだよ」 そう言って笑った真由先輩の声は、明らかに無理をしているようだった。 何かあったのだろうか。でも、真由先輩は昔から、決して自分の弱い部分を見せない人だ。きっと聞いても教えてはくれないだろうし、真由先輩を苦しませるだけかもしれない。 私はついに聞き出せずに、真由先輩と同じ高校へと入学した。 そこで、2人目の「まゆ先輩」に出会う。
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( 〃▽〃)
BNM
2022-12-13 17:45:20 +0000 UTC