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巨乳メイドの愉悦①

都会の喧騒から少し離れた高級住宅街。長い坂を上った先にある、くすんだ黒色の煉瓦壁の巨大な建物こそが、私の家だ。   その不気味な色と館のような外見のせいで近隣の住民たちからは不審な目で見られがちだが、別に魔女が住んでいるわけではない。少し、というかめちゃくちゃ大きすぎるだけの、ただの家なのだ。   この家は、国内でもトップクラスのシェアを誇る超大手医療企業の創業者である祖父が建てた。祖父が亡くなってから家業を継いだ私の父がそのままこの家の主となり、その一人娘である私の実家でもあるのだ。   私は大富豪の令嬢ということだ。   初めは自分の幸運を神様に感謝したりもした。誰もが羨む富豪の一人娘として生まれ、しかも抜群の美貌まで持っている。お嬢様しか通えないような学校でも、私は他の子たちとはさらに格がひとつ上の待遇を受けた。みんなが私に媚びを売り、気に入られようとする。望んだものは何もかも手に入った。   気分がよかった。しかしそれも小学生の頃までの話だ。中学生になる頃には段々と自分の虚しさに気付いていき、高校二年生の今ではすっかり嫌気が差してしまっている。仲のいい子はいても、本当の友人にはなれない。きっと、親たちから私には媚びを売るように言いつけられているのだろう。誰も私に心を開かず、私の背後にある実家のお金ばかりを見ている。   そんな環境が嫌になって、私は次第に高校に行かなくなった。ネットで通信教育をしてくれる高校へと転校したのだ。   最初は世間の目を気にして反対していた両親だが、最終的には私の気持ちを尊重してくれた。基本的には、両親は私のわがままに応えてくれるのだ。それだけ私が愛されているのもあるだろうし、たとえ不都合な情報が世間に流れても、溢れまくったお金の力で何とでもなるからというのもあるだろう。   そういうことで、毎日学校のために早起きしなくてもいい自由を手に入れた私は、十一時すぎになってようやく目覚めると、眠気眼を擦りながら食堂へと向かった。 「お嬢様、おはようございます。今日はいつもよりお早いですね」   この屋敷に住み込みで働いてくれているメイドさんのひとりが、廊下のすれ違いざまに挨拶してくれた。完全に嫌味を言われてしまった。でもこのメイドさんはずっと前からこういうキャラなので、今更いちいち腹を立てたりはしない。 「そうなの。お仕事、頑張ってね。私はご飯食べた後にまた寝させてもらうけど」   ほら、こんな感じで言い返す余裕もある。 メイドさんは苛立ちを必死に笑顔で隠しながらお辞儀をすると、足音を大きくしながら歩いていった。あのメイドさんとはあまり仲がよくないから、さっきのように言い合うのも珍しいことじゃない。いや、それはむしろ仲が良いと言えるのかもしれないけど。   あのメイドさんの他にも、ここで働いてくれているメイドさんたちはみんな個性が強い人ばかりだ。一日に一枚は必ず食器を割るメイドさんもいれば、庭に無断で花を植えるメイドさんもいる。 でも、パパとママは滅多なことじゃないと怒らない。最低限の仕事さえしてくれれば多少の問題行動は気にしない性格なのだ。これも、溢れ出るお金がもたらす精神的な余裕の影響だろう。   私も特に気にしてはいないし、むしろ好意的に思っている。学校の人たちとは違って、ここのメイドさんたちは私に気を使ったりしないからだ。 メイドさんたちが媚びを売るのは雇い主であるパパとママに対してだけで、その娘である私に対しては自然な対応をしてくれる。中には、二人きりの時に限ってだがタメ口で喋ってくるメイドさんだって存在するくらいだ。姉妹のいない私にとっては、ここのメイドさんたちはみんな歳の離れた姉のような存在で、接していて楽なのだ。パパもママも、私がそれを望んでいると知っていてそういう人を採用しているみたいだ。   ただひとつ文句があるとすれば、数が多いこと。まあ、これは別にメイドさんたちが悪いんじゃなくて、パパが悪いのだ。この屋敷に住み込みで働いているメイドさんの数は、ざっと十人。外からやってくる人たちも合わせれば二十人を超える。いくら屋敷が広いからといって、これはさすがに多すぎる。 しかも、みんな容姿が似ている。これはパパの要望で、ここで雇うメイドさんはみんな「黒髪ロングで前髪ぱっつん」が義務付けられる。しかも、選ばれるのはみんなHカップ以上の大きな乳を持った巨乳のメイドさんばかり。これはパパの性癖によるものだ。ママ曰く、パパは昔から黒髪ロングで前髪がぱっつんの巨乳の人が大好きなんだそうだ。そんなママも、今では髪型を変えてはいるが昔は黒髪ロングの前髪ぱっつんだったそうだ。もちろん乳も大きく、Iカップの巨乳は今も健在だ。   そういう私も、ママの巨乳の血を受け継いだことで乳はそれなりに育っている。おかげで最近Gカップのブラがきつくなってきた。髪も黒髪のロングだが、前髪はぱっつんではなく横に流している。なんとなく、パパの性癖に合わせてるみたいで嫌なのだ。パパには感謝はしているし愛もあるけど、その性癖にまで付き合ってあげる義理はない。   そんなパパだが、最近またメイドさんを雇ったらしい。話では今日からここに住み込みで働くとのこと。つまり、今日からこの家に住み込みで働くメイドさんの数は十一人になる。・・・・いくらなんでも多すぎる。もういらないだろ。 でもまあ、そのメイドさんに罪は無いから、食事が終わったら挨拶しに行こう。


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