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【全体公開】【無料サンプル】融合車両 〜ラグマッチョな41歳リーマンと、18歳ギャル系女子高生編〜
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朝の混雑する駅のホーム。紺のスーツを着た若い男性が、スマホの画面に目を落としながら電車を待つ列に並んでいた。平山賢介、年齢は26歳。ツーブロックの髪型と精悍な顔つきは、一見すると体育会系のサラリーマンに見えるが、警視庁組織犯罪対策部──いわゆるマル暴の刑事である。剣道に打ち込んでいた学生時代は、眉が濃く凛々しい男前といった風貌だったのだが、ヤクザに舐められないよう強面の風貌が多いマル暴の刑事たちの影響を彼も受けており、やや険のある男前といった雰囲気になりつつあった。
平山はスマホの画面から目を離さず、目の隅で目的の男を捉えたまま、ショートメッセージに文面を打ち込む。「5号車、後方」とだけ平山が送信した文章には、すぐさま「OK」というスタンプが返ってきた。平山と組んでいる、岩崎という先輩の刑事からの返信だ。平山はスマホの画面をニュースサイトに切り替え、読んでいるフリをしながら目の端で周囲を観察した。中年男と若い女のカップルが、人目をはばからずに列の先頭でいちゃついていた。
「っへへ……玲緒奈は今日もええ乳してんなァ〜!」
「もーっ❤ たっちゃんたら、玲緒奈のおっぱい触りすぎっ❤」
彼らが尾行しているのは、XX組の若頭である片桐辰雄と、その愛人の西川玲緒奈だ。片桐辰雄は52歳。角刈りで浅黒く日焼けした厳つい風貌で、サングラスを額に上げ、白い上等なスーツを着て、金色のネクタイや指輪を付けたギラギラした印象の中年男だ。その愛人である西川玲緒奈は22歳で、XX組が経営に関与しているキャバクラに勤務していたらしい。そこで片桐に見初められ、愛人として抜擢された。茶髪でヒョウ柄のワンピースを着た派手な女で、ワンピースの胸元はむっちりとした巨乳が溢れそうだった。
XX組は組長が亡くなったばかりであり、内部は後継者争いで微妙な力関係の緊張感が走っている。内部抗争に発展する予兆があれば、警察としてもそれは把握しておきたいため、幹部級の組員には尾行がついていた。
(とはいえ、順当に行けば若頭である片桐が次の組長になるだろうし、次の幹部会は3日後だ……そこまで監視を続けて問題がなければ尾行は解く……という方針だったな)
平山としても異存はない。「何も問題がないことを確認する」という意味合いの尾行であり、何も起こらなければそれで終わりの、どうということはない尾行のはずだった。隣の列の最後尾に並んだ岩崎もそのはずだ。岩崎雅彦、年齢は49歳。M字に後退した脂ぎった頭髪と、鋭い目つき、蓄えた口髭、そして筋肉の上に脂肪が付き、固太った体躯。岩崎はいかにもマル暴刑事といった強面な風貌であるため、少し距離を取っていたのだ。
電車がホームに到着し、片桐辰雄と西川玲緒奈が、平山賢介と岩崎雅彦が、他の乗客たちとともに電車に乗り込んでいく。何も異常が起こらなければ、単なる尾行で終わるはずだった。彼らが乗り込んだのが「融合車両」でさえなかったのなら──
※
──当車両は混雑緩和のため、試験的にお客様同士での融合を行っております。
──お客様同士でのキスによって、融合は完了します。肉体と精神は混ざり合い、二度と元には戻りません。
「なっ、なんなんだっ!?」
「ちょっと!? 離れなさいよっ!!」
「ゆ、融合って……嘘でしょ!? いっ、イヤァ〜〜〜ッ!!」
「くそっ! くっつくんじゃねえ!!」
発車してすぐ、電車内は阿鼻叫喚のありさまへと変わった。奇妙なアナウンスと共に、乗客たちは体の自由が効かなくなり、近くにいた人間と──より正確に言えば「自分が意識を向けていた人間」と、勝手に体が動き、抱き合い始めたのだ。そしてキスをした乗客同士で体の輪郭が溶けて、混ざりあっていく──アナウンス通りに、融合していく。そして平山が抱き合っているのは……
「おっ、オイコラ! 離れやがれッ!!」
「俺だって離れたいんですよ!!」
平山が抱き合っているのは、尾行対象である片桐辰雄だった。片桐の付けている香水と加齢臭が混じり合った匂いが、平山の鼻腔をむず痒くする。
(融合って……嘘だろ!? 俺がこんな……中年ヤクザと、融合しちまうのか!?)
平山は信じがたい思いだったが、しかし実際にキスしてしまった乗客同士は、まるでシュールレアリズムの絵画のように、体や服が溶けて混ざり始めている。あんな風にはなりたくないと、懸命に目の前の中年ヤクザから顔を背けようとするが、見えない力で顔が引き戻され、正面を向いてしまう。一瞬、岩崎が若い女とキスをして、頭部が混ざり合っているのが見えた気がしたが──はっきりと確認はできなかった。そして、平山も目の前の片桐とキスを──唇を重ね、舌を絡ませ、体同士を溶け合わせたいという切実な衝動が込み上げてくる。それは片桐も同じようで、ハアハアと肩で息をしながら、へろんと舌をだして喘いでいた。
「わ、ワシがこんなっ……若造とっ……くっ……!」
「おっ、俺っ……もう……げ、限界っ……!」
若い刑事と中年ヤクザが、互いに鼻息を荒げながら見つめ合い、唇を突き出した顔を近づけていく。互いに勃起した股間を擦り合わせながら、熱く、がっしりと抱き合い、濃厚なキスを始めた。慌ただしく、それでいて熱烈に舌を絡ませる。互いの舌の輪郭が曖昧になり、とろりと溶け合っていく。まるで度数の高い酒を飲み干すかのような、高揚感と酩酊感が平山を襲う。
(あぁ……いい……俺の舌の中に、片桐の舌が入ってくる……こんなの、初めてだ……)
平山は濃い眉を悩ましげに寄せ、押し寄せる融合の喜悦に飲み込まれていった。
※
電車が駅に到着し、プシュー、と電車のドアが開くと、チグハグな格好の乗客たちが次々に車内からホームに出てきた。ヒゲの剃り跡と腕毛の濃いOLが、レディーススーツの股間に精液染みのある格好で、肩で息をしながらフラフラとエスカレーターへと向かっていく。妙に童顔で、髪をおさげ縛りにした中年サラリーマンは、ワイシャツの下に可愛らしいキャラクターがプリントされたTシャツを着て、まるで初めて射精の快感を味わったかのように、呆然としてヒクヒクと肩を震わせていた。大学のラグビー部のロゴが入ったスポーツバッグを肩に掛けた、日焼けした男子大学生は、中年女性のような派手な紫色のパーマの髪型をし、妙に女顔になった顔に厚化粧をし、Tシャツに浮かび上がったベージュのブラジャーを右手で上から抑えていた。女らしい体型が見えてしまうのが恥ずかしいようで、割れていた腹筋が二段腹になってしまった太ましい腰を、必死にTシャツの裾を左手で伸ばして隠そうとしていた。
そして、平山の姿もまた、26歳の若手刑事とは思えない姿に変貌していた。
「んひっ! んひひ……気持ち……よかったなぁ……」
平山が、濁声でうっとりと呟いた。ツーブロックだった平山の髪は角刈りへと変わり、髪質も妙に脂っこい。顔は元の平山の面影が残っているが、目つきは好色そうになり、鼻っ柱が太くなり、全体的に下品でギラついた中年男のようになっていた。肌も浅黒く、脂っぽくなり、シワの増えた額にはサングラスを引っ掛けていた。紺色だったスーツは白いスーツに変わっているが、その下は平山が着ていた白いワイシャツと赤いネクタイのままだった。がに股で胴長短足の、典型的な日本の中年オヤジのような体型になっているが、しかし筋肉の付き具合は20代のマル暴刑事として鍛えた、平山の精強な筋肉が土台になっている。融合車両の乗る前よりも脂肪がついているが、それでも逞しいといって差し支えない範囲だ。全体的には「20代のように筋肉質な肢体を持つ、逞しい中年男性」といった風貌になっている。そのことが嬉しいのか、平山は酔ったようなへろんとした笑みを、オヤジ臭くなった顔に浮かべていた。
「おっ、俺っ……ワシになっちまったんだよな……ぐひひ……!」
融合車両によって、26歳のマル暴刑事である平山賢介と、52歳のヤクザの若頭である片桐辰雄は【同一人物である】ことになってしまった。これまでの記憶も、人格も、アイデンティティの全てが混ざりあい、ひとつになっている。さらに【相思相愛の間柄】になり【融合フェチの変態】になるように、というアナウンスを車内で聞いたことにより、平山と片桐は互いの人格を熱烈に愛し合うようになってしまっていた。平山は、脂肪が乗ったことで厚さを増した胸板を、愛おしい気持ちで両手で揉んだ。
「あぁ……なんでワシがこんな若造と融合を……と最初は思ったが、なかなかウブで可愛らしいじゃないか……ワシがたっぷり、俺にも男の良さを教え込んでやるからな……」
ヤクザであり、男色の経験もある片桐としての独り言に、平山は恥ずかしそうに顔を赤らめた。肛門に出来た片桐の性感帯が、キュンと疼いてしまう。26歳の平山と52歳の片桐の組み合わせでは、記憶の量は片桐の方が多く、そのため精神は片桐の側面が強く出ている。それは平山にとって、人格の主導権を中年ヤクザに奪われ、征服される悔しさと喜びが混じり合う体験であった。そしてアナウンスによって平山には【片桐に対する熱烈な愛情】が芽生えており、この好色な中年ヤクザに体も心も染められるのは、恥ずかしくも嬉しい心持ちであり、決して嫌ではない。平山は厳つさの増した顔で、はにかんだように頷いた。
「はい。よろしくお願いします……片桐さん……んっ、俺はワシなんだから、固いこと言いっこなしで……楽しもうじゃねえか……」
平山は改札へ向かう上りのエスカレーターへ乗り込みながら、20代の若く逞しい大胸筋についた、肥大した中年男の乳首を、コリコリとワイシャツの上から弄った。ビクンと逞しい体が痙攣し、鼻毛の密生した獅子鼻が膨らむ。あまりにも変態的な光景だが、しかし降り立った乗客たちは皆、同じように自分の肉体に夢中な様子であり、平山の姿もその中に埋没していた。さらに【融合車両によるあらゆる異変は、融合車両に乗っていない人間は認識できない】ため、まだ融合していない乗客たちは「車両から降りた乗客たちは、なにかおかしい気がするが、何がおかしいのかわからない」状態であり、堂々と股間を揉んでいるOLや、ワイシャツの乳房を揉んでいるサラリーマンを見ても、単に服のシワを直している程度の動きにしか認識できなかった。その間にも静かに変態たちがエスカレーターを登って改札へと向かっていき、まだ普通の人々は次々に融合車両に乗り込み、発車して融合するまでの「自分」としての最後の時を過ごしていた。
平山が改札を通過すると、後ろから追いかけてくる足音があった。平山は肩を乱暴に掴まれ、妙に甲高い中年男の声が耳に響いた。
「おい平山。勝手にどこ行こうとしてんだ」
岩崎だった。M字に後退していた髪は、茶髪のセミロングへと変化し、口髭を蓄えた強面な顔つきは、妙に女顔になり、ギャル系の派手な化粧までしている。だが、ブラシのように剛毛な太い口髭はそのままだ。ストライプ柄のスーツも白いワイシャツも変化していないが、ネクタイの柄はヒョウ柄になり、その下に黒いブラジャーを着ているのが丸見えであった。ブラジャーの内側はどうみても女の乳房に変化しているし、革靴は白いミュールサンダルになっており、中途半端に女装したスーツ姿の中年男といった出で立ちになっていた。岩崎は甲高くなった濁声で、苛立たしげに口を開いた。
「平山……尾行対象から目を離すんじゃねえって、俺ァ、口を酸っぱくして教えたよな」
「悪ぃ悪ぃ、岩崎。へへへ……すっかりマル暴とは思えねえ別嬪になったじゃねえか」
「おい平山。テメエはいつから俺を呼び捨てにするほど、偉くなりやがったんだ? ったく……二人きりのときは雅彦って、呼ばねえと……んっ❤ 雅彦、怒るんだからねっ❤」
腕組みをする女装中年刑事の厳つい顔に、媚びた笑みが浮かぶ。人格の主導権は年齢が上の岩崎が握っている──22歳の西川玲緒奈と49歳の岩崎雅彦では、確かに岩崎が主導権を握っている。だが、岩崎の人格が表層に出ることで、西川玲緒奈の人格は岩崎の人格の深層、根っこに近い部分に移動し、その価値観を染め上げていた。岩崎は無骨な中年刑事の口調で、しかし価値観は22歳でヤクザの愛人をする性的に奔放な女として、鼻息を荒げながら部下である平山を誘惑し始めた。
「ったく、愛人を放っとくんじゃねえよ。こっちはテメエのことを考えるだけでまんこが濡れまくってんだよ。オラッ! ラブホ行くぞラブホ! 今日はとことん、俺のマンコをハメまくってもらうからな。覚悟しておけよ!」
「おーおー、怖え愛人になったもんだ。いいぜ雅彦。今日はテメエをヒーヒー言わせて、ワシ好みの女に調教してやるよ」
「んだとっ❤ それが先輩刑事に対する……んっ❤ 態度かっ❤」
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