「今年、成人を迎える皆さん! 皆さんは"進化"します」
M市の市長が壇上に立ち、成人式の挨拶をしている。その言葉通りの異変が、新成人たちの身に起きた。
「なっ、なんだっ!?」
有名私立大に通う西村憲一郎は、自分の骨が音を立てて太くなり、筋骨逞しい肉体に変わっていくのを目の当たりにしていた。白かった肌も日サロで焼いたような浅黒い肌になり、髪型もツーブロックになり、口髭も生えていく。新成人であるにも関わらず、みるみる歳をとっていき、40歳の色黒ツーブロック営業マンへと──有名な総合商社の営業部課長であると──事実が改変された。
「ンくっ♡」
野心と男性ホルモンで満ち溢れた、40歳の色黒ツーブロック営業マンへと"進化"した西村憲一郎は、彼の体格に合わせて変化した──より高級なブランドのスーツに変化したスラックスの股間をいきり勃たせ、射精した。座席で白目を剥いて痙攣する間に、彼のゴツい左手の薬指にはいつの間にか結婚指輪が嵌っており、彼自身も知らない間に二児の父親になってしまった。
「どうなってんだよ!? おい! 説明しろ!!」
白い特攻服を着た金髪のヤンキー、柴田雄亮が叫んでいる間に、変化は進行していった。金髪のリーゼントが黒の角刈りに変わり、白い特攻服が赤いジャージと白いランニングシャツに変わる。みるみる歳をとって髭の剃り跡が濃く青くなり、40歳の中年体育教師へと"進化"してしまった。
「おうっ♡」
元ヤンキーの中年体育教師へと急速に進化した柴田雄亮は、厳ついオヤジ顔をとろけさせて射精し、ぐったりと座席に体を預けた。さっきまで付けていた香水と、中年オヤジの加齢臭が混じり合って、ムワッとした匂いが辺りに漂っていた。
「はひっ♡」
「んあっ♡」
新成人たちが、次々に"進化"していく。それぞれの可能性を、雄臭く濃縮され、野太い叫びを上げながら……
(終)
「いったい、このコインロッカーは何なんだ?」
刑事の五十嵐は、コインロッカーの前で腕を組んだ。捜査対象の田所という男が、かなりの頻度でここに通っていたのだ。駅の裏通りにあるコインロッカーだが、やけに物々しい防犯設備が施されている。
(指紋認証……虹彩認証まであるのか!?)
五十嵐が空きのロッカーの扉を開けようとした、その時だった。ロッカーの操作パネルが点灯し、機械音声が流れた。
──会員外の不正なアクセスを検知。対象の性器を没収し、ペナルティを実行。
「んひっ!?」
五十嵐が素っ頓狂な声を漏らした。突然、股間からチンポの感覚が消えたかと思うと──全く別なモノが付けられた感覚があったのだ。
「なっ♡ なんだぁっ♡」
鼻息荒くベルトを緩め、スラックスと下着をずり下ろす五十嵐。そこには、五十嵐のデカマラではなく、ヒクヒクと痙攣する短小包茎のチンポと、常人の30倍の速度で精液を作り続ける改造済みの金玉が、ぶら下がっていた。
「はひっ♡ やっ♡ ああっ♡」
「愉しんで頂けてるようですね、刑事さん」
田所が、物陰から姿を現した。五十嵐は田所を睨み付けたつもりだったが、その鋭い目つきは喜悦にとろけ、発情した犬のように舌を出していた。田所が言葉を続けた。
「ここのシステムにアクセスして、あなたがロッカー荒らしだと認識させたんです」
「こ、これっ♡ 戻してくれっ♡ おかしくなるっ♡」
五十嵐は田所の言葉を、半分も理解できていなかった。頭の中がチンポと射精のことでいっぱいだ。
「いいですよ。あなたが僕に従順な、チンポ好きの変態刑事に仕上がったら、元に戻してあげます」
「ひゃだっ♡ んあぁぁぁ♡♡」
田所が五十嵐にキスをした。口腔内に男の舌が入ってくる気色悪さよりも、その粘膜接触の刺激だけで、五十嵐は射精した。
(終)
常識改変アプリによる新たな常識は、練習を終えた高校球児たちの脳を、ねっとりと包み込んだ。
「ふひっ」
「あぁ……」
部活後の着替え中の高校球児たちが、一斉に気持ちよさそうな声を漏らした。「男は同性の汗や体臭に性的に興奮する」「それは男の本能であり、恥ずかしいことではない」「男同士で相互に体臭を嗅ぎ合うのは、絆を深めるのに大変有効である」「汗臭い男ほど魅力的である」……高校球児たちの脳に、変態的な常識が次々に刷り込まれていく。
二年生の山崎雄市も、精悍な顔に下品な笑みを浮かべながら、部室の汗臭さに陶然となっていた。アンダーシャツ姿のチームメイトたちに、粘っこい視線を送る。
(あー、この男臭い匂い、たまんねぇ~ッ!)
山崎の視線が、近くにいた三年生の伍島浩二に釘付けになった。筋肉でピチピチになった伍島のアンダーシャツには、背中にも脇にもぐっしょりと汗染みがある。山崎も自分の汗臭い身体を擦りつけるようにして、背後から伍島に抱きついた。
「うっす。伍島先輩。お疲れさまっす」
「んあっ! や、山崎か。お疲れ……」
伍島は、背後から汗臭い後輩に抱きつかれた興奮で、芋臭い顔をデレッと緩めながら返事をした。山崎はスンスンと無遠慮に鼻を鳴らしながら、伍島の汗臭いアンダーシャツに顔を埋めた。
「それにしても伍島先輩、すっげー汗臭いっすね……マジで格好いいっす!」
「そ、そうか? そんな褒めんなよ」
「このまま嗅ぎ合っていいっすか?」
「おう。いいぜ」
山崎と伍島は、汗でぐっしょりと張り付いたピチピチのアンダーシャツ姿で抱き合い、互いの太い首筋に顔を埋め、猛烈な勢いで鼻を鳴らして匂いを嗅ぎ始めた。
「あっあっ、やべっ!」
「いっ、イグッ!!」
二人の高校球児が互いの汗臭さだけでオルガスムスに達するのに、そう長い時間は掛からなかった。
(終)
「うお~! 風呂、結構広いじゃん」
「露天風呂もあるぞ! うひょー!」
「おい、そこはしゃぐな! ちゃんと身体洗ってから入れ~!」
県立T高校柔道部の合宿は、柔道場のある運動公園に近い、安めの旅館が宿泊先として選ばれた。
(あ~……気持ちいい……)
体を洗い終えた一年生の田村浩平が、大浴場に浸かってため息を吐いた──その時だった。
(ん? なんだこれ……!?)
田村は目を疑った。下から自分のチンポが浮かび上がってきたのだ。根元に金玉もついている。
(何だよっ……つーか、身体が動かねえっ!)
笑顔のまま表情が固まり、手足も動かない。目玉だけ動かすと、他の部員や監督、そして一般客も皆、温泉の気持ちよさに笑みを浮かべたまま、固まっていた。
次々にチンポが浮かび上がってくる。やがてそれらは、お湯の上を移動してきた。田村の前には、三年生で柔道部主将の飯塚の、太短いが立派なチンポがやってきた。
(これっ、飯塚主将の……んあっ♡)
飯塚主将のチンポが湯に沈んだかと思うと、田村の股ぐらに張り付いてきた。その奇妙な感覚に、思わず声を漏らしそうになる。やがて……
「んひっ♡」
「はうん♡」
「はーっ♡」
田村だけでなく、他の柔道部員たちが、そして、一般客たちも一斉に──情けない声を上げた。だが、異常を認識しているのは、田村だけのようだった。
「……おう、お前ら。湯あたりする前に出ろよ。俺はサウナ行ってくるわ」
監督の柏原は、40代後半の屈強な肉体にも関わらず、一般客の男子小学生のチンポが陰毛の中に生えていた。
「田村、どうしたんだ? さっきからキョロキョロして」
「あ、主将……その、何か変な感じ……しませんか?」
「いや? 別になんともないぞ」
飯塚主将の股ぐらには田村の包茎チンポが生えていたが、主将は平然としていた。
(終)
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お題を元に800字で小説を書いていくチャレンジ。今回は、
①「成人式」+「進化」
②「ハイテクコインロッカー(チンポ用)」+「ハッカーと刑事」
③「高校球児」+「ピチピチのアンダー」
④「自分だけ自覚有りの集団性器交換」+「高校の部活合宿」
の4本でした。
今回の成人式の話を書くために調べたのですが、日本の成人年齢は20歳から18歳に変更になったものの、成人式に20歳の人が出席するのか、18歳の人が出席するのかは、自治体ごとに違うそうですね。いまでもほとんどの自治体の成人式は、20歳の人が出席する式典のままなのだとか(18歳だと進学や就活で忙しいため)。言われてみれば確かにそうですね……。
800字小説のお題のリクエストは、基本的には「2つの単語」までOKです。具体的には「憑依」+「体育教師」などですね。ただ、入れ替わりや立場交換の場合は、単語2つだけだとリクエストの幅が狭くなってしまうので、交換したい組み合わせまで書いて大丈夫ですよ。例:「入れ替わり」+「水泳部と野球部」
簡易的なリクエストとして、思いついたものがあればコメントしてみてください。リクエストしたいお題は、今まで通り800字小説のコメント欄にどうぞ。
それと、どんなリクエストしたのか他の人に知られたくないときは、どうしたらいいですか?という問い合わせも頂きました。その場合は、TwitterのDMやpixivのメッセージでリクエストを下さい。それ以外の通常のリクエストは、今まで通り800字小説のコメント欄にコメントを下さい。
※リクエストする際のお題を「2つの単語」に絞っているのは、複雑な内容を文章でリクエストされても、800字という文字数では対応できないためです。ご了承下さい。
くろねこ@9605
2024-02-09 12:37:29 +0000 UTCPrinceBeggar
2024-02-07 17:09:51 +0000 UTCくろねこ@9605
2024-02-04 12:12:02 +0000 UTCくろねこ@9605
2024-02-04 12:09:29 +0000 UTCくろねこ@9605
2024-02-04 11:55:25 +0000 UTCタカムラ
2024-02-04 08:04:01 +0000 UTC黒竜Leo
2024-02-01 14:27:36 +0000 UTC羊谷 日辻(ひつじたにひつじ)
2024-01-31 18:04:18 +0000 UTC