※この小説は、FANBOX運営の要請により、一部の表現を削除・変更しています。
2024年6月30日 くろねこ
「さあ、次の商品はこちら! 現役ラグビー選手、全身フルセットです!」
(信じられない。なんてオークションなんだ……!)
僕と澤田先輩は、異常な人身売買オークションに潜入していた。本当に「体を交換して」しまうのだ。全身だけでなく腕や足だけの交換もできるらしい。目の前でラグビー選手が太った金持ちと体を入れ替えられ、悔し涙を流していた。
「それじゃ、元ラガーマンへの命令をどうぞ!」
「そんじゃ、ワシのふりをして暮らせ。ただし、ワシには絶対服従じゃからな!」
「ウッス! いや……わかった」
しかも体を奪った人間に服従してしまう。いったいどんな仕組みで──
「次の商品はこちら! 潜入任務に失敗した、間抜けな警察官のお二人でーす!」
「え!?」
「なにっ!?」
僕と先輩にスポットライトが当たった。「商品のお二人は壇上へどうぞ〜!」という声とともに、勝手に体が動いてしまう。クソっ!
(野村、何とか隙を見て逃げるぞ)
澤田先輩が囁く。僕も微かに頷いた。
※
「はーい! 落札者のお二人はどうぞ!」
「おう」
「うへへ」
壇上に上がってきたのは、40代の強面の男と、20代くらいの金髪のチンピラだった。40代の方が僕の前に立ち、20代のチンピラが澤田先輩の前に立った。
「二人とも【全身交換】だ」
頭がくらっとした後、目の前には──僕がいた。僕と先輩が、ニヤニヤしながら自分の体を触っている。僕が、僕に対して命令した。
「おう。テメエらは俺らに絶対服従な。俺らとして暮らしとけよ」
「わかり……おう、わかったぜ」
僕の喉から野太い声が響いた。隣にいるチンピラを──澤田先輩の肩を抱き寄せる。
「へへ……これからも仲良くしようぜ、先輩……じゃねえや。高橋」
「うっす。木下さん」
澤田先輩はチンピラの顔で笑うと、僕に勃起した股間を擦りつけた。
(終)
「いやあ、助かったよ芳村くん。私はコレで以前腰をやってしまってね」
「いえ、お安い御用ですよ」
俺は加藤課長に頼まれて、会社の資料室のダンボールを上げ下げして、資料探しを手伝っていた。一段落ついた所で、棚の奥に小さな鏡が置いてあるのに気づいた。
「課長。こんなところに鏡が……」
「ん? どれ──」
俺は課長と二人で鏡を覗き込んだ──はずなのだが、そこに映っていたのは、どこかで見たような一人の男だった。
「んい゜?」
俺の喉から、妙な声が漏れた。鏡に映った男は加藤課長に似ている──髪の生え際はM字にハゲていて、浅黒く日焼けした肌は脂ぎっている。髭の剃り跡も青々しく、鼻からは処理し忘れた鼻毛が出ていて、いかにもオヤジっぽい顔つき。
けど、新入社員の芳村くんにも似ていないか?──元ラガーマンの精悍な眼差し、きちんと整えられた意思の強そうな眉。俺は自分の体を確かめた。加藤課長のようなビール腹ではないが、芳村くんほど引き締まっているわけでもない。背丈は芳村くんのように180cmはあるが、元体育会系が運動不足で固太った体型をしていた。ツンと濃い加齢臭。ワイシャツと肌着の内側をおそるおそる確かめると、加藤課長のように毛むくじゃらで、しかも胸毛まで生えて──
「芳村課長! いらっしゃいますかー? 武田商事の方がおみえですよ!」
「あ! あぁ! いま行く!」
資料室のドアがノックされ、営業課の吉田が私を呼びに来た。私は棚の影でシャツをスラックスに入れつつ、中年男のような濁声で返事をした。妙だな。私は新卒でこの会社に入ったから22歳のはずだし……いや、そもそもなんで新卒の私が課長に?
私は首を傾げながら、スラックスの中で興奮しつつある2本のチンポと、4個の金玉の位置を直した。後でトイレで抜いておこう。今日はデカマラの方と、太短い方と、どちらで抜こうか──
(終)
「だから! 何かあってからじゃ遅いって言ってるじゃないですか!」
「何もないんだから、いいじゃないですか」
秋山雄吾は交番の警察官に詰め寄った。大学で交際している彼女が、ストーカー被害にあっているというのだ。しかし対応した20代の警察官、寺田慎平は軽薄な様子で、へらへらと秋山の訴えを受け流している。それどころか、男好きでハッテン場にも出入りしている寺田は、秋山の逞しい体躯にじろじろと不躾な視線を送っていた。
「あのね……ケンカしちゃ、ダメなんだよ」
「ん?」
いつの間にか二人の近くに、小学生くらいの男の子がいた。男の子は、秋山と寺田に対して、おもちゃのステッキのようなものを振り下ろした。
「こうかんこ、しようね」
「んひ?」
「あ?」
二人の表情が、不自然に歪んだ。すると、あれだけ興奮していた秋山が、ニヤニヤと下品な笑みを浮かべながら、自身の分厚い胸板を揉み始めた。
「んあっ! 現役ラガーマンの胸板エロっ! そんじゃ、俺は帰ってこの体でシコりまくるんで、さっきの話はなしってことで!」
「おい待て! 俺の体でそんなこと許さんぞ!」
「いやあ、もう俺の体なんで! そんじゃ、お巡りさんもその体、楽しんで下さいね」
「よかったね、お巡りさんになれて」
「う、うむ……よかった……のか?」
男の子が振ったのは魔法の杖だった。効果は【互いの体が入れ替わる】【入れ替わりを速やかに受け入れる】の2つだ。
体を入れ替えられた二人は、互いの体で人生を送ることになる。秋山は熱血ラガーマンから熱血警察官へ。寺田は男遊びの激しい警察官から、男遊びの激しいラガーマンへ。
秋山は全く違う肉体と人生を送ることになったことに戸惑いながらも、寺田の記憶にある男同士のセックスを思い出して赤面し、チンポが固くなり始めていた。
(終)
ぼくの名前は神宮寺正義! ヒーロー『ジャスティスホワイト』に変身して、悪の組織『ネオ・デザイア』と戦っているんだ。
(まさか、ぼくの学校の中に『願い星』の反応があるなんて……!)
『願い星』はみんなの願いの結晶体。でもネオ・デザイアのせいで、砕けて飛び散っちゃったんだ。廊下は逃げてくる人たちで騒ぎになってる。反応は6年2組! ぼくの教室だ!
「フハハハ! すげえ! すげえぜこれ!」
教室の中では『願い星』を手にした、同級生の岩重剛典くんがいた。光と風が吹く中に、なにか飛んでる……あれは、ブリーフ?
「やめろっ……んあぁ!」
ブリーフが同じクラスの田所くんの股間に張り付いて、形を変えて股間を覆っていった。途端に、田所くんの顔と体が、ガッチリとした姿に──岩重くんそっくりになっていった。髪も角刈りになっていく。他の男子や女子も、岩重くんそっくりになって泣いたり、驚いたりしていた。
(くっ……思った以上に強力だ! 変身ッ──!)
「んあっ!?」
ぼくは、上擦った声を出した。うああっ! ぼくの股間にも、ブリーフがはり付いてる! ンッ……ダメッ……ぼく、ヒーローなのにっ……!
※
結局、ぼくはおれになっちまった。『願い星』は6年2組の全員と、他のクラスも巻き込んで『岩重剛典』にしたあげく「最初からそうだった」ことにしちまった。
「おーし。昨日の算数のテストを返すぞー」
担任の須藤先生も『岩重剛典』になっちまった。体は大人のまま『岩重剛典』を30歳ぐらいにした感じになったせいで、元は爽やかだったのに、ゴツいおっさんになってる。おれら全員、『岩重剛典』のオナニー癖もあるから、先生もジャージの股間に濃い染みができていた。
(ンッ……やべっ……興奮しちまうッ……!)
おれはブリーフの中に手を突っ込んで、元の自分より太短いチンポでオナり始めた。
(終)
──────────
お題を元に800字で小説を書いていくチャレンジ。今回は、
①「肉体パーツの所有権」+「任務失敗のスパイコンビ」
②「二人の男の融合の話」
③「入れ替わり」+「警察とラガーマン」
④「悪◯◯大将と変身前の少年ヒーロー」+「同化◯脳ブリーフ」
の4本でした。
補足しておくと、この中で②だけが2つの単語のお題ではないのは、外国の方から「I would love to see a story of two men merging」(訳:二人の男の融合の話が読みたい)とのコメントだったためです。
800字小説のお題のリクエストは、基本的には「2つの単語」までOKです。具体的には「常識改変」+「プール」などですね。ただ、入れ替わりや立場交換の場合は、単語2つだけだとリクエストの幅が狭くなってしまうので、交換したい組み合わせまで書いて大丈夫ですよ。例:「立場交換」+「新入社員と部長」
簡易的なリクエストとして、思いついたものがあればコメントしてみてください。リクエストしたいお題は、今まで通り800字小説のコメント欄にどうぞ。
それと、どんなリクエストしたのか他の人に知られたくないときは、どうしたらいいですか?という問い合わせも頂きました。その場合は、TwitterのDMやpixivのメッセージでリクエストを下さい。それ以外の通常のリクエストは、今まで通り800字小説のコメント欄にコメントを下さい。
※リクエストする際のお題を「2つの単語」に絞っているのは、複雑な内容を文章でリクエストされても、800字という文字数では対応できないためです。ご了承下さい。
くろねこ@9605
2023-09-22 06:32:39 +0000 UTC浅葱
2023-09-22 01:47:43 +0000 UTCくろねこ@9605
2023-08-29 11:57:38 +0000 UTCくろねこ@9605
2023-08-29 11:56:35 +0000 UTCくろねこ@9605
2023-08-29 11:53:01 +0000 UTC黒竜Leo
2023-08-28 16:25:42 +0000 UTC羊谷 日辻(ひつじたにひつじ)
2023-08-28 13:49:42 +0000 UTCのすけ
2023-08-28 13:37:59 +0000 UTC